2016年05月20日
日曜東京〜優駿牝馬(第77回オークス)(G?T)
注目のシンハライトは3番枠に入った。競馬センスが素晴らしいディープインパクト産駒、そしてペースを読み間違えることはほぼない池添騎手だけに、一見絶好枠を引き当てたように感じるかもしれないが、この馬は揉まれた経験がないというのがひとつ引っかかる。まあそれでもこのメンバーで凡走すると考えるには無理があるが・・・
そして前走オークストライアルのフローラSで誕生した新星・チェッキーノは、藤沢厩舎が送る秘蔵っ子という感じで、コディーノの全妹(父キングカメハメハ、母ハッピーパス、その父サンデーサイレンス)に当たるから、前走の勝ち方は無関係に注目が集まる。それであの勝ち方だから、まず負けないと考えているシンハライトのファンにとってはこの馬の出現がむしろ馬券的に吉となると喜んでいるかもしれない。
オークスで桜花賞組が圧倒的優位に立つ理由は、やはりこれまでに経験したことのない厳しいレースをタフな阪神コースで経験できたという強みにある。近年オークスがやや波乱になりにくいのは、世代によっては牝馬が牡馬を上回るレベルで強くなっているということもあるが、それ以上に、やはりこの時期の2400m戦だけにペースが上がらず、その功罪はともかく近代競馬で最もシンボリックな「上り勝負」になるからという理由が有力。もちろん今年もそういう流れになるだろう。
人気2頭はどちらも同じような位置になる。池添騎手はどれか強い馬を目標にしてこれに迫るという「鼻が利くタイプ」の騎乗に対し、戸崎騎手も似たようなところがあるが、しかし戸崎騎手の場合、全体の流れに柔軟に対応するために序盤は敢えて出していかない乗り方が目立つ。ペースを読むのは池添騎手が上、コース取りが絶妙なのが戸崎騎手ということで、これらの勝負づけはかなり難しいが、いろいろな理由から、シンハライトはまずチェッキーノには負けないという読みにした。ただし、どちらも本命にはしないので、その「いろいろ」の部分は割愛する。
中心はステイゴールド産駒のアドマイヤリードと復活を期す岩田騎手にした。予想のスタンスとしては、シンハライトをポテンシャルで負かすことができる馬がいるとすれば・・・というところである。
身体がないアドマイヤリードだけに、輸送でどれだけ身体が減ってくるかというところも大きなポイントになるが、もともとこの馬は400kgいくかいかないかで結果を出してきた馬だけに、馬体重はそこまで気にする必要はない・・・というよりは、気にしても仕方がないところがある。むしろ当日ヘンにイレていないかどうかのほうが重要だろう。
小柄なステイゴールド牝馬というと、今なお長いトンネルの出口が見えないレッドリヴェールが思いだされるが、レッドリヴェールがこんなに苦しんでいる原因ははっきりしている。デビュー2戦目で超タフな馬場を激走し、阪神JFでも超ハイレベルの競馬で、完成度ではるか上を行くハープスターを破ってしまい、桜花賞でも同様のレースを休み明けでしなければならなかったこと、さらにはオークスではなくダービーに進むという超過酷な競馬を強いたことがすべて。もちろんまだ現役だけにあまり言えないが、レッドリヴェールにはあまりにも気の毒であった。
しかしアドマイヤリードは同じ小柄なステイ産駒でも、阪神JF(9着)→チューリップ賞(16着)→桜花賞(5着)の王道ローテである。しかも異常とも言える超高速変態的馬場のチューリップ賞は最下位に敗れているから、消耗は最小限にとどめられた。もともとがオークス向きの血統だけに、桜花賞までは無理をしたくないという陣営の意図もおそらくあっただろう。
その血統は、母方はミスタープロスペクターが基本能力を伝え、ゼダーンの系統の中でも底力を伝える傾向にあるケンマールの流れだけに、アドマイヤリードがいよいよこのあたりから充実期に入る可能性はある。白菊賞のあのラストの脚が再現されるとき、シンハライトをきっちり差しきるシーンもあるのではないか・・・というところに期待したい。
シンハライトに勝つまでは難しいかもしれないが、最後の最後でタフな底力が要求される流れになるとき、サクラローレルの肌にマンハッタンカフェという配合のペプチドサプルの意外性は侮れない。前走の矢車賞は超スローに近いスローを折り合いピタリ、四位騎手との呼吸もバッチリで、着差以上の完勝だった。こちらは2度の関東圏への輸送を経験済だが、どちらかといえばアドマイヤリード以上に馬体をキープしてほしい。
一旦は完全に埋もれかけたメジロマックイーンのステイヤーの資質を伝えた血は、ステイゴールドとの化学反応によって見事に蘇えった。脚質こそ異なったが、個人的にはメジロマックイーンの走りと似たところがあるように感じていたサクラローレル、そしてレインボウクエスト、レッドゴッドのステイヤー血脈が現代に蘇えることはないだろうか・・・そんな期待もちょっとだけペプチドサブルの背中に描いてみたい。須貝旧車にとっても、レッドリヴェールの失敗を生かす最大のチャンスだろう。
押さえが少し難しく感じられるが、人気のチェッキーノはもちろん、前走は何とか権利を獲りたいという石橋騎手の気持ちが前に出すぎた印象もあったフロムマイハート(父ハーツクライ)、こういう距離でゆったり行けると怖いウインファビラス(父ステイゴールド)、メジャーエンブレムを破った経験があるデンコウアンジュ(父メイショウサムソン)、ディープ牝馬にしては重厚感があるビッシュとデムーロあたりまでは注意しておきたい。
◎ アドマイヤリード
〇 シンハライト
▲ ペプチドサブル
△ ウインファビラス、ビッシュ、チェッキーノ、フロムマイハート、デンコウアンジュ
そして前走オークストライアルのフローラSで誕生した新星・チェッキーノは、藤沢厩舎が送る秘蔵っ子という感じで、コディーノの全妹(父キングカメハメハ、母ハッピーパス、その父サンデーサイレンス)に当たるから、前走の勝ち方は無関係に注目が集まる。それであの勝ち方だから、まず負けないと考えているシンハライトのファンにとってはこの馬の出現がむしろ馬券的に吉となると喜んでいるかもしれない。
オークスで桜花賞組が圧倒的優位に立つ理由は、やはりこれまでに経験したことのない厳しいレースをタフな阪神コースで経験できたという強みにある。近年オークスがやや波乱になりにくいのは、世代によっては牝馬が牡馬を上回るレベルで強くなっているということもあるが、それ以上に、やはりこの時期の2400m戦だけにペースが上がらず、その功罪はともかく近代競馬で最もシンボリックな「上り勝負」になるからという理由が有力。もちろん今年もそういう流れになるだろう。
人気2頭はどちらも同じような位置になる。池添騎手はどれか強い馬を目標にしてこれに迫るという「鼻が利くタイプ」の騎乗に対し、戸崎騎手も似たようなところがあるが、しかし戸崎騎手の場合、全体の流れに柔軟に対応するために序盤は敢えて出していかない乗り方が目立つ。ペースを読むのは池添騎手が上、コース取りが絶妙なのが戸崎騎手ということで、これらの勝負づけはかなり難しいが、いろいろな理由から、シンハライトはまずチェッキーノには負けないという読みにした。ただし、どちらも本命にはしないので、その「いろいろ」の部分は割愛する。
中心はステイゴールド産駒のアドマイヤリードと復活を期す岩田騎手にした。予想のスタンスとしては、シンハライトをポテンシャルで負かすことができる馬がいるとすれば・・・というところである。
身体がないアドマイヤリードだけに、輸送でどれだけ身体が減ってくるかというところも大きなポイントになるが、もともとこの馬は400kgいくかいかないかで結果を出してきた馬だけに、馬体重はそこまで気にする必要はない・・・というよりは、気にしても仕方がないところがある。むしろ当日ヘンにイレていないかどうかのほうが重要だろう。
小柄なステイゴールド牝馬というと、今なお長いトンネルの出口が見えないレッドリヴェールが思いだされるが、レッドリヴェールがこんなに苦しんでいる原因ははっきりしている。デビュー2戦目で超タフな馬場を激走し、阪神JFでも超ハイレベルの競馬で、完成度ではるか上を行くハープスターを破ってしまい、桜花賞でも同様のレースを休み明けでしなければならなかったこと、さらにはオークスではなくダービーに進むという超過酷な競馬を強いたことがすべて。もちろんまだ現役だけにあまり言えないが、レッドリヴェールにはあまりにも気の毒であった。
しかしアドマイヤリードは同じ小柄なステイ産駒でも、阪神JF(9着)→チューリップ賞(16着)→桜花賞(5着)の王道ローテである。しかも異常とも言える超高速変態的馬場のチューリップ賞は最下位に敗れているから、消耗は最小限にとどめられた。もともとがオークス向きの血統だけに、桜花賞までは無理をしたくないという陣営の意図もおそらくあっただろう。
その血統は、母方はミスタープロスペクターが基本能力を伝え、ゼダーンの系統の中でも底力を伝える傾向にあるケンマールの流れだけに、アドマイヤリードがいよいよこのあたりから充実期に入る可能性はある。白菊賞のあのラストの脚が再現されるとき、シンハライトをきっちり差しきるシーンもあるのではないか・・・というところに期待したい。
シンハライトに勝つまでは難しいかもしれないが、最後の最後でタフな底力が要求される流れになるとき、サクラローレルの肌にマンハッタンカフェという配合のペプチドサプルの意外性は侮れない。前走の矢車賞は超スローに近いスローを折り合いピタリ、四位騎手との呼吸もバッチリで、着差以上の完勝だった。こちらは2度の関東圏への輸送を経験済だが、どちらかといえばアドマイヤリード以上に馬体をキープしてほしい。
一旦は完全に埋もれかけたメジロマックイーンのステイヤーの資質を伝えた血は、ステイゴールドとの化学反応によって見事に蘇えった。脚質こそ異なったが、個人的にはメジロマックイーンの走りと似たところがあるように感じていたサクラローレル、そしてレインボウクエスト、レッドゴッドのステイヤー血脈が現代に蘇えることはないだろうか・・・そんな期待もちょっとだけペプチドサブルの背中に描いてみたい。須貝旧車にとっても、レッドリヴェールの失敗を生かす最大のチャンスだろう。
押さえが少し難しく感じられるが、人気のチェッキーノはもちろん、前走は何とか権利を獲りたいという石橋騎手の気持ちが前に出すぎた印象もあったフロムマイハート(父ハーツクライ)、こういう距離でゆったり行けると怖いウインファビラス(父ステイゴールド)、メジャーエンブレムを破った経験があるデンコウアンジュ(父メイショウサムソン)、ディープ牝馬にしては重厚感があるビッシュとデムーロあたりまでは注意しておきたい。
◎ アドマイヤリード
〇 シンハライト
▲ ペプチドサブル
△ ウインファビラス、ビッシュ、チェッキーノ、フロムマイハート、デンコウアンジュ