2017年06月30日
日曜福島〜第66回ラジオNIKKEI賞(G?V)
福島は全面がエクイターフに張り替えられて以降、そしてそのころから連続開催をできるだけ施行しない方針転換が奏功して、今では中央場所と大差ない良好な馬場状態が年間を通じて保たれるようになっている。
だからかつての福島で当たり前のように見られた「とてつもない波乱」はめったなことでは起こらなくなってしまったが、しかし馬場が改良されたからといって人気馬だけが活躍するというものでもなく、波乱が起こるレースはやっぱり波乱の傾向がつきまとう。
中でも、今週のメインであるラジオNIKKEI賞は、かつての「ラジオたんぱ賞4歳S」のころから波乱のレースとして知られる。断念ダービーとか残念ダービーなどともいわれるくらいだから歴史も古いが、振り返れば波乱の歴史を繰り返してきたレースである。
このレースが波乱になる理由は、小回りの福島のトリッキーコース1800mという以外にもある。JRAの方針転換(というより大手オーナーブリーダーの打診をJRAが受け入れたこと)によって大幅に2歳戦が前倒しされたことがあったにせよ、まだキャリアがそこまで豊富ではない3歳馬によるレースで、しかもハンデ戦で行われるというファクターが何よりも大きい。
断念ダービーとか残念ダービーなどという競馬の古い字引にしか載っていないようなことばも、このレースを考察する上では意外と重要である。なぜなら、本気でダービーを目指した組なんてまず出てこないこのレース、かつてダービーで惜しくも敗れた馬が出走していた当時と変わらないくらい上下ハンデ差が大きいからである(ただしハンデ戦になったのは2006年以降)。
ハンデ戦で行われる前も、あのマルゼンスキーや皐月賞馬のハワイアンイメージ、ダイナコスモスなどが、58kgでこのレースを制していた。ハンデ戦ではないのに3歳の夏で58kgなんて、今では到底考えられない。そうした古い歴史が斤量の面で名残として反映される、おそらく唯一のJRA重賞だろう。
それは皐月賞やダービーを惜敗してここに駒を進めてくれば今でもそういうハンデ差が生じて不思議ないが、今はクラシック路線の整備が十分すぎるほど進んでいるのだから、とてもではないけれどそういう時代ではない。であるにもかかわらず、今年も55kgライジングリーズン(父ブラックタイド)と並んでトップハンデのサトノクロニクル(57・父ハーツクライ)とグランドボヌール(50・父エンパイアメーカー)の間には、実に「7kg」ものハンデ差が生じる。
1頭ならまだしも、ほかにも6kg差が2頭、4kg差3頭を含めると、12頭中実に半数のハンデキャップホースが出走することになる。古馬ハンデ戦でさえこういうことはそうそう起こらないのに、似たり寄ったりの力関係である3歳夏のトリッキーなラジオNIKKEI賞でそうした少々不可解な現象が起こるから、このレースははじめから荒れるに決まっているのである。
ここで賞金を加算することができれば久々に「黄金配合」の夢を期待することも十分可能な53kgウインガナドル(父ステイゴールド)を狙う。母の父メジロマックイーンは、もちろん今ではオルフェーヴル、ドリームジャーニーの兄弟やゴールドシップの祖父として知られる。超がつくほどのピッチ走法は福島巧者の可能性大。
しかし父としてメジロマックイーンが輩出したステークスウィーナーは、牡馬ではホクトスルタン(目黒記念)、牝馬ではディアジーナ(フローラS、クイーンC)の2頭の芦毛(すでに死亡)と、そして、ウインガナドルの母タイムフェアレディ(フラワーC)のわずか3頭だけ。
オルフェーヴル、ドリームジャーニーの母オリエンタルアートにしろゴールドシップの母ポイントフラッグにしろ、重賞で活躍、もしくは出走した経験がある馬たちだから大差はないかもしれないが、現在遺された唯一のメジロマックイーン産駒のステークスウィナーとしての血が、こういうつかみどころのないレースでは威力を発揮するのかもしれない。
開幕週で先行有利、土曜日には雨予報で、この血統には最も合う馬場でレースを迎えられそう。そしてなんといっても皐月賞馬ダイワメジャーの、そして福島記念を2勝したダイワファルコンの上原厩舎はとにかく福島コースの重賞ではマークが必要。
相手は枠と脚質を考慮して、53kgのロードリベラル(父ブレイクランアウト)にも注目。連勝中の勢いがあり、重い馬場もこなせる超良血馬51kgバルベーラ(父ルーラーシップ)は要警戒。
押さえは大外に入った56kgクリアザトラック(父ディープインパクト)、この枠を田辺騎手がどう乗るかにも注目。そのひとつ内のこちらはディープブリランテ産駒、無傷の3連勝を目指す54kgセダブリランテスの走りはどうか。
当然サトノクロニクルは押さえるが、木幡巧也騎手の50kgグランドボヌールまでは押さえたい。マイネルスフェーンやライジングリーズンなど、力がある組はいるものの、ハンデと脚質は正直ちょっと疑問である。
難解なラジオNIKKEI賞、久々に的中させたい。
◎ ウインガナドル
〇 ロードリベラル
▲ バルベーラ
△ クリアザトラック、セダブリランテス、サトノクロニクル、グランドボヌール
重注 ニシノアップルパイ
だからかつての福島で当たり前のように見られた「とてつもない波乱」はめったなことでは起こらなくなってしまったが、しかし馬場が改良されたからといって人気馬だけが活躍するというものでもなく、波乱が起こるレースはやっぱり波乱の傾向がつきまとう。
中でも、今週のメインであるラジオNIKKEI賞は、かつての「ラジオたんぱ賞4歳S」のころから波乱のレースとして知られる。断念ダービーとか残念ダービーなどともいわれるくらいだから歴史も古いが、振り返れば波乱の歴史を繰り返してきたレースである。
このレースが波乱になる理由は、小回りの福島のトリッキーコース1800mという以外にもある。JRAの方針転換(というより大手オーナーブリーダーの打診をJRAが受け入れたこと)によって大幅に2歳戦が前倒しされたことがあったにせよ、まだキャリアがそこまで豊富ではない3歳馬によるレースで、しかもハンデ戦で行われるというファクターが何よりも大きい。
断念ダービーとか残念ダービーなどという競馬の古い字引にしか載っていないようなことばも、このレースを考察する上では意外と重要である。なぜなら、本気でダービーを目指した組なんてまず出てこないこのレース、かつてダービーで惜しくも敗れた馬が出走していた当時と変わらないくらい上下ハンデ差が大きいからである(ただしハンデ戦になったのは2006年以降)。
ハンデ戦で行われる前も、あのマルゼンスキーや皐月賞馬のハワイアンイメージ、ダイナコスモスなどが、58kgでこのレースを制していた。ハンデ戦ではないのに3歳の夏で58kgなんて、今では到底考えられない。そうした古い歴史が斤量の面で名残として反映される、おそらく唯一のJRA重賞だろう。
それは皐月賞やダービーを惜敗してここに駒を進めてくれば今でもそういうハンデ差が生じて不思議ないが、今はクラシック路線の整備が十分すぎるほど進んでいるのだから、とてもではないけれどそういう時代ではない。であるにもかかわらず、今年も55kgライジングリーズン(父ブラックタイド)と並んでトップハンデのサトノクロニクル(57・父ハーツクライ)とグランドボヌール(50・父エンパイアメーカー)の間には、実に「7kg」ものハンデ差が生じる。
1頭ならまだしも、ほかにも6kg差が2頭、4kg差3頭を含めると、12頭中実に半数のハンデキャップホースが出走することになる。古馬ハンデ戦でさえこういうことはそうそう起こらないのに、似たり寄ったりの力関係である3歳夏のトリッキーなラジオNIKKEI賞でそうした少々不可解な現象が起こるから、このレースははじめから荒れるに決まっているのである。
ここで賞金を加算することができれば久々に「黄金配合」の夢を期待することも十分可能な53kgウインガナドル(父ステイゴールド)を狙う。母の父メジロマックイーンは、もちろん今ではオルフェーヴル、ドリームジャーニーの兄弟やゴールドシップの祖父として知られる。超がつくほどのピッチ走法は福島巧者の可能性大。
しかし父としてメジロマックイーンが輩出したステークスウィーナーは、牡馬ではホクトスルタン(目黒記念)、牝馬ではディアジーナ(フローラS、クイーンC)の2頭の芦毛(すでに死亡)と、そして、ウインガナドルの母タイムフェアレディ(フラワーC)のわずか3頭だけ。
オルフェーヴル、ドリームジャーニーの母オリエンタルアートにしろゴールドシップの母ポイントフラッグにしろ、重賞で活躍、もしくは出走した経験がある馬たちだから大差はないかもしれないが、現在遺された唯一のメジロマックイーン産駒のステークスウィナーとしての血が、こういうつかみどころのないレースでは威力を発揮するのかもしれない。
開幕週で先行有利、土曜日には雨予報で、この血統には最も合う馬場でレースを迎えられそう。そしてなんといっても皐月賞馬ダイワメジャーの、そして福島記念を2勝したダイワファルコンの上原厩舎はとにかく福島コースの重賞ではマークが必要。
相手は枠と脚質を考慮して、53kgのロードリベラル(父ブレイクランアウト)にも注目。連勝中の勢いがあり、重い馬場もこなせる超良血馬51kgバルベーラ(父ルーラーシップ)は要警戒。
押さえは大外に入った56kgクリアザトラック(父ディープインパクト)、この枠を田辺騎手がどう乗るかにも注目。そのひとつ内のこちらはディープブリランテ産駒、無傷の3連勝を目指す54kgセダブリランテスの走りはどうか。
当然サトノクロニクルは押さえるが、木幡巧也騎手の50kgグランドボヌールまでは押さえたい。マイネルスフェーンやライジングリーズンなど、力がある組はいるものの、ハンデと脚質は正直ちょっと疑問である。
難解なラジオNIKKEI賞、久々に的中させたい。
◎ ウインガナドル
〇 ロードリベラル
▲ バルベーラ
△ クリアザトラック、セダブリランテス、サトノクロニクル、グランドボヌール
重注 ニシノアップルパイ