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中京フフフ、ラララ、ガッハッハ・・・フラガラッハ高笑い!〜第61回中京記念(G?V)

昨年と同じ勝ち馬ではあったが、今年は1秒7も速い時計で復活を遂げたフラガラッハが、まさに「フフフ、ガッハッハ!」と高笑いという中京記念だった。

先行馬がいなかったから、時計的には正直もう少しかかるのではないかと読んでいたのだが、それにしてもやはりこのフラガラッハ、時計云々の細かいことは別として、やはりこの中京競馬場だけは走りが全然違う。
何と言うか、中京だけなら普通にG?Uクラスの能力を発揮するからこの馬はすごい。

昨年に比べて今年は馬場がかなり速かったからレコードにはならなかったが、しかし今開催の最終週でこの時計はまさに破格、当然「現在の中京だから」という条件つきになってしまうが、この馬はハンデ戦でもハンデが軽くならない理由がよく理解できた気がする。
昨年もそう心に決めていたのだが、多少ハンデが重くなったとしても、「来年もまた・・・」という気が今はしている。

2着ミッキードリームは、正直言って非常に気になる存在だったものの、やや付け焼刃的にオセアニアボスを本命にまつり上げてしまったために触れることができなかったのだが、まさかここまで人気を下げるとは思わず、そして追い切りの動きが非常によく、身体が絞れて馬のつくりもベストに近い状態だった。

太宰騎手が思いきって、オセアニアボスのようにインを回ってくればチャンスもあると考えており、しかし馬群の外目を追走して、これではダメか・・・と思ったが、ラストはしぶとくリルダヴァルとの叩きあいを制していた。
この馬も、別定の朝日チャレンジカップを56kgで勝っているのだから、このメンバーで57kgはそれほど斤量が不利というわけではなかったはず——このあたりが人気の盲点になっていたか。

3着リルダヴァルは・・・まあこの馬に関しては、ほんとうにいつものこと、「あと一歩」がどうしても足りない。
最強世代の中でもトップランクの支持を受けた時期もあったが、しかしこの馬は身体的にもそれほど目立つようなものもなく、血統的にそれほど成長を見込める系統ではないだけに、まあこんな感じかなぁ・・・という気がする。
リルダヴァルももう6歳かぁ・・・何かひとつ重賞を勝たせてあげたい気もするなぁ・・・

4着ドナウブルーに関しては、私が考えていた以上にがんばっていたが、見せ場があったかというとそうでもない内容で、やはり坂を登り切ってから伸びがなくなってしまっていた。
斤量的にもさすがにドナウブルーにはかわいそうな斤量だった。

期待したオセアニアボス(13着)は、一瞬でも見せ場を作ってくれたからこれはこれでよかった。
ただ、欲を言えば、「ずっとインが開きっぱなし」ではなく、勝負どころで「インがパッと開く」という展開が望ましかったが・・・しかしこればかりはもう仕方がない。

ミッキードリームと、そしてもう1頭気になっていたのがフレールジャックだった。
こちらは追い切りの内容が好調時とはまったく異なる内容で、馬券的には切って正解だったが、それにしても最後はあまりにもかわいそうだった。

藤岡康太騎手は必死に馬を止めようとしていたが、フレールジャックは痛い脚をひきずりながらもどうしても止まろうとはせず、診断は最悪の結果となってしまった。
しかしあれは藤岡騎手を責めることはできない。

それと、このところ増え続けているこうした悲しい競走馬の現実を目にして、「命がけで走っている馬に金を賭ける人間の気が知れない」という意見も多く聞かれるようになっている。
もちろん考え方は人それぞれだから、私のように「命がけで走る馬に金を賭ける人間」からすれば、そういう意見の人と競馬に関する何かを互いに理解し合うのは所詮無理なことなのだと思う。

私から言わせてもらえば、「競走馬が命がけで走るからこそ大切な金を賭けることができる」のである。
だから、とてもではないが相互理解など生まないのだ。


ということで、ちょっとご報告しておくと、ミッキードリームの馬券を買い加えたおかげで、かなりいい小遣いができ、ありがたいことであると思う。
フラガラッハやミッキードリーム、リルダヴァルはもちろんであるが、フレールジャックや他のお馬さんたちにも感謝である。

ちょこっとだけ買った函館2歳ステークスのほうも、2〜3着が逆だったら大的中だったんだけどなぁ・・・



このトケイならトウケイ〜第49回函館記念(G?V)





結論からいえば、考えられた以上にトウケイヘイローが強かったということになる。
時計的に、1分59秒を切ることはまずないだろうと思っていたが、しかしそれにしてもトウケイヘイローは展開的には非常に恵まれ、したがって時計的に非常に速いタイムでの決着となった。
ラストは一杯になっていたように、タフな函館コースであのペースだと、よくラストまでタレなかったと感心する。

勝ち時計の「1分58秒6」は、洋芝コースの函館としては非常に優秀な時計。
気持ちが少し前向きすぎるところもあるが、しかし昨日は外から伏兵モズに来られてもガマンできていたし、まあ気持ち的には松田騎手にもっと積極的に絡んで行ってほしかったけれど、しかしそこは武豊騎手にケンカを売るようなことは普通に考えてできないのはわかる。

これでトウケイヘイローはいちおう、先週の七夕賞を勝ったマイネルラクリマとともに、サマー2000シリーズのトップに立ったと同時に、やはりマイネルラクリマと同じく、秋につながる大きな星を挙げたという印象。

2着争いは横一線だったが、これは最内枠の恩恵を余すところなく受ける騎乗だった吉田隼人騎手の好アシストがあったアンコイルド。
まあ最後は脚がなかったトウケイヘイローとの着差を見ると、ここで好走したからと言って今後の飛躍を期待するのはちょっと危ない気もするが、しかしここ近走があまりにも悪すぎたのは事実、これくらいやれてもいい馬ではある。

3着アスカクリチャンは逆に、こういう時計で決着したとすると、やはり外枠が痛かった。
道中でインにもぐりこむことはできたものの、時すでに遅しという感じ。
これは期待したメイショウウズシオ(7着)と同じく、枠に泣いた格好になった。

4着サトノパンサーは、折り合いもついて伸びるかに思われ、実際にジリジリとは伸びはしたものの、しかしやはり本来のスパッという感じのキレではなかった。
この馬は函館の洋芝コースはやはり向かなかったかもしれない。
ただ、道中が平坦な札幌コースの洋芝ならこなして不思議はない。

5着トウカイパラダイスも、どこかいつもの行きっぷりがなく、これは少し期待外れの内容だったように思えた。
皮膚炎の影響があって巴賞を使えなかったことが微妙に響いていたにせよ、この相手だったらもう少しやれてもよかった気がするのだが・・・

G?T馬で、実施トウケイヘイローと同斤のレインボーダリアは、着順はともかくとして、無事にゴールインできたので、札幌記念を使うようなら逆転もあると思う。
期待したネヴァブション(8着)は、インコースの狭いところに入ってしまったために機動力を発揮できなかったが、しかし10歳馬、厳しいペースでも置かれずにラストは伸びていたから、これは納得。よくがんばっていると思う。

人気のエアソミュールは、課題の折り合い面で破綻してしまった。
今回はまったく競馬にならない感じだったから、こういうあとには警戒したほうがよい。
ただし、やはりこの馬は内枠が最低条件になるか。






これは強い!マイネル1番人気で七夕制覇!〜第49回七夕賞(G?V)/第18回プロキオンS(G?V)





いやぁ・・・これは本当に強かった。
もちろん、「福島だけはケタ違いに強い」というミヤビランベリちっくな馬はどの時代にも必ずいる。
特にこのローカル開催に関しては、「小倉だけはベラボウに強い」というメイショウカイドウちっくな馬や、「函館だけはあり得ないくらい強い」というエリモハリアーちっくな馬は必ずいる。

もしかしたら勝ち馬もそういうタイプなのかもしれない。
しかしそれは、競馬っぷりがあまりにも鮮やかだったから。
勝ち馬は、あくまでもこれは「ほめことば」としての「福島巧者」であった。

めったに勝つことを許されない「1番人気馬」が鬼門である七夕賞を優勝したわけだが、例年のゴチャゴチャのゴール前ではなく、明らかな差をつけて先頭ゴールを果たしたその「1番人気馬」は、重度の骨折で脚にボルトを埋め込んだままのマイネルラクリマであった。

骨折による休養が明けて叩かれ3戦目、まさに「完ぺき」という内容。57kgだったからその印象はさらに強くなる。
私はかつてミヤビランベリという馬が有馬記念を獲ると信じて、大好きだったドリームジャーニーではなくミヤビランベリで勝負したグランプリを今思い出しているが(結果はドリームジャーニーの優勝)、マイネルラクリマのこの優勝は、そのミヤビランベリの優勝以来、本当に衝撃的であった。

なにしろ、かなりタフな馬場で、しかも土曜日から雨が降ったり止んだりの福島競馬場の芝コースで、確かにインしか好走不可能な馬場ではあったものの、同じようにインを回れたG?U2勝のトレイルブレイザーをまったく寄せ付けなかった内容は秀逸。
これはトレイルブレイザーが58kgだったとか、体調不良とかいう以前の問題、完全にマイネルラクリマは立ち直り、しかも休み前から比べてもはるかにパワーアップに成功したことの証となる優勝だった。

2着トレイルブレイザーも、脚質からの印象からはけっこう「器用なタイプ」に見えて、しかし実際は意外と不器用なところがある馬。
ただ、今回は淀みない流れを強気に先行した北村騎手の好判断で、ロスなくインをとることができたのが最大の好走要因だった。
私にとっては最悪のシナリオだったが・・・

そして3着のタガノエルシコ、これは実は今回(人気を見て)ちょっと評価を上げていたのだが、田辺騎手がインに徹した騎乗は、何か今週の福島と言うより、先週のラジオNIKKEI賞をそのまま参考にした騎乗のようだった。
しかしこれも好騎乗。

4着マックスドリームはもったいない競馬だった。
勝ち馬は別として、もう少しインを器用に立ち回ることができていれば、おそらく十分に2着はあった気がする。
序盤で位置取りを悪くしてしまって結局外を回されてしまった分、ラストは止まってしまった。

5着ダコールもおしまいはよく伸びてはいるが・・・
しかしこの馬には今の福島はあまりにも条件が合わなかった。

もう1頭人気のエクスペディション(7着)は、終始外を回されてしまった結果だけに仕方がないところもあるが、少しトモが寂しく映っていたのも事実。
この馬、状態維持が難しいタイプで、馬場が速くて暑い小倉のほうが代謝アップを見込め、好結果が望めるかもしれない。

期待したラッキーバニラとケイアイドウソジンは共倒れ、馬場が馬場だからああいう展開も想定できたが、それにしても自分が本命対抗にした馬同士がつぶし合う展開ほどナサケナイことはない。
これも恐怖の「本命4着病」の余波としか思えない。本当にロクなことがない。

で、次走以降でちょっと注意したほうがよいのが、6着のファタモルガーナ。
これはちょっといいところがあったので、次はもっと広いコースでチェックしておきたい。




そして、プロキオンステークスも簡単に。
勝ったのはアドマイヤロイヤル。
今季の中京ダートは芝とちがって非常に時計が速いから、レコード勝ちも納得。
前走が着差以上に強かったから、この結果も当然と言えば当然。

2着のセイクリムズンは立派。
57kgで岩田騎手お得意のイン強襲は勝ちに等しい内容だった。
一方ハナ差3着のダノンカモンは残念な3着だった。
追われて少しズブくなっているのが気になるが、しかしこの馬、距離延びて良さが出るタイプでもないのが悩ましい。まだ完調という感じではない気がする。

シルクフォーチュンは、脚質が脚質だけに、馬場が少し合わなかったところもあることはあった。
ただ、前走芝を使われた影響も多少あったような気がする。


ということで、来週は函館記念、まだまだ夏の楽しいハンデ重賞は続くぞ!(と、カラ元気・・・)






チョウサンはやっぱりノリさんで!〜第62回ラジオNIKKEI賞(G?V)/第49回CBC賞(G?V)





東西のハンデ戦が行われ、この時期のハンデ戦の難しさを痛感させられるような結果に終わった。

ラジオNIKKEI賞のほうは、一発に期待した人気薄のケイアイチョウサンが最内を切り裂く横山典弘騎手の「超技あり」の競馬で重賞初制覇を飾った。
勝利騎手インタビューでも、ケイアイチョウサンの印象を訊かれたノリ騎手は「ステイゴールド!」と思わず口を吐いて出てきた父親の名前だったが、確かにステイゴールド産駒特有の小回り適正を見せた競馬だった。

しかしステイゴールド産駒ということは、これはこのメンバーでは菊花賞へとつながりそうな唯一の馬が、まさしく「菊花賞候補」を自ら名乗ったことを意味する勝利であった。
今年は今のところ菊花賞候補がまったくいない状況だけに、これはチャンスが大きくなった。

2着はカシノピカチュウ。
好走の要因は「道中ずっとインぴったりを回ってきたこと」これにつきる。
3着はアドマイヤドバイ、好走要因は「インぴったりを回れたこと」である。

結局上位3頭はすべて「インぴったり」をまわることができたかどうかにつきる結果だった。
もちろんカシノピカチュウの西田騎手もアドマイヤドバイの池添騎手もそういう競馬ができたのだから好騎乗の部類に入るとは思うものの、11番枠のノリ騎手があんな神がかった騎乗をしてしまったのだから、中堅ジョッキーふたりは「普通の騎乗」になってしまう。

人気になっていたガイヤースヴェルトはまさかのブービー負け、これには正直参った。
いろいろ敗因はあるのだろうけれど、スタートがあまりうまくなかったこと、そしていくらなんでも内田騎手はよそ行きの消極的な騎乗だったことが大きい。
この相手ならもっと序盤から脚を使って出していっても外を回らされるのは避けるべきだったと思う。
これは残念。

2番人気のインプロヴァイズは、府中の内容を見ても、トビが大きく、昨年本命にしたサンレイレーザーのようなタイプで正直福島向きではないと思っていたが、これも道中は外を回され、昨年の優勝ジョッキーである戸崎騎手はムダに脚を使う(使わされる)ようなところがあり、福島コースの乗り難しさを今年は痛感したと思う。

というか、岩田騎手はそうでもないけれど、安藤元騎手にしろ内田騎手にしろ戸崎騎手にしろ、地方出身ジョッキーは本当に小回りが上手で、内田騎手も戸崎騎手も福島コースを乗らせれば抜群にうまい印象があったが、今年は福島コースにやられてしまったような惨敗だった。

期待したダイワブレイディは、まああれだけ外を回されてしまったらこの結果(けっこうビリのほう)もしかたがない。勝ち馬とはいくらも差がなかったとは思うが。
実はこれは語呂合わせで「(ナンシー)シャイニングの(ダイワ)ウェンディ」とかっつって馬券をちょこっと買ったんだけど・・・まったくダメでしたね、はい。

そういえば、昔ノリさんとコンビを組んでいた馬でチョウサンという馬がいたっけなぁ・・・
ノリさんではなかったと思うが、毎日王冠を勝っていた。
確かチョウサンは調教中にかわいそうなことになってしまったけれど、もしかしたら今回は天国から「あっちのチョウサン」が降りてきて「こっちのチョウサン」とノリ騎手の背中を押したか?
まだお盆には時間はあるけれど。

そんなことがあっても驚けないくらい、神がかった人馬の勝利だった。




さあ、そしてCBC賞も振り返る。振り返りたくはないけれど。
勝ったマジンプロスパーは1番人気、2着ハクサンムーンは2番人気、3着サドンストームは3番人気・・・ってこらぁ!!JRAの波乱担当課はなにしとんじゃい!!

と思わず八つ当たりしたくなってしまうが、それより何より、まさかザッハトルテが単勝で10倍を切る5番人気の評価を受けるとは思っていなかった・・・
人気を確認する時のあのテンションの下がり具合といったらない——こういうときに馬券が当たったタメシがないのだ。
こらぁ!!JRAのザッハトルテ課はなにしとんじゃい!!

ってことで、これはラジオNIKKEI賞よりもずっと難しい結果であった。
開幕週のスプリント戦でほどよくパワーも要する中京だから、ハンデ戦でもあまり荒れないかもしれないよー・・・てなことを火曜日に書いたが、それにしても人気順のワンツースリーというのはさすがにあんまりだよ・・・

ただ、ゲートで暴れたアイラブリリの外枠発走がハクサンムーンにとっては大きかった。
ハクサンムーンは単騎の逃げに持ち込むことができ、完全に自分の形に持ち込んだが、これを差し切ったマジンはさすが。
連覇おめでとうという感じではある。

あーあ、ザッハトルテは4着・・・恐怖の「本命4着病」が夏競馬のスタートでいきなり発動というのは痛い。
痛い痛い痛いよう・・・涙

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じぇじぇじぇ!! 3強対決、シップ「1強」〜宝塚記念(G?T)





注目された3強対決は、終わってみればゴールドシップの「1強」という結果、条件が向いた、馬の気持ちが前を向いたといったいろいろなファクターが重なってこれだけ絶対的な差がついたと思われるが、しかし発表は「良」で、しかも紛れが生じない少頭数だったから、これはどの陣営にも文句はないだろう。

そうは言っても、勝ち時計の2分13秒2の時計が示すように、瞬発力勝負にならなかったというのが結果に大きな影響を与えたのも事実。
ただ、これは2着のダノンバラードの話である。

個人的には、中間の雨で一番条件が味方するのはゴールドシップではなく、実はダノンバラードのほうではないかと思っていたのだが、あのタフな馬場で行われたA JCCの内容の良さ(鞍上のせいで体裁は悪かったが・・・)は、この宝塚記念にも十分生かされる結果だった。
ただ、馬場の適正を度外視しても川田騎手は超好騎乗、このジョッキーだけは、馬以上にハマるかどうかというところがある。
今回はハマったにせよ、いろいろな意味で素晴らしかった。

で、ゴールドシップの勝因は・・・まあひとことで言えば、圧倒的に馬が強かった。
はやりの表現を借りれば、ジェンティルドンナではなく、ゴールドシップのほうがまさに「じぇじぇ!!」という感じだった。
いやぁ・・・本当にびっくりした。

デキに関しての感想。ゴールドシップの。
いつになく気合いを面に出していたし、後ろ姿が少し小ぢんまり見えたこと、さらには、まさかスタートからあんなに気合をつけて出していくとは思っていなかったことから、ラストであれだけちぎってしまうとは思っていなかったのだが、正直、デキに関してはむしろ天皇賞のときのほうがよかったのではなかったか。

ただ、ゴールドシップという馬の大きな特徴は、晩年にさしかかったころの祖父・メジロマックイーンの稽古にも見られたように、とにかく気持ちが後ろ向きであること。
正直私もプライド高いゴールドシップを前向きにすることは難しいのではないかと考えていたが、これは「新しいゴールドシップを見せたい」とコメントしていた須貝調教師の手腕を讃えるより他にない。

それから、ゴールドシップのことをもっと知ろうとした内田騎手のこの2週間の「栗東留学」も大きかった。
最終的に、そうした人々の熱意が、どこか醒めたところのあるゴールドシップに伝わった結果だったのだと思う。
厩舎スタッフを含め、まさに「人馬一体」を体現したすばらしい優勝だった。

3着に敗れたジェンティルドンナは責められない。
パドックでもゲート前の輪乗りでも、以前よりもはるかに大人になってたくましく映ったジェンティルドンナだったが、ゴールドシップに終始マークされ、シルポートがいいペースで行っていたところにきて川田騎手のダノンバラードが強気だったことから、ラストはまともな「力勝負」になってしまった。
こうなってしまってはさすがのジェンティルドンナも最後は脚が上がってしまった。

秋は得意の府中が待っている。
ということは、今度こそ自分の得意の舞台でゴールドシップとの再戦ということになる。
これはこれで、今度こそ素晴らしい対決になると思う。

ドバイの際にも書いたが、やはり凱旋門賞には無理して向かわないでもらいたい。
牝馬のジェンティルドンナには気の毒すぎる。
ジェンティルドンナの最大の敵はゴールドシップ、そして、ゴールドシップの敵は「自分自身」——そんな秋競馬が今から楽しみである。

それと、岩田騎手の騎乗に関してもひとこと。
昨年のJCや、先日の安田記念などですっかりおなじみとなっている岩田騎手のクセのある騎乗は、特にG?Tの舞台で紛れが生じる際に「タックル」と総称されるが、今回の騎乗も含めて、どれもすべて状況が違うため、すべてを「タックル」と呼ぶのはどうかと思う。




一番悪質な(あるいはそれに近い)騎乗は、あくまでも個人的な感想で言えば、安田記念である(シゲルさんの芦毛をひっくり返したNHKはジャッジのとおり「論外」)。

今回の騎乗についてもいろいろ言われているようだが、個人的には岩田騎手のどこに問題があったのか、これは正直言ってまったくわからなかった。
だからあくまでも個人的な見解になるのだが、おそらく4コーナーの入り口のところで外に膨らんだときにゴールドシップとわずかに接触したシーンのことを言っているのだと解釈している。

正直言って、あれは「タックル」でもなければ悪質な騎乗でもなんでもない。
いつも以上に早いタイミングでのスパートで、コーナーワークがあまり上手ではないジェンティルドンナが自分から外に膨れただけのことである。

ただ、それを利用してゴールドシップにぶつかろうという意図が岩田騎手にあったかどうかはわからない。
あったとしても、昨日の騎乗自体は悪質な騎乗ではなく、(ジェンティルドンナを締めようとした)池添騎手が昨年のJCで見せた騎乗と同じレベルである。

おそらく、脚色に勝ったゴールドシップに馬体を寄せることで、一杯にがんばっていたジェンティルドンナの闘志を再び燃え上がらせたかった——これがジョッキーの真意だろう。

ただ、いずれにしてもあの時点でのゴールドシップとジェンティルドンナの脚色には明らかな違いがあり、もし万一岩田騎手がゴールドシップにぶつけに行くという心理が働いていたとするならば、それは岩田騎手が相当なヘボジョッキーであることを意味する。
あの脚色でぶつかりにいって、自分にとって好転するファクターなど何ひとつないからである。

岩田騎手はそんなヘタクソな判断はしない。
戦略を立ててインサイドワークで勝負するジョッキーではなく、本能に任せるタイプのジョッキーでは確かにあるが、あの場面では一瞬の淀みもなく、岩田騎手はジェンティルドンナの体勢を立て直そうとしたフェアな騎乗(というか、いたって普通の騎乗)であった。

4着フェノーメノは、確かにジェンティルドンナがいっぱいいっぱいになりながら最後の最後までファイトしていたからというのもあるが、ジェンティルドンナはかわしていても不思議ない手ごたえだった。
蛯名騎手はいつものファイティングポーズをとることなく4着に敗れてしまった印象もあり、何かアクシデントがあったのではないか・・・という不安もある。

無事の前提で言えば、戦前に話したとおり、少し追い切りが手控えられたような印象もあり、ピーク過ぎの状態は明らかだったから、ステイゴールド産駒としてはもしかしたら馬が立派すぎたかもしれない。

それに、特にジェンティルドンナとフェノーメノは、まともな力勝負でゴールドシップとガチでやらなければならなかったというのが、今後という意味では少々心配である。
どの馬もそうだが、特に3、4着馬は勝負どころでゴールドシップの近くにいたから少し心配になる。
何もアクシデントがないことを祈る。

それにしても、1、4、6着がステイゴールド産駒、2、3、5着がディープインパクト産駒という結果はすごいなぁ・・・
こういう例って、過去にあったのだろうか?
「ぜーんぶサンデー」ってことならたくさんあったと思うが・・・

期待したシルポート(ホワイトマズル産駒!)は、着順は残念だったものの、しかし自分の競馬に徹し、いつも本当に競馬を楽しませてくれる。
個人的にはこのシルポートには宝塚記念の「特別賞」を差し上げたい気分である。
いつも楽しい競馬をありがとう。
もちろんどの競走馬もそうだけれど。

お、オルフェとシップの雌雄?
それはみなさんの判断にお任せします・・・

好きな競馬を仕事にできる!




戸崎重賞初制覇!〜第18回ユニコーンS(G?V)他

プレミアム〜極上投資馬券〜


今週は函館スプリントステークスと府中のユニコーンステークスが行われたわけだが、まずは函館SSから振り返る。

実力者のパドトロワが58kgで2着シュプリームギフト以下を完封、期待したフォーエバーマークはギリギリ3着に入って馬券圏内に踏みとどまったが、人気のドリームバレンチノは、59kgというのも確かにあったとは思うけれど、それ以上に高松宮記念からというローテーションが大きく響いた印象。

今年は高松宮記念から安田記念に向かったロードカナロアが見事に優勝を果たしたが、もともとは高松宮記念好走から安田記念というのは「鬼門」とされるローテーションで、しかも不思議なことに、高松宮記念好走から京王杯スプリングカップへのローテーションもまったくの不振というデータがある。

いちおう夏競馬のくくりに入る函館SSを同列に考えるのは少々荒っぽい理屈だとは思うが、昨年も、確かに不利は大きかったものの、ロードカナロアがこのレースを敗れていたのは事実・・・とても無関係とは思えない。
と、今ごろそんなことに気づいても仕方がない。
問題はこれを来年まで覚えていられるかどうかだが・・・

【勝てる馬が見つかる★KLANプレミアム


さて、名馬誕生の可能性が例年高いユニコーンSは、3番人気のベストウォリアーが最内から抜け出して重賞初制覇、そして、長らくお待たせという感じにはなるが、この3月に大井から中央に籍を移した戸崎圭太騎手が、ここで初めて「中央競馬の騎手」としての勝ち名乗りをあげた。

前日からの雨の影響で、ダートは一番時計が速くなる「重馬場」、勝ち時計1分36秒0は、うーん・・・大方の予想に反して前半のペースがだいぶ緩かったこともあり、このメンバーにしては平凡な時計になった。

とは言え、勝ったベストウォリアーの内容は悪くなかった。
好枠を利して内にもぐり込み、絶妙のタイミングで抜け出した戸崎騎手も素晴らしかったと思う。
泥だらけになった人馬にとってうれしい、そして価値ある重賞初制覇だった。

2着サウンドリアーナは、道中ずっと行きたがっていたが、武豊騎手が何とか懸命になだめてなだめて進み、そしてラストの末脚がキレた。
スローに近い流れで、距離の不安よりもサウンドリアーナの決め手が生きる展開にはなったが、しかしあの流れで外を回せばそれだけロスが大きく、勝ち馬とはその分の差だった気がする。

大接戦の3着は、超伏兵のケイアイレオーネと、そして今回はけっこう期待していたサウンドトゥルーが同着ということで、どちらか持っていた人はおめでとうございます。どっちももっていた人は・・・おごって!

ケイアイレオーネのほうは、砂をかぶるのがあまり良くない印象があって評価を下げていたが、しかし今回は外枠、そういう不安はやはり最小限にとどまった。
ここまで人気薄とは思わず、穴屋としてはこの馬が抜けてしまったのはただただ情けない。

そしてサウンドトゥルーのほうは、うーん・・・フレンチデピュティ産駒らしく、追われてからの反応が少し鈍かった。
流れ的には、私としてはだいたい想像したとおりの平均的な流れになってくれたので、テンに置かれるようなことはなかったものの、しかし勝負どころで少し置かれてしまったのが痛い。
ラストはいい脚で来ていただけに、これは残念。

もう1頭人気だったチャーリーブレイヴは、スタートで痛恨の出遅れ。
今年のウィリアムズは本当に流れが悪い。

あー・・・函館も府中も本命馬がギリギリ3着、恐怖の「本命4着」はかろうじて回避できたのがせめてもの救いだったなぁ・・・




ということで、来週はいよいよ宝塚記念。
オルフェーヴルの回避と今日のハズレでテンションは俄然下がりまくってしまったが、しかしこれならむしろ折り合いには問題ない。
イレ込まず、冷静に「勝負」である。



悲しみの女王が復活!〜第18回マーメイドS(G?V)/第30回エプソムC(G?V)

無料なのにここまで公開しちゃっていいの!?【極み馬】


やったぞ!
と、いきなり負け惜しみ・・・これはいつもやることだけれども、今日はちがう。
実に久々(京成杯以来)となる「6けた配当ゲット&6けたプラス収支」という久々の快打となった。
でもまあ成績はよかったが、狙っていた「8けた」にはほど遠い結果でもあった。
これはちょっと残念でした。

しかし、「的中」という意味では、先日のダービーウィーク(京都HJ)以来だからまだそれほど昔のことではなく、希望的観測のとおり、長いトンネルからもようやく抜け出せそうな、そんな状況である・・・ことを願い、信じ、祈る。

そして、ヘタクソな予想を毎度公開していて、そして今週も見事にまるっぱずれに終わった東西の重賞回顧に、今週は少し気分良く入ることにしよう。

1000万馬券を本気で獲りにいったマーメイドステークスであり、そして私のほうは例年のように惨敗に終わったわけが、しかし、栗東・松田博資厩舎の桜花賞馬・マルセリーナ(父ディープインパクト)が、こちらもその桜花賞以来の実に久々となる勝利をあげたことは本当によかった。

松田博厩舎deディープインパクト牝馬というと、先日天に駆けたジョワドヴィーヴルの悲しい事故がどうしても頭にこびりついて離れなくなってしまっていたが、ジョワドヴィーヴルの「善き先輩」という話は常々耳にしていたマルセリーナが、後輩の旅立ちへの餞となるような、すばらしい復活勝利だった。

期待したアグネスワルツが平均ペースの逃げを打ち、マルセリーナはいつになく強気な競馬で、
これはかなり速い馬場を考慮にいれた川田騎手の好プレーだった。
マルセリーナ自身もこの賞金加算は非常に大きい。
それにしてもなぁ・・・まさかマルセリーナが7番人気の低評価とは思わなかったなぁ・・・
これは完全に想定外だった。ちょっと後悔。

自身が桜花賞馬となり、しかしその後はやや距離の壁に泣いてきた印象もあって、血統ほどの底力は正直疑わなければならなかったが、自身が輝きを失っていくのと反対に、ひとつ下で同じ父を持つ「天才少女」が現れ、はからずも厩舎の代表を後輩にゆずる形になっていたが、しかし後輩の不慮の事故の悲しみから、関係者やファンを救いあげてくれたような、そんな勝利には正直感謝の気持ちが大きい。

厩舎の後輩を喪った「悲しみの女王」の復活は本当に見事だった。
馬券ははずれたが、ありがとうマルセリーナ。

2着にがんばったアグネスワルツも、勝ち馬同様「10番人気」というのはどうかと思う低評価だった。
本来であればこのくらいやれて当然。
勝ち馬のキレには屈したが、しかしラストでアロマティコの急襲を最後まで粘り切ったあたりは「さすが」の内容だった。

人気のアロマティコは、見方によっては浜中騎手が消極的にすぎた印象も残ったかもしれないが、アロマティコ自身あまり器用なタイプではないだけに、これは仕方がなかった。
本命にしたエイシンラトゥナは途中からまったくついていけず、まあこれも仕方がないか・・・

ということで、今年はなんだか物足りない「小波乱」の結果に終わったマーメイドSだった。




さて、府中のエプソムカップのほうは、実績に勝るクラレントがベテランや上がり馬をきっちり抑えて優勝、これで重賞は4つめということで、岩田騎手は先週に続いて今週も優勝を果たした。
ただし先週とちがって、その騎乗に今週は何ら問題がなかったように思う。

2着も実力馬のジャスタウェイ、一瞬差し切ったかのように見えたが、このあたりはクラレントと岩田騎手の執念がわずかに上回ったか。
しかし福永騎手は、スタートで後手を踏んでも慌てず騒がず、ジャスタウェイの復調を助ける好騎乗だった。

期待したサンレイレーザーは、うーん・・・こちらこそ突き抜けるかの手ごたえだったが、追われて案外、この相手で3着だから力を付けているのは間違いないが、悪くても賞金を加算したかった、これは私の馬券の意味でも・・・
思われたほどペースが緩くなかったから、やはりこれは距離なのかなぁ・・・

人気のファイナルフォームは終始力みっぱなしで、あれでは力を出すことは難しい。
サトノアポロも、もともとテンションが高いタイプではあるものの、それにしても今日はちょっとイレていた印象。
それで大外枠というのはやはりありがたくなかった。

ということで、さあ、宝塚記念の足音がだんだん近づいてきましたね。
そろそろマジメに考えなければ・・・






ロードカナロアが短距離統一!





考えていた時計よりも1秒以上速かった今年の安田記念は、このメンバーでも1番人気に推されたロードカナロアが快勝、これで(海外も視野に入れた)今後の動向が非常に楽しみになってきた。

ここ最近では、もう本来のスピードに翳りが見え隠れしているシルポートが、今回もまた見せ場たっぷりの懸命の逃げを見せたが、半マイルが45秒3の通過だからもちろん遅いペースということはあり得なかった。

ただ、後続2番手グループはシルポートから6馬身くらい後ろにいて、ロードカナロアはそこからさらに5馬身くらい後ろ、全体としては中団よりも少しうしろといった位置取りで、やはりメンバーの中では一番流れに乗れていた印象。
こういう競馬センスがロードカナロアの素晴らしいところ。

これはもう間違いなくマイルでも世界レベルといっていいだろう。
もちろん勝ち時計の1分31秒5とか、そういう表面上に見える次元とは違うレベルにこの馬はどうやらある。
世界レベルで見れば近年日本馬が低迷して久しいマイル路線でこそ、世界をきわめてほしい。

2着ショウナンマイティは実に惜しかった。
直線でゴチャつき、ゴール前でも一瞬前が詰まる不利があってクビ差。
あれがなければ・・・とも思える惜敗だった。
前走オルフェーヴルに迫った力はどうやら本物である。

そもそもオルフェーヴル世代の皐月賞前のクラシック戦線では、この馬はオルフェーヴルよりもはるかに高い評価を与えられていた逸材だった。
オルフェーヴルは急激な成長を見せたが、こちらはじっくりと成長し、ようやくその評価にたがわない安定感が備わってきた。

もちろん安田記念を使ってしまったことで、中2週で臨む宝塚記念のレース運びが難しくなる可能性も否定はできないが、しかし今が間違いなく充実期、府中の硬い馬場の影響を受けなければまったく問題ない。
個人的にもここで凡走すれば宝塚記念で本命にする予定だったのだが、馬券の取捨は別にして、宝塚記念でも当然注目である。

フィフスペトルの不幸があったからことばを選ばなければならないが、批判を承知で言えば、3着ダノンシャークにとっていろいろな幸運が重なった。
フィフスペトルが出走不可能になって空いたひと枠に繰り上がりで出走を果たし、しかもMデムーロが回ってきたのだから、この3着は本当に幸運だった。

4着のマイネイサベルは驚いた。
8着に敗れたヴィルシーナもそうだが、これら2騎の牝馬は時計を考えればとんでもないパフォーマンスだったと思う。
これは「素晴らしい」のひとこと。

人気のグランプリボスは、いかにも難しい馬だなぁ・・・という印象。
この馬はもう本当に走ってみなければわからない馬、今回は仕方がない。
カレンブラックヒルには少し時計が速すぎた印象もあるが、それにしても負けすぎ。
おそらくこれはメンタル面の問題で、時間がかってしまうかもしれない。
ダークシャドウは位置取りが中途半端、腹をくくって一番後ろから行ってほしかったが・・・

期待したヘレンスピリット(グロリアスデイズも)は時計が速すぎ、こんな時計では、せっかく来てくれている香港馬もそろそろ来なくなってしまうのではないか・・・と心配になってしまう。
先週の目黒記念が目を疑うような時計だったので、イヤな予感はしていたのだが・・・
芝・ダートの両ジャパンカップのようにならなければよいがなぁ。

ショウナンマイティが受けたゴール前の不利は、見た目にもたいへん大きな不利だった。
直接ぶつけられたのはダノンシャークだったが、一番スピードが乗っているタイミングでの不利は、ショウナンマイティにとってはあまりにも気の毒だった。

ここ数年ビッグレースになると必ずこういう利害関係を目の当たりにするケースが多くなっている。
そして、不思議なことにビッグレースのゴール前で生じる紛れでは必ずと言っていいほど岩田騎手の存在がある。

個人的な結論を言えば、過怠金10万円の制裁の有無にかかわらず、岩田騎手は悪くないのだと思う。
ここまでJRAの裁定が「やりたい放題」を認める方向に傾いているのであれば、これはもう「やったもん勝ち」を認めるようなものである。
岩田騎手はそのルールの中で老獪なファイトを繰り返しているだけである。

主催者だけにとどまらない「お上」が何も言わないのだから、こういうプレーは当然今後も続くことになる。
そういうジャッジを味方につける老獪さもまた、岩田騎手の「うまさ」なのである。
ここまでくれば、毎度言っている「反省している」などというのは、もう本人の口から出まかせなのだろう。
ジョッキーとしての未熟さも含めた「うまさ」が認められているのが現在の日本の競馬なのだ。
うまければよい、勝てばそれでよい——これが「近代日本競馬の結晶」である。

もしこれで傷ましい事故が起こったとしても、JRAは岩田騎手も何も文句を言えない。
ただ、そういう事故が万一起こってしまったとき、競馬離れはいよいよ加速度を増すことになる。
ファンだけではなく、これから競馬の世界を目指そうとする若い人々にとっても、それは同じことである。

ショウナンマイティと浜中騎手がかみしめたあまりにも苦い味の涙が、今後何らかの形で花開いてくれることを祈らないではいられない。

いずれにしても、人気勢3頭で決まってもらっちゃぁ、こんなの安田記念とは言えないなぁ・・・と、最後にもうひとつ主催者に苦言(負け惜しみ)を呈したい気分である。
好きな競馬を仕事にできる!

ユタカが決めた!キズナが世代頂点!〜第80回日本ダービー(G?T)

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お父さんのディープインパクトは言わずと知れた三冠馬にして、日本競馬の至宝である。
そして、その息子でダービー制覇というのは、昨年のディープブリランテに続いて2年連続2回目のことではあるが、しかし、おそらく今後も約束された「父子制覇」はすでにもう何度も見た風景であるかのような、そんな錯覚さえ覚える。

個人的なことを言えば、馬名を人馬の関係になぞらえて「キズナ=絆」と解釈する考え方は好きではない(というか、どの人馬にもその「絆」はあまり注目していない、というより、できない)が、しかしさすがに今回ばかりは、たとえ馬名が「キズナ」ではなくても「人馬の絆」という不思議な力の存在を感じずにはいられなかった。

これまで4回もダービーを制していた武豊騎手は、もちろん数多くの名馬の背中を知る男である。
私が大好きなメジロマックイーンもその1頭だった。
しかし、やはりなんと言っても武豊騎手といえば、キズナの父・ディープインパクトである。

先週は弟の幸四郎騎手がオークス制覇に際し、涙ながらに「格別にうれしい。また、メイショウマンボで勝てたことがうれしい」と言い、今週は兄の豊騎手が「キズナで勝てたことが格別にうれしい」と、兄弟らしくそっくりなことを言っているが、しかしその思いはまったく違う。

幸四郎騎手には申し訳ないが、「騎手」という立場で言えば、豊騎手は幸四郎騎手とは立場が異なる。
日本を代表する名馬の背中を知り、そして現状での日本の最高傑作・ディープインパクトの背中を知る男である。
それはつまり、武豊は日本を代表するジョッキーであることを示す。

ところが、表向きは「ケガがあって・・・」と紹介されるし、実際それもあるが、まあこの際だからはっきり言えば、大オーナーとの確執があって、結果、従来の武豊騎手のベストジョッキーとしての立場は危ういものになった。

しかし、度重なる大ケガを乗り越え、やっと状態が安定してきたことで、確かに大会社の馬に乗れないことが数字上は大きく響いていたものの、その技術は、一昔前の武豊騎手とは比べ物にならないくらいに向上していたように私には見えた。

そこが武豊騎手のすごさである。

一度は完全に競馬サークルでも「惨めな騎手」という見方をされながら、武豊騎手はそこの瞬間を待ち続けていた。息をひそめ、陰口をきかれながら、じっと待っていた。
待ちながら、自身が打ち立ててきた数々の金字塔の、さらに上を目指し続けてきた結果が、昨年のマイルチャンピオンシップでの復活であり、今日のダービー制覇だった。

昨年のマイルCSのとき、私はブログでも「まだ武豊騎手は完全復活ではない」ということを言ったが、しかしもう間違いない、武豊騎手は完全に復活し、そして5度目のダービーを制したのである。

それともうひとつ、元々はキズナのパートナーであった佐藤哲三騎手、そして佐々木晶三調教師と武豊騎手との「絆」である。
哲三騎手は命にかかわる大ケガで未だ休養中で、復帰のメドはまったく立っていない。

豊騎手は、後輩の哲三騎手のケガを受けて、ことあるごとに「哲三のために」と語っていたという。
それだけに、哲三騎手にとってはこの勝利がどれだけ明日への希望になったか知れない。
もちろん自身がダービージョッキーになったわけではなかったが、しかしきっと自分のことのようにうれしかったはずである。

また、哲三騎手と佐々木調教師との「絆」も深い。
タップダンスシチーでは、哲三騎手の名前が全国区になる「ジャパンカップ制覇」を導いた名コンビである。
そして、安達厩舎のエスポワールシチーが不振にあえいでいたとき、哲三騎手は武豊騎手に自らバトンを渡したことも知られている。

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個人的には、スローペースを読んでおり、最内枠がアダになる可能性から評価を下げていたが、しかし前半は勝浦騎手のアポロソニックがマイペースの逃げを打っていたところに、期待していた藤田・メイケイペガスターがこらえきれずに一気にハナを奪う波乱含みの展開。
しかしキズナにとってはこれが大きかった。

正直、キズナが後方に控えたときには、ちょっと後ろすぎやしないか・・・とも思ったが、しかし前半1000mの通過がほとんど60秒ジャストの平均ペースをメイケイが動いたことで、ハロンラップには現れない武豊騎手の「心のゆとり」が生まれた。
そして全体としては、私が考えた以上のスローにはならなかった。
展開のアヤはもちろんあったが、それが最小限にとどめられ、全馬が力を出し切れる流れになった。

そういう競馬でしっかりと外から伸びたキズナは文句なし。
間違いなくこの世代では、現段階で「頂点」と言っていいダービーだったと思う。

逆に惜しかったのがエピファネイアと福永騎手だった。
序盤は、皐月賞のワールドエースのときと同じように見えるトラブルがあり、一瞬落馬するのかと思われたロスがあった。
しかし、福永騎手は落ち着いていた。
キングヘイローのころの福永騎手ではなく、武豊騎手と並んでトップに立つ福永騎手、今度ばかりは完璧だった。

しかし、あのつまずいてしまったところはやはり、福永&エピファネイアにはダービーにどうしても必要な「運」が少し足りなかった。
こちらはシンボリクリスエス産駒の成長力を疑ってしまったが、これが今回の最大の失敗だった。

穴で少し期待していたアポロソニックは、確かに着差は完敗だったが、1、2着馬に比べれば展開的には一番厳しい展開で、しかし本当によく頑張っていた。
かなり重たい印象のある血統背景のアポロソニックだが、しかし走りそのものは府中向きで、これはこの後成長を見せれば、現時点で完成度が高い先着2頭にはもっと接近できるはず。
タイプ的にもこれは少し奥がありそうな気がする。

人気でも期待したロゴタイプは、完全に止まっているわけではないのでおそらく距離の問題ではないと思うが、しかし今日はいつになく少し力んでいたのと、やはり一瞬のキレがない分、昨年のゴールドシップのような負け方になってしまった。

それと、やはりデムーロ弟には少し荷が重かった印象もあり、本来であれば序盤はもう少しインで脚をためたかった。
クリスチャンには厳しいかもしれないが、もう少しメリハリのある競馬をしないと、少なくともロゴタイプの良さは出ない。

コディーノは、繊細なタイプだけに仕上げが難しかった。
確か、弥生賞のときに「これから仕上げが難しくなりそう・・・」ということを言ったが、今回はまともにそれが出てしまった感がある。
それと、繊細なだけに、やっぱり横山騎手に乗ってほしかった。
こういうタイプはおよそウィリアムズのタイプではない。


さあ、これでダービーも無事終了し、来週の安田記念が終わればもうすぐ「夏競馬」である。
そして最大の願いは、昨年のようにその時期になって次々と故障、引退のニュースが入ってこないことである。
馬場と故障の関係があればという前提になるが、今年は東西とも、そんなに高速馬場(固い馬場)ではなかった気がするから、どうか各馬の無事を祈りたい。






躍ったマンボ!「幸ちゃん」最良の日!〜第74回オークス(G?T)





デビュー戦を見て以降メイショウマンボのファンになり、阪神JFでも迷わず本命にした。
当時の印象で言えば、後々間違いなくよくなるはずのメイショウマンボは、見るからに「オークス向き」というタイプ。しかし、オークスは絶対に「買わない」と、そのときから心に決めていたいのだ・・・

別にこれは私がヒネクレ者であるという理由とは別に、今の府中の馬場では、「典型的なオークスタイプの馬」ではまったく競馬にならないと考えていたからである。
しかしこのメイショウマンボ、フィリーズレビューでは、どう考えても距離が合わない「芝1400m」を圧勝して、桜花賞でも人気を集めていたんだったなぁ・・・

あのときの阪神の芝コースもかなりタフな馬場であり、そういう馬場が向いていると考えたのもあるが、強い馬というのは馬場なんて関係ないのだということを、これまで何度となく思い知らされながら、今回またメイショウマンボに再確認させられた結果になった。
そのままマンボを信じていれば・・・

実に7年ぶりのG?T勝利となった武幸四郎騎手、もういい加減30を大きく通り越したオッサンに対していつまでも失礼な言い方になるが、「武豊騎手の弟」である。
そういう立場もあってか、関西競馬界においては無くてはならないキャラクターを演じている幸四郎騎手が、いつものどこかトボケたキャラクターを封印し、何かしんみりするような勝利インタビューだった。

——今まで3度勝たせてもらってますけど、今度のは格別です。
——今回勝てて本当にうれしいです。また、メイショウマンボで勝てたのがうれしいです。
——だんだん乗鞍も減っていたので、今日勝ててうれしいです。
武幸四郎騎手は、途中で汗を拭うように目をこすったが、あれは汗だったのだろうか?

昨年ヴィクトリアマイルを勝ったノリちゃんを思い出した。
反骨心をむき出しにする典弘ジョッキーは、「もしかしたらもうG?Tを勝てないかもしれない」という、恐怖にも似た気持ちに長い間獲り憑かれていたかもしれないと私は憶測した。
横山典弘だって本当はうれし涙でホエールキャプチャと手にした勝利を喜びたかったのではなかったか・・・と。

しかしノリちゃんは「反骨心の男」だから、そういうわけにはいかなかった。
その代わり、大ベテランは全身で喜びを爆発させた。
でも、幸四郎騎手は違う。「武豊の弟」らしく、静かに愛馬の勝利を喜んだ。
しかしそれでも、破顔の典弘騎手と同じか、それ以上の喜びが十分に伝わってきた。

そんな喜びの中、自分を久しぶりに勝たせてくれたメイショウマンボを精いっぱい気遣うような、優しさあふれる幸四郎騎手のコメントが胸を打った。
武幸四郎は、きっとそのキャラクターよりもずっと真面目で、ずっとやさしい男なのだろう。
今日は間違いなく、彼の競馬人生の中では「最良の日」となったに違いない。




別に弟のアシストというつもりはなかったとは思うが、いちおう人気サイドとして支持されていた兄・豊騎手のクロフネサプライズは、前半1000mの通過が59秒6という、普通で考えたら厳しい流れを自らつくり、ここ数年のオークスではなく、ひと昔前のオークスに近い形の、総合力を問われる競馬を見事に演出した。
これは距離適性を考えればメイショウマンボには大きなプラスになった。

昨年のジェンティルドンナが勝ったオークスと比べてみると、前半3Fで多少昨年のほうが速かった以外は、1000の標識まではほとんど同じようなラップで、これは府中の芝2400m戦で行われるレースの典型的な流れであり、その通過タイムは昨年が1分23秒4、そして今年が1分23秒8であった。

しかし大きく異なったのが、その次の1Fからは徐々にペースが厳しくなった昨年に対して、今年はそこから2Fが「(12.4)−12.9−12.8・・・」の極めて平均的な流れになり、どちらかと言えば上がり3Fの決め手比べに近いレースになったため、昨年以上に「通ったコース」が大きく結果に左右したオークスだったのだと思う。

幸四郎騎手は最高に上手く乗ったのは明らかだが、2着のエバーブロッサムも、まずまず戸崎騎手がソツなく乗った印象。
しかし残念だったのが、内田騎手のデニムアンドルビーだった。
最後は素晴らしいキレ味を発揮してよく3着まで追い込んだが、しかしここは「現代版府中コース」である。
ほんの半馬身出遅れたために、とにかくよく伸びるインを通れなかったのが最大の敗因である。

メイショウマンボは強かったが、個人的な印象では、エバーブロッサムよりはデニムアンドルビーのほうが力は上だと思う。
それにしても最近の府中コースは、普通で言えば中距離〜長距離の部類に入るオークスでさえ、たったの半馬身の出遅れで天と地ほども結果が変わってしまうのだから恐ろしい・・・

桜花賞馬のアユサンは4着止まり、これはテレビの解説者が素晴らしい指摘をしていたとおり。
私はこれまでアユサンのさばきの硬さはそれほど気にしていなかったのだが、言われてみれば確かに今日の歩様は前捌きが硬く映った。
あの感じでは、今の府中の固い馬場は合わない。

そして、期待したフロアクラフトが5着とがんばっていたが・・・
どうしてこの馬がブービー人気なのか、着順よりもそのほうがずっと驚いた。
多くのファンが驚いた掲示板確保——いや、私は能力どおりだったと思う。
ただ、もう少し厳しい流れになってくれていたら、もうちょっと上もあった気がする。
それと、ちょっと器用貧乏なところがあるのも正直否めないか・・・今日のところは松山騎手のコース取りが光った印象があり、いちおう「過信禁物」という評価にしておきたい。

人気のレッドオーヴァルはとにかく馬体減、これにつきる。
この馬はどこか「天才肌」の印象もあるが、体調面で落ち着き、万全の態勢が整いさえすれば、この馬は間違いなくG?T級の能力があると私は信じている。
ただ、距離的にはあまり伸びないほうがよいのかもしれないという印象も同時に覚えたのだが・・・

本命にしたブリリアントアスクは、まあ正直良馬場では頭はないと思ってはいたのだが、しかしディープ関連のお馬さんをふたつも追い越したのだから、現時点での力は発揮できたのではないか。展開が思っていたのとはちょっと違ったが。

TSUTAYA online


さて、いよいよ来週はダービーである。
もちろんダービーのことですでに頭はいっぱいなのだが、しかし今年に関してはその前に、ちょっと時計を戻して、先週のヴィクトリアマイルについてもひとこと。

本当は、ずっと「もうちょっとだけがんばれ!」とエールを送り続けていたヴィルシーナの優勝に際して、ヴィルシーナにとっては運悪く、先週は悲しい事故と重なってしまったために素直に表現できなかったのだが(実際想像もしていないほどショックだった・・・)、いやぁ・・・大舞台でようやくの先頭ゴール、ほんとうに素晴らしかった!おめでとう、ヴィルシーナ!
ホエールキャプチャも本当に素晴らしかった!


っつーことで、来週のダービーこそ当てたいなぁ・・・





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