令和5年11月13日(日)
試験時間:14時15分〜16時15分( 2時間)
問題1 施工経験 記述(工程管理)
問題2 用語の説明 記述
問題3 施工管理 記述(工程表)
問題4 法 規 四肢
問題5-A 建築工事 四肢
問題5-B 躯体工事 四肢
問題5-C 仕上工事 四肢
事例)
?@工種名:鉄筋工事
?A 状況と理由:
鉄筋のガス圧接継手は天候の影響を受けやすいとう理由から、鉄筋工事において遅延が発生するかもしれない状況を考えたため。
?B行った対策:
雨天時でも施工が可能な機械式継手を導入し、配筋工事の工期短縮を図る計画とした。
事例)
?@工種名:仮設工事
?A状況と理由:
現場で足場材料を組み上げるのに時間を要するという理由から、足場の工程において遅延が発生する状況を考慮したため。
?B 行った対策:
ストックヤードで組み立てた足場材をトラックで運搬して重機でつり上げて取り付け、現場で足場材料を組み上げる時間を短縮する計画とした。
事例)
?@工種名:内装工事
?A状況と理由:
内装工事の建設資材の調達が困難な状況で、資材の納入待ちによる待機時間の発生により、内装工事において遅延が発生するかもしれないと考えたため。
?B 行った対策:
資材の在庫の発注の管理状況を常時点検させるために作業員を配置し、資材の不足を防止し、納入待ちによる待機時間を無くして、効率的に工程が進むように計画した。
事例1)
有効な方法や手段:
施工計画書を立案する前に、関連業種を含めた施工検討会議を開催し、事前に施工上の課題を共有して解決しておく。
不十分な場合に起こる工程への影響:
現場作業中に問題点が発生して、その解決の為に手戻りが発生して日数を要し、工程どおりに工事を進めることができなくなる。
事例2)
有効な方法や手段:
着手前に承認された施工計画書にて、毎朝の職長会議等で関係者にその日の作業工程、作業手順等を共有し、関係者等に周知徹底させる。
不十分な場合に起こる工程への影響:
作業手順の忘れや思い違いにより、その日の作業が手順どおりにいかず、翌日に持ち越し、結果、工程遅延が発生し、計画どおりに工事を進めることができなくなる。
用語の説明:
建設工事において、足場の組立て等の作業を行うにあたり、労働者が足場の作業床に乗る前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置し、かつ最上階の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の手すりを残置して行う工法。
施工上留意すべきこと:
労働安全衛生法を遵守する。
?@脚部
足場の組立てにあたっては、脚部沈下を防止するため、地盤を十分に突き固め敷板等を並べる。枠組足場においては、建枠の高さをそろえる。
?A布
足場のはり間方向の建地又は脚柱の間隔と床材の幅の寸法は原則そろえる。隙間をつくらないように設置し、床付き布枠のつかみ金具は、外れ止めを確実にロックする。
?B筋かい
枠組み足場の筋かいは、交差筋かいを原則として、外側及び躯体側の両構面に取り付ける。交差筋かいピンは確実にロックする。
?C壁つなぎ
枠組み足場:間隔を水平方向8m以下、垂直方向9m以下
単管足場:間隔を水平方向を5.5以下、垂直方向5m以下とする。
その他、
「 手すり先行工法に関するガイドライン
」(平成15年4月 厚生労働省)における「手すり先行工法による足場の組立て等に関する基準」、「働きやすい安心感のある足場に関する基準」を参照するとよい。
用語の説明:
鉄骨の梁上など高所作業を行う際に、要求性能墜落制止用器具を取り付けるために設置するロープ、又は、仮設的に張り渡した命綱をかけるたまのワイヤロープをいう。
施工上留意すべき内容:
緩みなく張り、墜落の衝撃に耐えられるように固定する。梁を吊り上げるとき梁の上に仮止めしておく。
用語の説明:
コンクリート型枠表面に塗布し、打設させたコンクリートの固着を防止し、型枠の取り外しを容易にする化学製品。
施工上留意すべきこと
はく離剤の塗布のむら・量不足、気温や湿度等の養生条件に配慮する。
用語の説明:
床の周囲に釘又は接着剤で固定したグリッパー(スムースエッジ)と呼ばれる取り付け金具にカーペットの端部を引っかけ、緩みのないように一定の張力を加えて張り詰める工法。
施工上留意すべきこと:
張り仕舞はニーキッカーで伸展しながらグリッパーに引っかけ、カーペットの端をステアツールを用いて溝に巻き込むように入れて固定する。
30m 2
( 6m×5m)程度を超える施工にはパワーストレッチャーを使用して施工する。
図19.3.13_カーペト張りじまい
図19.3.14_ カーペット敷込み用工具
用語の説明:
コンクリート打込み後、内部の水分が上方に移動すること(これをブリーディングという)に伴い、内部の微細な粒子が浮上し、コンクリート表面に形成するぜい弱な物質の層をいう。
施工上留意すべきこと:
打継ぎ面にレイタンスがたまったり、ぜい弱なコンクリートにった場合は、その上に新しいコンクリートを打ち込んでも付着が十分得られないので、高圧水洗等によりこのような部分を取り除き、健全なコンクリートを露出させてから打ち継ぐことが必要である。
用語の説明:
シーリング工事の補助材料て、シーリング材の三面接着の回避、充填深さの調整あるいは目地底の形成を目的として用いる。
施工上留意すべきこと:
シーリング材とは接着せず、弾力性をもつ材料で適用箇所に適した形状のものを使用する。材質はポリエチレンフォーム、合成ゴム成形材で、シーリング材に移行して変質させるような物質を含まない材料を選定する。
用語の説明:
石表面をバーナーで加熱し、それを水で急冷することにより、石材を構成する鉱物の熱膨張率の違いを利用して、表面の一部をはく離させて均一な仕上げにしたもの。(建築工事監理指針)
施工上留意すべきこと:
ジェットバーナー仕上等の粗面仕上げでは出来上りの厚さで2mm以上厚くなるように設定しておく。
用語の説明:
鉄骨の溶接継手において、T継手又は重ね継手に用いられる溶接。
施工上留意すべきこと:
溶接長さは、有効長さに隅肉サイズの2倍を加えたものであり、その長さを確保するように施工する。
用語の説明:
コーナービードとは、柱や壁の出隅を保護するために取り付ける部材である。
施工上留意すべきこと:
コーナービードは、釘、ドリリングタッピンねじ、接着材などを用いて取り付ける。
用語の説明:
鉄筋をあらかじめ、下ごしらえ → 加工 → 組立てとする工法。第一次は定尺等の寸法と単位長とし、フープや帯筋を補強したもの。第二次は第一次で製作した単位体をつなげて構造体を作製したもの。
施工上留意すべきこと:
組立に際しては、正しい材料、正確な寸法、適切な縮み代を考慮する必要がある。
用語の説明:
ガラスブロックとは中が空洞になった箱型のガラスをいい、壁面のガラスブロック積みとは、壁部分に、壁用金属枠を用いて現場にて1個ずつ積む工法をいう。
施工上留意すべきこと:
目地幅の標準寸法は、10mmである。8mm以下にすると、内蔵される力骨(φ5.5mm)との接触や、モルタルの充填性が悪くなり望ましくない。逆に、15mmを超える幅では、目地モルタルの仕上げが悪くなり、また、目地モルタルのひび割れも発生しやすくなるので、標準寸法に設定する。
用語の説明:
荷重を直接地盤に伝達する直接基礎の一つで、建築物の底面すべてに基礎スラブを構築した形式の基礎をいう。
施工上留意すべき内容:
特に、土に接する部分の所定のかぶり厚さを確保する。また、かぶり厚さには捨てコンクリートの厚さを含めない。
用語の説明:
2つの木材を接合するために刻んだ、ほぞや継手の総称。
施工上留意すべきこと:
種類には渡りあご、蟻かけ、当り欠け、大入れなどがあるが、いずれも構造上十分に性能を発揮するよう正確な加工と、丁寧な施工が求めらている。
用語の説明:
気密工事に用いる気密シートの材料は、防湿気密層の剛性が高いとともに平面保持がよい仕上げ材である。防湿気密層を押さえた時に、重ね部分の気密精度が向上する。
施工上留意すべきこと:
気密シートを張り付けるとき、シートが緩まないよう押さえをすることが重要である。また、シートどうしの重ね幅は約10cm以上とする。
(A) 埋戻し (B) 耐火被覆
[ 解説 ]
(A) コンクリート工事の基礎躯体完了後に行う土工事なので、埋戻しである。
(B) 工事概要に、耐火被覆(耐火材巻き付け工法、外周部は合成工法)とあるので、鉄骨工事で耐火被覆の施工があるはずである。
総工事金額に対する比率:36%
[ 解説 ]
1月の各実績を足して
150+500+380+10+100 =1,140万円
2月の各実績を足して
300+260+30+870+100 =1,560万円
よって、2月末の実績出来高累計は
1,140 + 1,560 = 2,700 万円
この合計金額を、総工事金額(7,500万円)で割って、
2,700 / 7,500 × 100[%] = 36 [%}
となる。
?@不適当は作業名 断熱材吹付
?A作業完了時期 4月上旬
?B3月末までの実績出来高の累計金額
4,370万円
[ 解説 ]
断熱材吹付け工事は、一般的には、外壁や屋根スラブの内側に施工するものなので、外壁の押出成形セメント板工事の後にする必要がある。また、外部建具の取り付け部に吹付ける必要があり、耐火被覆工事が終わってからする必要があるので、4月上旬が適当である。
内装工事の3月の欄の 50万が 断熱材吹付と考えられるので、50万円の内容を削除して、3月の実績を計算すると、
50+290+120+600+60+450+100 =1,670万円
となる。
よって、3月末の実績出来高累計は
2,700 + 1,670 = 4,370 万円
となる。
?@-4、?A-3
[ 解説 ]
建設業法
第24条の4(検査及び引渡し)
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が 完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から 20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その 完成を確認するための検査を完了しなければならない。
2 元請負人は、前項の検査によって建設工事の 完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。ただし、下請契約において定められた工事 完成の時期から 20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合には、この限りでない。
< 令和3年、平成30年 出題 >
?B-4、?C-1
[ 解説 ]
建築基準法施行令
第136条の7(工事用材料の集積)
建築工事等における工事用材料の集積は、その倒壊、崩落等による 危害の少ない場所に安全にしなければならない。
2 建築工事等において山留めの周辺又は架構の 上に工事用材料を集積する場合においては、当該山留め又は架構に予定した荷重以上の荷重を与えないようにしなければならない。
?D-3、?E-1
[ 解説 ]
労働安全衛生法
第25条の2(事業者の講ずべき措置等)
建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事で、政令で定めるものを行う事業者は、爆発、火災等が生じたことに伴い労働者の 救護に関する措置がとられる場合における労働災害の発生を防止するため、次の措置を講じなければならない。
一 労働者の 救護に関し必要な機械等の備付け及び管理を行うこと。
二 労働者の 救護に関し必要な事項についての訓練を行うこと。
三 前二号に掲げるもののほか、爆発、火災等に備えて、労働者の 救護に関し必要な事項を行うこと。
2 前項に規定する事業者は、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、同項各号の措置のうち 技術的事項を管理する者を選任し、その者に当該 技術的事項を管理させなければならない。
?@-4
[ 解説 ]
地盤調査において、スクリューウエイト貫入試験(スウェーデン式サウンディング試験)は、載荷したロッドを 回転して地盤に貫入する簡易な地盤調査方法であり、比較的貫入能力に優れ、人力でもある程度の調査が可能であり、手動式の場合、適用深度は10m程度である。住宅等の簡易な建物に多用されている。
?A-1
[ 解説 ]
既製コンクリート杭地業のプレボーリングによる埋込み工法はプレボーリング最終打撃工法(特定埋込杭工法)、プレボーリング根固め工法(セメントミルク工法)、プレボーリング拡大根固め工法(特定埋込杭工法)がある。
セメントミルク工法による掘削機には、オーガーヘッド(オーガービット)は施工精度、施工能率等に与える影響が大きいので掘削地盤に応じて適切な形状のものを使い分ける。ヘッド径(ビット径)は、「標仕」により、杭径 + 100mm程度とされている。
図4.3.20_オーガーヘッド
?B-3
[ 解説 ]
型枠工事において、内部の柱型枠の高さ方向の加工長さは、一般に階高からスラブ厚さとスラブ用合板せき板の厚さを減じた寸法より、下階のスラブコンクリートの不陸を考慮して 25mm程度短めに加工する。
?C-3
[ 解説 ]
木造在来軸組構法において、屋根や上階の床等の荷重を土台に伝える鉛直材である柱は、2階建てでは、1階から2階まで通して1本の材を用いる通し柱と、各階ごとに用いる 管柱とがある。
?D-1
[ 解説 ]
屋根の金属製折板葺きにおいて、重ね形折板は 各山ごとにタイトフレームに固定ボルト締めとし、折板の流れ方向の重ね部を緊結するボルトの間隔は、600mm程度とする。
?E-2
[ 解説 ]
外壁の吹付工事において、複層仕上塗材のゆず肌状の仕上げとする場合、主材及び上塗り材は塗付けを ローラー塗りとする。
?F-4
[ 解説 ]
塗装工事において、塗膜が平らに乾燥せず、ちりめん状あるいは波形模様の凹凸を生じる現象を しわといい、厚塗りによる上乾きの場合等に起こりやすい。
?G-2
[ 解説 ]
屋内の間仕切壁の軽量鉄骨壁下地において、スタッドは、スタッドの高さによる区分に応じたものを使用することとし、塗装下地となるせっこうボードを一重張りとする場合、スタッド間隔は 300mm程度とする。
?@-3、?A-4
[ 解説 ]
コンクリート躯体図に示されているX軸やY軸の基準の通り心は、柱心や壁心であることが多く、床面に地墨を打つ際に柱心や壁心を通しで打つことができない。そのため柱心や壁心の基準墨から一定寸法離した位置に補助の墨を打つが、この墨のことを 逃げ墨という。1階床の基準墨のは、上階の基準墨の基になるので特に正確を期す必要がある。
2階より上では、通常建築物の四隅の床に小さな穴を開けておき 下げ振りにより1階から上階へ順次、基準墨の 逃げ墨を上げていく。この作業を墨の引通しという。
?B-1、?C-3
[ 解説 ]
掘削した土の中で良質土を埋戻し土に用いる場合の締固めは、建築物の躯体等のコンクリート強度が発現していることを確認の上、厚さ 300mm程度ごとに行う。
使用する機器は、小規模な埋戻しの場合は、ランマー等の衝撃作用、振動コンパクター等の振動作用で締め固める機器を使用する。大規模の場合は、ロードローラー等の転圧機械を使用する。
埋戻しの最終層には、土質による沈み代を見込んで 余盛りを行う。 余盛りの適切な標準値は決まっていないが通常の埋戻しにおいて、粘性土を用い十分な締固めを行う場合、100mmから150mm程度が目安として考えられる。
?D-2、?E-1
[ 解説 ]
購入者が受け入れるレディーミクストコンクリートが、指定した性能を有する製品であるかどうかを判定するための検査を受入検査という。
受入検査は建築現場の荷卸し地点で行い、その検査の項目には、スランプ、空気量、 塩化物含有量、コンクリート温度等がある。
塩化物含有量の測定結果が 0.30kg/m 3
を超えるとコンクリート中の鉄筋の腐食が促進される可能性があるため、日本産業規格(JIS)では原則として、この値以下とすることが定められている。
?F-4、?G-2
[ 解説 ]
木造在来軸組構法の2階建て以上の軸組において、2階以上の床位置で外周の柱を相互につなぐ横架材を 胴差といい、その階の壁や床梁を支える。材料には一般にベイマツやマツ等が使用されている。
胴差の大きさは、幅は柱と同じとし、せいは上部の荷重や下部の柱の間隔により決められるが、一般に梁間寸法の 1/10程度のものが使用されている。
?@-3、?A-2
[ 解説 ]
屋根保護アスファルト防水において、現場打ちコンクリート保護層には ひび割れが発生することを防ぐために伸縮目地を設ける。
伸縮目地の割付けは、中間部の縦横間隔を3,000mm程度とし、端部を立上りパラペット及び塔屋等の立上り際から 600mm程度とする。
?B-3、?C-4
[ 解説 ]
セメントモルタルによる外壁タイル張りにおいて、 密着張り工法は、タイルを下地に塗り付けた張付けモルタルに押し付け、軟らかいうちに振動工具を用いて振動を与え、モルタルに埋め込むようにタイルを張り付ける工法である。
タイル張付け後、 24時間以上経過した後、張付けモルタルの硬化を見計らって目地詰めを行い、目地ごてで目地深さをタイル厚さの 1/2以下に仕上げる。
?D-1、?E-4
[ 解説 ]
フローリングボード張りにおいて、下張り用床板の上に接着剤を併用してフローリングボードを釘打ちで張り込む場合、下張り用床板は乱に継ぎ、継手部は根太心で突付けとし、 150mm程度の間隔で釘打ちとする。
フローリングボードは、所定の接着剤を下張り用床板に塗布し、通りよく敷き並べて押さえ、 雄ざねの付け根から隠し釘留めとする。
?F-1、?G-2
[ 解説 ]
押出成形セメント板工事において、外壁パネルの取付け方法は、縦張り工法及び横張り工法がある。
縦張り工法の場合、パネルは各段ごとに構造体に固定された下地鋼材で受け、パネルが ロッキングにより層間変形に追従できるように、取付け金物を上下端部に正確に、かつ、堅固に取り付ける。
横張り工法の場合、パネルは積上げ枚数 3枚以下ごとに自重受け金物で受け、パネルがに スライドより層間変形に追従できるように、取付け金物を左右端部に正確に、かつ、堅固に取り付ける。