8節 錆止め塗装
7.8.1 適用範囲
(b) 作業の流れ、施工計画書の具体的な記述内容や上塗り塗装の適用等については、18章に準ずる。
(c) 鋼材は大気環境で錆び、断面が減少するので、何らかの方法で防錆措置を施す必要がある。大気中での鋼材腐食のメカニズムは、酸素と水による電気化学的作用である。その進行程度は、イオウ酸化物SOxや海塩粒子等の大気中に含まれる腐食促進物質及び気温や湿度等の環境条件に支配され、海岸地域や重化学工業地域等においては特に著しい。
7.8.2 工場塗装の範囲
「標仕」では、コンクリートの付着や耐火被覆の接着、接合部の摩擦面、工事現場での溶接及び溶接後の検査等に支節を及ぼすおそれがある部分等については、塗装をしないこととしている。
「標仕」7.8.2(a)(7)の「耐火被覆材の接着する面」は、耐火材吹付けやラスモルタル塗り等の接着のみで取り付けられる場合に適用される。耐火板張りや耐火材巻付け等の機械的な取付けの場合の鉄骨面に対する塗装の要否は、耐火被覆材の種類とは関係なく、建築物が置かれる建築条件、特に湿度条件を考慮して検討される。
7.8.3 塗料の種別
「標仕」7.8.2(a)(7)により、耐火被覆材が接着する鉄骨面は、その接着性を阻害するおそれがあるため、一般的には塗装を施さないことになっている。しかし、建築物の外周部で結露や漏水等により鉄骨面の腐食が懸念される部位や、施工中に鉄骨面に生じた錆が飛散して周辺に被害を与えたり、仕上げ材等を汚染することが懸念される場合には適切な錆止め措置を溝ずる必要がある。その場合には、耐火被覆材の接着性を阻害しない錆止め検料を使用しなければならない。
なお、環境問題への配慮に関しては、7.1.6を参照されたい。
7.8.4 工事現場塗装
具体的な内容は、18章2節及び3節に準ずる。
昨今、建築用塗料に関するJISが廃止、改正及び統合が進められている。錆止め塗料の選定に当たっては、特に18章3節の内容を確認することが重要である。
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