2018年11月24日
日曜東京〜第38回ジャパンC(G?T)
土曜の府中芝コースの傾向を見ると、だいたい例年どおり内が有利。近年は天候によって外が伸びる馬場になる府中最終週であるが、今年はどうもちょっと前の「インが有利」な傾向か。とはいえ直線で外に出す分には問題なく伸びている。とにかくコーナーで外を回さないこと、これが必須条件だろう。
人気のアーモンドアイ(父ロードカナロア)はしかし大丈夫だろうか?ふつう府中の芝2400mは、最内枠は「絶好枠」とされることが多いが、アーモンドアイにとってはそうではないと思う。
この馬、これまでは大外を回して楽々先頭ゴールを切ってきたが、まさか今の府中で桜花賞のような競馬をするわけにはいかず、かといってオークスのように外、外を回しても能力の違いで勝ってしまうような相手関係ではない。揉まれた経験がない。この経験値の少なさが、アーモンドアイを嫌いたい人にとっての拠り所となる。
ルメールはどうシミュレートしているだろうか?内心穏やかではないんじゃないかな・・・という気がする。
天皇賞はスローに近い平均ペースで、しかし終始ワンペースの流れだったから底力が問われる好レースとなった。しかし秋華賞、菊花賞、そして先週のマイルCS、さらには将来の可能性が広がるはずのAR共和国杯と、「みんなどうしたの?」と首をかしげるくらいのスローペースに陥っていた。
秋華賞は別として、残りの3レースは、自分にもチャンスがあると思うからこそのスローペースだったような印象が残る。みんなにチャンスがあるからみんな行きたくないし、みんな仕掛けたくない・・・という思いが、結果的にどうにもレースの迫力を欠くスローペースを招いたのではないか。
とすると今年のJCはどうだろう?府中の2400はただでさえスローに陥りやすいコース。ましてやアーモンドアイは最内。追われてからの瞬発力は素晴らしいが、決して反応が良いタイプの馬ではない。どちらかといえばディープインパクトのタイプだ。
ディープインパクトはご存知のとおり、他とはそもそもの能力が違うから、外を回しさえすればそれでよかった。後方を追走したのは安全策のため。ソツのない騎乗が信条のルメールが、今季の馬場でディ—プインパクト=武豊のような大胆な戦術を果たしてとるだろうか——危険を承知で、好位のインを選択すると思う。今年の傾向の「スロー」がそのまま踏襲されたなら、アーモンドアイは危ないと思う。
今年のJCは現在14頭中12番人気のノーブルマーズ(父ジャングルポケット)から入る。父はJCホース。父と同じく叩き良化型の典型のようなノーブルマーズが、ハンデが見込まれたAR共和国杯はどうみても「叩き台」だったフシがある。
ルメールがうまくさばいて抜け出すことに成功するなら、アーモンドにはおそらくあっという間に交わされるだろう。しかし包まれ、仕掛けが遅れ、さらに反応がイマイチの「唯一の弱点」がアーモンドに見られたとき、じゃあいったい誰が先頭にいるの?と考えると、厳しい流れの宝塚記念、そしてその前の目黒記念で流れに乗ったノーブルマーズのセンス、そして急激に良くなってきた印象の成長力がアッといわせるシーンを生むのではないか。
ノーブルマーズの一発大逆転に期待する。高倉騎手にもここは「人生最大のチャンス」と思って、思い切って乗ってもらいたい。
相手はスワーヴリチャード(父ハーツクライ)にした。デムーロ兄は、強い馬を負かすためにどうしたらよいか、そういった勝負勘を備えた騎手。ただデムーロの場合、強い馬を負かすためのミッションに直接参加するタイプではない。直接参加するのは武騎手、福永騎手がそのタイプ。デムーロは強い馬からあえて距離をとって隙を衝いて(つまり絶妙のタイミングを見計らって)勝ちにこだわるタイプ。
安藤勝己元騎手や横山典弘騎手の手法に近いのがデムーロだと思う。アーモンドから遠い枠はこれ幸いと、おそらくミルコはほくそ笑んでいるのではないか。あえてアーモンドをマークするような作戦はとらないだろう。アーモンドを直近でマークしたら、自分も一緒に囲まれる危険があるのだから。
そしてもう1頭逆転の可能性があるとするなら、私はサトノクラウン(父マルジュ)ではないかと踏んでいる。この馬はもともと浮沈が激しいステイゴールド産駒のような、気まぐれなところがある。おそらく昨年天皇賞秋の泥馬場で、ミルコがあまりにも走らせすぎてしまった影響で、肉体面よりも精神面で病んでしまったのがそれ以降の絶不調の要因ではないか。
もともと鉄砲駆けするタイプのサトノクラウンだけに、そしてなんといっても堀厩舎の手腕を考えると、ここに賭けている可能性も十分ある。人気がないときほど快走するサトノクラウンの復活にも大いに期待したい。
天皇賞は大健闘だったキセキ、昨年の覇者シュヴァルグラン、アーモンドアイは勝つか圏外かとみるが、評価としては押さえにとどめたい。あとは思い切って行きそうなウインテンダネス、外国馬は芦毛2頭のうち、JCといえば騙馬のサンダリングブルーのほうにちょっと注目している。
◎ ノーブルマーズ
○ スワーヴリチャード
▲ サトノクラウン
△ キセキ、シュヴァルグラン、ウインテンダネス、サンダリングブルー、アーモンドアイ
こっちの「予想ブログ」もよろしくーー
人気のアーモンドアイ(父ロードカナロア)はしかし大丈夫だろうか?ふつう府中の芝2400mは、最内枠は「絶好枠」とされることが多いが、アーモンドアイにとってはそうではないと思う。
この馬、これまでは大外を回して楽々先頭ゴールを切ってきたが、まさか今の府中で桜花賞のような競馬をするわけにはいかず、かといってオークスのように外、外を回しても能力の違いで勝ってしまうような相手関係ではない。揉まれた経験がない。この経験値の少なさが、アーモンドアイを嫌いたい人にとっての拠り所となる。
ルメールはどうシミュレートしているだろうか?内心穏やかではないんじゃないかな・・・という気がする。
天皇賞はスローに近い平均ペースで、しかし終始ワンペースの流れだったから底力が問われる好レースとなった。しかし秋華賞、菊花賞、そして先週のマイルCS、さらには将来の可能性が広がるはずのAR共和国杯と、「みんなどうしたの?」と首をかしげるくらいのスローペースに陥っていた。
秋華賞は別として、残りの3レースは、自分にもチャンスがあると思うからこそのスローペースだったような印象が残る。みんなにチャンスがあるからみんな行きたくないし、みんな仕掛けたくない・・・という思いが、結果的にどうにもレースの迫力を欠くスローペースを招いたのではないか。
とすると今年のJCはどうだろう?府中の2400はただでさえスローに陥りやすいコース。ましてやアーモンドアイは最内。追われてからの瞬発力は素晴らしいが、決して反応が良いタイプの馬ではない。どちらかといえばディープインパクトのタイプだ。
ディープインパクトはご存知のとおり、他とはそもそもの能力が違うから、外を回しさえすればそれでよかった。後方を追走したのは安全策のため。ソツのない騎乗が信条のルメールが、今季の馬場でディ—プインパクト=武豊のような大胆な戦術を果たしてとるだろうか——危険を承知で、好位のインを選択すると思う。今年の傾向の「スロー」がそのまま踏襲されたなら、アーモンドアイは危ないと思う。
今年のJCは現在14頭中12番人気のノーブルマーズ(父ジャングルポケット)から入る。父はJCホース。父と同じく叩き良化型の典型のようなノーブルマーズが、ハンデが見込まれたAR共和国杯はどうみても「叩き台」だったフシがある。
ルメールがうまくさばいて抜け出すことに成功するなら、アーモンドにはおそらくあっという間に交わされるだろう。しかし包まれ、仕掛けが遅れ、さらに反応がイマイチの「唯一の弱点」がアーモンドに見られたとき、じゃあいったい誰が先頭にいるの?と考えると、厳しい流れの宝塚記念、そしてその前の目黒記念で流れに乗ったノーブルマーズのセンス、そして急激に良くなってきた印象の成長力がアッといわせるシーンを生むのではないか。
ノーブルマーズの一発大逆転に期待する。高倉騎手にもここは「人生最大のチャンス」と思って、思い切って乗ってもらいたい。
相手はスワーヴリチャード(父ハーツクライ)にした。デムーロ兄は、強い馬を負かすためにどうしたらよいか、そういった勝負勘を備えた騎手。ただデムーロの場合、強い馬を負かすためのミッションに直接参加するタイプではない。直接参加するのは武騎手、福永騎手がそのタイプ。デムーロは強い馬からあえて距離をとって隙を衝いて(つまり絶妙のタイミングを見計らって)勝ちにこだわるタイプ。
安藤勝己元騎手や横山典弘騎手の手法に近いのがデムーロだと思う。アーモンドから遠い枠はこれ幸いと、おそらくミルコはほくそ笑んでいるのではないか。あえてアーモンドをマークするような作戦はとらないだろう。アーモンドを直近でマークしたら、自分も一緒に囲まれる危険があるのだから。
そしてもう1頭逆転の可能性があるとするなら、私はサトノクラウン(父マルジュ)ではないかと踏んでいる。この馬はもともと浮沈が激しいステイゴールド産駒のような、気まぐれなところがある。おそらく昨年天皇賞秋の泥馬場で、ミルコがあまりにも走らせすぎてしまった影響で、肉体面よりも精神面で病んでしまったのがそれ以降の絶不調の要因ではないか。
もともと鉄砲駆けするタイプのサトノクラウンだけに、そしてなんといっても堀厩舎の手腕を考えると、ここに賭けている可能性も十分ある。人気がないときほど快走するサトノクラウンの復活にも大いに期待したい。
天皇賞は大健闘だったキセキ、昨年の覇者シュヴァルグラン、アーモンドアイは勝つか圏外かとみるが、評価としては押さえにとどめたい。あとは思い切って行きそうなウインテンダネス、外国馬は芦毛2頭のうち、JCといえば騙馬のサンダリングブルーのほうにちょっと注目している。
◎ ノーブルマーズ
○ スワーヴリチャード
▲ サトノクラウン
△ キセキ、シュヴァルグラン、ウインテンダネス、サンダリングブルー、アーモンドアイ
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