旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

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 ギャラリー なでしこ


邦画の館   増村保三監督の千羽鶴


1.≪青い山脈≫2.≪郷愁≫


 1≪浮雲≫2.≪稲妻≫


≪安城家の舞踏会≫ ≪夜の蝶≫


監督川島雄三.作品≪雁の寺≫


1≪東京物語≫   2.≪お茶漬けの味≫


1≪二十四の瞳≫  2.≪遠い雲≫


木下恵介の≪喜びも悲しみも幾年月≫


1.≪本日休診≫2.≪細雪≫


永遠の恋人.笠 智衆!


北原三枝とローレン.バコール!


1.≪香華≫2.≪野菊の如き君なりき≫


黒澤明の1.≪白痴≫2.≪生きる≫


吉村公三郎   ≪偽れる盛装≫


≪キューポラのある町≫≪私が棄てた女≫


≪陽のあたる坂道≫≪傷だらけの山河≫


≪日本の夜と霧≫≪青春残酷物語≫


吉村公三郎監督の ≪越前竹人形≫


小栗康平監督の  ≪泥の河≫


豊田四郎監督の1≪雁≫2≪ボク東奇談≫


黒澤明 1.≪用心棒≫2.≪姿 三四郎≫


小津監督≪東京暮色≫≪戸田家の兄弟≫


溝口健二≪祇園の姉妹≫《武蔵野夫人》


1.≪忍ぶ川≫2.≪サンダ館八番娼館≫


市川崑監督の  旧作《ビルマの竪琴》


豊田四郎監督の  ≪雪国≫


 中村登監督 1.≪紀ノ川≫2。≪古都≫


田坂具隆1≪五番町夕霧楼≫2.≪湖の琴≫


≪秋津温泉と浮雲≫≪辻が花≫


大庭秀雄監督1.≪帰郷≫2.≪京化粧≫


五所平之助監督1.≪挽歌≫2.≪わが愛≫


衣笠貞之助監督の  ≪白鷺≫


篠田正浩監督の  ≪美しさと哀しみと≫


小津監督≪彼岸花≫≪小早川家の秋≫


成瀬監督  ≪妻として女として≫


木下恵介1≪女の園≫2.≪永遠の人≫


家城巳代冶監督の  ≪異母兄弟≫


今井正監督1.≪米≫2≪ここに泉あり≫


山本薩夫監督の  ≪荷車の歌≫


≪狂った果実≫≪三羽烏3代記≫


伊藤大輔監督の  ≪王将≫


<海と毒薬>≪にあんちゃん≫


溝口健二≪雨月物語≫≪近松物語≫


小津作品<お早よう>。


溝口健二≪祇園囃子≫


吉村公三郎≪西陣の姉妹≫≪婚期≫


市川崑監督1.≪おとうと≫2.≪日本橋≫


ハリウッド映画..映画の観方


愛の名場面     洋画と邦画


D.リーンとB,ワイルダー


ビング.クロスビー、≪我が道を往く≫


≪聖メリーの鐘≫と≪ホワイト.クリスマ≫


≪荒野の決闘≫対≪O.K牧場の決闘≫


気品と優雅さ..グレース.ケリー


マルクス三兄弟


『間諜x27』.M.デートリッヒ


『去年の夏突然に』T.ウイリアムズ


『熱いトタン屋根の猫』T.ウイリアムズ


『欲望という名の電車』T.ウイリアムズ


リズ、テイーラー ≪陽のあたる場所≫


≪雨の朝巴里に死す≫≪愛情の花咲く樹≫


エルヴイス.プレスリー≪ブルーハワイ≫


ポール.ニューマン、≪栄光への脱出≫


ウイリアム.ホールデン≪ピクニック≫


エリア..カザン ≪草原の輝き≫


≪イヴ゙の総て≫


≪セールスマンの死≫


S.ルメット監督の ≪女優志願≫


G.ガルボの≪グランド.ホテル≫


≪歴史は夜作られる≫


≪サンセット大通り≫


サイレント映画の≪ピーター.パン≫


≪凱旋門≫


≪悲しみよ今日は≫


≪いるかに乗った少年、島の女≫


≪亡命監督たちの系譜≫


≪キャサリーン・ヘプバーン≫


≪いそしぎ≫と≪パリのめぐり遭い≫


≪山≫


≪波止場≫


≪旅愁≫


≪忘れじの面影≫


≪ジュリア≫


チャップリンの≪伯爵夫人≫


≪ステージ.ドア≫


≪黄金の腕≫と≪失われた週末≫


≪お茶と同情≫


≪モガンボ≫


≪ライムライト≫


エリア.カザン ≪紳士協定≫


≪アフリカの女王≫


≪ケイン号の叛乱≫


≪怒りの葡萄≫


≪裸足の伯爵夫人≫


素晴らしき日曜日


サスペンスの館


A.J.クルーゾー≪悪魔のような女≫


、≪落ちた偶像≫


(五瓣の椿)(日).(黒衣の花嫁)(仏)


眼の壁    霧の旗


『情婦』 ≪第十七捕虜収容所≫ 


(飢餓海峡)(砂の器)(天国と地獄)


第三の男 恐怖の報酬 太陽がいっぱい


松本清張映画化作品


野村芳太郎監督の ≪背徳のメス≫ 


≪黒の切り札≫ 田宮二郎


≪十二人の怒れる男≫シ


≪ガス燈≫


゙≪自殺への契約書≫


≪裸の町≫


≪生きていた男≫


R.シオドマク.≪らせん階段≫


≪マルタの鷹≫


≪ケイン号の叛乱≫ボギー


F.ラング.≪死刑執行人もまた死す≫


野村芳太郎、≪張り込み≫


A.リトヴアク.≪将軍たちの夜≫


≪刑事≫


ギャバンの≪現金に手を出すな≫


≪嘆きのテレーズ≫


≪ナイアガラ≫


≪針の眼≫


≪何がジェーンに起こったか?≫


F.ジンネマン監督≪日曜日には鼠を殺せ≫


≪薔薇の名前≫


フランス映画の宮殿


かくも長き不在  過去を持つ愛情


フランス映画の流れ


ジャック.フエデー≪女だけの都≫


ルネ.クレールの≪パリの屋根の下≫


ジャン.ルノワールの≪大いなる幻影≫


J.デヴイヴイエの≪望郷≫


ルネ.クレールの≪夜の騎士道≫


J.デヴイヴイエの≪旅路の果て≫


アンドレ.カイヤットの≪眼には眼を≫


マルセル.カミユの≪黒いオルフエ


≪アイドルを探せ≫


フイルム.ノワールとヌーベルバーグ


≪情婦マノン≫


ルネ.クレマンの≪居酒屋≫


J.ベッケルの≪モンパルナスの灯≫


≪パリの空の下セーヌは流れる≫


C.ルルーシュの≪男と女≫


ゴダールの気狂いピエロ


≪マドモアゼル≫


≪リュミエールの子供達≫


≪ロシュフオールの恋人達≫


ジャン.ポール.ベルモンドのこと


カトリーヌ.ドヌーブ


トリュホーの≪暗くなるまでこの恋を≫


ドヌーブの≪別離≫


ブルにエルの≪哀しみのトリスターナ≫


≪洪水の前≫


≪天井桟敷の人々≫


アラン.ドロンの部屋


≪地下室のメロデイー≫


≪サムライ≫


≪名誉と栄光のためでなく≫


≪冒険者たち≫


≪若者のすべて≫Ⅰ


≪若者のすべて≫Ⅱ


≪ゾロ≫


≪太陽がいっぱい≫


≪危険がいっぱい≫


≪ボルサリーノⅠ、Ⅱ≫


フリック.ストーリー


≪さらば友よ≫


≪暗黒街のふたり≫


≪山猫≫


≪ハーフ.ア.チャンス≫


≪パリは燃えているか≫


≪パリの灯は遠く≫


≪生きる歓び≫


≪危険なささやき≫


≪チェイサー≫


≪もういちど愛して≫


≪鷹≫


≪暗殺者のメロデイー≫


≪私刑警察≫


アランのフアッション


≪ビッグ.ガン≫


≪ル.ジタン≫


≪仁義≫


≪高校教師≫


<プレステージ>


<個人生活>


<お嬢さんお手やわらかに>


<最後の標的>


<真夜中のミラージュ>


<スコルピオ>


<ポーカーフエイス>


<シシリアン>


≪シネマ.ベルリンのピアノ≫


≪帰らざる夜明け≫


≪ブーメランのように≫


≪レッド.サン≫


≪燃えつきた納屋≫


≪太陽はひとりぼっち≫


≪リスボン特急≫


≪黙って抱いて≫


≪太陽が知っている≫


≪テヘラン≫


≪愛人関係≫


兇悪の街


未知の戦場


悪魔のようなあなた


カサノバ最後の恋


友よ静かに死ね


世にも怪奇な物語


イタリア映画の流れ


デシーカの≪ひまわり≫


ヴイスコンテイの≪夏の嵐≫


ヴイスコンテイの≪山猫≫


ヴイスコンテイの≪ベニスに死す≫


≪ブーベの恋人≫


≪にがい米≫


時代劇諸作品の長屋


お薦めの本


千家再興、千家奔流、千家分流


長編ドラマ


≪ホロコースト≫連続一回~三回


≪ホロコースト≫連載四回~六回


オードリー.ヘップバーンの部屋


≪昼下がりの情事≫


麗しのサブリナローマの休日


≪尼僧物語≫


≪噂の二人≫


≪パリの恋人≫≪シャレード≫


華麗なる女優達の系譜1≪モロッコ≫


グレタ.ガルボ≪椿姫≫≪ニノチカ≫


≪嘆きの天使≫


デートリッヒとガルボ


≪或る夜の出来事≫≪心の旅路≫


アナベラ。。ヴィヴィアン・リー


≪外人部隊≫と≪モロッコ≫


ダニエル.ダリューとE・バーグマン


≪大砂塵≫≪招かれざる客≫


ジーン・アーサージェニファー・ジョーンズ


グレース・ケリー、エヴァ・ガードナー


オリビア・デ・ハヴィランド


ヒッチコック作品


≪三十九夜≫≪バルカン超特急≫


≪第三逃亡者≫≪舞台恐怖症≫


≪間違えられた男≫≪引き裂かれたカーテン


見知らぬ乗客 パラダイン夫人の恋


2004年01月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
みなさま、こんばんは。

カラー映画というものが今、当たり前であるが、
テクニカラーというものが完成されるまで
色々試みられたようです。
その辺のところはあまり詳しくないので述べられません。

ただ、最初は赤と緑の二色法から、
赤、青、緑の三色を重ね合わせたもので確立されたのがどうも
始まりのようである。
デイズニーの≪森の朝≫や≪虚栄の市≫というのが


そして、≪風と共に去りぬ≫でこの三色法が
確立されたということである。

ただ、これらのカラーは
メリハリがはっきりとしたいかにも
カラーでございますというものであった。

そんな中で、
ジャック.カーディフの登場は
カラー映像に新風を巻き込んだと言ってよいだろう。
今ではジャックはカラー映像の神様と思われている人です。


さて、

デボラ・カーファンのみなさま、お待たせしました。



1946年のジャック・カーディフの撮影による
伝説の作品ですね。

作品の素晴らしさもさることながら
カーディフのすばらしい撮影技術による
映像をただただ堪能する作品です.


デボラのことを少し、語りましょう。

エレガント、知性、気高さ、母性、とまあ
彼女の魅力はファンに言わせれば
こんな言葉だけでは足りないかもしれませんね。

英国映画界で数本撮った後
ハリウッドに招かれ、英国と米国の両方で
活躍した人である。

1921年、スコットランド生まれ。
バレー学校で基礎を学んでいる時に
野外劇に出演しているところを、英国の監督に見出され、
レックス・ハリスンの相手役としてデビュー・

ハリウッドの仕事も含めて初期の頃数本の映画は日本未公開。

その端正な容貌を日本のファンに見せたのが
今日紹介する≪黒水仙≫である。

この作品にはインド人の女の子に扮する
18歳のジーン.・シモンズも登場。

鮮烈な印象を与えた作品である。

デボラは、その後≪白い砂≫、
≪クオ・ヴァディス≫、≪キング・ソロモン≫などの
史劇にも出演、
≪めぐり逢い≫では多くの女性ファンを泣かせましたね。

ニュヨーク映画批評家大賞は三回も受賞しているが

オスカーのほうは度々のノミネートを受けながらも
ついに一度も手に出来なかった。

なでしこでは≪お茶と同情≫を紹介しましたが、

みなさまは≪地上より永遠に≫や
≪王様と私≫でお馴染みでしょう。

今夜は≪黒水仙≫を紹介します。
まずはストーリーから。

製作、監督、脚本・・・マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
撮影・・・・・・・・・・・・・・ジャック・カーディフ
  1946年   英国作品

出演 シスター・クローダ ... デボラ・カー
    デイーン         デヴィッド・ファーラー
    シスター・ルース    キャサリン.バイロン
    シスター・フリッパー  フローラ.ロブスン
     王子          サブー.
    娘カルチ        ジーン・シモンズ

イギリスからやってきて奉仕活動を行っている
カルカッタの尼僧院に
ヒマラヤ山脈の奥地モブから一通の手紙が来た。

モブの寂れた宮殿で現地の人々への奉仕活動をしてもらいたく
尼僧をよこして欲しいという依頼の手紙だった。

デイーンという英国人からで、
彼はずーっとここで土地の領主と親交をもち
ここに病院や学校を作りたいと思っていた領主の
遣いのようなものだった。

今までにも修道士達がやってきたが、
半年と持ちこたえない

過酷な土地であった。

村人は高山の谷間に住んでいるが、
ここモブの旧い宮殿は
断崖絶壁に建っていて、
風雨ともなれば寒さと強風で
身が持たないほどであると言う。

荒れた土地、言葉も通じない。
その上無知な村人達に混じって
尼僧たちは何処まで堪えられるのか・・・

選ばれた5人の尼僧たち、

修道院長は弱冠26歳の
シスター・クローダ(デボラ・カー)。

明るい尼僧、真面目な尼僧と選んではいたが、
ひとりの尼僧、ルース(キャサリン・バイロン)は
少し精神を病んでいる被害妄想癖のある人だった。

領主の料理長の息子6歳になるジョゼフは英語も堪能で
尼僧たちの手助けをするために領主が遣してくれた。

初めて大きな責任を持たされ、
希望に満ちてやってきたクローダだったが、
シスターたちは厄介な事はすぐに
ディーンさん、ディーんさんで

誇り高いクローダは取りまとめるのに手を焼いた。

一人の尼僧は畑を耕していていつも祈りを忘れた。

遠くヒマラヤの山を見ると
尼僧になる前のことを思い出してしまうという。

クローダも時々昔のことを思い出した。

ヒマラヤのこの奥地の自然はそういった神秘が彼女達を人間に
戻そうとするかのように。

聖者と呼ばれる老人がいて、いつも谷の崖ブチに座っている。

旧い宮殿の修理、水の問題、皮膚病の問題と次々に
問題は起こり、シスターたちは次第に疲れていく。

ディーンが最初に雨期までは持たないだろうと言ったが
確かに肉体的にも精神的にも過酷であった。

シスター・ルースはそんな中で
ディーンに持ってはいけない感情を
持ち始めた。
しかし、ディーンが長であるクローダに
話をするために勘違いをし、
嫉妬の炎が燃え上がってくるのである。

その上、
村人が連れてきた赤ん坊の病気に手を施すことが出来ずに
村へ帰したが、
赤ん坊が死に誰も来なくなった僧院は誰もが殺伐とした
気持ちになっても仕方がなかった。

ある日、
ルースはジョゼフが運んできた自分あての郵便物を
クローダの検閲無しに
ジョゼフからもぎ取った。
カルカッタに注文したものだといって。

ディーンが16,7歳の女の子カルチ(ジーン・シモンズ)を
連れてきた。
無知で着飾ることしか能のない娘だが
色気を振りまくことだけは知っていた。

その娘がある日、蜀台の鎖を盗んだところを
領主の王子が助けたことで
二人は恋に落ちた。

クローダは過去の生活を思い浮かべることが多くなった。

ディーンと話すついでにふと漏らし、
泣いているところを見たルースは鬼のような形相になっていた。

数日後、ルースの部屋へクローダが訪れると鍵がかかっている。
押し入った彼女の前に私服に着替えたルースが不敵な笑みを
たたえ、立っていた。
カルカッタに注文したのはこの衣服だったのだろう。

僧院を出るという。
制止するのも聞かずに彼女は手鏡を持ち、
唇にルージュを引いて
そこを出て行った。

彼女はディーンの家に行った。
愛を打ち明けたが受け入れない彼に
クローダが好きなのね!と逆上した。
誰も愛してなんかいないというディーンの言葉にも
聞く耳は持たないルース。

とりあえず、僧院へ一度帰ることにしたが、
ルースは何かを決意したようであった。

絶壁の端にある鐘を撞いていたクローダに
般若のようなルースが近づいた。

彼女は押され、鐘の紐にしがみついてぶら下がった。
下は断崖絶壁だ・・・・

しかし、不敵に笑うルースは足を踏み外し、
真っさかさまに落ちていった。

シスターたちはもう、精神も肉体も限界だった。

結局、彼女たちはカルカッタに戻ることになった。

ディーンは”やはり雨期まで持たなかったな!”と言って
クローダに握手を求めた。

その時、大きなハスの葉にぽたりと雨粒が落ち始めた。
ぽタリぽたりと落ち、それは大粒の雨に変わった。
霧のように霞むラバに乗ったクローダを見送るディーンの顔に
滴り落ちる雨粒をぬぐうこともなく
彼はじっと見つめつづけた。


★、カーディフのカメラはすばらしい!!
≪老兵は死なず≫で
彼の最初のカラー映像に始まり≪天国への階段≫、
そしてこの≪黒水仙≫で最高の技術が結晶され
すばらしい映像となった。

尼僧の衣服はあくまでベージュががった白衣。
その上に重なるブルーのカラー・
前半はまるで押さえたパステル調で光と影を映し、
春の満開の花はゴッホの絵のように、
そしてオレンジ色の黄昏のヒマラヤ、
青くほの暗い石の建造物の中に光る黄色いローソク。
朝焼けのヒマラヤ。雪もブルーに霞み、ラストの雨のシーンは
まるでモネの絵画をみるような見事な映像。
恐らく私の中では雨のシーンをこれほどすばらしく映した作品は
これが最高でしょうか・

デボラの顔だけでなく、
尼僧のメーキャップはその白衣に浮き上がらないように
唇もベージュがかっている。

それがあのルースがクローダをあざ笑うように
真っ赤な口紅を引くシーンで鮮やかに効果を増し
ドキッとするのである。
すべて計算されたものでしょう。
床から手へとカメラが動いてルースの
顔のアップへと続くシーンでは、
彼女の鬼と化した表情をアップで映す。

デボラは尼僧姿がよく映る。

笑うこともないこの尼僧の誇り高さは
気高くもあり、棄てた過去の痛手も
表すかのように。。。。

ジーン.シモンズのデビューといっても良いこの作品での
鮮烈さは
デボラの高貴なまでの美しさと共に
永遠に残る名作でしょう。

ジーンシモンズはヴィヴィアン.リーの再来といわれ、
ローレンス・オリビエの舞台≪ハムレット≫の
相手役オフェーリアを演じていた時の抜擢であった。

彼女も息の長い役者となった。

王子に扮するサブーは
≪バクダッドの盗賊≫ではまだ少年でしたが
りりしい若者になっていました。

光と影と色の魔術師カーデイフの≪黒水仙≫。

小学生の時に見た記憶がありますが、
改めて見るとこんなにきれいな映像だった!!と
  感激、感激の作品でした。

1947年に米アカデミー撮影賞、美術監督賞を受賞。
美術賞で外国映画が受賞することは殆どなかった中での
受賞です。
デボラはニューヨーク映画批評家賞女優賞を受賞しています。

因みに黒水仙というのは
登場する王子がロンドンの軍の売店で買った香水をつけているのだが、
彼はうぬぼれが強く、毎日着飾っているのをシスターたちが
色の黒いうぬぼれやと揶揄して呼んだものをさすのでしょう。。








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最終更新日  2004年01月28日 22時01分38秒
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80000達成おめでとう!!  
musasitakeru さん
80000達成おめでとうございます。

毎日力作ありがとうございます。すごいヒットですね。
寒い中カゼを引かないようムリをしないでください。
みんなが楽しみに待っています。 (2004年01月24日 23時53分14秒)

Re:80000達成おめでとう!!  
musasitakeruさん
>80000達成おめでとうございます。

ーーーーーーーーーー
こんばんは。
ありがとうございます。
最初はもしもしカメさんでゆっくりでしたが、
気が付いてみればです??ね。

>>>
毎日力作ありがとうございます。すごいヒットですね。

ーーーーーー
力作かどうか分りませんが、整理のつもりもあって
まとめています。楽しいです。
>>>

寒い中カゼを引かないようムリをしないでください。
みんなが楽しみに待っています。
-----

musasiさまもご自愛くださいね。
(2004年01月25日 00時35分22秒)

Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
お早うございます。
いかがですか。
こちらは、上天気ですが、冷え込んでいます。
時々遊びに来ませんか。
有難うございました。 (2004年01月25日 09時13分47秒)

Re:Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
つれづれ草23さん
>お早うございます。
いかがですか。
こちらは、上天気ですが、冷え込んでいます。
時々遊びに来ませんか。
有難うございました。
-----
こんにちは。こちらも今日はといお天気です。
日記の拝見には伺っているのですよ。
書き込みはサボっていますが。ごめんなさいね。


(2004年01月25日 10時56分47秒)

Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
kurawan  さん
色が変わりましたね。

デボラカーはシャルウィダンス??ですよね。ユルブリンナとの・・・

今度は間違ってないかな。どうも最近、向かし見た映画がごっちゃになってきた。整理しないと。 (2004年01月25日 13時31分31秒)

Re:Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
kurawanさん
>色が変わりましたね。

デボラカーはシャルウィダンス??ですよね。ユルブリンナとの・・・
この作品は≪黒水仙≫よりも10年くらい後のものですね。
≪黒水仙のデボラ.カーは26歳。
天女のような美しさですよ。


-----
(2004年01月25日 16時59分32秒)

Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
alex99  さん
>ナデシコさん
私の好きなデボラ・カーは「黒水仙」でしたか?
黒水仙というタイトルの由来を初めて知りました。

私が彼女を最も美しいと思う作品は「クォ・ヴァディス」(映画BBS仲間もほぼ同意見)ですが、この黒水仙もそれに並びますね。
それに退屈な史劇よりも、尼僧姿が最も似合う女優(白い砂も)としての彼女のストイックな美しさを考えると黒水仙で納得です。
私は彼女が尼僧になる前の湖畔で恋人といる回想シーンも美しいと思いました。
私は彼女のビデオをほとんど集めてしまったのですが、「お茶と同情」は日本ではとっくに廃版でレンタルショップでも置いてある店は東京に1・2軒だと思いますけれど、どういう風にご覧になりました?
もしよければお聞かせ下さい。
私は遅れて集めはじめたので輸入盤ばかりですけれど。
もしデボラ・カーのビデオを1枚だけとなると私は「お茶と同情」を取ります。
彼女の母性的な優しさが一番出ている映画ですし、私の少年時代を思い出させる映画です。
それに彼女自身がこのヒロインの人柄が彼女自身にそっくりと言っているのですから。 (2004年01月28日 18時00分51秒)

Re:Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
alex99さん
>>ナデシコさん
私の好きなデボラ・カーは「黒水仙」でしたか?
黒水仙というタイトルの由来を初めて知りました。

ーーーーーーーーー
由来は私が作品を見て、そう感じたまでで、
はっきりとそうかどうかは???
多分、そうではないか?と・

>>>>

私が彼女を最も美しいと思う作品は「クォ・ヴァディス」(映画BBS仲間もほぼ同意見)ですが、この黒水仙もそれに並びますね。

ーーーーーーーー
そうですねえ。
ジャック・カーデイフのカメラがそれはもう、
とてもキレイに幻想的に彼女を捉えていますから、
美しさの点ではわたしは、こちらを取りますが、
alexさんほど、大ファンでもないので、
そこまで言いきれません。
ここまでくれば好き好きでしょうね。
>>>>
それに退屈な史劇よりも、尼僧姿が最も似合う女優(白い砂も)としての彼女のストイックな美しさを考えると黒水仙で納得です。

私は彼女が尼僧になる前の湖畔で恋人といる回想シーンも美しいと思いました。
ーーーーーー
確かに美しいけれど、彼女は
ロングヘアーよりもショートヘアーの方が
より魅力的だと思います。
美人は老けて見えると言いますが、
彼女も黒水仙で、年以上に感じられました。
だけど幾つになっても逆に年を感じさせないですね。
ーーーーーーーーーー
彼女自身がこのヒロインの人柄が彼女自身にそっくりと言っているのですから。
-----
そうですね。この作品の彼女は確かにアメリカの
よき時代のよき母親、よき大人の女性といった
彼女ならではの雰囲気がありますよね。
決して、嫌な女性の役は出来ないでしょう。
その分、役柄が決まってしまいますが、
彼女はそれでよいのではないで… (2004年01月28日 18時30分15秒)

Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
alex99  さん
>なでしこ3779さん
>ジャック・カーデイフのカメラがそれはもう、
とてもキレイに幻想的に彼女を捉えていますから、
美しさの点ではわたしは、こちらを取りますが、
ーーーーーー
たしかにクォ・ヴァディスでは表面的ですが、「黒水仙」では内面の美しさまで出ていますね。
これから私も趣旨替えして「黒水仙」です。

ーーーーーーーーーー

同じくカーディフのカメラの「赤い靴」も輸入ビデオを買ったのですが、観たのはテレビ放映でした。
こういうことがよくあるのです。
買ったビデオの半分も観ていないかも知れない。
今日は何か観よう。
いや録画した小津作品にしよう。 (2004年01月28日 20時24分41秒)

Re:Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(1/24)  
alex99さん

>>
同じくカーディフのカメラの「赤い靴」も輸入ビデオを買ったのですが、観たのはテレビ放映でした。
こういうことがよくあるのです。
買ったビデオの半分も観ていないかも知れない。
今日は何か観よう。
いや録画した小津作品にしよう。
-----
≪赤い靴≫の方が一般的にはジャック.カーディフの
カラー映像は知られているようですが、
≪天国への階段≫をもう一度見たい!!です。
ストーリーは覚えているのですが、
カラー映像が忘却の彼方・・・
40年以上前に一度見たきりですから。 (2004年01月28日 22時01分38秒)

Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(01/24)  
クラシック・フアン さん
Black Narcisssus 1947 - FULL FILM-

・Adrienne Balich 1 週間前
I loved the story to this movie Black Narcisssus The actors and casts were excellent. Thank you
『映画』 ↓ 黒水仙
http://www.youtube.com/watch?v=UG-0x5mbNLM (2013年06月04日 20時30分51秒)

Re:デボラ・カー  ≪黒水仙≫(01/24)  
クラシック・フアン さん さん
The Red Shoes - High Def 高画質 2H15M
http://www.youtube.com/watch?v=6h-x-qPl4_Y (2013年06月05日 17時52分58秒)

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