1節 共通事項
22.1.1 一般事項
(2) 構内舗装に関しては、国土交通省大臣官房官庁営繕部整備課監修「構内舗装・排水設計基準及び参考質料 平成31年版」がある。
(3) 通常用いられる舗装の種類は次のとおりである。
(ア) アスファルト舗装
路盤及び加熱アスファルト舗装の表層又は表層と基層で構成されるたわみ性舗装で、交通荷重を路床土の有する許容応力以下に分散する。加熱式アスファルト混合物の代わりに、石油アスファルト乳剤やカットバックアスファルトをバインダとした常温式アスファルト混合物もあるが、耐久性の点で加熱式より劣るため、通常は加熱式アスファルト混合物を使用する。
(イ) コンクリート舗装
路盤及びコンクリート版により構成される剛性舗装で、交通荷重をコンクリート版の曲げ強度で支える構造となっている。
(ウ) その他の舗装
舗装の表面の材料が異なるものとして、ブロック系舗装がある。また、(ア) 及び(イ) に特別な機能を付加したものとしてカラー舗装、透水性アスファルト舗装及び排水性アスファルト舗装があり、材料と施工方法を変えたものとして転圧コンクリート舗装がある。
(4) 施工計画書の記載事項は、概ね次のとおりである。
なお、 赤文字 を考慮しながら品質計画を検討する。
?@ 工程表(着工、他工事との関連、完成、試験の時期)
?A 施工業者名及び作業の管理組織
?B 舗装の構造
?C 使用材料の品質、製造所名及び使用箇所
?D 配合計画書
?E 目地割り及び目地の構造
?F 路床の不良土及び障害物の処置
?G 建設発生土の処分方法
?H 締固めの方法、管理の方法
?I 舗設の工法
?J 養生の方法
?K 試験の要領
?L
22.1.2 基本要求品質
(1) アスファルト舗装の場合は、通常路床上に路盤・表層の順で構成され、コンクリー卜舗装の場合は、路床上に路盤・コンクリート版の順で構成される。
なお、路床が軟弱な場合には、路床の改良を施すことがある。また、寒冷地では凍上による舗装の破損を防ぐため、水はけの良い材料で凍上抑制層を設ける場合もある(図22.1.1参照)。
これらに用いる材料については、「標仕」の各節で、JIS等による品質規格が定められているので、この規格に適合する材料を用いる。
基本要求品質としては、定められた材料が正しく使用されていることを求めているため、そのことを完成時にJIS等に基づく試験成績書等で証明できるようにしておく必要がある。
図22.1.1 舗装構成と各層の名称( () は必要に応じて採択する)
(2) 「標仕」では、仕上りの状態は、形状及び寸法を「所定」のものとし、仕上り面の状態を「所要」のものとしている。
形状及び寸法については、設計図書で指定され、その許容差は「標仕」の各節で規定している。また、仕上り面については、設計高さとの許容差を定めるとともに、平たん性を定性的に規定している。
舗装の平たん性については、目視により歩行に支障がなく、段差や著しい不陸がないことや、通行の支障となるような水たまりがないことを散水や降雨時を利用して、確認する。また、ブロック系舗装の場合については、22.8.5を参考に、品質計画で平たん性の管理方法等を明確にしておくとよい。
(3)「標仕」では、舗装各層の性能については、定められた材料を用いて「所定のとおり締め固められ、耐荷重性を有すること」と規定している。また、路床や路盤の締固めについては、土質や路盤材料並びに締固め機械の種類等に対応して、締固めに適した含水状態で施工するよう定めている。
アスファルト舗装については、アスファルト混合物等の配合設計を行い、原則として、使用するアスファルト混合物の製造所において試験練りや試験施工を行って現場配合を決定するとしており、石油アスファルト乳剤の使用量や、アスファルト混合物の敷均し時の温度等についても規定されている。さらに、路盤や舗装等について、施工後の締固め度の試験についても規定している。
これらに関して、当該現場での具体的な施工の方法並びに管理の方法等について施工計画書(品質計画)で定め、これに基づき品質管理を行わせるとともに、その記録等により、施工が適切に行われ、品質管理の結果が適正であることが分かれば、その工事は「耐荷重性」を有すると見なすことができる。
ただし、現場の地盤の状況等が設計時の想定と異なり、設計図書のとおりに施工すると「耐荷重性」の確保が困難であると予想される場合には、設計担当者と打ち合わせ、「標仕」1.1.8の規定による協議を行う必要がある。
22.1.3 再生材
(1) 再生材は、コンクリート構造物の解体工事や舗装の補修工事からの発生材をリサイクルして利用するものであり、大別して再生加熱アスファルト混合物と再生路盤材に分かれる。いずれの再生材も適切な品質管理のもとで製造されることにより、新規材料と同等の性能を有するので、資源の有効利用や環境保全の観点から積極的な利用が望まれる。
(2) 「標仕」22.1.3では、各節に規定されている材料中に再生材が含まれている場合には、再生材を使用すると規定している。ただし、再生材の供給状況等により、再生材の使用が困難な場合には、監督職員との協議により、再生材以外の材料を使用することができる。