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カテゴリ：徳川歴代と枝葉

秀忠に係る女性話その1,据え膳食わず事件と、母以上の母とは「乳母也！」の巻,徳川秀忠考察No.14,人物像と事象

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2代将軍_徳川秀忠考察＿No.14

「徳川秀忠」人物像
自動修復装置付、サイボーグマシン、情に流されない・・・に至る迄推移

1代目家康（1543～1616）、2代目秀忠本人（1579～1632）

秀忠に係る「女性」についての話＿その1
：「据え膳食わずの訳」と、母以上の母とは「乳母也！」の巻

初めから読む：No.1 前頁から読む：No.13 ： 【現在頁の関連各頁＆資料頁について】

前頁に於ける「秀忠のミステイク」というお堅い話から、コロッ！と話題は下へ流れますが・・。

秀忠に係る「女性」についての話

・・「据え膳食わずの訳」と、母以上の母とは「乳母也！」の巻
まずは、「据え膳食わず事件」とは？ （関連：■ 【No.9】：妻妾について、

秀忠が正妻の「江」を娶るは、1595年。秀忠は1579年生まれにつき、16歳。女房は6歳年上で、
秀忠は初婚（※）だが、女房は結婚3回目。おまけに恐妻。それでも、初めは、夢中のお年頃につき、
なんとかなっている。

初婚（※）について： 詳しくは、真上リンクのNo.9で解ります。
お子様時代に親達の政略で、初回妻を形式娶る経緯があるが、お子様時代につき、実質無意味につき除外。

2代目将軍就任は、1605年。但し、家康が大御所であり、秀忠は、お飾り。
偉大なるオヤジ、されど、おっそろしい血が流れる恐怖のオヤジ。秀忠は、良い子。
実際は、己流ポリシーあるが、危険は回避。人に「さようにせい様、雛人形のジュニア」と、
呼ばれようが、惚けて、その姿。良い子。

さて、 「据え膳食わず事件」 は、妻を娶った1595年の後なのは、明確ながら、期日は判然と
しませんが、こんなことがありました。

秀忠は、家康に呼ばれ、2ヶ月程、駿府に滞在。滞在期間が長いから、オヤジの家康が配慮。

「あの子は、まだ若い。こんなに長期、一人寝では、可愛そうじゃ。
それ、その者、されば、早期に手を打ってやれよ。解ったな！」

「はい、かしこまりました。妾（わらわ）に、お任せくださりませ。絶世の美女がおります。」

そう、答えたのは、家康の妾のうち、お須和の方（阿茶局）でありました。彼女は、秀忠の
養母でもあった。秀忠の実母「お愛の方（西郷局）」は若死の為、家康が、このお須和の方を、
養母に任命している。

【秀忠series：No.8】：徳川秀忠「親族親兄弟考察一覧表」

お須和の方は、己の侍女の内、最も美しい娘「お花」を呼び寄せ、きっちり言い含め、
夜更けに、秀忠の部屋へ行かせる。菓子と茶を持たせ、表向き体裁は、「茶菓」の為。

これは、おそらく、突然出撃ではなくて、お須和の方が、事前に秀忠に対して、伝えて
あったのだろう。想像の領域ながら、多分、こんなかんじ。
▼
「秀忠様、これは、大御所様直々の暖かいお言葉でござりますよ。ご遠慮は要りませぬ。
お若いのですから。それでいいのですよ。
・・・秀忠殿、どうか、私を実の母と思って、もっと私に甘えてくださりませ。」

秀忠は、れいによって、良い子。いやな予感の余計なお世話ながら、礼儀正しく、模範の対応。

「これは、これは、母上、何分、恐縮でござりまする。母上の暖かいお心、感謝致しまする。」

さてさて、夜更けに、絶世の美女が、部屋でくつろぐ秀忠の前、大登場！

そろり、そろり、しとやかに美女は、駿河一番の銘菓を抱え、襖の前に。

「若様、お菓子をお持ち致しました。」
・・・シナリオどおり。お花は緊張のあまり、台詞を棒読み。

すると、秀忠は、自ら立ち上がり、襖を開いてあげる。恰も西洋の貴公子の振る舞い。
レディーファーストの姿勢のごとく、秀忠は、彼女にヨイショポーズで、最大の敬意を示し、
部屋に招き入れる。
びっくり！腰が抜けかけて、ますます、コチンカチンに固まる侍女の「お花」さん。

予想の転回と、大幅に異なる！彼女は、しどろもどろ。
それでも、怖い「お須和の方」の顔が脳裏に浮かぶ。義務を全うせねば、叱られる！
震える手で、頑張って、お茶を入れ、お菓子をすすめる。

教わったによれば、この後の転回は、こうでなくてはならなかった。
▼
「その者、苦しゅうない。それ、近こう寄るがよいぞ！
・・・ウッシッシ！」・・・ゴロニャン。（全然関係ないですが、こちら「猫ちゃん玄関」）

そして、「お須和の方」が、他に楽屋裏掛で手配した「別動隊」の侍女軍団が、音もなく静々と、
奥の間の襖を開く。すると、どうでしょう！あら不思議。ちゃんと、お布団が敷いてある！
・・・のはずだった。

ところが、ギッチョン！
こんな夜更け、部屋着で、デレンと寛ぐ姿を呈するはずの秀忠は、特上の羽織袴を
シャキッ！と着ている。恰も、殿中の一大儀式に出席するみたいな大袈裟な恰好をしている。

「お花様、それは、それは、有り難いお心。この秀忠、心より感謝致します。
美味しい菓子を、お届け下さいまして、嬉しく存じます。さあ、どうぞ。」

秀忠は、従者のごとく、自らチョロチョロ動きまくって、お花に、座布団をすすめる。

こうなると、お花は、アドリブが利かない。秀忠ピッチに押されまくり。

夜更けというのに、お花は、顔中、真っ白けにおしろい塗りたくられている。
髪も、きっちり、溶きつけられて、素晴らしい。侍女だというのに、これまた新品の
美しい衣装まで、着せられている。

お花は、震える。怖い、「お須和の方」の姿が目に浮かぶ。
おっそろしい厳命も耳裏に残る。失敗は許されない！