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カネヒキリ亡くなる

今週はダービーの盛り上がり一色に染められるはずだったが、非常に残念なニュースが入ってきてしまった。

JCダート、フェブラリーSなどダートのG?T7勝を挙げたカネヒキリ(父フジキセキ、母の父デピュティミニスター)が亡くなった。14歳だった。種付け中の事故だったという。

お父さんのフジキセキが大好きだったということもあるが、このカネヒキリという馬もほんとうに大好きだった。先日のレッドディザイア(父マンハッタンカフェ)の死の際にも悲しい気持ちになったが、オークスという牝馬の祭典に、オークスで名勝負を演じた名牝の死にはあえて触れないでいた。しかし、レッドディザイアもカネヒキリもたいへんな功労馬である。やはり立て続けの訃報に触れずにはいられない。

カネヒキリは度重なる屈腱炎に泣かされながら、そのたびに必ず蘇えり、そして何度でも頂点に立った。カネヒキリは不屈だった。カネヒキリは不撓だった。そのたびごとに私たち競馬ファンは、馬券が的中したかしないかによらず、いつも大きな感動を受けた。競馬はほんとうに素晴らしいと、カネヒキリには何度も再確認させてもらった。

カネヒキリと同じ勝負服の名馬といえば、同じダートで活躍した怪物クロフネもそうだが、やはり芝の英雄ディープインパクトが思い浮かぶ。常に圧倒的な強さで順風満帆のまま現役を引退し、現在は種牡馬としてもディープ一色の時代に突入しているが、カネヒキリも間違いなく、ディープインパクトとそん色ないヒーローだったと私は思う。

まだデビューしていない産駒がこれから続々デビューを果たすことになるはずだし、これから新たなカネヒキリ産駒がこの世に姓を受けるはずである。ファンとしては、そんなカネヒキリの血を受け継ぐ競走馬たちに、夢の続きを託す以外にない。

波乱万丈の生涯に幕を閉じたカネヒキリ・・・まさかこんなに早く旅立つことになるとは思わなかった。あまりにも残念である。

お疲れ様でした。

日曜東京(10R)〜東京優駿(第83回日本ダービー)(G?T)

金曜夕方18時半現在の前々日売りでは、意外にもデムーロとリオンディーズが1番人気(2.7倍)に支持されている。これに続くのがサトノダイヤモンドとルメールで4.0倍、そして皐月賞馬ディーマジェスティは差がなく4.2倍、そのあとにマカヒキで5.4倍という現状でのオッズになっている。

競馬を知らない人でも馬券を買うといわれるダービーだが、前々日売りは意外と競馬に詳しい人が馬券を買っていたりするから、こういうオッズが意外とそのまま4連単(日本にはないけど)の決着だった・・・などということもあるのかもしれない。ということで、みなさんにはぜひこの4頭の馬券をグリグリに購入していただきたいものだ。

流れは果たしてどうなるのか・・・そこがまずは非常に気になるところだが、マイネルハニー(父マツリダゴッホ)が行くならかなりスローの流れになるはず。同じく上位拮抗のエイシンフラッシュのダービーも、ダービー史上に残るほどの超スローの流れだったことを思いだしたりもしているのだが、やはり有力馬が多い年ほど、互いにけん制しあうためにスローになりやすいところが実際ある。今年も流れはスローになると読むが・・・ほんとうにそうだろうか?

2歳王者リオンディーズ(父キングカメハメハ)は舌を縛って一番ケツからの競馬を選択する可能性もあるが、とすると、馬の後ろで壁をつくりやすい競馬にはなるだろう。エアスピネル(父キングカメハメハ)は、武豊騎手だからどんなことがあってもダービーで競馬を動かすようなことはしない。やっぱりどうしてもスローに落ち着く気がする。

ただし、松山騎手とアグネスフォルテ(父ハービンジャー)がどこで動くかによっては、ダービーらしく厳しい競馬になる可能性もある。同じくハービンジャー産駒のプロフェットあたりも外枠で荒削りなだけに、あまりスローになるようなら早めにまくって動いていくかもしれない。

ふつうならダービーで4Fから動くことは考えられないが、今年はこれらハービンジャー産駒2騎の機動力が、底力を要する展開を生みそうな気がする。近年はやりの瞬発力とキレの勝負ではなく、ひと昔前のダービーのように、長くいい脚をつかえるタイプに注目したい。

正直いろいろ考えた。実をいうと、ついさっきまではレインボーライン(父ステイゴールド)が本命だったのだが、やはり自分のインスピレーションを信じ、青葉賞で権利を獲ったレッドエルディスト(父ゼンノロブロイ)にした。

ゼンノロブロイ産駒の場合、どこか早熟のイメージがあるが、これは早熟ということではなく、単調なスピードタイプが多いということ。要するに、単調なスピードだけでは古馬になってからオープンや重賞では簡単には対応できないということだろう。

しかしレッドエルディストの芦毛は、カロとゼダーンという強烈なグレイソヴリンのインブリードから派生しているが、快速グレイソヴリンの系統でありながら、なぜか子孫は素晴らしい成長力を持ったタフな中距離タイプ、もしくはステイヤータイプが出やすいことでも知られる。エアグルーヴやジャングルポケットなどの父として知られるトニービンや、強靭なスタミナとスピードで天皇賞を2度制したタマモクロス、そして一時代を築いたビワハヤヒデはその代表格。

どういう事情かは知らないが、メジロマックイーンやゴールドシップに伝わるザ・テトラークに端を発する芦毛も、分岐してネイティヴダンサーに端を発する芦毛も、スピード化が著しい今の時代になぜかスタミナタイプがしぶとく残っているのである。まあ近代競馬における芦毛の歴史は浅いから、多くはザ・テトラークに行きつくことになるらしいが。

芦毛の話はともかく、ここ2戦のレッドエルディストの競馬を見ていると、芦毛特有のタフなスタミナがこの大舞台でも存分に生かせそうな、そんな予感がある。青葉賞勝ち馬はダービーに縁がない・・・それならば、青葉賞2着馬にダービーを勝ち取ってもらおうではないか。ウイナーズサークル(父シーホーク)以来ダービー史上2頭目の芦毛のダービー馬誕生に期待する。

であれば、当然相手は青葉賞勝ち馬のヴァンキッシュラン(父ディープインパクト)ということになる。レッドエルディストよりもこちらが先着する可能性はもちろん高いが、この馬は勝つときも負けるときも厳しい競馬をしていない印象。ただ、成長力の余力はまだありそうだから、当然先頭ゴールの可能性もある。

皐月賞組からは、蛯名騎手の悲願を背負って皐月賞馬ディーマジェスティの2冠達成の可能性は高い。これが単穴。あとは上で触れたレインボーラインの意外性、そして当然サトノダイヤモンド(父ディープインパクト)は重く押さえたい。

スマートオーディン(父ダノンシャンティ)は強いとは思うが、今までとはメンバーが違うから、同じ競馬で勝つまではどうか・・・という評価にしたい。マカヒキ(父ディープインパクト)も、川田騎手だからおそらく小難しいことは考えず、直線勝負に徹するだろう。うまく展開が嵌れば末脚は強靭なだけに、どこまで追いこんでくるか注目。

あとはリオンディーズを加え、今年のダービーはこのあたりまでで勝負するつもりで今はいる。
ダービーは東京10Rなので、お間違いなく!

◎ レッドエルディスト
○ ヴァンキッシュラン
▲ ディーマジェスティ
△ レインボーライン、サトノダイヤモンド、スマートオーディン、マカヒキ、リオンディーズ
重注 プロフェット

日曜東京(12R)〜第130回農林水産省賞典目黒記念(G?U)

ダービーの余韻冷めやらぬ中行われる伝統のハンデ戦目黒記念が今年もダービーデーを締めくくる。府中の芝のビッグレースといえば、直前に行われるダービーや秋のジャパンカップでおなじみ2400m戦だが、実はダービーやJC以上にハイレベルのレースが展開されることも珍しくないのが、芝2500m戦で行われるアルゼンチン共和国杯や、この目黒記念なのである。

京都の長丁場といえば天皇賞・春と菊花賞だが、どちらも外回りながら、1F距離が違うだけで求められるものがまったく異なるとされる。ただ、個人的には府中の芝2400mと2500mの100mの違いのほうがさらに求められる本質が異なってくるように感じる・・・レースのバランス(流れ)よりも、残った最後のひと搾りで力を発揮するような、厳しい競馬でこそ持ち味を発揮しそうなタイプを積極的に狙いたい。

注目は、エリザベス女王杯を勝ったマリアライト(56kg・父ディープインパクト)や、モーリス、ゴールドアクター、マリアライトなどのG?T馬を相手に条件戦で好勝負してきたサムソンズプライド(54kg・父メイショウサムソン)、そして今回ルメールにスイッチしてきたディープ牝馬の55kgタッチングスピーチ、そして徐々に力をつけここでデムーロが乗る56kgスーパームーン(父ブライアンズタイム)など、ハンデも考えれば上位は拮抗している印象がある。

久々を叩かれた57.5kgクリールカイザー(父キングヘイロー)と田辺騎手が先手を奪うか。あまりスローに落として逃げないサムソンズプライドは、同じ田辺騎手ならこちらが先手だったと思うが、戸崎騎手ならおそらく折り合いに専念。スロー寄りの平均ペースか。

ただ、長期休養明けの中山記念、そして大阪杯(ともに10着)を叩かれてそろそろ得意のマクリが見られそうな57.5kgマイネルラクリマ(父チーフベアハート)と柴田大知騎手がレースを早目に動かしそうな気配はある。とすると、上で触れたように最後の最後に力を発揮できるタイプの伏兵の台頭は十分期待できる。

前走は明らかに太かった54kgリヤンドファミユ(父ステイゴールド)に期待したい。もう6歳だから、今さらあまり血統のことばかりいうのもリヤンドファミユにはちょっと気の毒な気もするが、ご存知三冠馬オルフェーヴルの全弟である。意外にもここが重賞初挑戦ということで、大けがを乗り越えてよくぞここまでたどり着いたと、個人的にはそれだけでかなりうれしかったりもする。

残念ながらこれまでいろいろアクシデント続きでまったく発揮されなかったが、しかしリヤンドファミユの能力の高さは随所に感じられる。特に、前々走同じ府中でサムソンズプライドをまったく寄せ付けなかったあの内容は見事のひと言。というのも、あの走りはリヤンドファミユ本来の走りからは正直ほど遠かったからである。それでいて、後のG?T馬と好勝負を繰り返したサムソンズプライドを相手にしなかったのは、ポテンシャルの表れである。

実際サムソン自身も続くレースですぐに勝ちあがり、リヤンドファミユと同じ目黒記念の舞台にコマを進めている。元々池江調教師は、サムソンを破った時点で「目黒記念までひとつ挟む」と明言しており、その「ひとつ」が前走の大敗を喫したレースだった。明らかに余裕残しで、好走して目黒記念でハンデが重くなるのがイヤだった・・・という印象も正直持った。54kgは想定どおり・・・池添騎手が乗れないマイナスはあっても、リヤンドファミユの初重賞挑戦に期待する。

相手は迷ったが、ポテンシャルはこのメンバーでも文句なしのヒットザターゲット(父キングカメハメハ)にした。この馬は嵌るか嵌らないかで浮沈が激しいタイプだが、お互いを知り尽くしている小牧騎手とのコンビなら、トップハンデ58kgでもやれて不思議ない。内枠を引けなかったのは残念だが、ゴールドシップ以下を破った京都大賞典も休み明けだった。

ここに来ての上昇が見られそうなのが、もしかしたら2冠馬になっているかもしれないディーマジェスティと同配合の56kgモンドインテロ、この馬にも注目したい。この馬もディーマジェスティと同じく、ディープインパクト産駒にしては底力が要求されるような厳しい流れのほうが向くイメージ。

あとはひと雨ほしいがいちおうスーパームーンとタッチングスピーチの実績馬2騎には注意しておきたい。また、こちらもひと雨ほしいがマリアライトにもG?T馬の意地が当然あるし、あとは、JC4着は侮れない56kgジャングルクルーズ(父ジャングルポケット)、そして上昇著しい54kgクリプトグラム(父キングカメハメハ)あたりまで手広く押さえたい。

実は馬券的にもレース的にもダービーと同じくらい目黒記念が楽しみだったりするのだが、相手は強いが本来の走りが戻れば良血リヤンドファミユの一発も十分あると思う。

◎ リヤンドファミユ
〇 ヒットザターゲット
▲ モンドインテロ
△ スーパームーン、タッチングスピーチ、マリアライト、ジャングルクルーズ、クリプトグラム

第83回日本ダービー展望〜ダービー特集PART2

これだけ有力馬が多いダービーともなると、とてもではないけれど予想の記事だけではうまくまとめられる自信がないので、まずは大まかにダービーを展望してみたいと思う。

牝馬の場合桜花賞組からオークス馬を探っていくというのはもう近年では当たり前になってきている。実際今年のシンハライトからしてそうだった。しかしダービーの場合、皐月賞組が優位であることには違いないものの、牝馬の桜花賞→オークスほど確率は高くない印象がある。

ダービートライアルの青葉賞とプリンシパルSが必ずしもダービーへの最有力路線ではないため、皐月賞組が圧倒的優位であることに違いないものの、非トライアルの京都新聞杯からもダービー馬が何頭か出ているというところが非常にダービーをおもしろく、そして難しくしている印象がある。

特に今年のような激戦が期待される世代では、どの路線でも有力馬がひしめいている印象があり、さすがに今年は皐月賞組の層がバカ厚いなぁとは思うものの、油断なく別路線もしっかり検証していきたいと思う。

まずは最も難しい皐月賞組。勝ったディーマジェスティは強かった。人気のリオンディーズが操縦不可能になったため、後方待機が嵌ったといわれているが、あの勝ち方はちょっと流れが向いたからとかそういうレベルではなかったように思う。

ちなみに一番流れが向いたのは、おそらくエアスピネルだろう。リオンディーズ同様折り合いに問題があるタイプだけに、先にリオンディーズが行ってくれたのは武豊騎手にとって、そして全体のペースがグッと引き締まったのはエアスピネルにとって非常に流れが向いたという印象がある。もちろんゴール前でカットされたのは痛かったから、あわやのシーンもあったエアスピネルの能力の高さに疑いはないが。

また、ディーマジェスティに流れが向いたとするならば、マカヒキにもやはり流れが向いていたと考えなければおかしい。同じような位置にいて同じようなタイミングで仕掛け、順調さをやや欠いたディーマジェスティが順調につかわれたマカヒキを破ったのだから、むしろ流れが向いたのはマカヒキのほうだったのではないか・・・という疑いの目もある。マカヒキはこのハイレベルのダービーで1番人気になるのだろうか?

ということで、皐月賞組からは、ディーマジェスティは自信をもってダービーでも有力視できるし、はじめからダービー狙いであることが明らかなサトノダイヤモンドの評価を落とすわけにはいかないという読みにしようと思う。

そして今年は例年と違うのが、青葉賞組である。非常にハイレベルのレースで、勝ったヴァンキッシュランの強さは目を見張るものがあった。重厚なイメージでもスピード競馬に対応できるガリレオが母方に入っているのがいい。皐月賞組に十分太刀打ちできると見る。そして、2着のレッドエルディストも、ヴァンキッシュランほど競馬が上手ではない分だけ負けた印象もあり、ダービー2勝の四位騎手はおそらくダービーを勝つイメージがもうできているのではないだろうか?今年の青葉賞は、皐月賞と同等の扱いでダービーでも有力視する予定である。

そして注目の京都新聞杯では、やはりスマートオーディンの強さがあまりにも際立っていた。お父さんのダノンシャンティほどの爆発力はないが、長く持続する末脚はむしろダービー向きであるといえる。ただ、動くタイミングは非常に難しいと思う。戸崎騎手には合っていると思うけれど。

NHKマイル組ではやはりロードクエストということになるだろう。ただ、ロードクエストは池添騎手が乗れない不運が痛い。ただでさえ「運がいい馬が勝つ」とされるダービーだけに、いきなり不運で迎えるダービーというのはいかにも残念。ポテンシャルは素晴らしいものがあるが・・・

あとは舌を縛って出てくることになりそうな2歳王者リオンディーズがどこまで巻き返すか、そしてどんな競馬をデムーロが想定しているのかということも非常に楽しみ。そして、リオンディーズの動きが今年のダービーのゆくえを大きく左右することになる。

皐月賞では器用な競馬をしようと試みたデムーロが結果的には下手を打った形になったから、さらに距離が延びるダービーではおそらく後方待機策をとるはず。とすると、皐月賞のような速い流れにはまずならない。

マイネルハニーあたりが行くとすると、スローペースもありうる。サトノダイヤモンドあたりはあまりにもスローの競馬だと自分から動いていかざるを得ないが・・・

ということで、あとはじっくり明日か明後日いちおうの結論を出して、馬券を買うのは馬体を簡単にでもチェックしてからギリギリでもよいかな、というふうに考えている。

さあ、いよいよダービーですね。全馬無事にゲートインしてほしいし、無事にゴールインしてほしい。そして、楽しいレースになることを期待したい!

第83回日本ダービー展望〜ダービー特集PART2

これだけ有力馬が多いダービーともなると、とてもではないけれど予想の記事だけではうまくまとめられる自信がないので、まずは大まかにダービーを展望してみたいと思う。

牝馬の場合桜花賞組からオークス馬を探っていくというのはもう近年では当たり前になってきている。実際今年のシンハライトからしてそうだった。しかしダービーの場合、皐月賞組が優位であることには違いないものの、牝馬の桜花賞→オークスほど確率は高くない印象がある。

ダービートライアルの青葉賞とプリンシパルSが必ずしもダービーへの最有力路線ではないため、皐月賞組が圧倒的優位であることに違いないものの、非トライアルの京都新聞杯からもダービー馬が何頭か出ているというところが非常にダービーをおもしろく、そして難しくしている印象がある。

特に今年のような激戦が期待される世代では、どの路線でも有力馬がひしめいている印象があり、さすがに今年は皐月賞組の層がバカ厚いなぁとは思うものの、油断なく別路線もしっかり検証していきたいと思う。

まずは最も難しい皐月賞組。勝ったディーマジェスティは強かった。人気のリオンディーズが操縦不可能になったため、後方待機が嵌ったといわれているが、あの勝ち方はちょっと流れが向いたからとかそういうレベルではなかったように思う。

ちなみに一番流れが向いたのは、おそらくエアスピネルだろう。リオンディーズ同様折り合いに問題があるタイプだけに、先にリオンディーズが行ってくれたのは武豊騎手にとって、そして全体のペースがグッと引き締まったのはエアスピネルにとって非常に流れが向いたという印象がある。もちろんゴール前でカットされたのは痛かったから、あわやのシーンもあったエアスピネルの能力の高さに疑いはないが。

また、ディーマジェスティに流れが向いたとするならば、マカヒキにもやはり流れが向いていたと考えなければおかしい。同じような位置にいて同じようなタイミングで仕掛け、順調さをやや欠いたディーマジェスティが順調につかわれたマカヒキを破ったのだから、むしろ流れが向いたのはマカヒキのほうだったのではないか・・・という疑いの目もある。マカヒキはこのハイレベルのダービーで1番人気になるのだろうか?

ということで、皐月賞組からは、ディーマジェスティは自信をもってダービーでも有力視できるし、はじめからダービー狙いであることが明らかなサトノダイヤモンドの評価を落とすわけにはいかないという読みにしようと思う。

そして今年は例年と違うのが、青葉賞組である。非常にハイレベルのレースで、勝ったヴァンキッシュランの強さは目を見張るものがあった。重厚なイメージでもスピード競馬に対応できるガリレオが母方に入っているのがいい。皐月賞組に十分太刀打ちできると見る。そして、2着のレッドエルディストも、ヴァンキッシュランほど競馬が上手ではない分だけ負けた印象もあり、ダービー2勝の四位騎手はおそらくダービーを勝つイメージがもうできているのではないだろうか?今年の青葉賞は、皐月賞と同等の扱いでダービーでも有力視する予定である。

そして注目の京都新聞杯では、やはりスマートオーディンの強さがあまりにも際立っていた。お父さんのダノンシャンティほどの爆発力はないが、長く持続する末脚はむしろダービー向きであるといえる。ただ、動くタイミングは非常に難しいと思う。戸崎騎手には合っていると思うけれど。

NHKマイル組ではやはりロードクエストということになるだろう。ただ、ロードクエストは池添騎手が乗れない不運が痛い。ただでさえ「運がいい馬が勝つ」とされるダービーだけに、いきなり不運で迎えるダービーというのはいかにも残念。ポテンシャルは素晴らしいものがあるが・・・

あとは舌を縛って出てくることになりそうな2歳王者リオンディーズがどこまで巻き返すか、そしてどんな競馬をデムーロが想定しているのかということも非常に楽しみ。そして、リオンディーズの動きが今年のダービーのゆくえを大きく左右することになる。

皐月賞では器用な競馬をしようと試みたデムーロが結果的には下手を打った形になったから、さらに距離が延びるダービーではおそらく後方待機策をとるはず。とすると、皐月賞のような速い流れにはまずならない。

マイネルハニーあたりが行くとすると、スローペースもありうる。サトノダイヤモンドあたりはあまりにもスローの毛競馬だと自分から動いていかざるを得ないが・・・

ということで、あとはじっくり明日か明後日いちおうの結論を出して、馬券を買うのは馬体を簡単にでもチェックしてからギリギリでもよいかな、というふうに考えている。

さあ、いよいよダービーですね。全馬無事にゲートインしてほしいし、無事にゴールインしてほしい。そして、楽しいレースになることを期待したい!

今年もいよいよ・・・今週はダービー!〜ダービー特集PART1

今年で83回目を迎える日本ダービーが今週のメイン。第1回優勝のワカタカから数えて過去に82頭の日本ダービー馬が誕生してきたわけだが、まああまり昔のことは知らないものの、正直ここまでハイレベルのメンバーで、ここまで盛り上がりそうなダービーもちょっと思い浮かばない。

皐月賞の前にも書いたが、やはり「3強」で盛り上がったウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンの年や、入場者数の記録が未だ破られていないアイネスフウジン、ハクタイセイ、メジロライアンらの錚々たるメンバーで盛り上がった(私がはじめて体感した)ダービー、近いところでは、当時早い時期から「最強世代」と呼ばれ、エイシンフラッシュ(内田)が優勝したダービーと同じくらい上位の力は拮抗している。

ということで、毎年くだらないことを書いている「ダービー特集」を今年も書こうと考えているが、せっかくこれだけのメンバーがそろったダービーだから、私見などはすべて予想に回し、今回はダービー出走が想定されるメンバーを1頭ずつ、簡単にではあるが紹介してみたいと考えている。

・皐月賞組
ディーマジェスティ(二ノ宮厩舎[美]・父ディープインパクト、母の父ブライアンズタイム)
主な勝ち鞍・・・皐月賞、共同通信杯
距離延びて頭角を現すのではと思われただけに、皐月賞の勝利は見事。ダービーも当然有力。

マカヒキ(友道厩舎[栗]・父ディープインパクト、母の父フレンチデピュティ)
主な勝ち鞍、成績・・・弥生賞、皐月賞2着、若駒S
数多く出走しているディープ産駒の中で最もディープ産駒らしい。キレ極上。府中でさらに前進する。

サトノダイヤモンド(池江厩舎[栗]・父ディープインパクト、母の父オルペン)
主な勝ち鞍・・・きさらぎ賞
世代ナンバーワンのウワサ。元々ダービーが最大目標。今度は仕上がる。後々は「日本の悲願」も・・・

エアスピネル(笹田厩舎[栗]・父キングカメハメハ、母の父サンデーサイレンス)
主な勝ち鞍、成績・・・デイリー杯2歳S、朝日杯FS2着
堅実で成長力ある血統だけに府中コースで上積みある。名手武豊が6度目のダービー制覇を狙う。

リオンディーズ(角居厩舎[栗]・父キングカメハメハ、母の父スペシャルウィーク)
主な勝ち鞍、成績・・・朝日杯FS、弥生賞2着
兄エピファネイアはダービー2着、JC圧勝。2歳王者も成長力が武器。大舞台でデムーロは虎視眈々。

マウントロブソン(堀厩舎[美]・父ディープインパクト、母の父ミスターグリーリー)
主な勝ち鞍、成績・・・スプリングS、あすなろ賞
ドゥラメンテ、モーリスの現役2強を輩出している堀厩舎だけに期待大。渋れば尚可。


・青葉賞組
ヴァンキッシュラン(角居厩舎[栗]・父ディープインパクト、母の父ガリレオ)
主な勝ち鞍・・・青葉賞
スケールでは皐月賞組に見劣るが、この馬の成長力はディープ産駒としては特殊。戴冠ある。

レッドエルディスト(笹田厩舎[栗]・父ゼンノロブロイ、母の父ダルシャーン)
主な勝ち鞍、成績・・・大寒桜賞、青葉賞2着
ダルシャーンの成長力は軽視不可。ダービー2勝ジョッキーでアッと言わせることも。


・プリンシパルS組
アジュールローズ(古賀厩舎[美]・父ヴィクトワールピサ、母の父セヴレスローズ)
主な勝ち鞍・・・プリンシパルS
母父セヴレスローズはニジンスキー系。距離延長は歓迎のクチ。渋れば一発あるかも。


・NHKマイルC組
ロードクエスト(小島茂厩舎[美]・父マツリダゴッホ、母の父チーフベアハート)
主な勝ち鞍、成績・・・新潟2歳S、NHKマイルC2着、ホープフルS2着
池添騎手騎乗停止は不運だが、この血統は逆境でもしたたかなイメージ。府中ならチャンスある。

レインボーライン(浅見厩舎[栗]・父ステイゴールド、母の父フレンチデピュティ)
主な勝ち鞍、成績・・・アーリントンC、千両賞
前走ハイレベルG?Tでやれる力を証明。スピード負けだっただけに意外性は一番。数つかわれて良くなるステイゴールド産駒。最大の伏兵。

イモータル(須貝厩舎[栗]・父マンハッタンカフェ、母の父アカテナンゴ)
主な勝ち鞍、成績・・・新馬、共同通信杯2着、サウジアラビアRC2着
左回りに良績集中。日本で活躍馬出すドイツ血統が母方に入る。1勝馬による奇跡的勝利なるか。

ブレイブスマッシュ(小笠厩舎[美]・父トーセンファントム、母の父トウカイテイオー)
主な勝ち鞍、成績・・・サウジアラビアRC、ファルコンS2着
ダービー馬トウカイテイオーの血が騒ぐか?ダービー2勝ジョッキーが不気味に一発狙う。


・京都新聞杯組
スマートオーディン(松田厩舎[栗]・父ダノンシャンティ、母の父アルザオ)
主な勝ち鞍・・・京都新聞杯、毎日杯、東京スポーツ杯2歳S
マツクニ式スパルタを封印し出世レース3勝は脅威。父の無念を晴らすか。マイラー色濃いが最大の惑星。

アグネスフォルテ(長浜厩舎[栗]・父ハービンジャー、母の父フレンチデピュティ)
主な勝ち鞍、成績・・・未勝利、京都新聞杯2着
ハービンジャー産駒特有の荒々しさ魅力。レースをかく乱してどこまで上位に食い込むか。


・収得賞金上位組
ブロディガルサン(国枝厩舎[美]・父ディープインパクト、母の父ストームキャット)
主な勝ち鞍、成績・・・芙蓉S、東京スポーツ杯2歳S2着
全兄リアルスティールは世界を制した。ダービーだけを目標にした特異ローテだけに一発あるか。金子オーナー3本目の矢。

プロフェット(池江厩舎[栗]・父ハービンジャー、母の父タニノギムレット)
主な勝ち鞍・・・京成杯、札幌2歳S2着
京成杯から皐月賞、ダービーのローテはエイシンフラッシュと同じ。ダービーを意識したローテも池江厩舎らしく好感。

マイネルハニー(栗田厩舎[美]・父マツリダゴッホ、母の父ナリタブライアン)
主な勝ち鞍、成績・・・スプリングS2着、フリージア賞
展開のカギを握るか。三冠馬ナリタブライアンの血を引く数少ない現役馬。ファンの夢乗せ夢舞台を走る。


まだ出走馬が確定しているわけではないのであくまでも想定になるが、いやぁ・・・考えるだけでも非常に楽しみで、非常に難解なダービーになることは間違いない。楽しむことが優先のダービーだが、こういう歴史的なダービーだけに、例年以上に的中にこだわりたいところではある。

まだまだ時間はあるから、じっくり検討したいと思う。今回はいつになくまじめに書いたつもりなので、検討の一助になれば幸いである。

日曜東京〜優駿牝馬(第77回オークス)(G?T)

注目のシンハライトは3番枠に入った。競馬センスが素晴らしいディープインパクト産駒、そしてペースを読み間違えることはほぼない池添騎手だけに、一見絶好枠を引き当てたように感じるかもしれないが、この馬は揉まれた経験がないというのがひとつ引っかかる。まあそれでもこのメンバーで凡走すると考えるには無理があるが・・・

そして前走オークストライアルのフローラSで誕生した新星・チェッキーノは、藤沢厩舎が送る秘蔵っ子という感じで、コディーノの全妹(父キングカメハメハ、母ハッピーパス、その父サンデーサイレンス)に当たるから、前走の勝ち方は無関係に注目が集まる。それであの勝ち方だから、まず負けないと考えているシンハライトのファンにとってはこの馬の出現がむしろ馬券的に吉となると喜んでいるかもしれない。

オークスで桜花賞組が圧倒的優位に立つ理由は、やはりこれまでに経験したことのない厳しいレースをタフな阪神コースで経験できたという強みにある。近年オークスがやや波乱になりにくいのは、世代によっては牝馬が牡馬を上回るレベルで強くなっているということもあるが、それ以上に、やはりこの時期の2400m戦だけにペースが上がらず、その功罪はともかく近代競馬で最もシンボリックな「上り勝負」になるからという理由が有力。もちろん今年もそういう流れになるだろう。

人気2頭はどちらも同じような位置になる。池添騎手はどれか強い馬を目標にしてこれに迫るという「鼻が利くタイプ」の騎乗に対し、戸崎騎手も似たようなところがあるが、しかし戸崎騎手の場合、全体の流れに柔軟に対応するために序盤は敢えて出していかない乗り方が目立つ。ペースを読むのは池添騎手が上、コース取りが絶妙なのが戸崎騎手ということで、これらの勝負づけはかなり難しいが、いろいろな理由から、シンハライトはまずチェッキーノには負けないという読みにした。ただし、どちらも本命にはしないので、その「いろいろ」の部分は割愛する。

中心はステイゴールド産駒のアドマイヤリードと復活を期す岩田騎手にした。予想のスタンスとしては、シンハライトをポテンシャルで負かすことができる馬がいるとすれば・・・というところである。

身体がないアドマイヤリードだけに、輸送でどれだけ身体が減ってくるかというところも大きなポイントになるが、もともとこの馬は400kgいくかいかないかで結果を出してきた馬だけに、馬体重はそこまで気にする必要はない・・・というよりは、気にしても仕方がないところがある。むしろ当日ヘンにイレていないかどうかのほうが重要だろう。

小柄なステイゴールド牝馬というと、今なお長いトンネルの出口が見えないレッドリヴェールが思いだされるが、レッドリヴェールがこんなに苦しんでいる原因ははっきりしている。デビュー2戦目で超タフな馬場を激走し、阪神JFでも超ハイレベルの競馬で、完成度ではるか上を行くハープスターを破ってしまい、桜花賞でも同様のレースを休み明けでしなければならなかったこと、さらにはオークスではなくダービーに進むという超過酷な競馬を強いたことがすべて。もちろんまだ現役だけにあまり言えないが、レッドリヴェールにはあまりにも気の毒であった。

しかしアドマイヤリードは同じ小柄なステイ産駒でも、阪神JF(9着)→チューリップ賞(16着)→桜花賞(5着)の王道ローテである。しかも異常とも言える超高速変態的馬場のチューリップ賞は最下位に敗れているから、消耗は最小限にとどめられた。もともとがオークス向きの血統だけに、桜花賞までは無理をしたくないという陣営の意図もおそらくあっただろう。

その血統は、母方はミスタープロスペクターが基本能力を伝え、ゼダーンの系統の中でも底力を伝える傾向にあるケンマールの流れだけに、アドマイヤリードがいよいよこのあたりから充実期に入る可能性はある。白菊賞のあのラストの脚が再現されるとき、シンハライトをきっちり差しきるシーンもあるのではないか・・・というところに期待したい。

シンハライトに勝つまでは難しいかもしれないが、最後の最後でタフな底力が要求される流れになるとき、サクラローレルの肌にマンハッタンカフェという配合のペプチドサプルの意外性は侮れない。前走の矢車賞は超スローに近いスローを折り合いピタリ、四位騎手との呼吸もバッチリで、着差以上の完勝だった。こちらは2度の関東圏への輸送を経験済だが、どちらかといえばアドマイヤリード以上に馬体をキープしてほしい。

一旦は完全に埋もれかけたメジロマックイーンのステイヤーの資質を伝えた血は、ステイゴールドとの化学反応によって見事に蘇えった。脚質こそ異なったが、個人的にはメジロマックイーンの走りと似たところがあるように感じていたサクラローレル、そしてレインボウクエスト、レッドゴッドのステイヤー血脈が現代に蘇えることはないだろうか・・・そんな期待もちょっとだけペプチドサブルの背中に描いてみたい。須貝旧車にとっても、レッドリヴェールの失敗を生かす最大のチャンスだろう。

押さえが少し難しく感じられるが、人気のチェッキーノはもちろん、前走は何とか権利を獲りたいという石橋騎手の気持ちが前に出すぎた印象もあったフロムマイハート(父ハーツクライ)、こういう距離でゆったり行けると怖いウインファビラス(父ステイゴールド)、メジャーエンブレムを破った経験があるデンコウアンジュ(父メイショウサムソン)、ディープ牝馬にしては重厚感があるビッシュとデムーロあたりまでは注意しておきたい。

◎ アドマイヤリード
〇 シンハライト
▲ ペプチドサブル
△ ウインファビラス、ビッシュ、チェッキーノ、フロムマイハート、デンコウアンジュ

日曜東京〜第11回ヴィクトリアマイル(G?T)

府中のマイル戦というだけで波乱含みなのに、牝馬のレースという不安定要素も加わり、メンバー的にもペースを読むのが難しい組み合わせになった。だから、荒れるかどうかの前に、まず当たらなそうな組み合わせであると感じていることをあらかじめ告白しておこう。

人気の面では当然2冠牝馬ミッキークイーンとJCホース・ショウナンパンドラのディープインパクト牝馬が上位を占めることになりそう。これら2頭でいえば、おそらく信頼できるのはミッキークイーンのほうか。ショウナンパンドラもマイルでやれないことはないが、さすがにマイルG?Tをスピードで乗り切るタイプではない。

ミッキークイーンもG?T勝利は2000m以上の距離だが、しかし秋華賞のあの火の出るような猛時計をキッチリ差しきるあたりは、マイルのスピード競馬にも十分対応できるという根拠にはなる。ただ、あの猛時計を浅いキャリアの小柄な牝馬がマークしたダメージが果たしてどのくらい残っているのか、この点はレースをしてみないとわからない部分も正直ある。実際ショウナンパンドラからして、一時のスランプの原因は秋華賞の好時計勝ちにあった気もする。

それに、かなりショッキングな落馬負傷であっただけに、休み明けの浜中騎手も激しい府中のマイル戦でいきなり対応できない危険もある程度考えておく必要はある。必要以上に道中外を回すようだと、さすがのミッキークイーンの末脚をもってしても・・・という予感はある。

久々に武豊騎手に乗り替わってきたスマートレイアー(父ディープインパクト)が行くならペースは落ち着くが、武豊騎手は常々スマートレイアーの末脚にすべてを託す騎乗であったのが引っかかる。今の時期の府中は、行った者が圧倒的に有利である。楽をさせればしまいキレるスマートレイアーの逃げ切りは濃厚になる。

そういう状況下で行われるマイルG?Tで、個人オーナーのスマートレイアーが行くなら、どうも何かが絡んでくる気がしてならないのだが。そして、当然その候補となるのが昨年の桜花賞馬レッツゴードンキ(父キングカメハメハ)ということにはなるが、他にも何かがこれらをつつくような展開になっても不思議ないと思うのだが。そうやすやすと逃げ切ることはできないだろう。しかし武豊は逃げの手に出る可能性は高い。何しろすぐ隣は名前に横がつくオッサンである・・・

ここは意外とスローにはならないと見て、好位で競馬できるクイーンズリングとミルコ・デムーロのコンビに期待する。もうミルコにとっては府中のマイル戦など自分の庭のようなもので、府中のG?Tなんて勝ちまくっているのではないか・・・と思っていたら、意外にもまだ未勝利、正直ちょっとびっくりである。

ただ、ミルコ・デムーロというジョッキーは、買うべきタイミングがあって、そのタイミングとは、こんなに人気薄でいいの?と感じられたときである。クイーンズリングは、この世代では同じマンハッタンカフェ産駒のルージュバックの陰に隠れてきた印象もあるが、G?T2着が1回は同じで、重賞2勝、通算勝ち鞍4はどちらもルージュバックを上回っている。

前走は見事な復活勝利をデムーロで挙げているにもかかわらず、そしてルージュバックは前走2着に敗れているにもかかわらず、今回はクイーンズリングの人気のほうがおそらく下である。ルージュバックが当然上位争いをすると目されているのだから、クイーンズリングとデムーロは買いのタイミングであるという気がする。府中のマイル戦というタイプでは正直ないが、しかしそういうときこそデムーロの存在価値が生きるのだ。

とすると、相手も自然とルージュバックということになる。もう内心はルージュバックこそ勝たせてあげたいという気がしてならないのだが、内枠を引いてソツなく乗るルメールがわざわざ外を回す必要はないものの、府中のマイル戦で流れが落ち着いたとき、直線もインにこだわるのは危険。流れが難しいだけに、外に出すタイミングも、名手ルメールをもってしてもかなり難しい競馬を余儀無くされそうな予感はある。

単穴は素直に・・・素直に、ショウナンアデラ(父ディープインパクト)である。まずは、ほんとうによく戻ってきたと、陣営も含めて拍手を送りたい。もちろんここで勝ち負けするにはいくつもの奇跡が重ならなければならないことになるし、まあ時計勝負の府中では実質可能性はほぼゼロに近いだろう。

しかしそれでもショウナンアデラのポテンシャルの高さはまったく疑っていない。奇跡なんて、起こると信じてナンボである。無事に回ってきてほしいという気持ちが最優先だが、ショウナンアデラなら一発あっても驚かない。いや、驚くけど。でも、良いではないか、G?Tなのだから一番ポテンシャルが高いと見ている馬を応援するのだ。できればひと雨ほしいが・・・

押さえはトーセンビクトリー(父キングカメハメハ)の急成長に1票を投じたい気持ちは強い。まあ血統的にもマイラーということはおそらくないが、こういうタイプに内田騎手は合う。青葉賞のヴァンキッシュランの快走を呼んだのも、角居−内田のコンビだった。

あとは最内枠で強気に乗れそうなウインプリメーラ、当然ミッキークイーン、そしてマジックタイム、前走展開向かずもいくらも負けていないカフェブリリアント、復活してほしいレッドリヴェール他、手広く押さえたい。

牝馬のレースだけにみな無事に、そしてもちろん好レースを期待したい。


◎ クイーンズリング
〇 ルージュバック
▲ ショウナンアデラ
△ トーセンビクトリー、ウインプリメーラ、ミッキークイーン、マジックタイム、カフェブリリアント

日曜東京〜第21回NHKマイルC(G?T)、他

外国産馬へのクラシック門戸開放がなされて以降は、外国産馬も皐月賞からダービーを目指す時代になり、NHKマイルCのレースレベルは徐々に下降している印象がある。外国産馬がクラシックを目指すことが今では当たり前となって久しく、実際ダービーでは外国産馬のエイシンフラッシュが勝った歴史もある。

しかし何よりも、日本の種牡馬や競走馬のレベルがどんどん上昇し、世界最高峰のレースと呼ばれる凱旋門賞ですら毎年のように日本馬が参戦し、しかも1番人気にまで推される時代である。日本の競馬がより高いレベルに達するためには、馬ではなく人を輸入すればよい時代である。そういう時代に、NHKマイルCの価値を再確認しようというほうが、方向性としては無理があるだろう。

それだけに、NHKマイルCは波乱必至か、もしくはそれに近い馬券検討のスタンスがはじめから許されているレースであるとも言える。いくら探しても、エルコンドルパサーもグラスワンダーもファビラスラフインもシンボリインディも不在なのだ。はじめから一発大ホームランを狙うべきレースであるように感じる。

ダイワメジャー産駒の注目メジャーエンブレムは4番枠の絶好枠である。スタートで遅れる不安はまずなさそうなシュウジ(父キンシャサノキセキ)が最内枠を引いたが、メジャーエンブレムのハナを叩いて逃げるようなことがあれば、ラストで止まってしまうことはこれまでのレースから明らか。そこをあえて思い切った逃げによってマイペースに持ち込む作戦もなくはないが、今の岩田騎手にそこまでの勝負勘が戻っているとは思えない。メジャーが行くならむしろ折り合いに専念できる枠ということになるだろう。

共同通信杯では勝ち馬の決め手に屈したが、その勝ち馬が群雄割拠の皐月賞を制したから自信を持てるのが、マンハッタンカフェ産駒のイモータルと戸崎騎手だろう。メジャーエンブレムを見る形で好位の一角を形成するはずだから、かつてのNHKマイルのような信じられないハイペースに人気馬が飲み込まれることはまずないものの、スローになることはなく、ラストはどの馬も非常に厳しい競馬になるはず。

本命は思い切って、今回内田騎手に乗り替わってきたハクサンルドルフ(父アドマイヤムーン)にした。前走は阪神外回りマイルの500万条件でデムーロを背に快勝だった。いや、快勝というべきではないだろう。というのも、スタートで遅れて最後方待機、しかも追いだしてからはササるし口向きは悪いし、非常に気性の激しい面が見られた。

しかしこのNHKマイルCというレース、驚くような高時計で決着するときには、勝ち馬はみな舌を縛るほど激しい気性の持ち主であったりする。あの驚愕のレコードで優勝したダノンシャンティもそうだった。他にも2〜3頭くらい、舌を縛っていた馬がこのレースで連対していたと記憶している。

舌を縛るかどうかは知らないが、ハクサンルドルフがそういう激しい気性で速い時計の決着でこそのタイプである可能性は高い。実際前走はあれだけ大きな不利がありながら、ゴール前はデムーロが抑えるほどの楽勝だった。2着馬は次走で強敵ロワアブソリューを破っていた。ハクサンルドルフの稍重の勝ち時計は1分34秒0(上がり33.9)で、翌日良馬場の桜花賞は1分33秒4のハイレベル決着・・・この馬はかなり高いポテンシャルがあるはず。

おそらくまったく人気はないだろう。かつてピンクカメオを本命にしながら大魚を逃がした経験は忘れていない。しかも、ゴール寸前実況で名前を呼ばれ、そのときまで「ピンクおかめ」だと勘違いしていたから情けない。今回はまず名前の記憶に万全を期し、ハクサンルドルフに期待する。

また、厳しい流れを想定するなら、1800m以上に実績があるレインボーライン(父ステイゴールド)は要警戒。福永騎手はペースを読むのが非常にうまい騎手である反面、勝負勘に乏しいというか、善きにつけ悪しきにつけ「教科書通り」の騎乗が持ち味である。

しかし今回のレインボーラインは、ステイゴールドというよりはフレンチデピュティの影響があってか、かなりズブいところがあり、慎重な福永騎手でも早目にスパートせざるを得ないところがある。しかも大外枠だから、思い切った位置取りで競馬する可能性もある。いろいろな意味で、福永騎手には合った条件なのではないかとプラスにとらえたい。

同じく一発ありそうなのが、横山典弘騎手と引き続いてタッグを組むブレイブスマッシュ(父トーセンファントム)か。この馬はマイル以下でしか実績がないものの、2000mのレースはハイレベルの重賞だったことのほうが大きく影響していそう。母の父トウカイテイオーからの底力は受け継がれているはずだから、こういう大舞台でこそ、そして人気薄でこそ楽しみがある。

人気でもトウショウドラフタ(父アンライバルド)の成長力は本物とみる。ただし、時計勝負のタイプではないから、良馬場の府中ではそこまで強気になれない気もする。ロードクエストも同じく有力馬ではあるが、皐月賞では3戦連続して坂で止まってしまったのはいただけない。流れれば馬群を割れる強みはあるが、それでも押さえまで。

メジャーエンブレムはワンペースで誰もつついてこないときには楽勝もある。しかしシュウジに来られるときつくなるし、シュウジが行かなければ誰かが行くはず。府中のマイルG?Tはそんなに楽ではない。

あとはいちおう人気でもイモータル、そして府中実績が抜群のデムーロ・ティソーナあたりまでは押さえる。

◎ ハクサンルドルフ
〇 レインボーライン
▲ ブレイブスマッシュ
△ トウショウドラフタ、ロードクエスト、メジャーエンブレム、イモータル、ティソーナ


荒れるハンデG?Vの新潟大賞典も簡単に。

日曜新潟〜第38回新潟大賞典(G?V)
外回りの芝2000mだから、メンバーを見渡してもまず前半はスローだろう。しかしメンバーのレベル自体は低くなく、その割にハンデ差が大きくならないということで、あまり荒れないか?の疑問も正直あるが、しかしこのレースでカタイ馬券を買ったところで、穴党はどこにも行けないというレース。難しいなぁ・・・

◎ サトノギャラント(直線バラける新潟ならキレそう)
〇 ショウナンバッハ(落ち着いて乗れるベテランが長い直線を捌く)
▲ マイネルミラノ(丹内騎手が強気に乗ると・・・)
△ ロンギングダンサー(いつも着ほど負けていない、ハンデ魅力)
△ フルーキー(ハンデよりも藤岡兄は新潟不慣れ?のほうが心配)
△ ダコール(エライお馬さん、トップハンデでも得意な条件は走る)
△ ベルーフ(平坦巧者とは思えないが・・・)
△ サトノラーゼン(伸び悩みで・・・ダービー2着の意地見せるか)

ポイントフラッグ亡くなる

昨年の有馬記念を最後に引退し、現在種牡馬としてがんばっているG?T6勝馬ゴールドシップの母ポイントフラッグ(父メジロマックイーン、母の父プルラリズム)が亡くなった。18歳だった。

父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンの配合が「黄金配合」と呼ばれることを決定づけたのが、ゴールドシップの活躍だった。現在種牡馬として大ブレーク中のドリームジャーニー(G?T3勝)と三冠馬オルフェーヴル(現種牡馬)の兄弟の出現は確かに大センセーションだったが、ゴールドシップの出現によって、競馬ファンだけでなく、なんとホースマンにまでこの配合のすごさを痛感させた。

乗馬の世界から繁殖の世界に招へいされたメジロマックイーン産駒のミツワオーロラ(母の父アレミロード)が現在も繁殖牝馬として活躍しているのは、まさにその象徴である。こんなことは、現実世界のできごととは思えないくらい稀有なケースである。繰り返しになるが、その契機となったのが、ポイントフラッグ産駒のゴールドシップの活躍であったことは間違いない。


思えばオルフェーヴルの母オリエンタルアートも18歳のときの訃報だった。アートやポイントフラッグの父メジロマックイーンは誕生日の訃報だった。なんとなく生命の不思議を感じる。オルフェーヴルやゴールドシップの父ステイゴールドも、そしてアートもフラッグも、愛するわが子が立派に種牡馬となったのを見届けるかのように、静かにこの世を去った。

特にポイントフラッグは、息子のゴールドシップがようやく手にした天皇賞春の前日に亡くなったというのも奇遇である気がする。シップのことをよろしく・・・ポイントフラッグはファンにそう伝えたかったのだろうか。

オルフェーヴルもゴールドシップも、非常に野性味あふれる競走馬で、これから生まれてくる子供たちの多くにそうした魅力が伝えられることと思うが、ステイゴールドもオリエンタルアートも、そしてポイントフラッグまでもが、野生のルールに従って天に召されていってしまったような気がしなくもない。ほんとうにこの血はいろいろな意味で人智を超越していると思う。

もちろんまだまだ黄金配合と呼ばれる子供たちはたくさんいるし、ステイゴールドとミツワオーロラとの間に生まれたシアヌークビルも、多くの人々の夢を乗せて走っている。今後どうなるかまだ誰にもわからないが、ステイゴールドの、オリエンタルアートの、そしてポイントフラッグの相次ぐ死によって、黄金配合の歴史はひとまず幕を閉じようとしているのかな・・・と、そんなふうに思う。

すでにドリームジャーニーの子は大活躍しているし、オルフェーヴルの産駒も続々登場しているから、「黄金劇場」の第二幕開演はもう間もなくである。そして、ポイントフラッグの血を受け継ぐゴールドシップ産駒がデビューを果たすころには、黄金の血を受け継ぐ新たなヒーロー、ヒロインたちが、新たな伝説をつくりはじめていることだろう。

またそんな日がやってくるのを、ポイントフラッグもきっと楽しみにしているに違いない。

お疲れ様でした。
そして、ありがとう。
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