7節 透水性アスファルト舗装
22.7.1 一般事項
22.7.2 舗装の構成及び仕上り
(1) 透水性アスファルト舗装の構成は、特記によると規定しているが、一般的な構成と厚さの例を図22.7.1に示す。
図22.7.1 透水性アスファルト舗装の構成例
(2) 表層は、雨天においても適当な空隙により速やかな雨水等の排水とともに、すべり抵抗性と快適な歩行性を確保する層である。
(3) 路盤は、表層を支持するとともに荷重を分散し、かつ、透水能力を有する層である。
(4) フィルター層は、透水性の表層及び路盤を通過した雨水等を円滑に路床面まで浸透させるとともに、路床が軟弱化して舗装が破壊することを防ぐ層である。
22.7.3 材 料
(1) 表層に用いるアスファルト混合物は、開粒度アスファルト混合物とし、使用するスレートアスファルト、砕石及び石粉の品質は「標仕」22.4.3による。
(2) 路盤には、特記により透水性と施工性を考慮してクラッシャラン(C-40等)を使用するとよい。
(3) フィルター層に用いる材料は、特記によるが、「標仕」21.2.1(10)に準ずるものを用いる。
22.7.4 配合その他
配合設計は、マーシャル安定度試験によって行う。室内配合から現場配合の決定までは、22.4.4(4)と同様である。
22.7.5 施 工
(1) フィルター層の施工は、厚さが均等になるように敷き均し、軽いローラ、ブルドーザ又は小型ソイルコンパクタ等で転圧する。
(2) フィルター層の締固め度は、規定していない。
(3) プライムコートは、施工しない。ただし、施工時において雨水浸食等で路盤面の強度低下が懸念される場合には、施工基盤の保護等の観点から高浸透性の乳剤を使用することもある。
22.7.6 試 験
「標仕」では規定していないが、透水性試験を行う場合は、現場透水試験器により次の要領で行うとよい(図22.7.2参照)。
図22.7.2 現場透水量試験器(例)(舗装調査・試験法便覧より)
(ア) 測定路面の準備
測定に先立ち、測定する舗装路面のごみ等を除去する。
(イ) 測定器の設置
現場透水量試験器底板と舗装路面の隙聞からの漏水を防止するために、透水面積を確保しつつ、水漏れ防止材を底板下部又は外周に付着させる。
次に、現場透水量試験器を圧着させ、水漏れ防止材を隙間がないように整え安定させる。
(ウ) 測定開始位置と終了位置の確認
現場透水量の測定に先立ち、水頭600mmになる測定開始位置X1と、そこから400mLを流下させた測定終了位置 X2を確認しておく。
(エ) 注水
バルプを閉じて、水をシリンダ上端付近まで注入する。
(オ) 測定
バルプを一気に全開し、シリンダ内の水位がX1からX2まで低下する経過時間(秒)をストップウォッチで0.01秒単位まで測定し記録する(図22.7.3参照)。
(カ) (エ) (オ) の作業を合計4回繰り返す。
なお、各測定は1分間程度の間隔をあけて実施する。
図22.7.3 記録紙の例