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posted by fanblog

松井の夏、終わる

正直言って、そう簡単なことではないとは思っていた。
特にベスト8以降は苦戦の連続になるだろうと思っていた。

しかしそれでも、松井はきっと甲子園に帰ってくる、そしてまたあの「奇跡」を、きっと高校野球ファンの前に再び披露してくれるだろう・・・

そんな多くのファンの思いもむなしく、松井裕樹投手の桐光学園は準々決勝で名門の横浜に2−3と敗れ、松井自身2度目の甲子園出場の夢は断たれた。

松井にとってはあまりにも運がなかった。
いや、負けは負け、もちろん「力が足りなかった」と、そう評価し、ジャッジするファンは多いだろう。
私だってかつて自分が高校野球にチャレンジしていた時代も確かにあったし、「負けるのは力不足の証拠だ」と、事あるごとに言われてきたから、それはよくわかっている。
しかしそれでも敢えて言いたい、「松井には運がなかった」と。

昨年2年生で踏んだ甲子園のマウンドは、まさにセンセーションであった。
松井にとってのデビュー戦、強豪の今治西(愛媛)を相手にいきなりの22奪三振・・・この1戦だけで松井は全国の高校野球ファンを虜にしたと同時に、全国の高校球児や首脳陣から「標的」とされた。

そして今大会前には、練習試合とは言え、センバツの覇者・浦和学院を相手に準完全試合で破り、浦和学院の森監督は「練習台にさえならずに申し訳ありません」と、自嘲気味なコメントを残すのが精いっぱいだった。
そんな松井の驚くべきポテンシャルを見せつけると同時に、全国の「敵」が、松井の心臓に的を絞っていた。

その浦和学院2年生のセンバツ優勝投手は、松井が散ったその同じ日にパーフェクトゲームを達成した・・・これを「運がなかった」という以外に、どう表現すればよいというのだ?

しかし、松井裕樹が歩む「これからの道」は、「これまで歩んできた道」よりははるかに長い。
これで終わったわけではない、ここから始まるのだ。

ただ、やはり高校野球ファンとしては、松井が甲子園のマウンドに立たないことが、どうしようもなく寂しい。

今週は忙しすぎて、もしかしたら明日の予想ブログも掲載できないかもしれないが、しかしこれだけはどうしても言いたかった。
もちろん、理屈ではわかっているが、高校野球ファンにとっては、やっぱり大きな「何か」が、今日終わりを告げた気がしてならない。

オルフェーヴル凱旋門賞へ!ジェンティルは回避





すでにご存知のことと思うが、先日行われた「現役最強馬決定戦」の宝塚記念を肺出血により回避したオルフェーヴルが、その後順調な回復を見せ、当初の予定通り、改めて凱旋門賞(G1・仏ロンシャン競馬場、10月6日)に参戦することが決定した。

まずはオルフェーヴルが無事に回復し、凱旋門賞に向けて乗り運動をすでに再開しているというのが本当にうれしいニュース。
来週にはもう時計を出すということだから、確かに我々素人からすれば「肺出血」の3文字は目の前が真っ暗になるくらいの衝撃だったが、当初診断されたとおり、ごくごく軽微な症状だったというのが不幸中の幸いだった。

昨年の凱旋門賞を思い出すと、とにかくゴール前の「不思議な光景」だけがどうしても強調されるが、しかし序盤あれだけ行きたがるそぶりというのは、私が映像で知る30回足らずの凱旋門賞では昨年のオルフェーヴル以外、ちょっと例を見ないケースだった。

しかし今年の産経大阪杯は、休み明けだったこと、万全に仕上げなかったこと、2000mだったこと、阪神内回りだったことなど、オルフェーヴルの折り合いという意味ではプラスだったかもしれないと思われるようなファクターは確かにあったが、しかし実際にはまれにみる超スローの競馬で、しかもオルフェーヴルよりも1kg軽く、一度使われて万全の状態に仕上がっていたショウナンマイティのあの強烈な末脚を楽々押さえこんだ姿を見ていると、このまま順調に行けば、いよいよ「日本の悲願」がオルフェーヴルによって成し遂げられるのではないかという予感は高まる。

いや、あの大阪杯は、いつものようにねじ伏せるような強さではなく、軽くいなしてしまったという内容だったのがいい。
そのくらい、これまでのオルフェーヴルにはないレベルで折り合いがついていた。

もちろんデータが示す通り、凱旋門賞の5歳馬による勝利などほとんどないに等しいし、一度敗れている馬が続けてチャレンジして前年の着順を上回ることがほとんどないとされるのが凱旋門賞である。
さすがのオルフェーヴルと言えど、そんなに簡単なことではない。
そもそも競馬は、私たちの思い描いたとおりには行かないのだよと常に教えてくれていたのが、ほかならぬオルフェーヴル自身であった。

ただ、オルフェーヴルという馬は、そういう常識的な視野でとらえることができる競走馬ではない。
理由はよくわからないけれど、オルフェーヴルならやってくれる、オルフェーヴルがやらなければ、いったいだれがやる?と、そんなふうに思わせてくれることだけは事実である。

個人的には現役続行に反対なのだが、しかし陣営が決めたことであれば、ファンとしてそれを尊重し、応援するだけである。
これまで何度も見ては寸手のところでいつも覚めてしまっていた「夢」を、また今年も見させてもらおうと思う。
そして、その「夢のつづき」を、今年こそ見させてもらいたいと願う。




一方、昨年ジャパンカップでオルフェーヴルを破るという奇跡的勝利を飾って昨年度の年度代表馬に輝いた牝馬のジェンティルドンナは、先日の宝塚記念の敗戦を受けて、正式に凱旋門賞を回避することが決定した。
ジェンティルドンナはこの秋、天皇賞からジャパンカップへと向かうプランがすでに発表されている。

これについては、もはや陣営の英断でもなんでもなく、ジェンティルドンナへの負担を考えればただただよかったと思う。
JCでの叩き合いを見てもわかるとおり、自分より馬体重が少なく万全の状態からは遠かったオルフェーヴルと比較しても、どうしても「牝馬」ということが強調されてしまう馬体のジェンティルドンナが、あのタフなロンシャンコースで競馬をするというのは、結果はどうあれリスクが大きすぎる。

イージーなスピード競馬が展開されやすく、足元の負担を除けば全体的に負担の小さい日本のシンプルな馬場でこそ、ジェンティルドンナは輝けると私は思う。
ただ、昨年のJCは大幅馬体減がみられたものの、あれはまさにお父さんのディープインパクトのダービーを思い出させるような研ぎ澄まされた馬体だっただけに、牝馬だから難しいとは思うが、ゴールドシップ以下と戦うためにも、もう一度「アスリートの身体」をつくってこの秋は戦いに臨んでもらいたい。

いずれにしても、引退後も重要な牝馬だけに、慎重に調整していただきたいものだ。




ということで、夏競馬くらいはのんびり、しょーもないことを書いて過ごしたかったのだが、ちょっと大きなニュースだったので、このタイミングで書いてみた。
ここからは、再び夏競馬モードに切り替えて、えーかげんでテキトーなことばかり書くつもりである。



新たなる船出/果たしてその正体は・・・〜第54回宝塚記念観戦記





もしかしたら今後も含めて今年一番の盛り上がりだったかもしれない宝塚記念は、「3強」の一角・ゴールドシップが同じく3強のジェンティルドンナに3馬身半、フェノーメノに4馬身の差をつけて圧勝、これで文句なしに世代最強を証明し、ずいぶん長く続いた「最強論争」に一旦は終止符が打たれることになる。

そして、ゴールドシップにとって残る標的は、いよいよ他人とは思えない「黄金の三冠馬」だけ、内田騎手も明確に「本当に強いオルフェーヴルに挑戦したい」と初めて名指しで思いの丈を語った。
そしてそれはつまり、「黄金の船」がいよいよ世界へ向けた航海を新たにスタートしようとしていることを意味する。

個人馬主ということで、だからこその人気も認めないわけにはいかないが、しかし何かと障害は大きかった海外渡航も、これでいよいよ現実味を帯びてきた。
先日も、そしてその前にも私は常々言ってきたが、ゴールドシップは世界の頂点を極める馬であると思うし、昨日のレースを見ていてその可能性は非常に高くなったと思える。

もちろん能力的に言えば、オルフェーヴルがひと足先に世界を獲る可能性もあるが、オルフェーヴルを「可能性」という天秤めいたものではかろうとする人間たちを、すでにオルフェーヴル自身がかたくなに否定し続けてきた。
その都度私たち人間は、「口アングリ・・・」なおかつ「目がハニワ・・・」の状況に突き落とされた。
だから、オルフェーヴルという特別な馬を人間の基準で判断することは、もう私たちには不可能である。

しかし、血統的にオルフェーヴルとそっくりなゴールドシップは、まあこれは何を言われても事実だから敢えてここで言ってしまうが、ゴールドシップのデビュー戦のレースビデオを見た瞬間、オルフェーヴルを(シンプルな「強さ」という意味で)破ることができるとすれば、ゴールドシップ以外にはいないと、そう考えたものである。

もちろんゴールドシップがこれでオルフェーヴルを超えたことになるのかと言えば決してそんなことはないが、オルフェーヴルが最強の座を脅かされるとすると、やっぱりゴールドシップ以外にいないと、そういう気持ちに改めてさせられた宝塚記念ではあった。
まあ正直に言ってしまえば、昨日の宝塚記念に万全なオルフェーヴルが出走していれば、オルフェーヴルはまず負けなかったと思うが(根拠もあるが、それはまた直接対決の機会に)。

もちろん、私はこのままオルフェーヴルが無理せず引退してほしいという気持ちは変わらない。
ただ、この「2強」の対決を見たいような見たくないような・・・なんだか自分でもよくわからない気持ちでいっぱいなのである。
ただそれは、どちらもこれまでにないレベルで大ファンであるだけに、とてもうれしい気持ちでもある、これは間違いなく。

いずれにしても、できれば近い将来、ゴールドシップにはオルフェーヴルのように世界で戦ってもらいたいと願う。




それと、とにかく競馬ファンがこれだけ注目した宝塚記念だったから、当然(元)ホースマンと呼ばれる人々もこの宝塚記念に対していろいろな思いを語っていたというのが非常におもしろかった。

ゴールドシップに乗った内田騎手は終始冷静を装ってはいたが、しかし期するところはだれよりも大きかったと思う。
レース前後の控え目な発言とパフォーマンスには心打たれるものがあったが、涙した須貝調教師の姿も、(直接見たわけではないが、話で聞いて)心打たれるものがあった。

「まあ見とけよ」とか「首洗って待っとけ」とか「勝って当たり前」などの発言が物議をかもした岩田騎手は、確かにちょっとことばを選んでほしいという思いも正直あるが、しかし、これが岩田騎手の魅力でもある。

これまでずっと武豊騎手が中央競馬のみならず、「日本の競馬」の広告塔としてがんばってきて、そして今もなおその立場と努力には尊敬以外に何もないが、その武豊騎手の背中を見て、だれよりも「日本の競馬」を盛り上げようと努力してきたのが、私は福永騎手と岩田騎手だったと思う。

確かに言葉は荒っぽく、ときにレースでラフファイトを見せるところもあり、それは大いに反省してもらいたいとは思うが、しかし岩田騎手の気持ちというのもなんとなく理解できる気がするのだ。

自他共に認める「心臓の小ささ」を克服すべく、自らを奮い立たせ、敢えて注目を浴びるようなビッグマウスを連発し、それが現在窮地にある「日本の競馬」をもっと活性化できると考えてのパフォーマンスであることを思うと、宝塚記念のジェンティルドンナの結果は正直つらいものがある。

ラフファイトやファンを恫喝するようなコメントは極力控えてもらいたいが、ジェンティルドンナともども、「チャレンジャー」となったときの強さは今後ますます冴えわたるはずである。

それに比べると、今回少々物足りなかったのが、蛯名騎手であった。
戦前から自分たちがチャレンジャーであることを強調しながら、レースではゴールドシップをマークするという消極的な位置取り、そしてゴール前では少し追い控えるようなところもあり、どこか不完全燃焼の感が否めない。
個人的には尊敬する騎手だけに、フェノーメノとのコンビでの巻き返しにも大いに期待したい。

プレミアム〜極上投資馬券〜


私は競馬新聞も買わなければ他人の予想は一切見ないことにしているので、予想家さんたちの印はわからないし興味もないのだが、ただ、元ジョッキーたちの宝塚記念に対するそれぞれの見解は興味深かった。

ビワハヤヒデで宝塚記念を優勝していた岡部元騎手は、ゴールドシップの巻き返しが濃厚であるという趣旨のコメントだった。
岡部騎手というと、武豊騎手に抜かれるまでは前人未到の勝利数を更新し続けた名手だったが、しかし、その何十倍もの「負け」を経験しているのもゆるぎない事実だった。

負けても巻き返すことができる、条件さえ合えば・・・
岡部元騎手が「岡部騎手」に戻って、内田騎手の立場に立ったコメントだったように思えた。

それから、実際ゴールドシップに乗った経験のある安藤騎手のコメントは本当に興味深かった。
評価の点ではジェンティルドンナ、フェノーメノに高い評価を与えていたが、ゴールドシップを評して、「力はあるけれどもふざけすぎているからアテにできない」とコメントしていた。

私が見ていた競馬中継でも、「もうこのへんはふざけててどうしょもないですよね」と、勝ち馬に対するレース回顧とは思えない爆笑のレース回顧だった。
安藤さんはホント、おもしろいなぁ・・・

ただ、今のゴールドシップがあるのは、2歳時に安藤騎手が乗った経験が大きかったと私は思う。
ゴールドシップに「手を抜くこと」を教えたのは安藤騎手だったのだと私は思う。
そして、宝塚記念では、内田騎手の思う通りの競馬をゴールドシップは披露したのである。
それに、内田騎手は決してしない「馬群を割る」という練習も、安藤騎手はしっかりとレースでやってくれていたのを多くのファンは知っているはずである。

自分が乗っていたゴールドシップのポテンシャルは理解していても、一度の敗戦でプロの目さえも攪乱してしまうのがこの血統の「すごさ」でもあり、そして馬券を買う私たちからすれば、「怖さ」でもある。
ゴールドシップもオルフェーヴルも、「その正体」はいつでも不明なのである、実に恐ろしいことに。

しかし、数は少ないが、これから先も「ステイゴールド×メジロマックイーン」の「奇跡の血」に、しばらくは私を含む多くのファンが翻弄され続けるのではないかという気がしてならない。



レクイエム

先日行われたヴィクトリアマイルでは、フミノイマージンとサウンドオブハートがレース中に故障を発症し、サウンドオブハートは競走能力喪失ながら、繁殖への道は閉ざされることがなかったのが不幸中の幸いであったが、しかしフミノイマージンは先日も触れたとおり、かわいそうなことになってしまっていた。

そしてそのヴィクトリアマイルで4着と復調の兆しが見えたブエナビスタの妹・ジョワドヴィーヴルが、調教中に骨折を発症するという、もうこれ以上かわいそうなことはないという状況に見舞われてしまった。

その翌日にも、G?Tにあと一歩届かなかったフィフスペトルもやはり調教で骨折を発症し、残念ながらG?T制覇の夢は志半ばにして希を断たれてしまった。

起こってしまったことは仕方がないし、誰も望んでいないことが起こってしまった以上、私たちにできることは、死んでいった競走馬たちの思い出を振り返り、祈りをささげることだけである。

フミノイマージン(父・マンハッタンカフェ)の死は、私にとってはとても大きな死であった。
それまでフミノイマージンのことを「特別な馬」という認識はないつもりだった。
でも、フミノイマージンは私にとって「いつもそこにいてくれるお馬さん」という存在ではあった。

競馬だから、悲しいできごとはどうしても起こってしまうが、そんなときいつもフミノイマージンだけは、元気に、力強く走ってくれて、何か見ている者に安心感を与えてくれる名馬だった。

昨年のヴィクトリアマイルで太宰騎手から池添騎手に乗り替わったときには心底腹が立ち、八つ当たりのような形で以前のブログでも散々陣営を批判したことを思い出す。
そう、もう私はそのときすでに、フミノイマージンの、いや、「フミノイマージンと太宰騎手」のコンビの大ファンだったのだと、先日ようやく気付いたのである。

せめて最期の瞬間に、太宰騎手がフミノイマージンのそばにいたことだけが、フミノイマージンが今度の事故ですくわれたたったひとつのことだったと思う。


ジョワドヴィーヴル(父・ディープインパクト)は、生まれながらにして常に周囲の注目を集める運命にあった。
それを思うと、小さな身体のジョワドヴィーヴルには少し気の毒であったと思う。
しかし、ジョワドヴィーヴルという馬は、よく言われる「かわいい」という表情を別にすれば、どこか無表情で、いつも何があっても動じない淡々としたところがあったように思う。

実はデビュー戦の競馬を見て、先頭ゴールを果たした鹿毛馬を確認したとき、「ブエナビスタの下」に当たる良血馬はきっとこの馬ではなく、負けた組のほうなのだろうと思いこんで、他の馬の走りとゼッケンの「ジョワドヴィーヴル」の名前を繰り返し動画を再生しながら探したのを思い出す。

正直な話、ジョワドヴィーヴルのデビュー戦の走りから、この馬がそんなに注目されている馬だとは想像できなかったのである。
普通の馬——それがジョワドヴィーヴルの第一印象だった。

将来大成する馬の走りは、デビュー戦からして違うものである。
父・ディープインパクトやエルコンドルパサー、グラスワンダーなどの「怪物」たちはもちろんだが、フサイチコンコルドやゴールドシップ、あるいは未勝利を勝ちあがったテイエムオペラオーの走りを見ても、「これは・・・」と思えるだけのものが十分にあった。
オルフェーヴルなどもどちらかといえばその部類だったように思う。

しかし、ジョワドヴィーヴルに関しては、そんなことはまったく感じなかったのである。
そして2戦目の阪神JFで、私はあの衝撃を目撃したのである。
あの瞬間、私はもうこのジョワドヴィーヴルという馬に心底ほれ込んでしまったのだ。

その後はこのブログでも、絶好調のゴールドシップを破ることができるとすれば、ハナズゴールとジョワドヴィーヴルの2騎だけだとまで豪語したほどである。
それが、まさかこんなことになってしまうなんて・・・
「競馬の神様」なんて、どこにもいやしないのだ。


フィフスペトルは、キングカメハメハ産駒の初年度産駒だったように思う。確か、ジョーカプチーノやグランプリエンゼルと一緒にNHKマイルカップに出走していた、あの世代だ。
近年その数が減ってきている中で、成績以上に「個性派」のキャラクターが私は大好きだった。

ただ、このフィフスペトルも、若いころから人間の都合でずいぶん振りまわされた気の毒な馬だった。
そして最期がこんなことになってしまうというのは、フミノイマージン同様、ほんとうに最期まで運が向かなかったのだと思う。


もちろん、競馬の世界ではこの3頭の他にもたくさんの命のともしびが志半ばにして潰えてしまうことだってある。
決して望まれることではなくても、必ずある。

ただ、私たちは、この3頭を知ることができた。
同じ時代に生まれ、縁があったからこそ、この3頭に出会うことができたのだと思う。

ファンの想いはきっと、同じである。
そして、ファンの願いも、きっと。

!緊急情報!本日福島競馬は開催中止です!





今日予定されていた第1回福島6日目は、開催が中止になったので注意してください!

これから福島競馬に向かおうかという人もいると思うが、競馬場に行ってもおそらく人はあんまりいないだろうし、少なくともお馬さんは全然走っていないはずだから、競馬観戦目的で福島競馬場に向かう予定の人は、今からでも遅くはない、一目散で退散すべきである。

で、どうして福島競馬が開催中止になったのかというと、なんと、「降雪」がその理由である。
昔、皐月賞の週に福島競馬が降雪で中止になったという話は聞いたことがあるが、先週すでに皐月賞を終えたその翌週に開催中止ということで、これはもしかしたら降雪開催中止の、遅いほうのレコードになったかもしれない。
もちろん、その詳細についてこれから調べてみるつもりなど微塵もないことは言うまでもない。




もちろん、マイラーズカップが組まれている京都と、そしてオークストライアルのフローラステークスが組まれている東京は、馬場の違いはあるけれど、通常通り開催されるので、こちらも中止「じゃない」ことに注意していただきたい。

ということで、開幕週である東京競馬場もいきなりの「雨」そして現時点で芝コースは「重」の発表ということで、ある程度の雨を想定して昨日予想を掲載したものの、これだけしたたかに雨が降ったら、さすがの府中、そして、さすがの開幕週であっても、やはりかなり影響があると判断し、ここはブリリアントアスクの評価を上げたいという気もしてきている。
ナンヨーユナにとっても大きなプラスがありそうなので、こちらは評価を下げないつもりでいる。

あーあ、福島は中止かぁ・・・
昨日の福島牝馬ステークスもなかったことにしてもらえねぇかなぁ・・・







今年もまた・・・

プレミアム〜極上投資馬券〜


昨年はダービー直後にトーセンホマレボシ、ワールドエース、コスモオオゾラが立て続けに故障を発症し、菊花賞直前にもディープブリランテが故障を発症したということで、なんだか白けてしまうような残念な結果になっていたが、今年もまた皐月賞の高速決着直後に、弥生賞を優勝し、皐月賞でも小差の4着に入ってダービーが楽しみだったカミノタサハラ、そして京成杯では個人的にはちょっとした馬券をプレゼントしてもらったフェイムゲームが骨折ということで、正直言って「またかよ・・・」という残念な思いである。


ケガの場合は好き嫌いを言ってはいけないと思うものの、フェイムゲームは、一時は皐月賞で本命にしようかと考えたくらいで、タイプ的には非常に好きなタイプであった。
ハーツクライ産駒に多い、「奥があるタイプ」で、菊花賞のころには楽しみだなぁ・・・などと個人的には考えていた。

カミノタサハラは、阪神大賞典直後に屈腱炎を発症して引退に追い込まれてしまったベールドインパクトとともに、「ディープインパクト産駒のニュータイプ」という印象を受けていて、個人的にはこれら3頭は非常に好きなタイプだっただけに、正直かなり残念である。

カミノタサハラは現在経過観察中であり、ただでさえ屈腱炎の場合時間がかかってしまう傾向にどうしてもあるが、現役続行の可否を含め、ダービーを前にしてカミノタサハラには大きな暗雲が立ち込めてしまった。

フェイムゲームは骨折ということで、全治6カ月の重傷ではあるが、こちらは競走能力が残るだけに、どうか速くよくなって、またターフに戻ってきてもらいたいと願う。
ハーツクライ産駒は、昨年もギュスターヴクライという期待の星がアルゼンチン共和国杯で事故にあってしまったこともあり、引退を余儀なくされていしまったが、血統的にはバランスオブゲームの下ということで、ケガには無縁のようなイメージを勝手に抱いていただけに、とても残念である。

今回の場合、全体的にペースが速かったためにレコード決着となった形だったから、ケガの原因を高速馬場に求めるのはどうかと思う部分も正直あるが、桜花賞の週にも言ったように、今年は皐月賞の週になって忽然と高速馬場が出現したということに関しては、やはりちょっとギモンに思ってしまう。

もちろん、故障を馬場のせいにすればそれで済むわけではないが、G?Tウィークになると急に高速馬場になってしまうという現象だけは、公正競馬の観点から見てもどうしても理解できないと言わざるを得ない。

馬券検討の面でもはっきりいってこれは面食らうし、コース変更がなされることは理解できるとしても、どういうからくりで急に高速馬場が出現するのか、その部分の説明だけでもせめてしてもらいたいものである。


ところで今週は京都の開幕週、昨年の天皇賞の週にはとてつもない時計が連発していたが、今年は大丈夫なのだろうか?
マイラーズカップの時計が気になると同時に、来週の天皇賞の前日土曜日が果たしてどんな馬場になるのか、これは正直「恐怖」にも似た感覚である。

これから毎週のようにビッグレースが行われることになるが、ビッグレースに限らず、全馬が無事にゴールインできることを願わずにはいられない。






で、で、で・・・でたぁ〜!!!!!

ベ、ベ、ベルーガが・・・
メイショウベルーガが・・・

やりました!
ついに、ついにやりました!

ほとんど更新されることがない「真説・名馬列伝」のコーナーでも以前ご紹介したメイショウベルーガ(父フレンチデピュティ、母パパゴ、その父サドラーズウェルズ)が、とうとう「お母さん」になりました!
個人的に現役時代、そして今なお大ファンであるメイショウベルーガが、ダイワメジャー(父サンデーサイレンス)の男馬を、4月15日深夜に、みごとに出産したのです!

いやぁ・・・ベルーガの生まれ故郷である北海道浦河・三嶋牧場さんのブログをいつも拝見しており、予定日が4月12日だったということで、このところずっとヤキモキヤキモキヤキモキヤキモキモヤモヤさまぁ〜ずしていたおかげで仕事も手に付かず・・・というのは実はいつものことなのだが、ここシゴンチは特に仕事が手につかなさがあまりにもヒドイ状況だったのだので、これでちゃんと仕事に向かうことができる!よかった!!(←そーじゃねーだろ・・・)

ブログの写真を拝見していて、昨年秋ごろからベルーガがだんだん「優しいお母さん」になっていく様子がうかがえ、もう4月に入ってからは、綿アメから頭と脚が突き出したような「まんまるベルーガ」へと変貌を遂げ、それでもあのメイショウベルーガ(フローラステークスで見たベルーガを思い出しています・・・)がほんとにちゃんと「お母さん」としてやっていけるのかという一抹の不安があったのだが、出産直後、それはそれはいとおしそうに仔馬をず〜っと舐めていたということで、いやぁ・・・ほんとうにひと安心である。

見た感じ、「お父さんのダイワメジャーにそっくり」という意見が多勢を占めているようだが、まあだいたい産まれたての仔馬はみな鹿毛か栗毛のように見えるそうで、ベルーガと同じような真っ白で出てきたら、それはもう「白毛」ということになっちゃうから、まだ毛色は「わからない」のではないかなぁ・・・

ただ、赤ちゃんの目のまわりがうっすらと白っぽいんで、お母さんゆずりの「芦毛」である可能性も高いと個人的には思う。
いや、もうこの際鹿毛だろうが栗毛だろうが芦毛だろうが鼻毛だろうが、なんでもいいや!

メイショウベルーガは日本のベストホースであるディープインパクトと「お見合い」を何度か重ねたものの、ついに受胎できずということで、ダイワメジャーはディープインパクトの「代打」だったそうだが、もしかしたら馬産の世界ではそういうことは比較的よく起こることなのかなぁ・・・とは思うものの、この手のエピソードというと、強烈なのがひとつありましたね〜

それは、「オルフェーヴル誕生秘話」でした。
ドリームジャーニーが大活躍をしたことで、その母オリエンタルアート(その父メジロマックイーン)は、「Best to Best」の原理にしたがって、ステイゴールドに替わってディープインパクトを結婚相手として迎えたものの、幾度のチャレンジもとうとう受胎ならず、そこで再びステイゴールドをつけ、そしてオルフェーヴルが誕生した・・・そんな逸話だった。

ということは、もしかして・・・
ベルーガの子だから池添騎手が乗る可能性もすごく高いと思うし、もしかしたら・・・

デビュー戦のゴール後に放馬?(←そっちかよ!)

なぁ〜んて思っちゃいますね〜
そしてもちろんその後は・・・なんていう期待も大きかったりしますね、正直。

まあ、まだまだ産まれたばかりなので、あまり大きな期待はかけないようにしたいものです。

ということで、大好きだった馬がお父さんになったりお母さんになったりして、その子をまた応援するというのも、大きな大きな競馬の楽しみのひとつである。
書きだしたらいくらでも書けてしまいそうなので、後日譚はまた「後日」にすることにして・・・

仕事するぞぉ!!!

関係者のみなさん、これからが本当にたいへんでしょうが、お身体ご自愛いただきたいものです。

そして、メイショウベルーガ・・・
あの日の悪夢の天皇賞のことを思うと、こんな日が来るなんて、涙なくしては語れないよ。
ほんとうに、ほんとうに——

おめでとう!! (あまりにうれしくて、水曜日の分を繰り上げて投稿します)

すべてはここから始まる!〜Playback皐月賞





今週のメインは、三冠ロードの1冠目を決する皐月賞である。
かつて三冠馬と呼ばれた馬たちにとって、菊花賞を制し、長い道のりだった三冠ロードを振り返るとき、小回り中山の内回りコースで行われる皐月賞こそ、実は最大の難関であったと思われるケースも少なくない。

そこで今回は、群雄割拠のハイレベルな皐月賞を前に、これまでの三冠馬の皐月賞を振り返ろうではないかという、「だから、何?」的な企画を思いついてしまったので、少なくともはじめの2頭の三冠馬誕生の時点ではまだ私が生まれてさえいなかったという多少の無理はあるが、それでもいろいろと調べながら、かつての三冠馬について触れていきたいと思っている。

国内最初の三冠馬をご存知ですか?
特に若いファンにとっては難しい質問になってしまうかもしれないが、何でも「最初」というのは価値が2倍以上になると思うし、ここでスルーするわけにはいかないでしょう・・・

国内最初の三冠馬は、1941年(!)の第3回(!)皐月賞を優勝していたセントライト(父・ダイオライト、母・フリッパンシー、その父・フラムボヤンド)という名馬であった・・・などとエラそうに書いているとなんだか恥ずかしくなってしまうくらいに、私はこの名馬のことを知らないんですよ、実は。
実際今だって、「第3回皐月賞を優勝していたセントライト記念(!)」って書きそうなくらいでしたもん。

でもね、そのキモチも理解してほしいですね。
何しろ、デビューからその足跡をちょっとご紹介してみると、

横浜・新呼馬              1着
横浜・横浜農林省賞典四歳呼馬 1着
中山・呼馬               1着
中山・呼馬               1着
東京・古呼馬特殊ハンディキャップ2着
東京・古呼馬              1着
東京優駿                1着
・・・

なのだそうですが・・・さぁつきしょぉ、どれだぁ!?!?!?

ということで、調べましたよ・・・2番目の「横浜農林省賞典四歳呼馬」というのが、現在の「皐月賞」にあたるのだそうだ。

ちなみに「横浜」というのは、当時あった「横浜競馬場」のことであり、現在ではフェブラリーステークスの前哨戦である「根岸ステークス」として行われるあのレースの「根岸」は、この横浜競馬場のあった場所を示しているそうで、「東京競馬場」を「府中競馬場」と呼ぶのと同様、当時から横浜競馬場は「根岸競馬場」とも呼ばれて親しまれてきたそうだ。

さらにちなみに、「呼馬」というのは「よびうま」と読むそうで、かつて「マル抽」として知られた「抽選馬(意味がわからない読者はお調べを!)」と真逆の意味で、オーナーが自前で購入して所有していた競走馬をそう呼んだそうです。
それにしても、「特殊ハンディキャップ」ってなんだろう・・・
薪とか背負わせたんだろうか・・・

ということで、「東京優駿」の文字を目にするまでは不安になってしまうような、そんな戦績を誇ったセントライトという歴史上の名馬についてここまでは振り返ってきた。




それから、史上2頭目の三冠馬に輝いたのは、おそらく若い人でもご存知であるはずのシンザン(父・ヒンドスタン、母・ハヤノボリ、その父・ハヤタケ)である。

まあこのシンザンについては、競馬ファンであればおそらくいろいろなところでそのウワサは耳にしたことと思うから、あまり詳しくは触れない(調べない)が、シンザンが三冠馬に輝いたのは1964年、このときにはもうちゃんと「皐月賞」と呼ばれ、中山競馬場で行われていた・・・と言いたいところだが、この年は東京競馬場で行われた皐月賞だった。
皐月賞としては24回目のことだった。

シンザンと言えば、「三冠」を通り越して、史上初の「五冠馬」に輝いたことで知られたが、産駒には、シンボリルドルフとライバルとされた2冠馬ミホシンザンを輩出し、その息子のマイシンザンというと、私が競馬を始めたばかりの、競馬がほんとうに楽しかったころの思い出にオーバーラップしてくるのだ。

35歳で天寿をまっとうしたシンザン、サラブレッドの国内長寿記録を打ち立て、最期の瞬間まで「1番」が大好きな名馬だった。
昨日亡くなったばかりのハギノカムイオーは34歳、最期はシンザン同様に大往生だったそうだが、もう少しでシンザンの長寿記録を超えるだけに、惜しいなぁという気がする。




そして、ここからはグッと「近代競馬」という感じになり、しかし私がまだ小学生だったころ、シンザン以来久々の三冠馬に輝いたのが、ミスターシービー(父・トウショウボーイ、母・シービークイン、その父・トピオ)、すべて追い込んで三冠馬になったという、強さもインパクトもとてつもない名馬だったそうだ。

もちろん小学生の私は全然競馬などには興味がなかったが、なんでもこのミスターシービーという馬は、翌年のシンボリルドルフ以上に人気はあったそうだ。
てっきりルドルフはアイドルホースなのかと思っていたのだが、最近になって知ったことは、ルドルフはどちらかと言えば憎らしいほど強くてカワイゲのない馬で、ミスターシービーこそ真に愛された馬だったということである。

ということで、セントライトのせいでこんなにも長くなってしまったので、あとはちょっとだけ触れておこう。なんという尻切れトンボっぷり・・・

・シンボリルドルフ(父・パーソロン、母・スイートルナ、その父・スピードシンボリ)
これはミスターシービーの翌年の三冠馬で、三冠馬対決でミスターシービーを寄せ付けず、名実ともに「最強馬」として君臨した、我が国を代表する名馬である。

現在競馬中継で解説を務める岡部幸雄元騎手にして、「ルドルフに競馬を教えられた」と言わしめたほどの、とてつもないやつであった。
しかし、先日のルドルフの死に際し、多くのファンが涙したということで、やっぱりルドルフだって愛されていたのだなぁと、再び認識を改めたものである。

・ナリタブライアン(父・ブライアンズタイム、母・パシフィカス、その父・ノーザンダンサー)
この馬は、「ここから始まった」という感じではもはやなく、当時の朝日杯3歳ステークスからもう、同世代には敵はいないというくらいの強さだった。
兄ビワハヤヒデとの夢の対決が実現しなかったこと、そして早世により、産駒をほとんど残せなかったこと、このふたつが心残りである。

・ディープインパクト(父・サンデーサイレンス、母・ウィンドインハーヘア、その父・アルザオ)
言わずと知れた国内の「最高傑作」とされる名馬。ただ、皐月賞ではゲートでつまずくアクシデントがあり、落馬寸前の大ピンチを立て直して圧勝したというのはご愛嬌。
個人的には天皇賞・春のロングスパートがこの名馬のすべてを表していたと思う。

・オルフェーヴル(父・ステイゴールド、母・オリエンタルアート、その父・メジロマックイーン)
はい、現役最強馬の1頭ですね。改めて説明は不要でしょう。
ただ、過去の三冠馬とこうして名前を並べてみると、このオルフェーヴルという名馬のキャラクターが突出してしまうのが、なんともオルフェーヴルらしいですねぇ・・・
それ以上ったらもう・・・ちょっとここじゃ言えねぇや・・・

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と、ここで気づいたおもしろいことがあるのだが、それは昨年の皐月賞馬ゴールドシップの血統に関して。
ゴールドシップの母系血脈をたどると、もちろん最初に登場するメジロマックイーンの血が入っているから、セントライトの父のダイオライトの血もこのゴールドシップの中に流れていることになり、そして、シンザンの父・ヒンドスタンの血も同様に流れていることになる。

さらには、牝系にはプリンスリーギフトの5×5というインブリードがあるから、トウショウボーイの祖父、つまりはミスターシービーの曽祖父の血も流れていることになる。
また、メジロマックイーンは父系がパーソロン系だから、シンボリルドルフの父・パーソロンの血も入っていることになり、ゴールドシップ自身はサンデーサイレンス系だから当然本流はディープインパクトと同系ということになり、オルフェーヴルとは「義兄弟(3/4兄弟)」とも言える血統背景にある。

まあ、古い血統を持ち出せばほとんどコジつけになってしまうのはわかるが、それにしても・・という感じがする。
時代錯誤も甚だしいそんなゴールドシップが、「一番新しい皐月賞馬」であるというのが、なんだかとてもおもしろいなぁ・・・

ということで、全然皐月賞をPlaybackなんてしてねぇやと思いながら今回は終わることにする。





泣くな、安樂!

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85回目、歴史で言えばおそらく日本ダービーと同じくらいの古さである選抜高校野球が終わった。
優勝戦は、埼玉・浦和学院が愛媛・済美を「17−1」という、ちょっとあり得ないような大差で破るとんでもない流れになってしまった。
浦和学院は春夏通じて20回目のチャレンジで、初めての優勝だというから、これは本当によかった。

結果的に、オルフェーヴルが古馬準オープンクラスのレースに出走したような大差になってしまったが、しかし、多くの高校野球ファン、そして多くの競馬ファンのみなさんはこの両チームの間にこれだけの差があったわけではないということはすでにご存知だろう。

優勝した浦和学院は、もちろん強かった。文句なしに強かった。
結果的に、一番強いチームが一番戦いやすいブロックに入ってしまったこと、そして、敗れた済美は一番苦しいブロックに入ってしまったことが、ゴールドシップが1000万特別のレースで走るような結果になってしまったほとんどの原因である。

今大会は、浦和学院の2年生エース・小島(おじま)投手をはじめ、素晴らしい左投手がたくさん発掘できた価値ある大会だったと思う。

優勝候補の埼玉・花咲徳栄を寄せ付けず、そして3連覇を目指した大阪桐蔭に見事に立ち向かい、歴史に残る名勝負で勝利した県岐阜商・藤田投手、こちらも7浦和学院に痛打を浴びた北海道・北照の大串投手、さらには先日も少し触れたが、山口・岩国商の高橋投手、そしてもちろん大阪桐蔭の網本投手など、すべて変化球で打たせて取る、左投手としては理想的なピッチャーたちだった。

それでも、やはり今大会で一番光っていたのが、優勝戦では浦和学院に痛打を浴びたが、しかし済美を見事準優勝に導いた2年生右腕の安樂投手だった。

安樂投手が4試合すべて完投し、そして優勝戦でも先発のマウンドを務めた姿は本当に立派だった。
浦和学院の強力打線につかまり、痛打を浴びて6回で9失点——「怪物」の異名をとった安樂投手にとって大きな試練だった。

6回を投げ終えて監督に降板を告げられ、これまでたったひとりで甲子園のマウンドに立ちはだかってきた2年生右腕の目から、大粒の涙がこぼれた。
録画の画面の向こうでは先輩たち以上に大人びた大きな安樂投手も、やはり「16歳の少年」だった。

実況アナウンサーは「まだ試合は終わっていません」などと、届くことはない声で安樂投手をあれでも励ましたつもりだったのだろうが、しかし安樂投手にとっては、あの時点で「終戦」を迎えていたことは間違いない。

実は私もピッチャーの経験がある。
そして、甲子園ではなかったが、浦和学院と対戦したこともある。
中学生時代、当時としては異色の強力打線を引っ提げ選手権初出場でベスト4に入った浦和学院のゲームを見て、関東からもすごいチームが出てきたものだと感心していた。

高校生になり、まさか自分が浦和学院を相手に投げることになるとは思わなかった。
しかし試合前、はっきり言って負けるはずがないと意気込んでいた。
4回までゼロに抑えた。ヒットも2本に抑えることができた。
しかし、3回終了時点では、もうヘトヘトだったのである。

ピッチャーを経験した人ならわかると思うが、本当に強い相手というのは、打たれる前から、メッタ打ちに遭った後のような不思議な疲労に襲われるものである。
もしかしたら安樂投手も同じような感覚に陥っていたのかもしれない。

そして私は、5回に失点した——安樂投手の倍の、14失点である。
私は泣かなかった。泣くことができなかったのだ。
呆れ果てた監督がいつまでたっても私の交代を告げず、むしろ私はうすら笑いを浮かべながら、いつまでも終わることのない浦和学院の猛攻を、自分ひとりで受け止めている気分だった。

安樂投手は泣いていた。
しかし、安樂投手の倍以上、私も泣いた。
昨日私は、安樂投手が猛攻にさらされる姿に耐えがたい感情を覚えたのだ。
それは悲しみとも違うし、悔しさとも違うし、むなしさでも無力感でもないし——それは、寂しさのような、なんとも言えない、しかしあまり感じたことがないくらいに強烈な感情だった。

気持ちがわかるとは言わない。安樂投手と私では、何から何まですべてにおいて違いすぎる。
しかし、なぜか私は、まるで自分のことのように、涙を止めることができなかったのである。
この涙はきっと、あの日、当時はまだそれほど強いと思われていなかった浦和学院に痛打を浴びた「あの日」に流すべき涙だったのではなかったか——

その後私は肩を壊し、投手としてではなく、プレイヤーとしてボールを投げることができなくなってしまった。
しかし、安樂投手にはまだ未来がある。
だから、泣かないでほしい。

いや、もちろん昨日のあの涙を否定しているわけではない。
あんな経験をすれば、誰だって泣きたくなるに決まっている。
でも、私が言いたいのは、そういうことではない。

次にマウンドに立ったときには、もう泣くことがないくらい、もっと活躍してほしいと、そう願っている。
安樂投手には、それだけの器がある。

だから、敢えて言いたい。
泣くな、安樂!と。

2年生にしてエースで4番という、チームの命運をすべて託された少年が少しだけ大人になった姿を、私はまた見たいと願う。
そしてできることなら、今度こそ浦和学院にリベンジを果たしてほしいとも。

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がんばれ!GANSHO!

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今週は「2強」が国内外で出走するということで、競馬ファンの緊張感はイヤが上にも高まっている木曜日だとは思うが、今日は競馬ではなく、「野球」の話題。

先日もちょっとWBCについて、競馬ファンなりに競馬ファンとしての視点でなんやかんや書かせてもらったが、何を隠そうこのワタシ、野球ファンなのです・・・

ただ、残念ながらプロ野球の経験はないのだが(あのときのドラフトをどうして蹴っちゃったのかなぁ、俺は・・・)、いわゆる「高校野球」の経験ならある。
そして、現在日本中がオルフェーヴルやジェンティルドンナの動向に注目してはいるが、世間では「選抜高校野球」だってけっこうな注目を集めていることだろう。

今回はその「センバツ」の話。
高校野球の楽しみ方として、地元の学校や比較的近い地域の学校を応援したりする応援の仕方というのがある。
というか、これが一般的な応援のスタンスなのかなぁ、高校野球の場合。

私だって小さいころはそうだった。
自宅のあるイギリスになるべく近い学校(関東)を応援したものである。
でも、最近はちょっとばかり応援の仕方が変わってきている。

もちろん、北国のチームというのは昔から応援してきてはいたが、駒大苫小牧のアホみたいな強さの影響があまりにも大きすぎ、近年では「北国の学校が弱い」などというのは完全に過去の事実として葬り去られようとしている。
まあ、東北地方に優勝校がないというのは未だ継続中ではあるが。

そして、私立高校に限って言えば、どこの地域の学校でもどこの地域の選手が含まれているということで、「地元を応援する」などという意識もだんだんと薄らいできている人も多いと思う。
もちろん、いわゆる「越境スカウト」や「野球留学」の是非に一石を投じるつもりなんてまったくない。
だって、そんなものは否定することのほうが明らかにおかしいのだから。

それはそれでいい、制度自体は何も問題はない。
ただ、やはり「応援するかどうか」となると、「だったら北国だ関東だの地域は問わず、地元の子どもたちだけのチームを応援しよう」というのが競馬ファンとしての心情である。
競馬ファンのみなさんもきっとうそう思うでしょ?

と、ちょっとばかり強引な持って行き方になってしまったが、そんなわけで、今回一番応援していたチームが、中国地方から選抜された山口・岩国商であった。

センバツに関しては、21世紀枠だのなんちゃら枠だのっていうのがあるから、比較的公立高校の出場もあるが、しかし夏の選手権ともなると、各都道府県で上位まで勝ち進んでも、あと一歩のところでどうしても私立の強豪にはかなわないのである。

ちなみに私の母校も毎年そうである。
わが母校・リバプール北高校は、毎年のように準決勝とか決勝でロンドン学園やエプソム学院とか日大グラスゴーとかストロベリーフィールズ桐蔭などの強豪私学にどうしても負けちゃうのである、まことに残念だが・・・

で、なぜ岩国商を今年応援したのかと言うと、ピッチャーは地方予選からずっとひとり、左腕の高橋投手がたったひとりでマウンドを守ってきたというのがひとつ。
そして、「プロ注目」とか「超高校級」とか「身長190cm」とか「50m3秒8の俊足」とか、そういう選手がひとりもおらず、「とても高校野球チームらしいチーム」だからである。

そしてさらに泣かせるのが、私たちが現役時代には「基本中の基本」だった、「黒い帽子にクリーム色の無地のユニフォームの胸には黒のローマ字でGANSHO、黒スパイクに黒のストッキング」という、まさに「高校野球の模範例」のようないでたちだからである、岩国商は。
しかも、帽子のマークは白で「I」というシンプルさ・・・素晴らしいではないか!

今年はそんな古いユニフォーム姿のチームは他になかった。
ちなみにこのタイプのユニフォームの学校というと、あのPL学園や高知商、徳島商、鹿児島商、岩国商と同じ山口の宇部商などの古豪、そして最近では駒大苫小牧など、強いチームが身につけると本当に強そうに見えるデザインでもある。
そして、歴史だけはやたらと古いアタシの母校・リバプール北(通称「リバ北」)もまたしかりである。

そんな「ぼくらの時代のツワモノ」というイメージを抱かせてくれた岩国商を、今年はどうしても応援したくなってしまったのだ。
初戦で優勝候補の履正社を破ったのは本当に価値がある。
履正社は、3連覇を目指す大阪桐蔭を破っている地元大阪の常連私学校、本当に強いチームである。
それを、「唯一のピッチャー」が完封したのだから、私はますます岩国商の大ファンになってしまったのだ。

岩国商は、ちょっとクジ運が悪く、他のチームよりも1つ余計に勝たなければ優勝できないブロックに入ってしまったが、2回戦では残念ながら東北絆枠の山形中央に逆転負けを喫してしまった。

しかし、私には好投手・高橋の、そして「岩商ナイン」のユニフォームの「GANSHO」の文字がとても頼もしく見えたものだ。
だからできることなら、もっと打撃を鍛えて、もう一度夏の甲子園に戻ってきてもらいたいと願う。
かつては桑田・清原の王者・PLと死闘を演じた宇部商も山口だった。
最近はちょっと元気がないが、もともとはとても野球が強い県である。

UBESHOとともに・・・がんばれ!GANSHO!——
俄然大ファンになった「岩商」に、今はそうエールを送りたい。
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それと、ちょっとお知らせです。
本来なら金曜日に予想コーナーを設けていますが、今週(明日)はちょっとばかり忙しくなりそうで、もしかしたら土曜日かギリギリの日曜日に予想の掲載がズレ込んでしまうかもしれませんので、ご了承ください。

っつっても、みなさんボクの予想なんて全然見てくんねぇんだよなぁ・・・
でも、いちおうお知らせだけはしておきますね。
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