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2004.09.10
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好きなクラシック音楽から、今日取りあげるのはメンデルスゾーンの『真夏の夜の夢』です。

真夏と言っても表題の『真夏』は1年中で一番昼の長い夏至を指しています。つまり6月21日です。ヨーロッパでは6月24日の聖ヨハネ祭が近づく頃になると、幻想的な事件や怪奇な事件が起こるという伝説があるところから、この劇が作られました。イギリスの文豪シェイクスピアが1595年頃書いた喜劇『真夏の夜の夢』にメンデルスゾーンが作曲した作品です。

有名な喜劇なので、知っている人が大半だと思いますが、ここでさわりだけサラッと物語をおさらい。

…………………………………………………………………………………………………………

【おもな登場人物はアゼンス国のシーシウス公と男女2人ずつに妖精王オベロンにその女王タイターニア、そしてオベロンに仕えるいたずら好きな妖精パック。

アゼンス国の青年ライサンダーは、美しいハーミアと恋している。そのハーミアにはもう一人の青年ディミートリアスが慕っていた。またそのディミートリアスにはヘレナがのぼせ上がっていた。

しかし、ハーミアの父は彼女の結婚相手にはディミートリアスと決めていた。偽りの結婚をしたくないハーミアはライサンダーと駆け落ちを計画する。この計画を知ったハーミアの親友でもあるヘレナはディミートリアスにこの計画を話してしまう。これに怒ったディミートリアスは駆け落ちする二人を追ってアゼンスの森へ向かう。ヘレナもディミートリアスの後を追っていった。

一方妖精王オベロンは妖精の女王タイターニアが彼に対して冷たくなったので、妖精パックに対して「浮気草」の汁をタイターニアにつけるように命じた。つまりよりが戻るように。(「浮気草」はそれをつけられた人は、目に映るものは何にでも好きになるという媚薬である。)

森の中で妖精王のオベロンは、ディミートリアスがヘレナに対して冷たくしているのに同情、「浮気草」の汁をディミートリアスにもつけるように妖精パックに命じる。



ディミートリアスとヘレナは激しい口論をしてしまい、彼はヘレナを捨てて逃げていってしまう。ヘレナは暗い森の中を必至になってディミートリアスを追いかける。その途中で
ヘレナは寝ているライサンダーにつまづいて転ぶ。ライサンダーはびっくりして起きてしまった。すると、「浮気草」の効き目でライサンダーはヘレナが好きになってしまい、恋人のハーミアをその場に残したまま去っていってしまった。しばらくしてハーミアが目を覚ますと、愛するライサンダーがいないので、彼女は泣き泣き森の中をさ迷う。

…………………………………………………………………………………………………………

物語の導入部で一部でしたが、妖精パックのいたずらと間違いで、この後もドタバタの喜劇が繰りひろげられます。

メンデルスゾーンの劇音楽では、物語に沿って第1番から第12番まであります。第1番のスケルツォでは「アゼンスの森」の中の幕開きに使われる幻想的な曲。軽快で妖精の世界を表現しています。

第5番の間奏曲は森の中をさ迷う男女4人の不安な気持ちを描いています。

そして、第9番の「結婚行進曲」はあのファンファーレで始まる有名な「結婚行進曲」です。教会式の結婚式を挙げられた方なら、たぶんお世話になっていますね。私も後一回程度ならお世話になってもいいと思っています。「娘よ、嫁に行かないでおくれー」なんて思いながらね、泣きたいのをこらえながら娘と腕を組みながらヴァージン・ロードを歩くのです。(笑)
物語の中では2組の恋人達の結婚式の場面に先立って演奏されます。壮麗な行進曲ですが、この曲がメンデルスゾーンのものだったと知ったのは、『真夏の夜の夢』のCDを買ってからでしたが。

シェイクスピアの『真夏の夜の夢』は映画にもなっているようですが、私は見ていません。
物語が分かっているとメンデルスゾーンの音楽もより楽しめそうです。バレエや宝塚歌劇団にも好まれそうな劇音楽のような気がします。





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Last updated  2005.12.25 11:05:29
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