3節 路 盤
22.3.1 一般事項
路盤は、舗装路面に作用する荷重を分散させて、路床に伝える役割を果たす部分であり、その施工に当たっては規定の締固め度と厚さを確保しなければならない。
22.3.2 路盤の厚さ及び仕上り
「標仕」22.3.2では、路盤の厚さは特記によるとしている。路盤の締固め度については、路盤の締固め完了後に現場密度を測定し、室内試験で求めた最大乾燥密度の 93%以上の締固め度が得られていることを確認する。
22.3.3 材 料
一般の道路舗装では、上層路盤には粒度調整砕石のような支持力の高い材料を、下層路盤にはクラッシャランのように安価で比較的支持力の低い材料を使用することが一般的である。「標仕」では、路盤材料は「標仕」表22.3.1により、種別は特記によるとされている。
(ア) 路盤材料の一般的性質と留意事項
(a) 路撒材料は、舗装の特性により性質が異なるが、通常用いられる材料は「標仕」表22.3.1のとおりである。
(b) 修正CBRとは、路盤材料の強さを表す値で、(公社)日本道路協会「舗装設計施工指針」に材料の品質が規定されており、JIS A 1210(突固めによる土の締固め試験方法)の呼び名E-b によって求めた最大乾燥密度の95%の締固め度に相当するCBRが、一般的に用いられている。
(c) 塑性指数〈 Ip、PI 〉とは、土の粘着性を表す値で、砂は0、シルト質土で10程度となる。
(d) 路盤に使用する材料は、有害な量の粘土塊、有機物、ごみ等を含んではならない。また、施工時の含水比は締固め度に影響するので、室内の突固め試験で求められている最適含水比になるよう加水等により調整する。
(イ) 砕石
(a) JIS A 5001(道路用砕石)の粒度範囲は、表22.3.1及び表22.3.2のとおりである。
(b) 粒度調整砕石とは、2種以上の砕石、砂等を混合して、所要の粒度範囲をもつように調整した砕石である。
(c) クラッシャランとは、岩石をクラッシャで割り砕いたままのものである。
(d) 再生クラッシャランとは、路盤発生材、アスファルトコンクリート発生材又はセメントコンクリート発生材などから製造された再生骨材などを、単独若しくはこれらを混合したもの及び必要に応じて新規骨材を加えたものである。
表22.3.1 粒度調整砕石の粒度範囲(JIS A 5001 : 2008)
表22.3.2 単粒度砕石及びクラッシャランの粒度範囲(JIS A 5001 : 2008)
(ウ) スラグ
鉄鋼スラグは、高炉スラグと製鋼スラグを破砕したものを、単独又は組み合わせて製造したもので、単位容積質量は1.5kg/L以上とし、高炉スラグを用いた鉄鋼スラグは、呈色判定試験により水浸の際に黄濁色が検出されないことを確認したもの、製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグは、膨張する性質があるため、水浸膨張試験で目標値以下になったものを使用する。また、水硬性粒度調整鉄鋼スラグは、一軸圧縮強度(14 日) 1.2MPa以上のものとする。路盤用鉄鋼スラグの粒度範囲を表22.3.3に示す。
表22.3.3 路盤用鉄鋼スラグ砕石の粒度範囲(JIS A 5015 : 2018)
22.3.4 施 工
(1) 路盤の一層の仕上り厚さは200mm以内を標準として、それを超える場合は、2層に分けて施工する。
(2) 路盤は、表層からの荷重を支持し、分散して路床に伝える役目をもつものであるため、荷重を均等に分散するためには一様な支持力が得られるように施工する。
(3) 路盤の施工は、路床施工後仕上り面が荒らされない時期に行うことが望ましい。やむを得ず路床仕上り後、工事車両等の交通に供した場合には、路床面が荒らされたり、不良材料等が混入したりする場合がある。路盤の施工に先立ってこれらを除去し、改めて整形して締め固めなければならない。
(4) 路盤材料は、貯蔵、積込み、運搬、敷均し等の取扱いに際して、分離を生じさせないよう十分注意して行う。
材料の敷均しには、ブルドーザ、モーターグレーダ等を用いる。このとき切返し回数が多いと材料の分離が生じるので注意して行う。
(5) 敷均し、締固め作業の途中で路盤材料が乾燥し過ぎた場合は、適時散水し、最適含水比付近の状態で締め固めることが望ましい。
(6) 路盤の締固めは、8t以上のマカダムローラ、8〜20tのタイヤローラ又はこれらと同等以上の効果のある締固め機械2種以上を併用して十分に締め固め、所定の形状に平らに仕上げる。ただし、施工困難な箇所は、ほかの締固め機械を使用することができる。
なお、狭小部はランマ等を用いて行う。
(7) 歩道部又は軽易な場合の締固めは、振動ローラ、ソイルコンパクタ又は同等以上の能力のある機械を用いて十分に締め固める。
22.3.5 試 験
路盤の締固め完了後の試験は、JIS A 1214(砂置換法による土の密度試験方法)に碁づく現場密度を測定し、JIS A 1210(突固めによる土の締固め試験方法)に基づく最大乾燥密度と比較し、所定の締固め度が得られているか確認する。