2016年05月17日
静電気は睡眠と深い関係あり
ドアノブに触れた瞬間にバチッ、着替えをしているとビリビリッ。冬になると悩まされるのが静電気だ。単に不快で、痛いというだけではない。静電気は体の不調の原因にもなり、睡眠とも関わりを持っている。
■「重ね着」と空気の「乾燥」が静電気の原因
静電気が発生するのは冬だけとは限らない。摩擦のあるところでは多かれ少なかれ発生しているのだ。それをなぜ、冬場に限って感じるのだろうか。原因は冬の重ね着にある。下着に加え、服と服の摩擦で静電気が多く発生し、ビリッとなるわけだ。
もう1つ理由がある。空気が乾燥するからだ。湿度が高ければ、静電気が起きても大気中の水分を通して逃げてくれるが、空気が乾燥していると逃げ場がない。摩擦で発生した静電気は体内にたまり、金属に触った時などに放電されて、痛い思いをする。
■「肩こり」や「寝過ぎ」 も静電気を発生させる?
静電気が発生する原因は、冬の要素だけではない。肩こりが静電気を発生しやすくしているという。
筋肉が緊張して縮んだ状態が肩こりで、筋肉が緩むと周辺の血管も縮み、血液が流れる時に摩擦が起きやすくなり静電気が発生する。
また、筋肉の伸び縮みには、カルシウムイオンが筋肉の細胞を出入りする必要がある。しかし、静電気が発生すると、カルシウムイオンが出入りできなくなるのだ。筋肉は縮んだままになり、肩こりはますます悪化。血管が縮む、静電気が発生する、という悪循環に陥る。
また、長時間の睡眠も静電気の原因になる。布団とパジャマなどが摩擦を起こして静電気が発生するのだ。布団は電気を通さない絶縁体なので、静電気は寝ている間は体の中にたまり続けることになる。
■「睡眠」 で静電気対策ができる 北向きで寝てみて
静電気を発生させない対策としては、加湿器を使って湿度を高くしたり、ウールと綿など衣類の組み合わせを工夫したりすることが一般的だ。しかし、ここは、「寝る」を科学的な観点から考える当サイトらしく、睡眠による対策を考えてみたい。
日本人には、縁起が悪いとして少々抵抗のある北枕。これが静電気対策になる。中学時代の理科の授業を少し思い出していただきたい。地球の磁力線は、N極からS極、つまり南極から北極へと走っている。なので東西方向に寝ると、磁力線の中を血液が横切ることになり、静電気が発生してしまう。磁力線の流れと血流との関係からすると、静電気が最も発生しにくいのは、北枕で寝る時だという。
■大型哺乳類には磁力を感じる力
実は、大型哺乳類に磁気の感覚があることを裏付ける研究結果も明らかになっている。ウシやシカなどの偶蹄目(ぐうていもく)の動物は南北方向を向く習性があるというのだ。
その証明とされる衛星写真がある。ウシやシカの群れが、体の向きを地球の磁場に沿わせるように南北方向にして写っているのだ。それが、低周波の磁界が発生している送電線の近くでは、体の向きがばらばらになる。送電線によって磁場の感覚がかき乱されているとみられる。私たち人間も、磁力線の流れに逆らわずに寝る方が自然なようだ。
静電気防止には、体内の静電気を中和する役割があるミネラルの摂取も大切だ。これを睡眠中に取れたら最高なのだが、当然、寝ているから難しい。ミネラルウオーターなら定期的に起きて飲むことはできそうだ。専門家は「5時間おきに」とアドバイスしている。