2017年05月27日
日曜東京(第10R)〜東京優駿(第84回日本ダービー)(G?T)
例年のこの時期は、先週のオークスを見てもわかるとおり、とにかく「好位のイン」に収まること、脚質的に無理があるなら、「後方のイン」で脚をためること、良馬場の場合、ディープインパクトのような「1強」でもない限り、コーナーで外を回せばまったく話にならなくなるのが府中の芝2400戦の鉄則。
何しろJRAの馬場造園課の方々も、2回東京の開催に全力を注ぐことになるわけだから、馬場はどこを通っても「ベスト中のベスト」という状態に仕上げられている。であれば、走る距離が短くなるインコースを回れば絶対的に有利である。これはもう仕方がないところなのだろう。
ところが、今日土曜日は、幸い5レース分も芝のレースを映像でじっくり観ることができたが、どういうわけか、少々外を回すくらいまったく問題ないといった感じに、ふつうに直線で伸びている。大外さえぶん回さなければ大丈夫な馬場状態だった。
先週までのBコースから替わって、今週からCコース使用、ほとんど使われることがないDコースを除けば一番狭い、つまりは大回りの府中でも一番大回りのコースである。
ちょっとでも外を回されると、その内を回ってきた馬に残られてしまうこの時期の府中コースではなく、内が残ることがあっても外を回して届くコンディションはおそらく「雨」の影響だろう。これが明日までにどの程度残るのか・・・大混戦のダービーだからこそ、まずはその予測と明日の芝のレースの観察をする必要がありそう。
今年のダービーは、最内枠に入った良血ダンビュライト(父ルーラーシップ)と、勝てば実に6度目となる武騎手のコンビに期待する。
例年であればインが圧倒的有利で、今年だけ外を回しても伸びるということは、おそらくない。雨の影響は多少残るかもしれないが、仮にそうであったとするならば、影響がより色濃く残るのは必ず「外」のほう、これは府中と淀の特徴である。
大混戦でインが有利であるなら、皐月賞では一瞬「勝つか!?」に思われた成長力を加味すればチャンスは十分である。武騎手でダービーで圧倒的に好成績の白帽子なのに現在8番人気、混戦だから単勝はやけに売れているが、明日になればおそらく多少はオッズの上昇がみられるはず。
ダンビュライトというと、とにかくもまれ弱いことで知られるが、ダービーの勝ち方を知っている武騎手ならポケットにうまくおさめてくれるはず。あとは武騎手がいつもいう「ダービーはウイニングロードがみえる」という一種のトランス状態に入ってくれれば・・・という気持ちである。もちろんダンビュライト自身の気性の成長で馬込みをクリアしてもらいたい。
相手は狙って、青葉賞2着のベストアプローチ(父ニューアプローチ)にした。その青葉賞を勝ったのが、なんと鬼門の青葉賞勝ち馬がおそらく史上初めて1番人気に支持されそうなアドミラブル(父ディープインパクト)である。当時はコンマ4秒も引きちぎられていた。
しかしこの差は意外と大きくない可能性がある。当時テン乗りだった岩田騎手は、スローに陥りやすい青葉賞ではじめからインを狙わず、外を回してベストアプローチ自身の脚力を測るような意図がおそらくあった。岩田騎手は、本気で勝ちに行くダービーでは絶対に外を回さない。
しかも、「超大物」の評判だったアドミラブルの脚も測るため、先に動いたアドミラブルを待ってから追い出していた。ゴール前も権利確定の2着確保でほぼ追うのをやめていた。
今回は岩田騎手でコンビ2戦目。今日は外も伸びる馬場で、岩田騎手はしっかりインをさばいて差し切り勝ちを収めている。同じ芝2400mの3歳戦だった。シミュレーションはバッチリだろう。
いろいろあった岩田騎手も、得意のイン割りを「禁じ手」として以降久しく良いところがなかったが、もうほぼ復活である。まったくの人気薄だからこそインに潜り込みやすい。ダービーで完全復活をめざしてほしい。
皐月賞でも期待したペルシアンナイト(父ハービンジャー)は、アーリントンCの内容から判断すると、あまり忙しい競馬は向かない気もする。それならば、急がせない戸崎騎手でペースが上がりにくい府中芝2400mのほうが向く可能性が大きい。戸崎騎手もダービーは未勝利。先輩の内田騎手も、中央に入ってすぐにダービーを勝っていたように、戸崎騎手にもそろそろチャンスが訪れる。
であれば、戸崎騎手ほどの乗り馬に恵まれていない若い、もしくは中堅のダービー未勝利ジョッキーにもなんとか頑張ってほしいという期待も込め、ダービーの出走権を獲得した皐月賞はほんとうに驚いた藤岡兄のクリンチャー(父ディープスカイ)の意外性にも期待したい。すみれS勝ちは、あの奇跡のダービー馬・フサイチコンコルドを輩出した出世レースである。
それならば、当然皐月賞馬アルアイン(父ディープインパクト)も軽視できないが、今回はあまり良い枠ではなく、少しデリケートなところがあるディープインパクト牡馬があの時計で走ってしまった反動が心配。
ではではということで、はじめからダービーを目標にしていたスワーヴリチャード(父ハーツクライ)、大外でもスケールの大きさ衆目の一致をみるはずの人気・アドミラブルを上位、あとは意外性でマイネルスフェーン(父ステイゴールド)と、今回は一発大逃げがありそうなマイスタイル(父ハーツクライ)は府中向き。人気のレイデオロ(父キングカメハメハ)はアドミラブルと同じような競馬では仕掛け遅れる気もするが、いちおうここまでとする。
ダンビュライトは良血のお坊ちゃんというイメージがお父さんそっくりで、雰囲気が別次元のダービーを平常心で乗り越えられるか、まずはこの点に注目。かつても「超良血のお坊ちゃん」だったフサイチコンコルドのような、アッといわせる成長を見せてもらいたい。
◎ ダンビュライト
○ ベストアプローチ
▲ ペルシアンナイト
△ クリンチャー、スワーヴリチャード、アドミラブル、マイネルスフェーン、アルアイン
何しろJRAの馬場造園課の方々も、2回東京の開催に全力を注ぐことになるわけだから、馬場はどこを通っても「ベスト中のベスト」という状態に仕上げられている。であれば、走る距離が短くなるインコースを回れば絶対的に有利である。これはもう仕方がないところなのだろう。
ところが、今日土曜日は、幸い5レース分も芝のレースを映像でじっくり観ることができたが、どういうわけか、少々外を回すくらいまったく問題ないといった感じに、ふつうに直線で伸びている。大外さえぶん回さなければ大丈夫な馬場状態だった。
先週までのBコースから替わって、今週からCコース使用、ほとんど使われることがないDコースを除けば一番狭い、つまりは大回りの府中でも一番大回りのコースである。
ちょっとでも外を回されると、その内を回ってきた馬に残られてしまうこの時期の府中コースではなく、内が残ることがあっても外を回して届くコンディションはおそらく「雨」の影響だろう。これが明日までにどの程度残るのか・・・大混戦のダービーだからこそ、まずはその予測と明日の芝のレースの観察をする必要がありそう。
今年のダービーは、最内枠に入った良血ダンビュライト(父ルーラーシップ)と、勝てば実に6度目となる武騎手のコンビに期待する。
例年であればインが圧倒的有利で、今年だけ外を回しても伸びるということは、おそらくない。雨の影響は多少残るかもしれないが、仮にそうであったとするならば、影響がより色濃く残るのは必ず「外」のほう、これは府中と淀の特徴である。
大混戦でインが有利であるなら、皐月賞では一瞬「勝つか!?」に思われた成長力を加味すればチャンスは十分である。武騎手でダービーで圧倒的に好成績の白帽子なのに現在8番人気、混戦だから単勝はやけに売れているが、明日になればおそらく多少はオッズの上昇がみられるはず。
ダンビュライトというと、とにかくもまれ弱いことで知られるが、ダービーの勝ち方を知っている武騎手ならポケットにうまくおさめてくれるはず。あとは武騎手がいつもいう「ダービーはウイニングロードがみえる」という一種のトランス状態に入ってくれれば・・・という気持ちである。もちろんダンビュライト自身の気性の成長で馬込みをクリアしてもらいたい。
相手は狙って、青葉賞2着のベストアプローチ(父ニューアプローチ)にした。その青葉賞を勝ったのが、なんと鬼門の青葉賞勝ち馬がおそらく史上初めて1番人気に支持されそうなアドミラブル(父ディープインパクト)である。当時はコンマ4秒も引きちぎられていた。
しかしこの差は意外と大きくない可能性がある。当時テン乗りだった岩田騎手は、スローに陥りやすい青葉賞ではじめからインを狙わず、外を回してベストアプローチ自身の脚力を測るような意図がおそらくあった。岩田騎手は、本気で勝ちに行くダービーでは絶対に外を回さない。
しかも、「超大物」の評判だったアドミラブルの脚も測るため、先に動いたアドミラブルを待ってから追い出していた。ゴール前も権利確定の2着確保でほぼ追うのをやめていた。
今回は岩田騎手でコンビ2戦目。今日は外も伸びる馬場で、岩田騎手はしっかりインをさばいて差し切り勝ちを収めている。同じ芝2400mの3歳戦だった。シミュレーションはバッチリだろう。
いろいろあった岩田騎手も、得意のイン割りを「禁じ手」として以降久しく良いところがなかったが、もうほぼ復活である。まったくの人気薄だからこそインに潜り込みやすい。ダービーで完全復活をめざしてほしい。
皐月賞でも期待したペルシアンナイト(父ハービンジャー)は、アーリントンCの内容から判断すると、あまり忙しい競馬は向かない気もする。それならば、急がせない戸崎騎手でペースが上がりにくい府中芝2400mのほうが向く可能性が大きい。戸崎騎手もダービーは未勝利。先輩の内田騎手も、中央に入ってすぐにダービーを勝っていたように、戸崎騎手にもそろそろチャンスが訪れる。
であれば、戸崎騎手ほどの乗り馬に恵まれていない若い、もしくは中堅のダービー未勝利ジョッキーにもなんとか頑張ってほしいという期待も込め、ダービーの出走権を獲得した皐月賞はほんとうに驚いた藤岡兄のクリンチャー(父ディープスカイ)の意外性にも期待したい。すみれS勝ちは、あの奇跡のダービー馬・フサイチコンコルドを輩出した出世レースである。
それならば、当然皐月賞馬アルアイン(父ディープインパクト)も軽視できないが、今回はあまり良い枠ではなく、少しデリケートなところがあるディープインパクト牡馬があの時計で走ってしまった反動が心配。
ではではということで、はじめからダービーを目標にしていたスワーヴリチャード(父ハーツクライ)、大外でもスケールの大きさ衆目の一致をみるはずの人気・アドミラブルを上位、あとは意外性でマイネルスフェーン(父ステイゴールド)と、今回は一発大逃げがありそうなマイスタイル(父ハーツクライ)は府中向き。人気のレイデオロ(父キングカメハメハ)はアドミラブルと同じような競馬では仕掛け遅れる気もするが、いちおうここまでとする。
ダンビュライトは良血のお坊ちゃんというイメージがお父さんそっくりで、雰囲気が別次元のダービーを平常心で乗り越えられるか、まずはこの点に注目。かつても「超良血のお坊ちゃん」だったフサイチコンコルドのような、アッといわせる成長を見せてもらいたい。
◎ ダンビュライト
○ ベストアプローチ
▲ ペルシアンナイト
△ クリンチャー、スワーヴリチャード、アドミラブル、マイネルスフェーン、アルアイン