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日曜福島〜第52回七夕賞(G?V)

「日本で一番荒れる重賞」とか、「1番人気26年連続負け」など、いろいろなキャッチフレーズで語られる七夕賞だけに、穴屋からすれば楽しみ以外の何物でもないが、この七夕賞の難しさは、想定される波乱をはるかに上回る波乱が起こるところにある。

もう毎年これでもかというくらい、ネタ切れになるまで考え抜いても、結果を見れば「そう来たか・・・」というオチになってしまうことも珍しくない。おそらく私以外の穴党ファンも、今年こそ、来年こそと手ぐすね引いて夏の福島開催を楽しみにしているはず。であるにもかかわらず、歴戦の馬券師のさらに上を行く結果になってしまうのである。

挙句の果てに、今年こそ!と、これまでにないくらいの大胆発想で臨んだ七夕賞は、亡くなった後藤浩輝騎手の1番人気ダイワレイダースの勝利で終わった・・・というのが私にとっての七夕賞なのである。もちろん今年だって今年こそ!と思っている。しかし、当たる予感というものがまったくない。

七夕賞もそうだが、夏のローカルハンデG?V(最近ではサマー2000シリーズ)というと、小倉記念をはじめとして「メイショウ」の馬が活躍する。今年は、いや、今年も夏のメイショウさんはナルトが引っ張る。もう完全に馬券の対象としては見放された感もあったメイショウナルト(父ハーツクライ)が、前走の鳴尾記念で復調の気配を見せて、今年は優勝した一昨年と同じ56kgでの出走が叶った。

メイショウナルトは今年8歳の大ベテラン、七夕賞は3年連続の出走。過去の七夕賞や小倉記念からもわかるように、そして「メイショウの馬」だけに、とにかく夏に強い。七夕賞だからこの大ベテランの復活に期待してみたい。長く続く不振の中にあって、昨年の七夕賞だけは4着と盛り返していた。そのときもソツなく乗った津村騎手。今年はそれ以来のタッグで昨年よりも1kg軽いプラスがある。

相手は、57kgで出られるのが何よりも大きいナカヤマナイト(父ステイゴールド)に期待する。柴田善臣騎手とはもうすっかりおなじみのパートナー。とにかくこのコンビにもいろいろあった。多少の乗り替わりはあったが、今の時代にこれだけ長くコンビが続くのも珍しい。

もちろん常識的にはメイショウナルトともども推奨できるものではないが、ただひとつ言えることは、こういう何が起こっても不思議ないようなレースこそ、「信頼感」がプラスを生むことがあるということ。ナカヤマナイトほどの難しい馬は大ベテランの柴田騎手だからこそ乗りこなせるのであり、柴田騎手だからこそナカヤマナイトも信頼を寄せた走りをするのだと思う。

単穴はマーティンボロ(父ディープインパクト)にした。単純な能力比較ではこの馬が最右翼だろう。年齢を重ねて競馬に幅がでてきているのもプラスだし、順調に使われていないせいか、ハンデも57kgにとどまったのはプラス。

押さえは、小回り巧者で牝馬のウインリバティ(父ダンスインザダーク)が52kgなら食い込みの余地はあるし、距離不足ではあるが、田辺騎手がソツなく内を回ってくると差してきてもおもしろいクリールカイザー(父キングヘイロー)、こちらも2年ぶり3回目の七夕賞出走で優勝経験もあるマイネルラクリマ(父チーフベアハート)は大の福島巧者だし、55kgならヤマニンポワラクテ(父キングカメハメハ)、好調戸崎騎手のアルバートドック(父ディープインパクト)あたりまでは押さえる。

何回も走ればそのたびに順位が入れ替わるようなメンバーだけに、あまり大博打を打つレースではない気もするから、メイショウナルトからさっと流して気軽にレース観戦したい気持ちである。ただ、万一ナカヤマナイトが復活したらけっこう涙腺がヤバイことになりそうなレースではある。


◎ メイショウナルト
〇 ナカヤマナイト
▲ マーティンボロ
△ ウインリバティ、クリールカイザー、マイネルラクリマ、ヤマニンポワラクテ、アルバートドック
重注 オリオンザジャパン
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