10節 自閉式上吊り引戸装置
16.10.1 適用範囲
開閉方式には、片引きと引分けがあり、引分けの場合、左右の戸が連動せずに個別に動くのが一般的である。
16.10.2 材 料
屋外に使用する上吊り引戸装置の材料は「標仕」によるが、引戸本体の材料についても雨水の浸入や防錆性能を考慮する必要がある。
16.10.3 性能等
(a) 開閉繰返し性能については、標準的な使用状態を想定して20万回を設定している。(-社)公共建築協会の「建築材料・設備機材等品質性能評価事業」(1.4.4(e)参照)では、「標仕」表16.10.1の規定に基づいた評価を行っている。「標仕」表16.10.1で規定されている手動閉じ力とは、ストップ装置を働かせた状態を手動で解除するのに要する力を指している。
(b) 自閉式上吊り引戸装置は、上吊り機構、自閉装置、制御装置により構成される。
図16.10.1に一例を示す。
図16.10.1 自閉式上吊り引戸装置の一例
16.10.4 工 法
上吊り引戸装置の上吊り機構は、建具枠の取付け誤差や床の不陸等を調整できるものとする。
16.10.5 高齢者、障害者等の利用に対する配慮
高齢者、障害者等の利用に対する配慮としては、開閉しやすいこと及び車椅子が通過できる幅があり、通過を妨げる段差がないことなどが挙げられる。