2016年05月30日
意外に知らない濡れた髪の本当の影響
子供の頃、お風呂上がりに髪をぬらしたまま寝ようとして、「風邪をひくよ」と、大人たちから叱られた覚えがある人は多いだろう。
特に髪の長い女性にとっては髪を乾かすのは結構大変な作業だ。根元までしっかり乾かすのには時間がかかるし、ドライヤーは重い。放っておいても時間がたてばそのうち乾くのだから、そんなことよりも早く寝たい。
しかし髪をぬらしたまま寝て、風邪をひいたことがある人もいるはずだ。それは、夜の低い気温で冷えた髪が睡眠中の体温を奪い、低体温になることで免疫力が低下し、ウイルスが体に侵入しやすい状態になるからだ。
低体温になると風邪だけではなく、細菌も体に入り込みやすくなるし、もともと体内にいるウイルスや細菌が活発になるので、ぼうこう炎や肺炎といった感染症にかかりやすくなる。他にも、濡れた髪で寝ることのデメリットがあるので紹介したい。。
■濡れた髪の毛で枕にダニと細菌が繁殖する
濡れた髪の水分が枕に吸収されて枕の湿度が高くなり、体温で温まることで、高温多湿を好むダニと細菌が繁殖する。
ダニも細菌も、ほどよい数であれば、人間の皮膚にいて皮膚を守る働きをしてくれるが、増え過ぎると、体に良くない影響を与える。増え過ぎたダニの排せつ物や死骸は、刺激になってアレルギー症状を起こし、頭がかゆくなったり、湿疹ができたりもする。
また、増えた細菌によって、頭皮の臭いがきつくなり、ふけ、かゆみが強くなる。ダニと細菌が原因で毛根が炎症を起こして、抜け毛がひどくなる場合もある。
頭皮以外にも、顔の皮膚に付くとにきびが増えて炎症を起こし、目に入ると結膜炎を起こす。
■濡れた髪による高温多湿で頭痛が起きやすく
濡れた髪で寝ると、頭や首が冷えて血流不足になるため、頭痛が起きやすく、肩も凝るし、首も痛くなる。
そしてもっとも頭痛を起こしやすいのは、濡れた髪をタオルで包んで寝る人だ。睡眠のリズムには、深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠がある。ノンレム睡眠では深く眠るために体温が下がり、レム睡眠では体温が上がる。ノンレム睡眠で冷えていた頭皮は、レム睡眠で体温が上がったときに、タオルの中で温まる。そのときに、ノンレム睡眠時よりも、頭皮が高温多湿になる変化が起きる。
高温多湿は頭痛が起きる原因の1つで、この変化が刺激になって頭痛を起こす。
■濡れた髪はダメージヘアにもつながる
髪の表面にあって髪を守るキューティクルは、乾いているときにそれぞれがこすれ合っても、傷つけ合うことは無い。髪が濡れているときのキューティクルは水分を吸って膨張し、剥がれやすくなっている。そのタイミングで濡れた髪同士がこすれ合うと、髪の摩擦に負けてキューティクルが剥がれてしまう。
キューティクルに守られた髪は髪の水分があってしなやかだが、キューティクルが剥げた髪は水分が抜けてがさがさと引っかかりやすくなり、ツヤのないダメージヘアになってしまう。
■タオルドライとドライヤーの方向でスピード乾燥
早く乾かすには、タオルドライをしっかりして、ドライヤーを髪の内側から頭皮にあてると、乾きやすい。
また、ドライヤーの熱でキューティクルが傷むと心配する人もいるが、美容師曰く、「乾かした方がキューティクルの傷みは少ない」のだそうだ。