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感情は体の中をこう変える

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緊張すると顔が赤くなったり、イヤなことを前にすると胃が痛くなったりするのは、よく考えれば不思議なもの。しかし、感情による体の変化の中で、私たちが認識できるのはごく一部だという。気付いていないだけで、私たちの体内では、感情ごとにさまざまな変化が起きているらしい。

そんな感情と体の相関関係を調査した研究が、話題になっている。そして、研究結果を端的に示した図が、非常に面白いのだ。

・体のパーツごとに記録
フィンランド人の研究チームが、フィンランド人と台湾人の合計773人の参加者を対象に、「怒り、恐怖、幸福などの感情は、体のどのパーツに影響を与えるのか?」について調査した。

参加者はまず、映画などを見せられる。感情に変化がおきたところで、コンピュータ処理により体の各パーツの状態を記録。それをシルエットで表示したのが上の図だ。

左上から順に「怒り」「恐怖」「嫌悪」「幸福」「悲しみ」「驚き」「自然な状態」。左下からは「不安」「愛情」「憂鬱」「軽蔑」「誇らしさ」「恥」「嫉妬」と並んでいる。体中で感覚が高ぶっているパーツはまず赤、さらに強まると黄色に。一方、感覚がくすんでいるところは青で示されている。

図を見ると、体中の感覚が最も高ぶっているのが幸福の状態。一方、憂鬱な時には、体中の感覚が低下しているといえそうだ。また、幸福と愛情の状態が似ている点や、恐怖と嫌悪に類似性が見られる点なども面白い。

・体は全部知っている
また、研究者によると、ほとんどの感情は、体に何らかの影響を与えるらしい。つまり、私たちが認識していない感情でも、体は常に感情を把握し、何らかかの変化を起こしているというのだ。

・文化の違いは関係なし
また、先述の通り、この実験はフィンランド人と台湾人の間で行われている。当然ながら、それぞれの文化は全く異なる。しかし、実験の結果は、どちらも似たようなものに。感情が体に与える影響に、文化的な差異は見られなかった。

これらの実験結果は、どれも深い。表を見ているだけで、いろいろと考えさせられてしまう。




「冬うつ」男性より女性に多い

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 寒い冬は気持ちが沈みがちなもの。なかなか外出する気になれず、何をするのも億劫になる。さらに、甘いものばかり食べるようになり、昼間も眠くて仕方がないとしたら──あなたは「冬うつ」かもしれない。

「冬うつ」の正式名称は「冬季うつ病」または「季節性感情障害」。その名の通り、晩秋から冬にかけて発症し、春になると自然に症状が治まる。通常のうつ病は食欲がなくなり、眠れなくなることが多いのに対し、やたらと甘いものや炭水化物が欲しくなり、睡眠時間が延びてしまうのが特徴だ。冬眠中の熊ともよく似ている。

 1980年代の初め、ニューヨーク在住の精神科医ノーマン・ローゼンタールによって、「冬うつ」はうつ病とは異なる独立した病気として認知された。冬の特徴は寒さと暗さ。ローゼンタールはまず気温に目をつけたが、人工的に気温を高くしても効果は見られなかった。一方、光に当たる時間を長くすると症状が改善したという。つまり、「冬うつ」の原因は“光不足”だったわけだ。

「人間の脳は気温ではなく、日の長さで現在の季節を判断しているんです」と日本大学医学部精神医学系の内山真主任教授は指摘する。

 地域に関係ない通常のうつ病と違って、「冬うつ」は緯度が高い地方で起こりやすいという。北に行くほど夏と冬の日照時間の差が大きく、冬の日照時間が短くなるためだ。

 それは日本国内でも変わらない。かつて内山主任教授たちが全国6都市に住む30〜50代の男女951人を調査したところ、札幌と秋田は明らかに「冬うつ」の傾向を示す人の割合が高かった。6都市の中で、札幌は最も北にあり、秋田は最も日照時間が短い。

 気分の落ち込みや意欲の低下に加え、食べすぎと眠気が特徴の「冬うつ」は熊の冬眠とよく似ている。ある意味では、季節の変化に敏感な人がなる病気といってもいいかもしれない。

「患者は女性のほうが多く、日本では男性の1.26倍多いという調査結果が出ている。女性のほうが環境に適応する能力が高いからでしょう」と内山主任教授は推測する。

 医療機関を受診する人は20〜30代が多いが、年齢は特に関係なく、年を取ると治るわけではないという。パークサイド日比谷クリニックの立川秀樹院長はこう話す。

「子供の頃から症状はあったはず。社会人になると、仕事に支障が出て受診するようになるのでしょう。実際、来院する人は主婦よりも仕事を持っている女性が目立ちます」

※女性セブン2014年2月6日号




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