6節 カラー舗装
22.6.1 一般事項
(2) カラー舗装工事の作業の流れは図22.4.1に準拠する。
22.6.2 舗装の構成仕上り
(1) カラー舗装の種類は、「標仕」では、特記によるとされているが先述したようにカラー舗装には、加熱系カラー舗装と常温系カラー舗装があり、その適用場所、施工規模、敷地形状、要求性能等を考慮して選定される。
(ア) 「標仕」22.6.2(3)において、常温系カラー舗装の下部はアスファルト舗装又はコンクリート舗装とされており、これらは特記仕様書等で特記される。
(イ) カラー舗装の施工に先立って、路盤面の浮石、その他有害物の除去と清掃を行う。
(2) カラー舗装の表層に用いるアスファルト舗装の締固め度、舗装厚さ及び平たん性は、「標仕」22.4.2による。
22.6.3 材 料
(1) カラー舗装に使用する材料は、「標仕」22.6.3によるものとする。
(2) 着色した加熱系混合物に使用する材料には、アスファルト、骨材及び石粉があり、それぞれ22.4.3 (1)、(3)及び(4)による。結合材としてアスファルトを使用しない場合は、石油樹脂が一般に用いられる。
(ア) 顔料には、無機系のものを使用する。
(イ) 「標仕」では、添加する着色骨材又は自然石は、特記によるとされている。着色骨材には、けい石等白色の骨材の表面を人工的に着色したものと、無機顔料を加えて人工的に焼成して発色させた骨材を粉砕したものがある。自然石としては、一般の骨材よりも明色性の高いけい石等がある。これらを表層用アスファルト混合物の骨材として使用する。舗設当初は骨材表面がアスファルト等で被覆されているが、表面のアスファルト等が摩耗すれば着色骨材又は自然石特有の色を呈するようになる。
(3) 常温系カラー舗装のニート工法及び塗布工法について「標仕」では、規定している。
ニート工法に使用する結合材は、エポキシ樹脂とされている。車道部で滑り止め機能をもたせる場合には、「標仕」表22.6.2に示されている硬質骨材(エメリー又は着色磁器質骨材)を使用する。
塗布工法に使用する材料は、アクリル系カラー塗布材と規定している。アクリル系塗布材は、軟質アクリルポリマーをメタクリル酸メチル(MMA)等のモノマーに溶融させた液状樹脂であり、触媒添加により重合を開始させることによって硬化する触媒硬化型の合成樹脂である。一般的に硬化速度が早いので、短時間施工に適している。
22.6.4 配合その他
(1) カラー舗装の配合その他は、「標仕」22.6.4によるものとする。
(2) 「標仕」では、着色した加熱系混合物の結合材としてアスファルトを使用する場合、顔料の添加量は混合物の質量比で5〜7%程度とし、容積換算により同量の石粉(フィラー)を減ずると規定している。例えば、表層用アスファルト混合物に5〜7%の酸化鉄(Ill)(ベンガラ)を添加すれば赤に、酸化クロムを5〜10%添加すれば緑の舗装となる。
(ア) 着色した加熱系混合物の結合材に石油樹脂を使用する場合には、顔料の添加量は特記によるとされている。
(イ) 顔科の着色効果は、顔料の種類や質によって異なり、同一添加量であっても発色の程度が違ってくるため、施工に先立ち、試験練り等により見本を作製して色合を確認することになっている。ただし、軽易な場合は、監督職員の承諾を受けて見本の作製を省略できると規定している。
(ウ) 結合材に石油樹脂を使用する場合、混合物の製造温度が所定より高すぎると変色することがあるため、温度管理に留意する必要がある。
(3) 「標仕」では、ニート工法及び塗布工法の配合その他は、特記によるとされている。この場合も、施工に先立ち、見本を作製して色合を確認する必要があるが、軽易な場合は、監督職員の承諾を受けて省略できるとされている。
22.6.5 施 工
(1) カラー舗装の施工は、「標仕」22.6.5によるものとする。カラー舗装の施工方法の一例を表22.6.1に示す。
表22.6.1 カラー舗装の施工方法の一例
(2) 着色した加熱系混合物の施工は、色むらが生じないよう材料を均ーに混合する。また、混合機械や敷均し機械・器具の汚れにより、色むらが生じる場合があるため、使用する機材類の掃除を十分に行う必要がある。
(ア) 不陸や段差があると水たまりが生じて黒変することがあるため、注意する。
(イ) 混合物の敷均し方法、転圧の方法により、肌目の違いが生じて色むらとなる場合があるため注意する。
(ウ) 「標仕」では、結合材に石油樹脂を使用する場合、アスファルト混合物の製造時の温度によっては変色する場合があるため、温度管理を適切に行うと規定している。
(3) 「標仕」では、ニート工法の施工に当たっては、下地と十分接着させるために、施工に先立ち、下地となる施工基盤面を清掃し、乾燥させると規定している。
(ア) ニート工法に使用するエポキシ樹脂は、車路で1.6kg/m 2 以上、歩行者用通路で1.4kg/m 2 以上を散布する。
(イ) 硬質骨材の散布は、エメリーで8kg/m 2 程度、着色磁器質骨材で6.5kg/m 2 程度を均ーに散布し、必要に応じて転圧する。
(ウ) エポキシ樹脂は、低温下では硬化不良を起こすことがあるため、気温が 5℃以下の場合は、保温対策、加温対策等適切な措置を講ずる。
(4) 「標仕」では、塗布工法の施工に当たっても、下地と十分接着させるために、施工に先立ち、下地となる施工基盤面を清掃し、乾燥させる必要があると規定している。
気温が高いほど硬化までの時間が早くなるため、施工時の基盤面の温度は40℃以下と規定している。夏期の日中の路面温度は60℃程度まで上昇することから、このような場合は、日中の施工を避けて、午前の早い時間や午後の遅い時間等、路面温度が40℃以下となるような時間帯に施工するとよい。
22.6.6 試 験
(1) カラー舗装の試験は、「標仕」22.6.6によるものとする。
(2) 着色した加熱系混合物の締固め度及び舗装厚さは、22.4.6(1)により、コア抜きをして試験を行う。舗装の平たん性は、22.4.6(2)により散水のうえ目視により確認する。アスファルト量確認のための抽出試験の適用は特記によるが、使用したアスファルトに異常が見られなかった場合には、アスファルト混合所における印字記録をもってアスファルトの使用量を確認するとよい。
(3) 樹脂系混合物、ニート工法及び塗布工法の材科使用量は、空袋により管理する。
(4) 樹脂系混合物、ニート工法及び塗布工法の平たん性は、22.4.6(2)による。
(5) 「標仕」22.4.6(1)(ア) では、「軽易な場合は、監督職員の承諾を受けて、試験を省略することができる。」と規定している。「軽易な場合」の定量的な判断基準はないが、面積的に小さく、供用開始後の人や車の通行量も少ない場合等が該当すると考えられる。