2017年04月27日
日曜京都〜第155回天皇賞・春(GI)
天皇賞もフルゲート割れ、青葉賞に至っては12頭でこれは青葉賞としては異例だろう。非常に楽しみなレースだけに、今年はなんとなく寂しい天皇賞ウイークになる気もするのだが、まあ的中させればそんなことは忘れる。
実は、天皇賞はミライヘノツバサと決めていたのだが、ミライヘノツバサは残念ながら天皇賞の出走を見送ってしまった。まあ春4戦目ともなると、休んでないで出てこいとはいえない。
ただ、ミライヘノツバサにとっては、13着ながら菊花賞の内容を見る限りは長いところは絶好の舞台だったはずだし、なんといっても「絶対的2強」がいる今年からこそだからこそ出てほしかったなぁ・・・
ということで、気持ちをフラットにして、ここからは例年難解な天皇賞を読み解いていきたい。
まずは2強、キタサンブラック(父ブラックタイド)とサトノダイヤモンド(父ディープインパクト)は淀の3200という超難関コースで果たしてどちらが強いのか・・・この考察である。
大阪杯のときに、菊花賞馬ながらキタサンブラックは完全なスピード馬で、中距離がベストという話をしたばかり。事実、昨年の有馬記念(直線で坂がある2500m)ではサトノダイヤモンドにねじ伏せられる形の、着差以上の完敗だったように映る。
ただし、当時は2kgの差があった。今回は同斤で、しかもサトノダイヤモンドにとっては初めて経験する58kgである。確勝と思われたあのゴールドシップでさえ、初の58kgの天皇楯チャレンジは、まったく不可解な凡走だった。
シンボリルドルフのタイプの完全無欠・サトノダイヤモンドにとってもこのあたりはかなり大きな課題となる。レース間隔や3歳時の実績を考慮しても、ふつうならサトノダイヤモンドが優位に思われるが、この2頭の比較となると、キタサンブラックが上の可能性がわずかに高い気がする。
それではこれら2強でアッサリ決まるのかというと、現在の天皇賞はそんなに簡単ではない。そもそも「2強」というのは、どちらかが負けてしまうことも少なくなく、ヘタを打てばどちらも飛んでしまうことさえある。荒れる天皇賞である。ここは積極的に穴を狙いたい。
距離適性の面でキタサンブラックよりもサトノダイヤモンドのほうが上と考えるなら、私は間違いなく「サトノ上位」の評価を下していた。しかし実は、サトノダイヤモンドは「競馬センス抜群」な馬であって、現状まだ底力勝負はしていないのである。サトノダイヤモンド、そしてキタサンブラックよりも長距離適性で勝る馬を見つけたい。
トーセンバジル(父ハービンジャー)を中心にとる。
天皇賞というと血統が重視される近年まれなレースだが、母の父フジキセキは引っかかるところだろう。父ハービンジャーからしてダンシリ(その父デインヒル)の系統だから、ステイヤーとするならスピードタイプとしたほうがずっと説得力がある。
ただし、フジキセキの血というのは、確かに全体的に圧倒的なスピードを伝える印象はあるが、府中のマイル戦の猛ペースで何度となくフジキセキの血が台頭してきているように、「究極の底力」を求められたときに、フジキセキのとてつもないポテンシャルが生きてくるのである。天皇賞はまさにうってつけの舞台。
この血統で比較的長い距離に適性があるのは、シーバードからの「凱旋門賞血統」の流れがトーセンバジルに影響を与えている可能性が考えられる。この相手でもやれて不思議はない。
そもそもキタサンブラックの母の父サクラバクシンオーは、日本が誇るベストスプリンターである。前走阪神大賞典の内容を見ても、究極の底力勝負になったときにはトーセンバジルにチャンスが訪れる気がする。そういうレースになるためにも、ミライヘノツバサのような馬に出てほしかったのだが・・・
相手は、こちらも対抗と早くから決めていたレインボーライン(父ステイゴールド)である。菊花賞2着はサトノダイヤモンドから大きく離されたが、私は常々言っているように、サトノダイヤモンドはいろいろ言われる有馬記念ではなく、菊花賞こそ「アシストの恩恵」が大きかったとみている。今回はサトノも池江厩舎も「単騎」である。
とすると、離された菊花賞2着馬のレインボーラインは、成長次第では逆転も十分可能の計算は成り立つ。前走の負け方もよかった。サトノが単騎だからこそ・・・菊ではサトノの伏兵に邪魔されまくったミライヘノツバサに出てほしかったのだが・・・
そして単穴は、これは非常に楽しみなシャケトラ(父マンハッタンカフェ)。正直、本当に良くなるのはまだ先かな・・・という気もするのだが、だからこそ、強大な2頭をここで相手にできるチャンスをモノにしてほしい気持ちはある。スケールならサトノダイヤモンドやキタサンブラックとも伍するだけのものがある。大チャンスだけにがんばってもらいたい。
あとは川田騎手に乗り替わってどうかだが、この馬が早めに動いてレースをかき回してくれるとおもしろくなるという意味では、アルバート(父アドマイヤドン)にも注目。アドマイヤデウス(父アドマイヤドン)とシュバルグラン(父ハーツクライ)は当然押さえが必要。ここまで。
もちろん昨年よりはずっと走れる状態と予測されるゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)の巻き返しも怖いが、横山典弘騎手に乗り替わったとは言え、ゴールドシップのようなレース自体をぶっ壊すような競馬ができないだけに、はたしてどこまで・・・という気はする。
とにかく伝統のマラソンレースに注目したい。
◎ トーセンバジル
○ レインボーライン
▲ シャケトラ
△ キタサンブラック、サトノダイヤモンド、アルバート、アドマイヤデウス、シュヴァルグラン
実は、天皇賞はミライヘノツバサと決めていたのだが、ミライヘノツバサは残念ながら天皇賞の出走を見送ってしまった。まあ春4戦目ともなると、休んでないで出てこいとはいえない。
ただ、ミライヘノツバサにとっては、13着ながら菊花賞の内容を見る限りは長いところは絶好の舞台だったはずだし、なんといっても「絶対的2強」がいる今年からこそだからこそ出てほしかったなぁ・・・
ということで、気持ちをフラットにして、ここからは例年難解な天皇賞を読み解いていきたい。
まずは2強、キタサンブラック(父ブラックタイド)とサトノダイヤモンド(父ディープインパクト)は淀の3200という超難関コースで果たしてどちらが強いのか・・・この考察である。
大阪杯のときに、菊花賞馬ながらキタサンブラックは完全なスピード馬で、中距離がベストという話をしたばかり。事実、昨年の有馬記念(直線で坂がある2500m)ではサトノダイヤモンドにねじ伏せられる形の、着差以上の完敗だったように映る。
ただし、当時は2kgの差があった。今回は同斤で、しかもサトノダイヤモンドにとっては初めて経験する58kgである。確勝と思われたあのゴールドシップでさえ、初の58kgの天皇楯チャレンジは、まったく不可解な凡走だった。
シンボリルドルフのタイプの完全無欠・サトノダイヤモンドにとってもこのあたりはかなり大きな課題となる。レース間隔や3歳時の実績を考慮しても、ふつうならサトノダイヤモンドが優位に思われるが、この2頭の比較となると、キタサンブラックが上の可能性がわずかに高い気がする。
それではこれら2強でアッサリ決まるのかというと、現在の天皇賞はそんなに簡単ではない。そもそも「2強」というのは、どちらかが負けてしまうことも少なくなく、ヘタを打てばどちらも飛んでしまうことさえある。荒れる天皇賞である。ここは積極的に穴を狙いたい。
距離適性の面でキタサンブラックよりもサトノダイヤモンドのほうが上と考えるなら、私は間違いなく「サトノ上位」の評価を下していた。しかし実は、サトノダイヤモンドは「競馬センス抜群」な馬であって、現状まだ底力勝負はしていないのである。サトノダイヤモンド、そしてキタサンブラックよりも長距離適性で勝る馬を見つけたい。
トーセンバジル(父ハービンジャー)を中心にとる。
天皇賞というと血統が重視される近年まれなレースだが、母の父フジキセキは引っかかるところだろう。父ハービンジャーからしてダンシリ(その父デインヒル)の系統だから、ステイヤーとするならスピードタイプとしたほうがずっと説得力がある。
ただし、フジキセキの血というのは、確かに全体的に圧倒的なスピードを伝える印象はあるが、府中のマイル戦の猛ペースで何度となくフジキセキの血が台頭してきているように、「究極の底力」を求められたときに、フジキセキのとてつもないポテンシャルが生きてくるのである。天皇賞はまさにうってつけの舞台。
この血統で比較的長い距離に適性があるのは、シーバードからの「凱旋門賞血統」の流れがトーセンバジルに影響を与えている可能性が考えられる。この相手でもやれて不思議はない。
そもそもキタサンブラックの母の父サクラバクシンオーは、日本が誇るベストスプリンターである。前走阪神大賞典の内容を見ても、究極の底力勝負になったときにはトーセンバジルにチャンスが訪れる気がする。そういうレースになるためにも、ミライヘノツバサのような馬に出てほしかったのだが・・・
相手は、こちらも対抗と早くから決めていたレインボーライン(父ステイゴールド)である。菊花賞2着はサトノダイヤモンドから大きく離されたが、私は常々言っているように、サトノダイヤモンドはいろいろ言われる有馬記念ではなく、菊花賞こそ「アシストの恩恵」が大きかったとみている。今回はサトノも池江厩舎も「単騎」である。
とすると、離された菊花賞2着馬のレインボーラインは、成長次第では逆転も十分可能の計算は成り立つ。前走の負け方もよかった。サトノが単騎だからこそ・・・菊ではサトノの伏兵に邪魔されまくったミライヘノツバサに出てほしかったのだが・・・
そして単穴は、これは非常に楽しみなシャケトラ(父マンハッタンカフェ)。正直、本当に良くなるのはまだ先かな・・・という気もするのだが、だからこそ、強大な2頭をここで相手にできるチャンスをモノにしてほしい気持ちはある。スケールならサトノダイヤモンドやキタサンブラックとも伍するだけのものがある。大チャンスだけにがんばってもらいたい。
あとは川田騎手に乗り替わってどうかだが、この馬が早めに動いてレースをかき回してくれるとおもしろくなるという意味では、アルバート(父アドマイヤドン)にも注目。アドマイヤデウス(父アドマイヤドン)とシュバルグラン(父ハーツクライ)は当然押さえが必要。ここまで。
もちろん昨年よりはずっと走れる状態と予測されるゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)の巻き返しも怖いが、横山典弘騎手に乗り替わったとは言え、ゴールドシップのようなレース自体をぶっ壊すような競馬ができないだけに、はたしてどこまで・・・という気はする。
とにかく伝統のマラソンレースに注目したい。
◎ トーセンバジル
○ レインボーライン
▲ シャケトラ
△ キタサンブラック、サトノダイヤモンド、アルバート、アドマイヤデウス、シュヴァルグラン