2016年12月14日
ウコンは逆に肝臓に悪い?——こんな人は要注意
ウコンといえば肝臓に良い二日酔い対策の健康食品としておなじみです。歓送迎会シーズンの多い春先はウコン頼みという人も少なくないことでしょう。
ですが、摂り過ぎるとかえって肝臓を悪くしてしまうことがあることをご存知でしたか?肝硬変を患っていた60代女性が、ウコンを飲み続けて2週後、肝機能が悪化して死亡したという事例もあります。
アレルギーやうつにも良いということで、男女問わず高い人気を誇るウコンですが、飲む前に注意すべき点をおさえておきましょう。
●過剰摂取や長期摂取に注意
ウコンには大別して春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの3種類があります。このうち健康食品等として多く目にするのは、春ウコンと秋ウコンです。
胆汁の排泄をよくする働きがあり、肝臓に良いとされるウコンですが、健康食品による肝障害の4分の1はウコンが原因ともいわれています。
因果関係は解明されてはいないものの、ウコンを飲み続けていて肝機能が悪化した人が、ウコンを中止したところ いずれも症状が回復・改善したという報告もあります。
国立健康・栄養研究所では、ウコンの働きを認めながらも、一方で、「大量摂取による肝臓の脂肪変性が示されるなど、摂取量による機能性と安全性に対する疑問点や他の構成成分の影響などは明確に示されていないのも現状」と発表しています。
●胃酸過多や胆石症の人に「秋ウコン」はNG!
ウコンには、肝臓の細胞を刺激し、胆汁の分泌を増加させる働きを持つ成分が含まれています。そのため、胆道閉鎖症(胆石症)の人には、とくに「秋ウコン」は禁忌とされています。
ウコンにはまた、食欲増進や健胃作用もあります。これは、胃液の分泌を促す働きによってもたらされる効果です。胃酸が多くなっては困る胃酸過多や胃潰瘍の人は、絶対に秋ウコンを摂ってはいけません。
●生理痛がひどい人も控えよう
動物実験から、ウコンには子宮に対する周期的収縮作用があることが報告されています。ということで、妊婦さんは流産の恐れがあるので控えるようにしましょう。また、生理痛のひどい人もウコンは控えたほうが無難です。
飲み会のときなど、ピンポイントで摂取する分には心配する必要はないと思いますが、もともと肝臓に持病がある人がウコンを健康のために摂る際は、事前に医師に相談することをおすすめします。
ウコンに限らず、健康に良いとされるサプリメントやお茶を摂る際は、広告の内容やメリットばかりに目を奪われず、副作用や禁忌次項にもきちんと目を向けるようにしましょう!