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去年の今ぐらいだ。
仕事が終わってチャリで帰って、すぐに出かける予定だったからチャリに鍵も掛けずに家に戻って着替え、チャリの所まで戻ってきた。
その間僅か五分。
なんとその短時間に愛用していたカズキポッド(自転車)が盗まれていたのだ。
辺りを探して警察にも一応連絡をしておいた。警察からは、「この辺は盗難が多いからもう戻ってこないよ」と、福岡の市民を守る職としてありえない言動を残して去っていった。
その日は別に急ぐようではなかったため、自転車が無くてもどうにでもなった。
しかし問題は次の日であった。私は仕事を控えていたのだ。
仕事場への距離はだいたい2,3キロほど。しかし坂も多く、歩いていくには酷な上、だいたい四十分くらいはかかる。自転車ならすぐなのだが。
たまたま給料日が近いという幸運に恵まれ、私は新しい自転車(色が黒いためカズキモービルと名付けた)を購入。翌日はそれで仕事へいくことになった。
新たに手に入れた自転車での通勤にも慣れ、二週間ほどが立った。
妹が変わりに買い物に行ってくれるというので、私はコカコーラゼロを頼んだ。スーパーは歩いて一分もかからない場所にあるため、五分程度で妹は戻ってきた。
私にコーラを渡すと、妹は笑いながら「お兄ちゃんの自転車を見たよ」と言い放ってきた。私は信じられなかった。あの自転車の盗難などの取り締まりくらいしか目に見える仕事をしていなかった警察が、「もう戻ってこない」と断言した、あの自転車が、妹の話だとコーラを買いにいったスーパーにあるというのだ。
そして現に、私がスーパーにかけつけるとそれは本当にあった。一昨年の春に買った、赤いかごつき五段スピードチェンジ機能のついた、私のカズキポッド(自転車)だ。
それも丁寧に鍵が抜かれ、これは私のものだと言いはるように堂々と停めてあるんだ。
これは私への挑戦状だと受け取った。だが受け取っただけでどうにかするわけでもなく、そのまま鍵のかかった自転車を持ちあげて家に帰った。
次の日からは新しいカギをとりつけ、妹にプレゼントした。
妹は喜んでいた。
だが盗まれる前は、たまにチェーンが外れかかっていたので、新しい自転車を買えた口実にもなったので、私は別にそれでもいいかと思った。