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日曜京都〜第22回シルクロードS(G?V)

東は今週から久々に東京に戻ってくるが、西は引き続き京都での開催。ただし、今週はコース替わりがあって芝コースはBコースで行われる。

東京ではフェブラリーSの、京都では高松宮記念のそれぞれ重要参考レースとなる根岸S、シルクロードSが行われる。根岸Sは別定ダート1400m、一方シルクロードSは京都内回りの芝のスプリント、ハンデG?Vという荒れる要素満載の条件。

ダンスディレクター(父アドマイヤムーン)と並んでトップハンデのネロ(父ヨハネスブルグ)が人気の中心になる。そしてこのネロ、徹底先行型だけに、前半はかなりのハイラップを刻みながらという展開。そのネロを含めて久々の組も多い。差しタイプに注目する。

56kgの8歳アースソニック(父クロフネ)に期待する。この馬はとにかく直線が平坦なコースに良績が集中している。前走急坂の中山で大敗は、このレースへの布石ともとれる。丸3年以上勝ち星から遠ざかっているだけに、さすがに頭ではどうかと思うが、そこまで衰えた印象はない。3着までに入ってくれれば・・・というイメージで買いたい。

もちろん昨年の勝ち馬ダンスディレクターや昨年の勝利ジョッキー浜中騎手が乗るネロも魅力はあるが、ネロは間が空いて目標は次、そしてダンスディレクターは昨年ほどの勢いはない印象。それならば、やはり差しタイプの54kgヒルノデイバロー(父マンハッタンカフェ)の一発の魅力は大きい。

外枠はむしろ良さそうなブランボヌール(父ディープインパクト)のキレ、あとは安定感あるセカンドテーブル(父トワイニング)あたりにも注目したい。人気勢はもちろんだが、穴っぽいところでは、枠はちょっとイヤだがこちらも典型的な平坦巧者ラインスピリット(父スウェプトオーヴァーボード)、先に行く組では上昇馬セイウンコウセイ(父アドマイヤムーン)あたりまで押さえる。

ここは波乱の目を読む。

◎ アースソニック
○ ヒルノデイバロー
▲ ブランボヌール
△ セカンドテーブル、ダンスディレクター、ネロ、ラインスピリット、セイウンコウセイ

日曜中山〜第58回AJCC(G?U)

中山外回りの芝2200m戦は昨年のセントライト記念(菊花賞トライアル)で皐月賞馬ディーマジェスティとタイム差なしのいちおう接戦に持ち込んだゼーヴィント(父ディープインパクト)と戸崎騎手のコンビが人気になる組み合わせ。

ゼーヴィントが人気になるくらいだからあまりレベルが高いメンバーとは言えないが、しかし少なくともゼーヴィントにとっては差す形が採りやすい組み合わせにはなっている。今回は内にも外にも先に行く組がおり、しかも徹底先行のタイプがいるわけではないから、想定よりも速い流れになることも十分ある。そういう意味でゼーヴィント戸崎は競馬しやすいだろう。

重傷を負いちょうど1年休養していたリアファル(父ゼンノロブロイ)は昨年末の金鯱賞で待望の復帰戦(5着)をつかわれたが、大幅馬体増でも成長分が大きく、割と仕上がっていた印象。しかし続く有馬記念4着のヤマカツエースとコンマ2秒差だったから、ここは大きな上積みが期待できる。コンビ2走目となるシュミノー騎手が引き続き手綱というのは心強い。

人気勢ではこのリアファルが前で運び、おそらくゼーヴィントはこれをマークする形だろう。土曜午前の前売りでは、確かに前走は凄みを感じさせる内容ではあったものの、まさかの3番人気の支持を得ているのが最内枠に入ったドリームジャーニー産駒ミライヘノツバサ。おそらくこれが先手を奪うことになるか。

エリザベス女王杯で穴をあけたルメールの5歳牝馬シングウィズジョイ(父マンハッタンカフェ)もこの枠なら早目の競馬になる。あとは大外枠のクリールカイザー(父キングヘイロー)がどのくらい絡んでくるのかによっても多少流れに影響を与えるか。

この時期の中山芝2200mを2分12秒6で乗り切った当時56kgのミライヘノツバサは、今回は55kgでの出走。相手は格段に強化されるが、しかし時期と菊花賞以来の久々、さらには早く抜けすぎてラストが少し鈍ったことを考慮すると、ミライヘノツバサは確かにこの中に入っても重要な「基準」となりそう。

まだオープン入りしたばかりなのにミライヘノツバサには少し荷が重いかもしれないが、いちおうここは「ミライヘノツバサを負かせる馬」にチャンスがあると考えられる組み合わせか。

ゴールドシップを破っている実績があるコース、今季絶好調の吉田豊騎手に乗り替わり、父キングヘイローの意外性を踏まえた魅力が感じられる8歳クリールカイザーに今年も期待したい。

クリールカイザーというと田辺騎手のイメージがあるが、しかしもともとは吉田豊騎手のお手馬だった。ここはコンビ復活で、実際吉田騎手が乗って中山2200mの湾岸Sの勝ち鞍がある。乗り替わりは心配ない。

昨年秋のオールカマーは今回と同じ56kgでゴールドアクターの前にコンマ3秒差4着だったが、2分12秒2で乗り切っていた。当時は今年の中山金杯勝ち馬ツクバアズマオーとクビ差、宝塚記念を勝ったマリアライトにはクビだけ先着していた。

この開催の「8歳」の表記は非常にトリッキーであり、ついこの間まで「7歳」だった馬も1歳カウントされただけで大ベテランになった印象を与える。当然人気はその分落ちる。買いの要素だろう。

相手は、さすがに人気しすぎだろう・・・の気持ちも正直あるが、皐月賞の前からずっと「秋になれば・・・」の思いで注目してきたミライヘノツバサに期待する。有馬記念ではサトノノブレスがサトノダイヤモンドをアシストしたのではないかなどと言われるが、事前の話し合いがあったかどうかはともかく、結果的にダイヤモンドへのより大きなアドバンテージを与えたのは、有馬記念のサトノノブレスよりも菊花賞のサトノエトワールのほうだろう。

その最大の被害馬(ルール上は問題ないが明らかな不利)となってしまったのが、このミライヘノツバサだった。芦毛は同じ芦毛のスキップアウェイが登場するまでおそらく最もレベルが高かったころのアメリカ競馬で一時代を築いたシルバーチャーム(マルゼンスキー母系の中核バックパサーの直系)譲り。

しかしあれだけサトノエトワールに終始突かれながらも直線に入って最後まで抵抗を見せていたあの走りは、お父さんのドリームジャーニー(天皇賞春僅差3着、オルフェーヴルが全弟)のスタミナが十分生きた内容だった。

残念ながら若くして亡くなってしまったホクトスルタン(メジロマックイーン産駒)がこの時期の中山で大勝して天皇賞春への夢を膨らませたあの頃と、ちょっと似た雰囲気がある。ここで好結果なら天皇賞春にぜひ出走してもらいたいという意味も込めて、人気でもミライヘノツバサに期待したい。

ミライヘノツバサは青森産だが、こちらはなんと栃木産のナスノセイカン(父ハーツクライ)は、決して活力ある牝系ではないものの、由緒ある、いちおう名牝系の出身(那須野牧場生産)といえるか。2年前の京成杯でも期待したが、いや、この血統から受ける印象は、やっぱり今こそ充実という気がする。

当然リアファル、シングウィズジョイの人気勢は押さえるが、クリールカイザーを評価するなら同じオールカマーで今回と同斤だったショウナンバッハ(父ステイゴールド)も押さえる必要があるし、だいぶ昔にダービー3着の星があるマイネルフロスト(父ブラックタイド)は意外と外回り巧者の可能性もありそう。タンタアレグリア(父ゼンノロブロイ)あたりまで手を広げたい。

今年のAJCCは、ベテランと新星2騎の快走に期待する。

◎ クリールカイザー
○ ミライヘノツバサ
▲ ナスノセイカン
△ リアファル、ショウナンバッハ、シングウィズジョイ、マイネルフロスト、ゼーヴィント

リヤンドファミユのこと

リヤンドファミユといえば、みなさんもすでにご存知のことと思うが、史上7頭目の三冠馬オルフェーヴルの全弟、つまり「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン」のいわゆる「黄金配合」の良血馬である。まあ父や母の父が誰であっても、兄が三冠馬という時点で超がいっぱいつくレベルの良血馬であることは間違いないのだが、しかしこの血統はやはりどうしても実績だけで語ることができない部分もあることは間違いない。

ひとことでいえば、リヤンドファミユはその血筋の可能性が買われて種牡馬への道が模索されている。古馬オープンで勝ち鞍がない馬が種牡馬になった例自体がほとんどないし、それで成功した例などまったく思い当たらず、仮に成功すれば奇跡に近い記録的種牡馬として、この血統や自身の名を後世に残すばかりでなく、そういった新たな可能性を切り開くことになる。

ディープインパクトの全兄ブラックタイドは昨年の年度代表馬キタサンブラックを輩出して名種牡馬への足掛かりを「血の力」でつかんで見せたが、しかしブラックタイドは重賞でも勝ち鞍があるだけに、古馬オープンで勝ち鞍がないリヤンドファミユがブラックタイドと同じ活躍ができる可能性がブラックタイドと同じだけあるのかというと、正直そこまでではないというのが本当のところだろう。

しかしリヤンドファミユ(もちろん三冠馬の兄オルフェーヴルやグランプリ2勝のドリームジャーニーも)はその存在自体が奇跡がかった血統であることはよく知られる。だから種牡馬という舞台に立つことさえできれば、特にメジロマックイーンのファンである私たちからすれば、普通では想像できない「奇跡」をイメージすることはそんなに困難ではない血統なのである。

とはいえそんなことはどうでもよくて——長くなってしまったがここからが本題——すでにご存知のファンも多いとは思うが、実は現在リヤンドファミユを種牡馬として成功させようというプロジェクトが立ち上げられているのだ。今回はそのご紹介である。

別にそのプロジェクトの主催者への恩義もないし、そもそも誰がそんなプロジェクトを立ち上げているのかよく知らない私がこういう公の場でこんなことを口にするのは、一般的には常識を踏まえない行為であるとは思うが、私自身この血脈には、忘れかけていた競馬の楽しさ、おもしろさ、奥深さを再認識させてもらったし、リヤンドファミユにも若駒Sでちょっとした馬券をプレゼントしてもらった恩義がある。

リヤンドファミユをご存知のファンであれば、あの気性から引退馬が最も多くの可能性を残す「乗用馬」としての使途には到底無理があることも同時にわかっていることと思う。競走馬でないリヤンドファミユが生きることができる道は、自身の血を残すこと以外にないのだ。

もちろん競馬の楽しみ方は人それぞれだ。競走馬の行く末がどうなろうと知ったことか、脚が折れてでも馬券さえ的中できればそれでいい・・・そういうスタンスの競馬の楽しみ方もある。趣味が合うかどうかは別として、それはそれで同じ競馬を楽しみたい人間として受け入れなければならない。

どんなスタンスでもかまわない。ただもしリヤンドファミユに馬券をとらせてもらったとか、私のようにこの血統のファンであるとか、リヤンドファミユの飛び跳ねるようなパドックの姿が微笑ましかったとか、キレイな馬体が好きだったとか、激しい気性のエピソードが大好きだったとか、神のお告げがあったとか、なんでもいいのだ。

もちろんオルフェーヴルやドリームジャーニー、ステイゴールドやメジロマックイーンが大好きだったとか、オリエンタルアートやノーザンテーストやノーザンダンサーが大好きだったとか、どんな理由でもかまわない。

「兄が三冠馬」という超奇跡的な幸運が味方して、リヤンドファミユの新たな道の模索がスタートしている。そのプロジェクト自体いろいろ言われているし、私とは縁故関係も何もない他人様のことだから詳しいところまでは明言を避けるが、興味があるファンは「リヤンドファミユ プロジェクト」とでも検索していただくと、その概要がわかると思う。

価値観は人それぞれだから、あまり勧誘をしたり何かをすすめることは好きではないのだが、「そういう話もあるのだな」ということをちょっとでも知っていただけたら幸いである。

日曜京都〜第64回日経新春杯(G?U)

ルーラーシップやトゥザグローリー、今年も出走するレーヴミストラル(父キングカメハメハ)などG?T級の力を持つ馬たちが勝って人気馬どうしで決着する年もあるが、そうでない年はやはりハンデ戦、必ずといっていいほど軽量馬たちが穴をあけている。京都外回りの芝2400m戦だけに紛れが生じにくく、人気馬がまるごとすっ飛んでしまうことはないから、あまり大きな穴があくわけではないものの、穴を狙うなら「軽い馬」となるのが日経新春杯のパターン。

軽い馬ならベテランでも牝馬でも関係なく穴をあけるから、ハンデ戦とはいっても意外と大胆な穴狙いが可能な楽しいレースである。あとは展開次第。今年その展開のカギを握りそうなのが、池添騎手の55kgヤマカツライデン(父シンボリクリスエス)で間違いないだろう。

注目は55kgミッキーロケット(父キングカメハメハ)。神戸新聞杯ではサトノダイヤモンドとタイム差なしの2着、菊花賞こそ大きく差を広げられたが、今回の12Fならベストに近い。ハンデもそこまで見込まれたわけではない。

56.5kgのモンドインテロ(父ディープインパクト)は、良い脚が長続きしない欠点があるから、直線に坂がない京都外回りコースはおそらくベストの舞台だろう。あとはハンデ次第か。このレースは上がり馬にも注目しなければならず、その意味では54kgカフジプリンス(父ハーツクライ)だとは思うが、この馬京都では掲示板すらないのがどうもひっかかる。

であれば、過剰人気は覚悟しながら最大の上がり馬(まだ準オープンだけど)となりそうな53kgシャケトラ(父マンハッタンカフェ)のほうに魅力を感じる。デビュー2戦目の中京ではモタレて競馬にならない感じの3着だったが、右回り阪神の3戦はすべて楽勝。まだ上積みがある。

ゼンノロブロイの子だからというわけではないが、秋以降の案外な内容が心配なレッドエルディストは54kgでどうか。こちらはシャケトラとは逆に左回り巧者かもしれないなどと思っているのだが、いちおう注目が必要だろう。

ということで、斤量を考えると、とにかくシャケトラの魅力が抜けている。年度代表馬(サブちゃんおめでとう!)キタサンブラックやサトノダイヤモンドを将来おびやかす馬がいるとしたら、それはもしかしたらゴールドアクターやマカヒキ、ディーマジェスティなどではないかもしれない。

今回はまだまだ未知のヴェイルに包まれたシャケトラの可能性に1票を投じた気持ちが強い。が、やっぱりシャケトラが人気馬である以上、「シャケトラを負かす穴馬は?」というスタンスで今回もアプローチしたい。

かなり大穴になると思うが、7歳で53kgのアクションスター(父アグネスタキオン)にした。速い脚を一瞬しか使えず多少他力本願なところがあるアクションスターの好走条件はある程度決まっていて、

・極端なスローにならない
・ゆったり流れに乗れる
・冬

この3条件である。昨年は冬場を休養に充てていたが、一昨年の冬は距離や流れが向かなかった。今回はヤマカツライデンがいて、人気のミッキーロケットあたりも早目進出の競馬になるから、アクションスターは久々に嵌る可能性がある。

雪の予報も出ているから他が苦労する分多少強調材料もできる。ハンデさえ軽ければ、無理だろう・・・という馬が涼しい顔で台頭するのがこのレース。頭で・・・という気持ちは正直ほぼないが、3着狙い、もしくは何かの間違いで2着に差しこんでくるようなことでもあれば高配当は確実だろう。

非常に難しい競馬だが、頭まで狙えるとするならば、ヤマカツライデンの逃げ残りか。押さえはモンドインテロ、ミッキーロケット、外枠はむしろ幸運なレーヴミストラルの人気勢、穴っぽいところでは、このレースを毎年好走している印象がある8歳馬で55kgのアドマイヤフライト(父マンハッタンカフェ)、豊富なキャリアがありながら京都は初見参、京都を知り尽くす武豊騎手の53kgトルークマクト(父アドマイヤジャパン)、ここまで。

ついにマンハッタンカフェの牡馬の大物が登場の予感もある。とにかくこのレースはまだ全貌が明らかになっていないシャケトラに注目したい。まだすぐに全貌が明らかにならないとは思うが、少なくともこのレースが終わればシャケなのかトラなのかくらいは判明するはずである。正直言って、昨年はロクでもない騎乗で死に損ない、殺し損なったことが何度かあった浜中騎手、もしかしたらたいへんな宝物かもしれないから、心して乗ってもらいたい。

◎ アクションスター
〇 シャケトラ
▲ ヤマカツライデン
△ モンドインテロ、ミッキーロケット、アドマイヤフライト、トルークマクト、レーヴミストラル
重注 ウインインスパイア

日曜中山〜第33回フェアリーS(G?V)

正月競馬の開催3日目は東西とも若い3歳馬による外回りのマイル戦が行われる。年が明けて2歳馬たちが一斉に3歳に昇格すると、もうすぐにクラシックを占うレースが大半を占める。正直、ちょっと前までは西のシンザン記念も東のフェアリーステークスも、とてもクラシックでは通用しないメンバーで行われてきたが、しかしシンザン記念はもう今はすっかり「出世レース」へとリニューアルされている。

タニノギムレット、ジェンティルドンナ、敗れはしたがその素質の高さは改めて実感されたオルフェーヴルなど、一時代をその後築くことになる名馬輩出の宝庫・・・これが現在のシンザン記念の印象である。そういう意味で今年も大注目であることは間違いない。

しかし馬券の妙味という意味では、同じマイル戦でも牝馬限定のフェアリーSのほうがずっとおもしろい。私は正直あまりシンザン記念を買わないが、フェアリーSは大好き。あとちょっとでかなりの高配当をゲットできるのに・・・というその「ちょっと」がなかなか的中できないでいる。今年こそ・・・と思っているし、そういう波乱要素に富んだレースはやっぱり楽しい。

つい2日前の中山金杯では、ツクバアズマオーが前走とまったく異なる流れをまったく同じような勝ち方で快勝していた(つまり、ツクバアズマオーはどうやら「本物」か)が、内が伸びないとかそういうことではない。G?T馬クラリティスカイはしっかり2着を確保して私の馬券を台無しにしてくれた。

その意味では、内外の極端なバイアスはない。ということは、中山外回りだからやっぱり「内枠有利」ということになる。しかも今回は内で先行しそうな組が多いから、中山外回りのマイル戦、この時期の牝馬のレースとしては、もしかしたら多少ペースが上がるかもしれない。

中心は、土曜朝の段階では7番人気だから想定よりもだいぶ売れてしまっているが、芦毛のモリトシラユリ(父クロフネ)にした。あまり競馬しやすい枠とは言えないが、ツクバで優勝した吉田豊騎手へのスイッチ、そして何より天気が怪しいということで、パワータイプのモリトシラユリに波乱を期待したファンの注目が集まってしまったのかもしれない。

デビュー4走目の前走はダートを勝ちあがって未勝利脱出、今回は除外が7頭も出る抽選を突破しての出走だから、印象は地味。しかしこの芦毛はたいへんな名牝系(シラオキ系)の一族。この時期の中山コースはいかにも・・・というパワーは父方のクロフネだけではなく、タフなスタミナを伝える牝系からの影響が強い印象がある。

だいぶ古い話で恐縮だが、同じ開催の中山外回りのAJCCに出走したスペシャルウィークは懐かしいダービー馬。スペシャルウィークといえばシラオキ系の代表格、というより、モリトシラユリもスペシャルウィークもレディーシラオキの一族である。

フランスの名手で、当時はいろいろな意味で若かったオリビエ・ペリエ騎手がこのスペシャルウィークの手綱をAJCCで執ったが、ファーストコンタクトの際には「本当にこれがダービー馬か?」という印象を持ったそうだ。稽古での動きがあまりにも凡庸だったからである。

実際レースでも、これまでにないくらい激しくかかってしまうほどスペシャルウィークの状態は悪かった。しかし直線では楽に抜け出して快勝——それはダービー馬なのだから当たり前だろうと思うかもしれないが、いや、あの緩く荒れた馬場を一完歩ごとに力強く登坂してくる迫力は、それまでのスペシャルウィークにはなかった。どちらかといえばグラスワンダーか?というようなすごい走りだった記憶がある。

比較的新しいところでは、ひどい不良馬場のチューリップ賞をぶち抜いたジョーディシラオキの脚のインパクトはすごかった。タフな条件になると、この一族はとてつもないポテンシャルを発揮することがあるのだと、あのとき再確認できた。名牝系の継承者に将来なるモリトシラユリに期待する。

相手は人気でも、絶好枠を引いて絶対に内心シメシメとほくそ笑んでいる横山典弘騎手、こちらもクロフネ産駒の芦毛アエロリット、そして多少雨の影響があるならエルコンドルパサーの肌にスクリーンヒーローという血統のメローブリーズ、行きそうなマツリダゴッホ産駒ツヅク、最内枠に入ったクロフネの芦毛3頭目はコーラルプリンセス、人気でもヒストリア(父ハーツクライ)と唯一のディープインパクト産駒キャスパリーグ、そして大穴では大型馬のジャストザマリン(父ディープブリランテ)、できればマツリダゴッホ産駒パフォームまで押さえたい。

今年こそ・・・の願いをモリトシラユリに託す。

◎ モリトシラユリ
○ アエロリット
▲ メローブリーズ
△ ツヅク、コーラルプリンセス、ヒストリア、ジャストザマリン、キャスパリーグ

木曜中山〜第66回日刊スポーツ賞中山金杯(G?V)ほか

東西の金杯は例年どおり。ハンデ戦で行われるのも同じ。中山は内回りの芝2000m戦、京都は外回りの芝マイル。いつもと変わらぬ東西金杯である。ということで、今年も無事に新しい競馬がここからスタートする。みなさんあけおめ、である。

京都は久々の開催だから、芝の状態は良好であるものの、11月の最終週あたりと正月開催は、他の開催の京都とは思えないくらい時計がかかる傾向にある。中山のほうは、形の上では年末開催からの連続開催ではある。ただ、二度と思いだしたくもない有馬記念の週の芝コースをいやいや思いだしてみると、今年の中山は内外の差がそれほどない、いろいろな意味で「良好な馬場」で開催されることになりそう。

京都のほうは、56.5kgならどう転んでも転びようがないくらい信頼できそうなエアスピネル(父キングカメハメハ)が中心で間違いないとは思うが、おもしろそうなところでは、左回りは極端にヘタクソな56kgケントオー(父ダンスインザダーク)がいかにもこの時期の京都が合いそうだし、前年開催から引き続いて外伸びの馬場なら、相手なりに走る55kgムーンクレスト(父アドマイヤムーン)あたりを中心に狙ってみたいメンバー構成か。

ということで、例年難しいレースになる中山金杯のほうに、今年も注目する。

まず注目は、川田騎手の54kgストロングタイタン(父リーガルランサム)だろう。サトノダイヤモンドで有馬記念をまたもや優勝した池江泰寿厩舎が、今年は中山でスタートダッシュをもくろむ。

前走同じコースのディセンバーSの内容が素晴らしかった56.5kgツクバアズマオー(父ステイゴールド)、前走そのツクバアズマオーの小差3着に敗れたシャイニープリンス(父キングヘイロー)が、今度は同斤で念願の重賞タイトルを目指す。

外国産馬ストロングタイタンとディセンバーS組の優劣がこの金杯につながってきそうなイメージがある。ストロングタイタンの54kgは確かに買いたくなるものの、しかしこの馬、同じような斤量で明らかに格下相手に平坦コースでの3連勝というのが引っかかる。

まだデビュー2戦目当時ではあったが、同じ中山2000mは見事に坂で止まった経験があった。ただ、アメリカ血統ではあるものの、そこまで平坦に適性が高い血統とは言えず、坂というよりはキャリアの問題だろう。

一方前回のディセンバーS組は、オープンクラスとしてはかなりのスローの流れで、これを大外からまくり切ってしまったツクバアズマオーは、確かにステイゴールド産駒らしい見栄えのする豪快な勝ちっぷりではあった。

ただ、中山内回りコースは仕掛けどころによって展開の有利不利が大逆転することがあるから、ツクバアズマオーもあの見た目ほどの評価を与えてよいものかどうか、少々アヤシイところがある気もする。

ディセンバーSと異なるのが、今回は単騎の逃げが濃厚なダノンメジャー(父ダイワメジャー)がいる点。珍しく関東に乗りに来た大ベテランの小牧騎手だから、極端なスローに落として逃げることはない。

ディセンバーSではあまりにも流れが向かなすぎだった54kgロンギングダンサー(父シンボリクリスエス)に期待する。ご存知ダンスパートナーの息子で、今年8歳のベテランではあるものの、金杯の8歳はそこまで気にする必要はない。

前回は大幅馬体増で、今回は前回から2kg減の54kgで出走できるメリットがある。展開に左右されるタイプだから成績の安定感に欠けるが超をつけていい良血馬、毎日王冠では4着、大野騎手とはコンビ2走目、前走も同斤だったツクバアズマオーからは不向きな流れをコンマ6秒差・・・今回はあらゆる面でロンギングダンサーに条件が好転しそう。

相手は単騎で行けるとしぶといダノンメジャー、当然ツクバアズマオー、最内枠が生きそうなシャイニープリンス、金杯はいかにも条件が合う57kgマイネルフロスト(父ブラックタイド)、上がりがかかるタフな展開なら8歳馬の54kgシャドウパーティー(父キングズベスト)、戸崎人気は気に入らないがいちおうハービンジャー産駒ドレッドノータス55kg、人気でもストロングタイタンあたりまでは押さえが必要か。

幸先よいスタートを切りたいものだ。

◎ ロンギングダンサー
○ ダノンメジャー
▲ ツクバアズマオー
△ シャイニープリンス、マイネルフロスト、シャドウパーティー、ドレッドノータス、ストロングタイタン


第55回スポーツニッポン賞京都金杯(G?V)

◎ ケントオー
○ エアスピネル
▲ ブラックスピネル
△ ムーンクレスト、ガリバルディ、ピークトラム、ミッキージョイ、ダイシンダンサー
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