12節 軽量シャッター
16.12.1 適用範囲
(b) 軽量シャッターは、一般にスラットの厚さが 0.5、0.6、0.8、1.0mmのものがある。「標仕」表16.12.2では、0.5mmとしているが、強度上必要な場合には板厚を増すこと、防火設備の場合には実厚で 0.8mm以上とすることとされている。
(c) (b)以外については、11節を参照する。
16.12.2 形式及び機構
(a) 手動式の場合、スプリングによるバランス式であるため、電動式よりも開口寸法が制約されるので注意が必要である。
(b) シャッター類は、平成12年建設省告示第1458号において適用除外となっている部位に設置される場合が多いが、この場合の風圧力については、16.11.2(c)を参照されたい。
(c) 手動式で開口幅が大きく、中柱を設けなければならない場合、中柱の風圧力に対する安全性に注意する。
(d) 電動式の場合の保護スイッチ及び障害物感知装置については、16.11.2(f)及び(h)を参照する。
(e) 軽量シャッターについては、「標仕」で要求する品質を満たすものとして、 (-社)公共建築協会の「建築材医療・設備機材等品質性能評価事業」(1.4.4 (e)参照)で評価した製品があるので参考にするとよい。
16.12.3 材 料
軽量シャッターに使用するスラットの材質は、JIS G 3312(塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯)又はJIS G 3322(塗装溶融55%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯)により、めっきの付着量は特記によるとされている。ただし、めっきの付着量は、特記がない場合、JIS G 3312はZ06又はF06、JIS G 3322はAZ90を満足するものとされている。
一般的には、スラットの材質はJIS G 3312が使用されている。
16.12.4 形状及び仕上げ
軽量シャッターを防火設備(旧乙種防火戸)とする場合は、平成12年建設省告示第1360号第1第二号イに実厚0.8mm以上と規定されている。
16.12.5 工 法
(a) 電動シャッターを他に出入口のない建物(車庫等)に取り付ける場合、シャッター本体を建物屋内に納めるとシャッターが全閉したまま故障した際、屋外から手動で開放できなくなるので、本体を屋外側に納めるか又はくぐり戸を設けるなどの注意が必要である。
(b) JIS A 4704 (軽量シャッター構成部材)の抜粋を次に示す。
1. 適用範囲
この規格は、建築物及び工作物に使用するスラットの板厚 が1.0mm以下で、スプリング式及び電動式の鋼製の軽量シャッター構成部材(1)(以下、構成部材という。)について規定する。
注(1) まだ組み立てていない状態のもの。
なお、組み立てた軽量シャッターを、以下、シャッターという。
4. 種 類
シャッターの種類は.表1による。
表1 シャッターの種類
5. 品質及び機能
5.1 外 観
シャッターの外観は、使用上有害なねじれ、曲がり、さびなどの欠点があってはならない。
5.2 曲げ強さ
スラット、中柱及ぴ上げ落としの曲げ強さは、次による。
なお、外壁開口部に設置するシャッターの耐風圧強度は、受渡当事者間の協議による。
a) スラットは、11.1に規定する方法で曲げ試験を行い、レールからの脱落があってはならない。また、残留たわみ量は、スラット長さの1/200以下で、かつ、使用上有害な変形が残ってはならない。(11.1省略)
b) 中柱は、11.2に規定する方法で曲げ試験を行い、支持台からの脱洛があってはならない。また、残留たわみ量は、中柱長さの1/200以下で、かつ、使用上有忠な変形があってはならない。(11.2省略)
c)上げ落としは、11.3に規定する方法で曲げ試験を行い、使用上有忠な変形が残ってはならない。(11.3省略)
d) 載荷荷重は、500N/m 2 以上とする。
5.3 開閉機能
5.3.1 スプリング式
スプリング式は、11.4.1に規定する方法によって開閉試験を行い、表2の規定に適合しなければならない。(11.4.1省略)
表2 開閉力
5.3.2 電動式
電動式は、11.4.2に規定する方法によって開閉試験を行い、次の規定に適合しなければならない。(11.4.2省略)
a) 定格電圧による開閉
1) 開閉は、円滑に作動する。
2) 開閉時の平均速度は、毎分 3〜7mとする。
3) 開閉中に、任意の位置で確実に停止できる。
4) 開閉の際、上限及び下限において、自動的に停止する。
5) 開閉中、押しボタンスイッチを逆方向に操作しても、逆方向に作動しない。
6) 温度過昇防止器の作動によって、自動的に電源が遮断する。
7) 障害物感知装置(一般型)付きのシャッターは、押しボタンスイッチなどの信号による降下中、障害物感知装置が(一般型)作動した際に自動的に停止するか、又は停止後反転上昇して停止する。
8) 障害物感知装置(一般型)が障害物を感知するために要する力は、11.4.2 a)10) に規定する方法で試験を行い、200N以下とする。(11.4.2 a) 10)省略)
9) 障害物感知装置(一般型)付きのシャッターは、11.4.2 a) 11)に規定する方法で試験を行い、荷重計に伝わる荷重が1.4kN以下である。ただし、衝撃荷重は除く。 (11.4.2 a) 11)省略)
10) 障害物感知装置(一般型)が作動したままの状態でシャッターが停止している場合には、押しボタンスイッチなどによる再降下の信号を受けても、シャッターは降下しない。
11) 障害物感知装置(一般型)が作動したままの状態でシャッターが停止している場合には、押しボタンスイッチなどによる上昇の信号を受けたときシャッターは上昇する。
12) 障害物感知装置(一般型)が作動し、シャッターが反転上昇して障害物感知装置(一般型)の作動が解除した状態で停止した場合には、押しボタンスイッチなどによる再降下の信号を受けてシャッターが降下したとき、再度障害物感知装置(一般型)が作動する。
b) 電圧変動による開閉
1) 支障なく、円滑に作動する。
2) シャッターの位置に関係なく始動する。
c) 電源遮断時の開閉
手動によって、開閉できる。
6. 構 造
6.1 スラットのつづり方
インターロッキング形又はオーバーラッピング形とする(付図4参照)。スラット相互のずれ止めは、スラット端部を折り曲げ加工するか又は端金物を付ける(付図5参照)。(付図4及び5省略)
6.2 ガイドレール
ガイドレールは次による。
a) スラットとガイドレール(中柱)とのかみ合わせはスラットをどちらかに寄せたときにも、他端の有効かみ合わせの長さが20mm以上(端金物がある場合には、端金物の寸法を含む。)になるようにする。
b) 中柱を取り付けたとき、中柱が回転又はねじれを生じない構造とする。
c) 上げ落としは、中柱に堅ろうに収り付ける。
6.3 電装品
電動式のシャッターにおける電装品(電動開閉l機を除く。)は、関係法規に適合する。
参考 関係法規には、電気用品安全法に基づく、電気用品の技術上の基準を定める省令がある。
6.4 障害物感知装置(一般型)
電動式のシャッターに使用する障害物感知装置(一般型)の構造は.次による。
a) シャッターの電動降下中に障害物を感知し、シャッターを自動的に停止できるものとする。
7. 寸 法
7.1 シャッターの内のり幅及び内のり高さ
シャッターの内のり幅及び内のり高さは、付図6による。
シャッターの内法幅
付図6 シャッターの内のり幅、内法高さ