徳川秀忠考察No.17,「乳母_おうば殿」の尽力,将軍女性問題＆秀忠にとって乳母の存在_その1,人物像と事象,

カテゴリ：徳川歴代と枝葉

将軍女性問題＆秀忠にとって乳母の存在_その1,「乳母_おうば殿」の尽力,徳川秀忠考察No.17,人物像と事象

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2代将軍_徳川秀忠考察＿No.17

「徳川秀忠」人物像
自動修復装置付、サイボーグマシン、情に流されない・・・に至る迄推移

1代目家康（1543～1616）、2代目秀忠本人（1579～1632）

秀忠にとっての乳母「おうば殿」とその周囲＿その1

初めから読む：No.1 前頁から読む：No.16

秀忠には、側室は居ない。女性問題も実に少ない。しかしながら、お手付き発生！！
だが、その傾向に特色有り。お手付き女性の共通点は、乳母の「おうば殿
（大姥局）」の側に居た侍女なのです。彼は、なぜ？ここで、お手付きを
やらかしているか・・？なんとなく、解る気がしますね。

開放感と安心感が、思わず、テンテンテンという俗な想像もさながら、
実際は、アフタフォローでありましょう。 最も信頼できる存在の人、「おうば殿」に
後始末を頼めるからこそ、彼は、ここで、お手付きを・・・。

家康のやり方を見ながら、秀忠は育つ。あっちの腹、こっちの腹、胤をばらまく。
それが故、側室同士いがみ合い。乳児、幼児のなんだか怪しい死亡事件も。
だが、それだけじゃない。秀忠の人生は、兄弟が順次死んでゆく。後半は、己も加担している。
子といえど、不満分子に化ける事の恐ろしさ。そこには、自ら、間引きをせねばならぬ。
あまりにも、血腥い！！

お家の為、徳川の為。政権の安定の為。その為なれば、残酷なれど、不満分子、外様、
切支丹、そして残念ながら忠義の臣とて、時に及んでは例外でない。
・・それらは、心鬼にして抹殺せねばならぬ！！それが、将軍の義務。

されど、他人は、まだしも、我が子や、血を分けた兄弟始末は・・・できれば避けたい。

酒飲みのオヤジが身上潰せば、その倅は、酒を恰も毒を見るように恐れ、生涯、口にしない。
同様ではあるまいか？胤撒きおやじの倅は、 「産まれ腹の統一化」 を可能な限り、徹したいと、
思ったとしても、あんまり無理はない。
この場合、ウカッ！とできてしまった者に関しては、アフタフォローが必須。

徳川家康の「全妻妾＆子一覧と絡み」：お家存続の為なれば、倅の間引き
（倅達の死亡は、きな臭いか否か？全員の相関と、経緯
- 家康の倅一覧（落胤込み）リンク表
- 家康の正妻2人＋15人の側室、及び、その生んだ倅総括一覧

秀忠にとって、心の故郷は、乳母の「おうば殿」でありました。
そんな秀忠の心を解ってくれる人、それも「おうば殿」。アフタフォローも、彼女に甘える。

これは自然の流れ。実母は若死。家康が勝手に養母として、自分の側室軍団から選抜した
「お須和の方」を指名しているが、それは家康の自己満足であって、本人にとっては、
母君と仰ぐも、義務の内。

秀忠は、時折、ちょろちょろと、この「おうば殿」に会いに行っている。気分は、心の里帰り。

さて、この「おうば殿」という人物ですが、生年は不明。（？～慶長18/1/16（1613））。
岡崎与惣兵衛貞綱の妹。家康は、今川家の人質時代から、この女性と、なぜか旧知。
秀忠が生まれた際、家康が乳母として呼び寄せた。特徴は、男勝りの大層な力持ち。

「子を育てる女は、こうじゃなければならぬ！」 家康流の選択。

因みに家康の女性観は特異でして、太めがお好き。もしも、今日の人気女優さんを一杯、並べて、
家康が見ても、全部失格でしょうね。子を産む体、優先視。それに叶えば、美の採点も、
高得点。家康は、歴代ご子孫の中、神格派されてますから、面白いことに、この女性感は、
時折、受け継がれております。例えば、尾張初代の徳川義直（家康の9男）は、力持ちの女性に、
一目惚れ。鷹狩の帰り道、農家の前。村娘が、己の老父を盥に入れて行水させてやっていた。
ところが、突然大雨。なんと、その娘は、盥ごと父を、どっこらせ！と抱えて家に入っていった。
この光景を見た義直は心臓がバクバク！一目惚れ！いてもたってもいられず、そのまま城へ、
彼女を持ち帰ってしまった！！

というわけで、前置き長くなりましたが、秀忠も、同じように、力持ちの女性、乳母の
「おうば殿」が大好き。乳母に会うと、その時ばかりは、緊張がほぐれる。
彼女は、1613年に死亡していますから、秀忠35歳の時には天昇。
それまでの間、秀忠は、ちょろちょろ、彼女のお部屋に遊びに行ってます。

秀忠の女性観について、おそらく一番知っているのは、この「おうば殿」でしょうね。
なぜ、側室をもたず、なかなか子を認知しなかったかについて、キーはこの女性が握って
いたはず。残念ながら、彼女は、表舞台にズカズカ、大きな顔して乗り出したりしないタイプ。
その為、彼女自身が書いた文章もなければ、彼女に係る情報も少ない。非常に残念！！

されど、彼女は、なかなか、偉い人ですね。本来、将軍様の乳母といえば、権力を得て、
なんじゃらのお局さん！となって、ふんぞり返って、ドカドカ歴史の表舞台。
彼女も一応、「大姥局」と申しますが、彼女の場合、皆さんと異なり、
ぐんと下がって、控えめであります。

無論、コツコツ動いていますから、たとえば、保科正之（会津初代）
は、彼女に救われ、歴史の教科書に載る程の人物になったわけであります。
・・・（保科正之親子のお助け連鎖網について：後述有り）

権力に目が眩んで贅沢に溺れるタイプの女性じゃなかったようですね。独特です。
腕力もあるようですが、まさに、縁の下の力持ち。黙って影で、人を支えています。

さて、ここで推量するに・・・。