2016年12月17日
時間が経つほどおいしくなる「クライマクテリック型果実」はどれ?
鮮度がおいしさに直結する野菜類と違って、果物はすぐ食べたほうがいいものと、しばらく置いておくとおいしくなるものの2種類にわかれます。身近な例をあげると、いちご、みかん、ブルーベリー、ぶどうなどは新鮮なものほどおいしい果物。対して、バナナ、桃、りんご、ナシ、メロン、マンゴー、それからアボカドやトマトなど、置いておくほど甘さが増す果物は「クリマクテリック型果実」と呼ばれています。
違いは「追熟」するか否か
ほとんどの果物は成熟過程において、植物ホルモンの一種であるエチレンガスが出ます。このエチレンの濃度が劇的に増加することで、果実の呼吸が急上昇し、果実の成熟が進むのです。りんご、バナナ、マンゴーなどが置いておくほどに甘さが増すのは、収穫後もエチレンガスによって追熟するため。つまりクライマクテリック型果実とは、追熟することで甘さが増す果物のことです。
ちなみにこの「追熟」とは、収穫後の果実にみられる成熟現象のこと。具体的には色が変わり、果肉は柔らかくジューシーになり、独特の芳香が発生することを指します。
柑橘類はフレッシュなうちに
これに対して、柑橘類やベリー類、パイナップル類などの果実は、収穫後にエチレンガスを放出しないため、しばらく置いても甘さが増すことはありません。つまりこれらの「非クライマクテリック型果実」は、収穫後は追熟することなく、鮮度が落ちて腐っていくだけ。こちらは新鮮なほど味がいいので、早めに食べ切るようにしましょう。