令和3年11月14日(日)
試験時間:14時15分〜16時15分( 2時間)
問題1 施工経験 記述(施工の計画)
問題2 用語の説明 記述
問題3 施工管理 記述(工程表)
問題4 法 規 四肢
問題5-A 建築工事 四肢
問題5-B 躯体工事 四肢
問題5-C 仕上工事 四肢
?@ 着目した項目:a施工方法又は作業方法
?A 工種名:建方工事(組立)
?B 現場の状況と施工の計画時に 検討したこと:
計画建物に隣接建物がほぼ接しているため、低騒音、低振動の工法を検討した。
?C 施工の計画時に 検討した理由と 実施したこと:
天候の影響が少なく、短工期で行えるので、RC在来工法を取りやめ、柱、梁、外壁をPC化して施工した。
?@ 着目した項目:b資材の搬入又は荷揚げの方法
?A 工種名:建方工事(荷取)
?B 現場の状況と施工の計画時に 検討したこと:
敷地いっぱいに計画建物が建築予定であり、資材搬入が厳しい状況下での荷取方法を検討した。
?C 施工の計画時に 検討した理由と 実施したこと
搬入したPC部材を荷卸しする場所がないため、PC部材の荷取を運搬車両上で行い、荷卸しせずクレーンで揚重した。
?@ 着目した項目:c資材の保管又は仮置きの方法
?A 工種名:仮設工事
?B 現場の状況と施工の計画時に 検討したこと:
計画建物に隣接建物がほぼ近接しているため、出来上がった躯体部分を保管場所、仮置き場として活用することを検討した。
?C 施工の計画時に 検討した理由と 実施したこと:
作業に必要な資材、設備機器、器具などの置き場は必ず必要であるから、現場内を整理整頓し作業用の通路等を除き、保管仮置き場を確保した。
?@ 着目した項目:d施工中又は施工後の養生の方法
?A 工種名:コンクリート工事
?B 現場の状況と施工の計画時に 検討したこと:
地中梁コンクリートの打設時期が冬期となる工程であるから、地中梁コンクリート打設時の寒中コンクリート対応を検討した。
?C 施工の計画時に 検討した理由と 実施したこと:
コンクリート打設後の外気温が低くなる可能性があるため、コンクリート打設後のシート養生、ジェットヒーターを稼働させた。
?@ 着目した項目:e試験又は検査の方法
?A 工種名:アスファルト防水工事
?B 現場の状況と施工の計画時に 検討したこと:
初めて取引する施工業者による防水下地コンクリートで、かつ、過去に初めての施工業者による施工不良の事例があったので、防水下地コンクリートの表面が平坦で突起物が完全に撤去されているように検討した。
?C 施工の計画時に 検討した理由と 実施したこと:
不十分な下地状態では、防水性能が確保できないため、管理者と同時に確保する体制とした。
?@ 施工の計画時に検討することとその理由:
プレキャストコンクリート工事において、PC製作時、運搬時に生じる欠損、ひび割れた製品の搬入取付けを防止する。PC部材の欠損部、ひび割れ部分からの漏水、錆発生など性能が低下するため。
?A 防止対策とそれに対する留意事項:
PCa製品出荷時、現場搬入時の製品検査を充実させ、不具合を修正する。
?@ 施工の計画時に 検討することと その理由:
現場管理(工程調整)において、各工種担当者との工程調整の方法、参加者などを検討。工程の遅延は、各工種の調整不足による誤った施工順序等により発生するため。
?A 防止対策とそれに対する 留意事項:
詳細な工程表による打合わせを行い、各工種間の協力関係を構築する。
用語の説明:
建具用金具で、上げ下げ窓、引き違いサッシの召し合わせ部などに取り付ける錠金具のこと。
施工上留意すべきこと:
建具には、錠機能の他にも、機密性、遮音性などの性能も求められるので、正確な錠と受け金具の取合い寸法、堅固な部品の取り付けが必要である。
用語の説明:
コンクリート壁面にあらかじめひび割れ発生場所を決めて、その位置にひび割れを誘発させるための目地。
施工上留意すべきこと:
断面欠損率は20%以上必要であるので、厚さ200mmの壁には目地深さ20mmの目地棒を壁の両側に入れれば良いが、壁の厚さ200mmを超える場合は、所定のサイズの断面欠損材を目地部に設置する必要がある。
用語の説明:
石表面をバーナーで加熱し、それを水で急冷することにより、石材を構成する鉱物の熱膨張率の違いを利用して、表面の一部をはく離させて均一な仕上げにしたもの。(建築工事監理指針)
施工上留意すべきこと:
ジェットバーナー仕上等の粗面仕上げでは出来上りの厚さで2mm以上厚くなるように設定しておく。
用語の説明:
液状の塗り材の流動性を利用して、水平・平滑な床仕上げ面を形成させる工法をいう。
施工上留意すべきこと:
硬化中のセルフレベリング材が風を受けるとしわやひび割れの原因になるので、硬化するまでは窓や開口部を塞いだままとし、通風を受けないようにする。
用語の説明:
鉄骨造の主要構造部の骨組みを火災の熱から守るために耐火性・断熱性の高い材料で被覆することをいい、工法としては、耐火材吹付け、耐火板張り、耐火材巻付け、耐火塗料などがある。
施工上留意すべきこと:
鉄骨表面に浮き錆が発生している場合は、耐火被覆材の付着性を阻害する恐れがあるので、耐火被覆施工に先立ちワイヤブラシ等の適切な手工具を使用して、除去しておかなければならない。
用語の説明:
土工事を行う際に、発生する湧水を集めるために設置する地面のくぼみ。集めた水をポンプで排水する。
施工上留意すべきこと:
地下水を多く含んだ砂質地盤が根切り底面付近にある場合、ボイリングを生じる場合があるので、観察しながら排水する。
用語の説明:
作業構台には、地下工事等の材料の集積、建設機械の設置等のための乗入れ構台と、建築資材等の一部を仮置きして、建築物の内部に取り込むなどのための荷受け構台(荷上げ構台)がある。(建築工事監理指針)
施工上留意すべきこと:
作業構台上は、常に整理整頓を行うとともに、作業構台自体の状態の保守管理を行い、点検結果を記録及び保管することが必要である。(建築工事監理指針)
用語の説明:
鉄筋工事の梁の配筋で、梁の変形を防止するため、上下主筋の間に平行に設置する鉄筋。
施工上留意すべきこと:
コンクリートのかぶり厚さは、腹筋に設置する幅止め筋の外側から確保する。あばら筋の外側に設置する場合は、特に注意する。
用語の説明:
ビニル床シートを張り付けた接着剤硬化後、はぎ目及び継目の溝切りを行い、溶接棒を用いてビニル床シートを同時に溶接する工法。
施工上留意すべきこと:
張り付け接着剤の硬化には、12時間必要。溝はV字形又はU字形とし、床シート厚の2/3程度まで溝切りする。溶接は加圧しながら行い、余盛りができる程度とする。
用語の説明:コンクリート床型枠用の上面が平らな鋼製デッキのことで、下部表面にリブを付けて所定の強度を確保したもの。
平成18年版 床型枠用鋼製デッキプレート設計施工指針・同解説によると、機械的性質として引張強さ 295N/mm 2
としている。
施工上留意すべきこと:
・施工荷重によるたわみを考慮して、フラットデッキには10mm程度のキャンバー(むくり)が付いている。そのため、梁との隙間からのろ漏れ等が生じないように施工する。
・RC造、SRC造の場合のフラットデッキと型枠の接合は、型枠の横桟木で受けるため、横桟木で受けた荷重が
縦桟木で支持できる型枠設計とする必要がある。
用語の説明:ガラスブロックとは中が空洞になった箱型のガラスをいい、壁面のガラスブロック積みとは、壁部分に、壁用金属枠を用いて現場にて1個ずつ積む工法をいう。
施工上留意すべきこと:
目地幅の標準寸法は、10mmである。8mm以下にすると、内蔵される力骨(φ5.5mm)との接触や、モルタルの充填性が悪くなり望ましくない。逆に、15mmを超える幅では、目地モルタルの仕上げが悪くなり、また、目地モルタルのひび割れも発生しやすくなるので、標準寸法に設定する。
用語の説明:
目地が深くない場合に三面接着を回避する目的で目地底に張り付けるテープ状の材料。
ワーキングジョイントのシーリングに用いる。
施工上留意すべきこと:
ボンドブレーカーは、シーリング材と接着しないものを選び、浮き等が生じないように目地底に確実に張り付ける。目地底が深い場合は、バックアップ材を使用する。
用語の説明:
大引は木造の1階の床組みで、根太を受ける部材、大引の下には基礎は無く、床束で支える。
施工上留意すべきこと:
通常 910mm程度の間隔で根太に直角に渡し、端部は土台や大引受けに連結する。
用語の説明:
高所作業に用いる移動式足場の通称。枠組足場の脚部にキャスターを付けて移動できるようにした足場。
施工上留意すべきこと:
手すりの設置状態・固定の確認、キャスターの動き・ロックの状態の確認、大きな変形(へこみ、曲がり)がないことの確認等が必要である。
仮設工事の (A):外部足場組立
鉄筋コンクリート工事の (B):基礎
内装工事の (C):1、2、3階仕上げ
完了日:3月 中旬
[ 解説 ]
鉄骨工事の耐火被覆作業は、鉄骨工事のスタッド溶接が終わり、外壁工事のALC取付けが終わってから実施し、金属工事の壁・天井軽鉄下地が始まるまでに終える必要がある。
2、3階壁・天井軽鉄下地が3月下旬から始まっているので、耐火被覆工事は 3月中旬には完了する必要がある。
出来高表より、鉄骨工事の2月までの累積金額は次のとおりである。
・鉄骨工事の2月までの累積金額(予定)
= 50 + 760 = 810万円
・鉄骨工事の2月までの累積金額(実績)
= 30 + 780 = 810万円
鉄骨工事の工事金額は 900万円であり、
差額である 900 - 810 = 90万円が、
出来高表に記載のない耐火被覆工事の金額である。
耐火被覆工事は、2.より3月に予定し実施するので、出来高表の鉄骨工事の 3月の予定・実績の欄にそれぞれ90という数字を入れて、総工事金額と累積金額を算出すると、以下のようになる。
2月末までの実績出来高の
累計金額 2,400万円
総工事金額 6,000万円
したがって、2月末までの実績出来高の累計金額の総工事金額に対する比率は次のとおりである。
2月末までの実績出来高の累計金額の総工事金額に対する比率
2,400万円/6,000万円 × 100
= 40%
表より、3月末までの実績出来高の累計金額は、
4,110万円である。
?@ (3)完成、?A (3)20
[ 解説 ]
建設業法
第24条の4(検査及び引渡し)
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が 完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から 20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その 完成を確認するための検査を完了しなければならない。
?B (3)施工者、?C (1)設計図書
[ 解説 ]
建築基準法
第89条(工事現場における確認の表示等)
第6条第1項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の 施工者は、当該工事現場の見易い場所に、国土交通省令で定める様式によって、建築主、設計者、工事施工者及び工事の現場管理者の氏名又は名称並びに当該工事に係る同項の確認があった旨の表示をしなければならない。
2 第6条第1項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の 施工者は、当該工事に係る 設計図書を当該工事現場に備えておかなければならない。
?D (2)工期、?E (4)遂行
[ 解説 ]
労働安全衛生法
第3条 (事業者等の責務)
3 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、 工期等について、安全で衛生的な作業の 遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
?@ (1)逃げ墨
[ 解説 ]
柱心や壁心などの親墨から離れた位置にうつ補助の墨を 逃げ墨という。
?A (3)30cm
[ 解説 ]
埋戻し及び盛土は、 30cm程度ごとに締め固める。(公共建築工事標準仕様書)
?B (3)1.5倍
[ 解説 ]
鉄筋工事における鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mm及び隣り合う鉄筋の平均径の 1.5倍のうち最大のもの以上とする。(公共建築工事標準仕様書)
?C (3)3山
[ 解説 ]
アンカーボルトは、ボルト頭の下及びナットの下に座金を用いることとし、締付け終了後にナットの外に 3山以上ねじ山が出ていることを確認する。(公共建築工事標準仕様書)
(建築工事監理指針より)
?D (1)50mm重ね
[ 解説 ]
塗継ぎの重ね幅は 100mm以上とし、補強布の重ね幅は 50mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)通気緩衝シートなどの補強布の重ね幅は 50mm以上とする。
?E (1)本磨き
[ 解説 ]
大理石の壁を仕上材に使用する場合は 本磨きを用いることが多い。石材の磨き仕上げの種類については下記参照。
石材の磨き仕上の種類
?F (2)しわ
[ 解説 ]
塗装工事において、塗膜が平らに乾燥せず、ちりめん状あるいは波形模様の凹凸を生じる現象を しわといい、厚塗りによる上乾きの場合などに起こりやすい。
?G (2)シージング
[ 解説 ]
シージングせっこうボードとは、両面のボード用原紙と心材のせっこうに防水処理を施したもので、内装工事において、屋内の台所や洗面所などの壁や天井の下地材として用いられる。
?@ (3)ベンチマーク、?A (1)縄張り
[ 解説 ]
建築物の高さ及び位置の基準となるものと ベンチマークという。高さの基準は隣接の建築物や既存こう工作物に、位置の基準は一般に建築物の縦、横2方向の通り心を延長して設ける。工事測量を行うときの基準のため、工事中に動くことのないよう2箇所以上設けて、随時確認できるようにしておく。
?B (2)30、?C (3)鋼製
鉄筋工事において、コンクリートの中性化や火災等の高温による鉄筋への影響を考えた鉄筋を覆うコンクリートの厚さを「かぶり厚さ」といい、建築基準法施行令第79条で規定されている。原則として、柱、梁にあっては、 30mm以上、床にあっては 20mm以上となっている。(最小かぶり厚さ)
また、かぶり厚さを保つためにスペーサーが用いられ、スラブ筋の組立時には原則として 鋼製のスラブ用スペーサーを使用する。
?D (4)90、?E (2)120
コンクリート工事において、日本産業規格(JIS A 5808)では、レディミクストコンクリートの運搬時間は、原則として、コンクリートの練混ぜを開始してからトラックアジテータが荷卸し地点に到着するまでの時間とし、その時間は 90分以内と規定されている。このため、できるだけ運搬時間が短くなるレディミクストコンクリート工場の選定が必要である。
また、コンクリート練り混ぜ開始から工事現場での打ち込み終了までの時間は外気温が25℃未満の場合 120分以内、25℃以上の場合90分以内とする。
?F (4)管柱、?G (2)12
木造在来軸組構法において、屋根や上階の床などの荷重を土台に伝える鉛直材である柱は、2階建てでは、1階から2階まで通して1本の材を用いる通し柱と、各階ごとに用いる 管柱とがある。一般住宅の場合、柱の断面寸法は、通し柱は 12cm角、 管柱では10.5cm角のものが主に使用されている。
?@ (2)裏面、?A (3)200
[ 解説 ]
改質アスファルトシート防水トーチ工法において、改質アスファルトシートの張付けは、トーチバーナーで改質アスファルトシートの 裏面及び下地を均一にあぶり、 裏面の改質アスファルトシートを溶融させながら均一に押し広げて密着させる。改質アスファルトシートの重ねは、2層の場合、上下の改質アスファルトシートの接合部が重ならないように張り付ける。
出隅及び入隅は、改質アスファルトシートの張付けに先立ち、幅 200mm程度の増張りを行う。(公共建築工事標準仕様書)
?B (2)20、?C (4)24
[ 解説 ]
セメントモルタルによるタイル張りにおいて、密着張りとする場合、張付けモルタルは、2層に分けて張り付けるものとし、1回の塗付け面積の限界は、2m 2
以下、かつ、 20分以内に張り終える面積とする。
また、タイル目地詰めは、タイル張付け後 24時間経過した後、張付けモルタルの硬化を見計らって行う。(公共建築工事標準仕様書)
?D (3)クリップ、?E (2)むくり
[ 解説 ]
軽量鉄骨天井下地において、鉄筋コンクリート造の場合、吊りボルトの取付けは、埋込みインサートにねじ込んで固定する。野縁の吊り下げは、取付けられた野縁受けに野縁を クリップで留め付ける。
平天井の場合、目の錯覚で天井が下がって見えることがあるため、天井下地の中央部を基準レベルよりも吊り上げる方法が行われている。この方法をむくりといい、室内張りのスパンに対して 1/500から 1/1000程度が適当であるとされている。
?F (1)ウィルトン、?G (3)2/3
[ 解説 ]
床カーペット敷きにおいて、 ウィルトンカーペットをグリッパー工法で敷き込む場合、張り仕舞いは、ニーキッカー又はパワーストレッチャーを用い、カーペットを伸展しながらグリッパーに引っ掛け、端はステアツールを用いて溝に巻き込むように入れる。
グリッパーは、壁際からの隙間をカーペットの厚さの約 2/3とし、壁周辺に沿って均等にとり、釘又は接着剤で取り付ける。