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「日焼けサロンは危険だ!」 米国で「利用規制」強まる

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日焼け大国、米国で日焼けサロン規制が進んでいる。すでに42州で利用規制はあるが、それらはあくまで州ごとの、いわば条例のようなものだった。

しかし、2015年12月、米国内の食品や薬品、医療機器に関する法律の施行、消費者保護の権限を持つ米国食品医薬品局(FDA)が、「日焼けサロンの利用には危険性がある」と明言し、年齢制限を含む全国的な規制案を米政府に提案したのだ。

米学会「日焼けは自滅行為」 FDAが提案している規制の内容は、「18歳未満の利用禁止」、「成人も利用前にリスクを明記した同意書に署名をする」となっており、かなり厳しく制限しようとしているのが見て取れる。

米国以外でも、豪州やブラジルは日焼けマシンの商用利用が禁止、イギリス、フランス、スペイン、ドイツなど欧州各国では未成年の利用が禁止されるなど、規制が進んでいる。日焼けサロンでやけどを負うなどの事故報告があるのも事実だが、規制までしようとする最大の理由は、紫外線の浴びすぎによって発症する「皮膚がん」の多さだ。

皮膚がんは米国で最も一般的ながんとも言われ、症例数は乳房、前立腺、肺、消化器官のがんの合計よりも多い。米国立がん研究所によると、毎年約200万人が皮膚がんと診断され、米国人の5人に1人は生涯で必ず皮膚がんになっているという。豪州出身だが、俳優のヒュー・ジャックマン(47)も、2016年2月9日に自身のインスタグラムで、皮膚がんの再発のため、4度目の手術を受けたことを公表した。しかし、紫外線を浴びる機会は日焼けサロンに限らず、屋外での太陽光も同じはずだ。ヒュー・ジャックマンも「子どものころに日焼け止めを使っていなかった典型だ」とコメントしている。

紫外線対策を徹底するだけでもいいように思えるが、「日焼けサロンで焼く」ことが皮膚がんリスクを上昇させるとしたエビデンス(研究に基づく科学的な証拠)が存在している。2013年にカリフォルニア大学の研究チームは、欧米の6か国、約8万人のデータを分析し、日焼けマシンを使って肌を焼いている人は、焼かなかった人に比べ、最も一般的な皮膚がん「基底細胞がん」発症リスクが29%、2番目に一般的な「扁平上皮がん」リスクは67%高い、と発表している。

致命的で危険とされる「メラノーマ(悪性黒色腫、ほくろのがんとも)」のリスクも59%増加するとされ、米国皮膚科学会はこの研究を受け、「日焼けマシンの利用は自滅行為」とすらコメントした。

利用するかしないかは自己責任、と言いたいところだが、2014年にマサチューセッツ総合病院とハーバード大学医学部が発表した研究では、紫外線を定期的に浴び続けていると、脳内で神経伝達物質のひとつで、脳内麻薬ともいわれる「エンドルフィン」の分泌がうながされ、薬物中毒と同じ中毒症状に陥るリスクがあることが示唆されている。皮膚がんリスクの危険性を認識しながらも、日焼け中毒になってしまい、繰り返し利用してしまう...とすれば、日焼けサロンが規制対象となるのも、やむを得ないのかもしれない。

日本でも他人ごとではない? では、日本ではどうなのだろうか。日焼けサロン自体は法的に規制があるわけではなく、一部の業界団体が自主規制などは設けている。利用者数の全国的な統計はなく、国民生活センターによると、日焼けサロンでのやけどなど、健康被害が年間約100件程度寄せられているという。

皮膚がんに関しては、日本人をはじめ、有色人種は白色人種に比べて紫外線の影響が少ないことがわかっている。国立がん研究センターの統計でも、皮膚がんの患者数は上位10位に入っていない。罹患率も、年間人口10万人あたり3〜5人と微増しているものの、欧米各国に比べれば少ないほうだ。

とはいえ、だから日焼けはいくらしても問題ないとはならない。近畿大学医学部奈良病院で皮膚科を担当する山田秀和教授は、「日本人でも、紫外線を浴びる量と皮膚がんの発生は関係しているという研究発表があります」と話す。仮にがんにならなくても、日焼けのしすぎは、シワやシミ、くすみの原因になるだけでなく、免疫機能の低下や疲労にもつながると考えられているという。

そのほかにも、目にも注意が必要だ。日本人に多い「皮質白内障」という白内障は、紫外線が危険因子とされている。日本皮膚科学会では、こうした紫外線リスクを踏まえ、「見かけだけのために日焼けサロンを利用することは推奨できない」としている




ダイエットのため、といっても限度がある!水の摂り過ぎで起こる 「水中毒」とは?

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ダイエットのためや何だか口がさみしい…そんな理由で水を身体の許容量を超えて摂ってしまうことがあります。

今回のテーマは「水中毒」です。医師に詳しい話を聞きました。


水をたくさん摂りすぎると、どうなるの?
血液中の微量なイオンなどの各種物質は腎臓などで厳密に濃さが調整されています。
その調整によって、身体が常に同じ状態に保たれています。

しかし、この機能にも限界があります。
一度にあまりにたくさんの水分を摂ると体内の調節ができなくなり、血液が希釈された状態になってしまいます。

なかでも血液中に溶けているナトリウムという物質の濃さが低下します。
状態がひどい場合は「水中毒」といわれ、いろいろな障害を起こすようになります。

「水毒症」になると、どんな症状が現れる?
水中毒では皮膚は湿っぽくなり、血圧は上昇し脳にむくみを生じます。
そのため、以下のような症状が現れます。
・めまい
・だるさ
・吐き気
・多尿
・運動障害
・筋肉のけいれん
・意識障害

ひどい場合には死に至ることもあります。


また脳の細胞だけでなく筋肉の細胞にも障害を与えます。
ときに発熱や筋肉の強いこわばり、筋肉痛、赤色尿、ものを飲み込みにくく感じる、などの症状も起こることがあります。

身体の水分の循環で、気をつけることはありますか?
水分の循環はなにもしなくても体が行っています。
口からとった水分は主に小腸で吸収されて血中や細胞に取り込まれて各種の必要な物質の輸送を行ったり、皮膚や口から蒸散されたり老廃物を集めて尿となって体外に排出されます。

適量の水分を摂っていれば、問題はありません。
自動的に体はこれらのことを行う機能が備わっていますので特別にすることはありません。

運動などで汗をたくさんかくときは、水分と一緒に塩分も失います。
少量の塩分を補ったり糖分控えめのスポーツドリンクや経口補水液などを摂ることで熱中症やこむら返りを予防にもなります。水分だけではなく、必要な栄養素も摂るように心がけましょう。

また、動脈硬化がある程度進んだ場合は暑い日にゴルフや農作業をしていて血液が濃縮されて脳梗塞を発症してしまうことがあります。

いずれにせよ、汗をよく書くときはこまめに水分を補うように心がけましょう。

水毒症かも、と思ったときにチェックしたいことは?
周りから注意されてもたくさん水を摂取してしまう場合は、水毒症予備軍の可能性があります。
常にコップを手に持っていたい、常に水を飲んでしまう場合などは、なおのこと注意が必要です。

実際に水分の著しい摂りすぎにより血液中のナトリウムの低下に伴い、以下のような症状が起こる場合や医療機関で水中毒と診断された場合は、医師の指示に従ってください。

≪水毒症で現れる症状≫
・めまい
・吐き気
・頭痛
・だるさ
・運動障害
・けいれん
・意識障害 など

場合によっては精神科などで専門的に治療を受けないといけないこともあります。

水中毒は比較的精神疾患のある方や、抗精神病薬を用いて治療されている方に多いとされています。

また糖尿病など口渇を伴う別の病気もあります。
多飲水がある場合は一度医療機関で原因を検索していただくことが大切です。

周りから多飲水を指摘される人は早めに受診して血液中のナトリウム値が低下していないかなどを見ていただくことが望ましいです。

水中毒の特効薬はいまのところありません。自身で飲みたい気持ちを抑えることが第一です。

しかし、それが難しい場合は家族などにサポートしてもらうことや専門の医療機関で入院しての治療も考えることになります。




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