2016年12月06日
感染しても気付かない? C型肝炎について知りたい
C型肝炎は、ミュージシャンの小室哲哉さんや俳優の渡辺謙さんが患ったことでも知られている病気です。
今回はこのC型肝炎について、医師に詳しい話を聞きました。
C型肝炎の感染経路は?
C型肝炎は、主にC型肝炎ウイルスに汚染された血液を介して感染します。
たとえば、以下のような行為からウイルスが侵入する可能性があります。
・皮膚にできた傷に血液が触れた場合
・滅菌・消毒をしていないカミソリの使い回し
・医療従事者の針刺し事故
・性行為(比較的確率は低い)
・感染者に用いた針でピアスホールをあける
・覚せい剤などの注射器で使い回し
・滅菌不十分な状態で刺青を入れる
ほとんどの場合に自覚症状がありません。
あったとしても全身の倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐などといった程度で、わかりにくいことがほとんどです。次第に病気は進行していくと黄疸、肝臓の腫大が見られることがあります。
C型肝炎はどんな症状?
一部の人は急性肝炎が起こった後に自然にウイルスが排除され自然治癒することがあります。
しかし、多くの場合は急性肝炎がおさまった後も持続的な肝臓での炎症と細胞の修復が繰り返されていきます。これは慢性C型肝炎に移行した状態といえます。
その後も以下のように進行します。
1.急性肝炎
2.慢性C型肝炎
3.肝臓の繊維化
4.肝硬変
肝臓は細胞がダメージを受けても修復する力が強いので常に修復を繰り返していきますが、その度に肝臓は繊維化して硬くなっていきます。この結果が肝硬変といわれる状態です。
肝硬変も初期のうちは肝臓本来のはたらきができる状態です。しかし、末期になってくると肝臓本来のはたらきができなくなり、さまざまな症状があらわれます。
・毒素が血液中に溜まる
・腹水がたまる
・白血球、赤血球、血小板などの数が減少する
・食道に静脈瘤ができ、大吐血する場合もある
・脳にもダメージをきたし、精神症状が出る
・昏睡状態になる
また、C型肝炎にかかっていると発がんしやすい状態なので、医療機関で定期的にがんのチェック行う必要があります。
C型肝炎の治療はどう行うの?
これまでは、完全にウイルスが排除できず、肝硬変から肝がんになって死に至ることも多くありました。
しかし、最近では治療も革新的に進化してきています。
現在は飲み薬だけでウイルスを除去することができる確率が上がってきています。
また、インターフェロン療法という治療法もあります。
インターフェロンとは、ウイルスが増えることを抑えるたんぱく質のひとつです。それを体内に入れることで、ウイルスを抑えていく治療法です。
治療では、飲み薬とインターフェロン療法を併用することもあります。
C型肝炎の感染源は血液などの体液です。
一般の生活の中でうつることはほとんどありませんが、以下に気をつけましょう。
・素手で他人の体液に触れない
・体液のついたものは使い回さない
C型肝炎に検査を受ける機会がなかった方は、できれば検診などを一度受けてみると安心ですね。