02節ユニット工事等
20.2.13 煙突ライニング
(ア) 「標仕」では、煙突用成形ライニング材は、実績等の資料を監督職員に提出すると規定している。次を参考にして選定するのがよい。
なお、適用安全使用温度は、接続する機械設備の排ガス温度等を基に特記される。
(a) 煙突用成形ライニング材は、ボイラー、冷温水発生機、自家用発電機、コジェネレーションシステムの排気煙突で使用されることを想定している。その他焼却設備等の排気煙突は、腐食性の高い排ガス成分を含む可能性があり、材料を過度に腐食劣化(はく離、脱落)させるおそれがあるため、別途材料・工法を検討する。
(b) 煙突用ライニング材として実績が多い材料は、ゾノトライト系けい酸カルシウムであるが、他に繊維積層成形ライニング材などの材料もあり、排ガス成分、排ガス温度に対して検証された材料を選定する。
(イ) キャスタブル耐火材
(a) キャスタブル耐火材は煙突底部に排水勾配をとるために使用する。
(b) キャスタブル耐火材は、煙突用ライニング材の製造所の指定する製品とする。
(2) 工 法
ボイラー等の機械設備は建物供用期間の中で更新され、排ガス諸元が変更となる事例が多い。その際、煙突継続使用可否調査を実施することになるが、結果、改修や更新を要する場合がある。改修や更新に対応可能な工法として、ユニット煙突も検討するのがよい。
ここではユニット煙突の工法について、参考に記載する。
(ア) ユニット煙突には、断熱及び煙突効果確保、また、煙突構造体保護のため、煙突用として製造されている成型ライニング材を使用する。
(イ) 煙突は、機械設備の排ガスを安全に大気放出するために、排気能力不足、漏煙、周囲の温度上昇について対策しなければならない。
(ウ) 煙突内径は、点検や改修を考慮し内部作業が可能なサイズが望ましい。煙突本体を撤去更新可能な場合はこの限りではない。
(エ) 煙突吹出し周辺に、排ガスの影響で不具合を発生するような設備、塔屋等がないかを確認する。近年では、数値流体解析技術によって熱拡散状況の検討も可能である。
(オ) 雨水の他、煙突内結露水の排水のため、煙突底部にはキャスタブル耐火材で排水勾配を取り排水管を設ける。キャスタブル耐火材施工後は十分な乾燥養生を行い、強度を確保する。
(カ) 煙突が屋外に設置される場合、寒冷地では点検口周囲に積雪することが予想される。除雪方法も検討するとよい。
(キ) 自家用発電機、コジェネレーションシステムは、機外静圧(背圧)を有するため、排ガスが高流速で煙突に流入する。煙突吹出しに向かって排ガスを誘導するために立上げエルボ又は整流板が必要となる場合がある。
(ク) 区画壁内空気層の換気方法は、下部からの流入空気量、空気層の通風抵抗、上部の排出抵抗を検討し決定する。また、流入空気量が確保されているか設備工事に確認する。
(ケ) 地震力、風圧力、躯体変形の条件は、建物の構造を基に決定する。それによる煙突の建物への反力は、煙突製造所に確認する。
(コ) 煙突の仕上げは、特記を確認する。排ガスが直接触れる部分は高温になるため、ステンレス(SUS304 同程度)が望ましい。
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