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2005.01.02
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ニュー・イヤー・コンサートで演奏される曲はウインナワルツです。何故この曲が新年の幕開けで演奏されるのか、それは新年に相応しい曲の明るさ華やかさ、そして男が女を抱えてぐるぐる回りながら踊ることが可能な愛の音楽であるから。この1年の平和の希望を込めて毎年演奏されます。

このワルツの音楽がウイーンに起こったのは19世紀の初めのこと。フランス革命から始まった長いヨーロッパの動乱の中で人々は、癒しの音楽を求めていた。まだ戦争中だというのに町にはダンスホールが数多く出来て、楽団は引っぱりだこだったそうです。

この波にのって生まれたワルツの作曲家がヨハン・シュトラウスです。実はヨハン・シュトラウスには同姓同名の二人の人物がいて、父と息子が同姓同名なのです。一般的にヨハン・シュトラウスと言えば息子の方を指します。正確にはヨハン・シュトラウス2世と言い父親はヨハン・シュトラウス1世です。息子の方が有名なのは「美しく青きドナウ」「ウイーンの森の物語」「春の声」などの名曲を作ったのがヨハン・シュトラウス2世だからです。【ワルツ王】と呼ばれているのはヨハン・シュトラウス2世の事をいいます。ヨハン・シュトラウス2世の弟もワルツの作曲家で、名前をヨゼフ・シュトラウスと言います。

何を隠そう、私が初めてクラシックを体験したのがこのワルツ王の「美しく青きドナウ」でした。それは小学生の時でしたが、当時ロードショー公開されたウイーン少年合唱団の映画「青きドナウ」の中で流れてきたこの曲に魅了されました。その後この曲はキューブリックの映画『2001年宇宙の旅』でも使われ、広く一般に親しまれるようになりました。映画の中でもこれから旅立つ宇宙の夢と、希望に満ちたシーンで使われていますね。

私が持っているアナログ盤の『‘79年ニュー・イヤー・コンサート』はニュー・イヤー・コンサートの中でも名盤、名演と言われているものです。場所も今も昔も同じウイーン学友教会大ホールです。

シュトラウス1世のワルツ「ローレライ、ラインの調べ」で幕が開き、90分前後の演奏がありますが、盛り上がるのはラストの30分前あたりから、ヨゼフのワルツ「天体の音楽」そして人気のシュトラウス2世のポルカ「狩り」アンコールに入って再び「狩り」「うわ気心」そして最後に8分50秒に渡る「美しく青きドナウ」に酔いしれ「ラデツキー行進曲」で幕が閉じます。「ラデツキー行進曲」では観客の手拍子で盛り上がりは最高潮になります。

ボスコフスキーは「美しく青きドナウ」を“ワルツの中のワルツ”として紹介しています。私はこの曲のイメージでドナウ川に強く憧れました。実際はどんな川なのでしょうか?
時に緩やかに、時に激しく、寄せてはかえす波のようにワルツが体を左右に揺すぶります。




今年のニュー・イヤー・コンサートはどうだったのでしょうかね。





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Last updated  2005.12.25 11:03:59
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