さて、2017年の「日本 カーオブザイヤー」でもかなり評判の高かった「カムリ」
評判はかなりいいものの、周囲に購入者も居ないので「本当にそんなに出来がいいのか?」と疑問でした。
トヨタレンタリース系では、レクサスカード割引(20%)で大体1日あたり「12,000円」前後でレンタルできるので、短期間の旅行であればそれほど負担になりません。
レンタカーでは、いわゆる”自動ブレーキ”等の運転支援装備がついていることはまだまだ珍しいですが、トヨタは重い腰をあげ「TSS+」などをうようやく標準装備したおかげで、レンタカーでも新型プリウスやC-HRなど、安全装備や快適装備が備わる車種が徐々に増えてきましたね。
普段使いのクルマとは異なりますので、このような安全装備はレンタカーに備わっていると大変安心度が増しますね。
なお、レンタカーでは最廉価グレードが採用されることが多いですが、新型カムリでは中間グレードの「G」が準備されていました。
詳細なスペックはトヨタのホームページのとおりですが、価格は「約350万円〜」となかなか高価です。
https://toyota.jp/camry/grade/g/?padid=ag341_from_camry_grade_g_detail
なんと、「G」グレードでは標準装備ではない、「ブラインドスポットモニター」(BSM)がオプション装備されていました。
BSMがあると事故率はかなり下がると思われますので、レンタカーに装備するのは事業者側にとっても望ましいでしょうね。こ
運転席の「パワーシート」があるのもレンタカーでは珍しく、嬉しい装備です。
ステアリングのチルト&テレスコピックは手動。短期間利用のレンタカーだと気になりませんが、日々使用する方やドライバーを複数人で交代する方は電動&メモリーコール機能付きが望ましいでしょうね。
このあたりの質感は「ES」では大きく改善されると思いますが、レンタカーとしては十分です。
さて、新型カムリの走りですが、噂通り、新型エンジン(ダイナミックフォースエンジン)+ハイブリッドシステムで、かなり進化していることを今更ながら体感しました!
新型カムリの重量は「1540kg〜」と、C-HRよりも100kgほど、新型プリウスよりも150kg以上重いのですが、新型プリウスやC-HRと同様、時速70km/hを超えるような領域でもEV走行が可能であるなど、エンジンを停止した状態(EVモード)での走行可能領域がかなり広くなっていますし、実用燃費は新型プリウス等とほとんど変わらないように感じました。
現在、レクサスの4気筒エンジン+HVシステムは「IS300h」、「GS300h」、「RC300h」などに使用されていますが、基本的には時速60キロ台後半でEV走行は不可となりますし、高速道路での走行ではハイブリッドシステムの恩恵はほとんどありません。
しかし、新型カムリでは、条件が許せば高速道路等で時速100km/hを超える領域でも一時的にEV走行が可能となっており、EV走行比率が非常に高くなっています。70km/h台でもじんわりアクセルをふんでいけばEVモードで巡航可能なので、周囲の交通状況にあわせストレス無い走行ができますし、結果的にそれが好燃費に繋がるようです。
さて、新型カムリのカタログ上の燃費(JC08モード燃費)は「 28.4km/L」となります。
従来のトヨタ/レクサスハイブリッドシステムでは、このモード燃費を超えるのは至難の技でした。
たとえば、レクサスの「IS300h」や「GS300h」といった、1世代前のハイブリッドシステムでは、モード燃費の「21.4〜23.2km/h」を達成することは一般的な運転をしているとかなり難しく、一般的にはカタログ値の「7割程度」(16〜17km/L)がせいぜいではないでしょうか?
しかし、この新型カムリ・・・恵まれた観光地での郊外ドライブとはいえ、「容易」にこのモード燃費を超すことが可能。
ある程度トヨタ/レクサスハイブリッドシステムを乗られた経験のある方なら、「リッター30km/L」は余裕でマークできます。
当方が今までなんどか地方都市でレンタルした新型プリウスでも「リッター30km/L」がせいぜいだったので、さらに排気量が大きくパワーもある新型カムリでほとんど変わらない実用燃費というのには驚きました。
燃費はおおむねリッター「30km/L」程度でしたので、ストップ&ゴーの多い市街地でも「リッター24〜25km/L程度」はマークできるのではないでしょうか?
また、リチウムイオン電池を採用しているせいか、積極的にEV走行を意識した運転をしても、電池の溜まりが結構速く、2日間のレンタル期間中、途中で充電残量がゼロになり「充電地獄」(強制充電モード)になることは一度もありませんでした。
なお、”全車速追従型”のレーダークルーズコントロールを装備しているので、観光地でありがちな、「一本道でひたすら時速20-30km/hぐらいでのノロノロ渋滞」のときの疲労軽減にも役立ちますし、安心度が違いますね。
なお、メーター内部には大きめの液晶画面があるのですが、グラフィカルではあるものの、情報量が少なくて結局画面を切り替えしないと様々な情報を見れないのは残念でした。(このあたり、欧州車はうまく数多くの情報を一画面に見せていると思います)
この画面はレーダークルーズの画面ですが、「燃費情報」や「残充電」などはわかりません。表示エリアはまだまだたくさん空いているのですが。
なお、4気筒の2.5Lエンジンということもあり、エンジンがかかったときの振動は明確にありますし、エンジンがかかった状態の低速度(20km/h前後)のノイズや振動はあまり好ましいものではありません。
どうしても、足元や足先から「微振動」が伝わってくるんですよね・・・しかし、いったん速度が乗ってアクセルを離し、EV走行状態になってからは極めてスムーズな走りが出来てなかなか気持ちのよい運転が可能です。
レクサスESでは、新型カムリに比べ、車両重量は少なくとも「120〜150kg」程度は重くなると予想していますが、結構な割合で「静音・制振対策」に充てられると思いますのでかなり改善されると予想しています。
使い勝手の面では特段不満もなく、レンタカーとしては最高に快適で便利でした。
「電動パーキングブレーキ」や「ブレーキホールド」も備わっていますし、カップホルダーもしっかり準備されています。
リッド付きの小物入れもありますし、センターコンソールパネルもなかなかの質感です。
センターアームレスト下の「収納BOX」もFF方式のおかげかとても大きく深く便利です。
ただ、レクサス車では定番の「USB端子」がここにはないんですよね・・・
「G」グレードでは、USB端子は後席に2つあります。
高速充電ができる「2.1A仕様」なのはうれしいですが、前席にも欲しいところですね。
ただ、広々とした後席は駆動方式がFFならではの利点。
全般的にフォーマルなセダンとして、質感的にもう少し頑張って欲しいとと思いますが、「ES300h」では大きく改善されるでしょう。
そして、旅行の荷物やお土産などトランクスペースは広いほうが良いですが、カムリはとにかく広い!
そして横方向にも広いです。さすがに一部トリムが省略されており鉄板がむき出しな部分は目立ちますが、ここはESでは確実に改善されるから安心です!
非常に快適だった新型カムリですが、欠点としては、乗りごこちが全般的に「ふわふわ」していること。またステアリングも少し軽め。
スポーツセダン系に慣れていると、乗り心地はいいものの、ふわふわ感は最後まで慣れませんでした。
特に山道などでのワインディングロードでは、もう少しコツコツ感があってもいいのでシャキっとした足回りのほうが好ましいです。
また、「パドルシフト」がありませんので、ちょっとしたエンジンブレーキをかけたい時などはシフトノブで操作しなければなりませんし、シフトノブの位置がブラインドで操作するには良い場所ではないように思いました。
レクサス「ES300h」もどちらかといえば快適性重視のセッティングであると思いますが、「F SPORT」モデルや「version.Lにメーカーオプション」で”可変ダンパー(AVS)”が採用されると思います。この場合、ドライブモードスイッチを切り替えすることで、好みで足回りのセッティングを変更できると思いますので、その点に期待したいところ。
なお、カムリにも「SPORT」モードはありますが、ステアリングが多少重くなるぐらいで、あまり明確な違いは感じられませんでした。
また、もう一つの欠点は「取り回し」
今回は観光地でのお供のため、バック駐車の機会はそれほど多くありませんでしたが、混雑する「道の駅」等での駐車の際は思ったよりクルマが切れません。というのも、ラージサイズのFF車ということもあり最小回転半径がとにかく広いです。
カタログスペックを確認すると、17インチ装着車で「5.7m」、18インチ装着車で「5.9m」の最小回転半径になります。
レクサスESでは更にボディサイズが大きいですし、19インチホイール装着車もラインナップ。
”F SPORT”モデルでは、最小回転半径が「6.0m」に迫ることも考えられますし、後輪駆動車ではありませんので「LDH」を装備して最小回転半径を小さくすることも出来ません。
もっとも、駐車をサポートする「パノラミックビューモニター」や「パーキングサポートブレーキ」などの最新の電子デバイスでサポートしてくれるものとは思いますが・・・
いずれにせよ、新型ES(ES300h)を検討されている方は、「新型カムリ」を一度レンタカーでも借りてじっくり体験してみるのも良いと思います。ESは新型カムリを「スポーティにした」かつ「より快適装備を増やす」という方向性であると予想しますので・・・(少なくともさらにふわふわ感があるセッティングにはならないでしょう)
内外装ともに「おじさんセダン」的な感じは薄く、欠点のない万能選手で非常に好印象でした。
新型ESは少なくとも「+200万円」程度のプライスが予想されますが、さらに進化することを思えば期待は高まるばかりではないでしょうか。
ちなみに、旅行先はこちらだったのですが、約10年ぶり!
当時とは比較にならないほど多くの観光客で賑わっていて・・・でもこの景色なら無理は無いですね〜とても素敵でした!
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コメント遅くなりすみません。
カムリ、予想通り良かったです。また、燃費の良さは想定以上でした。
次期ESですが、装備内容から考えるとかなり高価となりそうです。
Hs250h以上、GS300hの範囲に入ると思われ、ベースグレードは550万円前後と考えられます。
しかし、このボディ、日本でのお披露目が楽しみになりますね!
(となると、カムリより200万円ほど高くスタート・・・)
試乗レポート、ありがとうございます。
僕は現在 50プリウスを使っていますが、最後まで迷ったのがカムリでした。
カムリには4WDの設定がなく、仕事で使う(僕は不動産業)ため取り回しの良いプリウスを選びました。
次期レクサスESはカムリの100万円高と聞いていますが、今から(今年の10月頃)楽しみですね。