幕末攘夷着火材水戸学,水戸学と幕末攘夷訳考察No.11,光圀思想と水戸学と幕末影響

カテゴリ：徳川歴代と枝葉

光圀思想と水戸学と幕末影響,水戸藩徳川御三家中微妙な水戸の地位,水戸学幕末攘夷着火材に化けた訳No.10,幕末戊辰

水戸学が幕末、攘夷思想に着火材料に化けた訳考察（補足資料）＿No.11

光圀思想＝「アンチ徳川」と「水戸学」

【各頁】の資料＆項目目次（No.1～No.11）＆幕末水戸絡み事象＆事件の別特集リンク

・・・・ 宿敵は「5代将軍綱吉」アンチ幕府
No.10 ： 光圀思想＝「アンチ徳川」と「水戸学」その2
【項9B_b】事象『H』解説＿「藤井紋太夫」斬殺事件
【項9B_Z】光圀が若い頃、荒れていたと言われる理由について考察

No.11 ：＿ 現在頁
【前頁項9B_Zの続き】
【項9B_c】事象『 D 』解説＿「殉死禁止令」発布と、その心境を裏づけ事象

以下の関連特集リンクは、上の【各頁リンク】からどうぞ
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◆井伊直弼と安政の大獄、◆橋本左内のお公家さん講習会と水戸の「徳川斉昭」＆慶喜
◆安政の大獄一連事象資料表、◆■水戸陰謀「戊午の密勅」、■幕府の盛り返し「廃帝」画策他関連事象

【項目9B_b】：事象『H』解説＿「藤井紋太夫」斬殺事件

【項9B_Zの続き】光圀が若い頃、荒れていたと言われる理由について考察

それにしても、なぜゆえ、光圀がそこまで荒れていたか・・・を考察してみた。

前述のとおり（関連： No.7：水戸藩にやっと朝日が昇る頃）、御三家の内、水戸藩だけは、
なぜか差別待遇の不満を抱えスタートしているわけですが、寛永13年（1636年）に、確実に、
水戸藩は朝日を見たのです。隠し子だった光圀は、堂々城に入れる身分になって、それどころか、
光圀の「光」という字は、将軍家光に直々に貰った。
父は、それまで、分家扱いの「松平姓」だったにもかかわらず、この時以来、堂々「徳川姓」を、
名乗らせてもらえる身分に昇格。

ここまで取り立ててもらって、どこに不満があるのだ！なぜグレる理由があるのだ！
とふと思うが、これは、「将軍の入れ替わり」と、影で支えた養祖母「英勝院」の死に由来。

水戸一族を将軍に引きあせて実質、地位を上昇させてくれた養祖母「英勝院」が死亡した時、
光圀は14歳。父の頼房は在職だが、彼は今ひとつ、自分ひとりだけでは振るわない。
ここに、多感な少年期に、光圀は屈折を生んだのだろう。

折角、心入れ替え、頑張ったが、人の運命なんて、情けない。
大きな人物が沈んだら、自分まで足場がぐらつく。その瞬間まで、自分のちっぱけさが、
案外解らないものらしい。痛感する時とは、手遅れ。

光圀33歳、「英勝院」のみならずや、ついに「将軍家光」まで、沈んで消えた！！

1661年、光圀33歳、やっと藩主の座はいいが、この時、既に「家光」は居ない。冥土の人。
ひとたび登ったはずの朝日の光も冥土入り。家綱時代もいまいち。それどころか、
終いには宿敵「犬将軍綱吉」の登場で極み付け。

綱吉は、そもそも継承トラブルの時、光圀ご本人が推薦して将軍にさせてやった立場ともいえる。
それが、このザマ！煩く干渉する。当然綱吉は光圀が煩い。悪化。

水戸は、石高が、他御三家に比較して低いのが不満だった。特に光圀は、大日本史の編纂に、
全部25万石中、なんと8万石分、湯水のごとく使い込む。また、従来水戸は江戸常勤。他世代の藩主
時代は年に2回位しか帰藩しない。ところが、水戸地元の改善を心する光圀は、膨大な経費を使う。
「石が足りない！少なすぎる！」 何度も嘆願するが、
その実、幕府は生返事で相手にされてない。光圀時代に、3万石の加増があって、
やっとこすっとこ28万石。倅の代で35万石。
対して、尾張は61万石。紀伊は55万石。こうなると、水戸流ストレスは延々続く。

光圀本人（1628～1701）
◆3代目：家光：1604～1651（死亡48歳：在職1623～1651）
- 1642年：光圀14歳時、養母勝（＝英勝院）が死：この時光圀年齢【14歳】
- 1651年：将軍家光死亡：この時の光圀年齢【23歳】
◆4代目：家綱：1641～1680（死亡40歳：在職1651～1680）
- 1661年：光圀藩主となる（＝父頼房死の為）：この時の光圀年齢【33歳】
- 1680年：将軍家綱死亡：光圀年齢【52歳】
◆5代目：綱吉：1646～1709（死亡64歳：在職1680～1709）
- 1680：綱吉が将軍に。【52歳】：宿敵との対決開始。
- 1690：光圀は隠居に。【62歳】
- 1701年：光圀本人死亡：綱吉より先に自分が冥土【73歳】

【項目9B_c】：事象『 D 』解説＿「殉死禁止令」発布と、その心境を裏づけ事象

◆光圀には、優しさ、思いやりも、あるのです！

光圀行動を反射板「水戸流ストレス」離脱行程おまとめ表
をご参照の上、以下ご覧下さい。

＜★「殉死禁止」を藩士に呼びかけた姿について＞

「殉死禁止令」については、 14代将家綱（1641～1680）が有名ながら、光圀の姿にも散見。
幾つか種類があって、どのタイミングの発言が一番最初か解らないが、発言は確かに、あったようだ。

「皆の者、二度と、殉死をしてくれるな。誰一人死んではならないぞ！
皆の者、くれぐれも間違ってくれるな。これは命令じゃ！」

或いは、父の臨終間際に、家来に呼びかけ、

「殉死はならんぞ。それより、看病してやってくれ。死んだら看病できないだろう。
殉ずる気持があるなら、だからこそ、死んだらだめだ。」など。

この原因を、ゴソゴソ調べてみました。

実は、調べてみると、偶然かもしれないが、

▼
母の久子の死亡日は、夫の「百ヶ日法要日」に近い！！まさか殉死か？
◆父の死：寛文元年7/29（1661）、◆母の死：寛文元年11/14（1661）
残念ながら、本人はその動機を書いていない。しかし、こちらのグラフ（ No.6 ）で視覚的に
確認してみて下さい。確かに、もののみごとに、光圀の両親は同じ年に死亡。

久子は、子を身篭るも、産んではならぬ立場だった。表向き、堕胎を装い、隠れ庇って
産ませてくれた優しい夫の死。彼女にとって、どれほど辛かったことだろう。

途中から情勢が変わって、夢のような大変化。
二番目の倅「光圀」は藩主に。されば、 「最愛の夫がくれた夢のお礼」 に思いつめたかもしれない。

これは完全に謎にて、答えは不明ですが・・・、
日頃、鬼のような側面を持った光圀が、必死で家来に 「殉死禁止」 を言い含める。
・・・ふと思う。
本来なれば、堕胎されて、世に生まれ出でたはずのない自分を必死で産み育ててくれた
両親が、一気に天上の彼方へ。ここに、光圀が、 「殉死禁止」 を言い含める行動に出た訳は、
きっと、これではなかろうか。

「光圀」の家族愛は実に深い。ここにも「兄への罪滅ぼし。兄弟愛」
父母を失って、またひとつ成長した。藩士達に 「殉死禁止令」を発布。

「皆の者、二度と、殉死をしてくれるな。
私の時には、断じて誰一人として、死んではならんぞ！」
・・・一滴の涙が、頬を伝って落ちた。

水戸藩流ご不満！は、延々各世代に遺伝！尾を引く。
この後は、▼こちらから各種水戸考察資料（No.13以降から色々）
▼
【水戸資料目次】:水戸藩流ストレス：水戸学と幕末、攘夷思想爆裂の訳考察特集目次

この藩は、前述各頁記述のとおり、「幕府親睦派」と、「アンチ幕府派」の二派が、
このように初期段階から、ずっと・・・延々くすぶって対立しています。そして幕末に大爆発！
藩内で、血で血を洗う結末に。仕返しのそのまた仕返し。怨恨だから、だんだん残酷に。

▼どっちに転んでも、徳川の世は夢物語、万事消えた！！怖い明治の幕開け。
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