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2006.01.24
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エコー&ザ・バニーメン 】の1981年発表のセカンド・アルバム『HEAVEN UP HERE』。このアルバムは音響的にも素晴らしい出来で、 緊迫感と陰影に飛んだ音響空間、切れ味鋭いギターリフと引き締まったリズム・セクション と身震いするほどの緊張感に満ちています。

80年代のニューウェーブ時代でライバル関係(?)にあったアイルランドの【 U2 】やニューヨークの【 トーキング・ヘッズ 】と確かに共通点が多い。イアン・マッカロクの振幅の大きいヴォーカルスタイルはデヴィッド・バーンを意識したものだし、エッジの効いた鋭いギターは当時の流行だったのかもしれないがU2と共通している。

シングルヒットしそうなポップな曲も乗りやすい曲も見あたらないが、 エンジニアリングの勝利 とでも言えばいいのか、リヴァーブの効いた空間的な拡がりサイケデリック感覚は実に引き込まれます。引きの美学ですね。

けして糞暑い夏の陽光が照り返す時に聴きたくなるロックではない。荒涼とした、真冬の雪原(『PORCUPINE』のジャケット)やカモメ(かな)が飛び交う、日の出前の海岸(『HEAVEN UP HERE』のジャケット)コウモリが飛び交っていそうな洞窟の中での佇まい(『OCEAN RAIN』のジャケット)そんな自然との対比をしながら内省的で繊細な歌が歌われる。


♪何も変わらないと君は言ったね
 二人は着飾って
 どこかへ出掛けるところ
 雨が降りそうになっても
 出掛けるのをやめようとは思わない
 君との約束だから

 何も変わらないと君は言ったね
 あんなに近くにいたのに
 君は遠い存在
 雨が降ってきた
 けれど二人は永遠にこのままだと


 約束 約束 君と誓った約束

 今夜は風に乗って
 今夜は風に乗って

 水の上を明るく照らして
 航海に出るのは君


 約束 約束 君と誓った約束♪

雨を変化と不安のキーワードにしながら、水と風を希望のキーワードにするロマンティシズム。 詩の世界は絵画的 ですらあります。

エコー&ザ・バニーメンって、アメリカでは人気がなかったと思うけど、多分こういう世界はアメリカの風土には合わないんだろうな。湿っぽくて濡れた感触は英国特有の物だと思うし……

実は私も80年代当時はトーキング・ヘッズの方が好きで、エコー&ザ・バニーメンは聞き込んでいませんでした。なんだか面倒臭そうな音出しているなぁという感想で……

ここ数年ですね、聴きだしたのは。しかし、 完成度の高い音源、音の良さ、アレンジの素晴らしさに古さは全く感じませんね。

昨年リリースされた新譜をちょっとCD店で試聴してみたところ、陰影に飛んだ緊迫したサウンドは控えめになりポップ寄りで聴きやすくなったみたいでした。これも悪くはなかったです。

今年中に買いましょう。(笑)

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Last updated  2006.01.24 23:48:34
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