2017年10月20日
日曜京都〜第78回菊花賞(G?T)
金曜夜の時点では「稍重」の発表にとどまっているが、明日以降もおそらく雨、菊花賞当日まで雨は続きそうで、しかも雨脚は時間とともに強まりそうだから、いくら速い京都の馬場とはいっても、水が浮くようなタフなコースになる。今年は酷な淀外回りの芝3000mになる。
しかも、久々のG?T制覇を狙う「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン」の血統背景が強みのウインガナドルが逃げ宣言をしている。おそらく津村騎手も私たちファンも想定していなかった人気に祭り上げられそうだから、本気で逃げるなら「大逃げ」の可能性もある。そうなると、本気で勝ちにいく馬たちにとって相当キツいレースが待っていることになる。
近年菊花賞とはいっても、BMSがサクラバクシンオーであるキタサンブラックが勝つなど、はっきりいって今のスピード競馬に距離など関係なく、スピードさえあれば日本の3000m戦はどうにかなってしまう印象がある。先日の凱旋門賞を見てもわかるとおり、競馬の質自体がまったく異なる。事実キタサンブラックは、従来の「ステイヤー」のタイプではなく、完全なスピード馬だ。
しかし今年の菊花賞は違う。もう日本にほとんど残っていない「ステイヤータイプ(血統)の馬」が浮上するレースにどうやらなりそう。昨日まで本命を予定していたウインガナドルも、血統が示す通り、まさにそのタイプである。しかし、明らかに輸送減りを意識した手ぬるい追い切りと想定以上に売れてしまいそうなこともあり、評価を下げる。
いや、別に本命馬が人気でもよいのだが、大きな実績がない逃げ馬が大舞台で不当に人気を着せられてしまうことほど不都合な話はない。7番人気くらいなら本命に復活させたい気もするが・・・
春からずっと期待してみてきたダンビュライト(父ルーラーシップ)も、少しかかるところがあるだけに外枠は残念。いや、ウインガナドルが行ってレースが流れるなら、反応が鈍いこの馬はむしろ外枠で流れに乗れたほうがよいのだが、かなりの道悪が想定されるだけに、前半折り合わなかったときにあえて内に入れる選択を果たして武豊騎手がチョイスするかどうか、非常に難しい・・・要するに、どう条件が転んでも買いづらい馬であり、だからこその「1勝馬」なのだろう。
中心は、藤岡兄が乗るクリンチャー(父ディープスカイ)にした。藤岡兄は、まあいろいろ言われるジョッキーだが、大方の評価のとおり、決して「うまい騎手」ではない。皐月賞のようにまったくの人気薄では、気楽な立場だからこそペースを無視した思い切った騎乗で「あわや」のシーンを演出することができた。
しかしせっかく(結果的にせよ)好騎乗となった皐月賞で権利を得たのに、ダービーではいつもの弱気(ともとれる)の騎乗が出てしまい、大チャンスを逸した。勝負所で好位のインをキープしなければ勝負にならないダービーで、まるで皐月賞の藤岡騎手のような出し抜けを見せたのが、レイデオロのルメールだった・・・
あのダービーを見ても何も感じていないようなら、今後藤岡騎手がビッグタイトルを手にすることはない。大幅に馬体を増やした前走を大敗して、今回は再び人気薄のはず。藤岡騎手も立場的には気楽に乗れるに違いない。あえていうが、ダービーの「失敗」を取り戻すにはここしかない。
今年は血統が左右しそうな菊花賞。父ディープスカイは「ダービー馬」というよりは、「NHKマイルを勝って伝説となったあの天皇賞秋を3着したマイラー」のイメージもあるが、お母さんの系統は非常に重厚な配合で、イメージ以上にステイヤー血統である。実はこのクリンチャー、「リボー6×5」の血を持つ。気がつくところでは、今年の菊花賞でリボーのクロスを持つのはこのクリンチャーだけ。
お父さんのディープスカイも、ベースはスピードあふれるマイラーだったが、どこか重苦しいところがあり、それが道悪のダービー制覇につながったその印象こそ、リボー系特有のものだったような気もする。
単穴には、ステイゴールド、ロベルト、そしてリボーと、これでもかというくらい重厚な血が重ねられたマイネルヴンシュの一発に期待したい。押さえは当然ダンビュライト、キセキ、意外と重厚な血の皐月賞馬アルアイン、血統だけでいえばクリンチャー、マイネルに並ぶくらい重厚な休み明けのプレスジャーニー、個人的に大好きだったツィンクルブライド(あのオグリローマンの桜花賞の2着馬)の孫にあたるミッキースワローまで押さえる。
久々に昔のような「過酷な菊花賞」でも、たまにはよいのではないだろうか。
◎ クリンチャー
○ ウインガナドル
▲ マイネルヴンシュ
△ ダンビュライト、キセキ、ミッキースワロー、プレスジャーニー、アルアイン
しかも、久々のG?T制覇を狙う「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン」の血統背景が強みのウインガナドルが逃げ宣言をしている。おそらく津村騎手も私たちファンも想定していなかった人気に祭り上げられそうだから、本気で逃げるなら「大逃げ」の可能性もある。そうなると、本気で勝ちにいく馬たちにとって相当キツいレースが待っていることになる。
近年菊花賞とはいっても、BMSがサクラバクシンオーであるキタサンブラックが勝つなど、はっきりいって今のスピード競馬に距離など関係なく、スピードさえあれば日本の3000m戦はどうにかなってしまう印象がある。先日の凱旋門賞を見てもわかるとおり、競馬の質自体がまったく異なる。事実キタサンブラックは、従来の「ステイヤー」のタイプではなく、完全なスピード馬だ。
しかし今年の菊花賞は違う。もう日本にほとんど残っていない「ステイヤータイプ(血統)の馬」が浮上するレースにどうやらなりそう。昨日まで本命を予定していたウインガナドルも、血統が示す通り、まさにそのタイプである。しかし、明らかに輸送減りを意識した手ぬるい追い切りと想定以上に売れてしまいそうなこともあり、評価を下げる。
いや、別に本命馬が人気でもよいのだが、大きな実績がない逃げ馬が大舞台で不当に人気を着せられてしまうことほど不都合な話はない。7番人気くらいなら本命に復活させたい気もするが・・・
春からずっと期待してみてきたダンビュライト(父ルーラーシップ)も、少しかかるところがあるだけに外枠は残念。いや、ウインガナドルが行ってレースが流れるなら、反応が鈍いこの馬はむしろ外枠で流れに乗れたほうがよいのだが、かなりの道悪が想定されるだけに、前半折り合わなかったときにあえて内に入れる選択を果たして武豊騎手がチョイスするかどうか、非常に難しい・・・要するに、どう条件が転んでも買いづらい馬であり、だからこその「1勝馬」なのだろう。
中心は、藤岡兄が乗るクリンチャー(父ディープスカイ)にした。藤岡兄は、まあいろいろ言われるジョッキーだが、大方の評価のとおり、決して「うまい騎手」ではない。皐月賞のようにまったくの人気薄では、気楽な立場だからこそペースを無視した思い切った騎乗で「あわや」のシーンを演出することができた。
しかしせっかく(結果的にせよ)好騎乗となった皐月賞で権利を得たのに、ダービーではいつもの弱気(ともとれる)の騎乗が出てしまい、大チャンスを逸した。勝負所で好位のインをキープしなければ勝負にならないダービーで、まるで皐月賞の藤岡騎手のような出し抜けを見せたのが、レイデオロのルメールだった・・・
あのダービーを見ても何も感じていないようなら、今後藤岡騎手がビッグタイトルを手にすることはない。大幅に馬体を増やした前走を大敗して、今回は再び人気薄のはず。藤岡騎手も立場的には気楽に乗れるに違いない。あえていうが、ダービーの「失敗」を取り戻すにはここしかない。
今年は血統が左右しそうな菊花賞。父ディープスカイは「ダービー馬」というよりは、「NHKマイルを勝って伝説となったあの天皇賞秋を3着したマイラー」のイメージもあるが、お母さんの系統は非常に重厚な配合で、イメージ以上にステイヤー血統である。実はこのクリンチャー、「リボー6×5」の血を持つ。気がつくところでは、今年の菊花賞でリボーのクロスを持つのはこのクリンチャーだけ。
お父さんのディープスカイも、ベースはスピードあふれるマイラーだったが、どこか重苦しいところがあり、それが道悪のダービー制覇につながったその印象こそ、リボー系特有のものだったような気もする。
単穴には、ステイゴールド、ロベルト、そしてリボーと、これでもかというくらい重厚な血が重ねられたマイネルヴンシュの一発に期待したい。押さえは当然ダンビュライト、キセキ、意外と重厚な血の皐月賞馬アルアイン、血統だけでいえばクリンチャー、マイネルに並ぶくらい重厚な休み明けのプレスジャーニー、個人的に大好きだったツィンクルブライド(あのオグリローマンの桜花賞の2着馬)の孫にあたるミッキースワローまで押さえる。
久々に昔のような「過酷な菊花賞」でも、たまにはよいのではないだろうか。
◎ クリンチャー
○ ウインガナドル
▲ マイネルヴンシュ
△ ダンビュライト、キセキ、ミッキースワロー、プレスジャーニー、アルアイン