問題3
1. 場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)において、 スライム処理及び 安定液についての施工上の留意事項を、 それぞれ具体的に記述しなさい。
解答試案
?@1次処理に用いる底ざらいバケットの昇降は、孔壁が崩壊することがないように緩やかに行う。
?A孔内中の安定液は、孔壁崩壊を防止するため、地下水位より高い水位を保持する。
(解説)
1)スライム処理
?@スライムとは、孔内の崩落土、泥水中の土砂等が沈殿したものである。杭底部のスライムの介在は先端支持力を著しく低下させるので、スライムの除去は十分に行わなければならない。
?Aスライム処理には、1次スライム処理(掘削完了直後に行う)と2次スライム処理(コンクリート打設直前に行う)がある。
2)安定液
表層ケーシング以深の孔壁の保護は安定液により行う。安定液は掘削中の孔内に注入して地下水位より高い水位を保持することにより、孔壁そ保持する。
安定液の配合は、必要な造壁性があるうえで、コンクリートとの置換を考慮してできるだけ低粘性、低比重のものとするのがよい。
2. 鉄筋コンクリート造の型枠工事において、床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキプレート)の 施工上の留意事項を、 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、材料の選定に関する記述は除くものとする。
解答試案
?@リブを切断する場合は、デッキ受けを設け、荷重を梁や型枠に確実に伝えるようにする。
?A 10mm程度のむくりが付いているため、梁とのすき間からの漏れ等が生じないように施工する。
(解説)
床型枠用鋼製デッキプレートを施工床型枠として使用する場合、通常は支柱を用いる必要がなく、解体作業も不要なため、省力化と工程短縮に有効である。
デッキプレート型枠は解体することができるが(通常はそのまま存置しておく)、転用はできない。
3. 普通コンクリートを用いる工事において、ひび割れを防止するためのコンクリートの 調合上の留意事項を、 2つ具体的に記述しなさい。
解答試案
?@レディーミクストコンクリートの単位水量は、185kg/m 3
以下とし、できるだけ小さくする。
?Aコンクリート中の細骨材率は、品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。
(解説)
1)スランプ
スランプを大きくすると一般に単位水量が増大する。スランプが大きくなると、コンクリートが分離しやすくなるだけでなく、水和熱の増大に伴う温度ひび割れの増加、ブリーディングの増加による付着強度の低下、水密性・耐久性の低下、乾燥収縮が増大する。コンクリートのスランプはできるだけ小さくする。
2)単位水量
単位水量は185kg/m 3
以下とする。
単位水量の大きいコンクリートは、乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降が大きく、粗骨材や鉄筋の下面の間隙量の増大、水平鉄筋、埋設物まわりの沈み、ひび割れを誘発する。単位水量が185kg/m 3
3を超える場合は、地域の実情をかんがみ、骨材の粒度分布等を把握し、できるだけ小さく抑えるものとする。
3)単位セメント
単位セメント量の最小値は、270kg/m 3
とする。
単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からできるだけ少なくする。しかし、単位セメント量が過少であるとコンクリートのワーカビリティが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下などの不具合の発生、水密性・耐久性の低下などにつながる。よって、単位セメント量の最小値が定められている。
4. 鉄骨工事において、梁上に頭付きスタッドをアークスタッド溶接する場合の 施工上の留意事項を、 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、頭付きスタッドに不良品はないものとし、電源、溶接機及び技量資格に関する記述は除くものとする。
解答試案
?@スタッド溶接は、アークスタッド溶接の直接溶接とし、原則として、下向き姿勢とする。
?A溶接面に、著しい錆・塗料・亜鉛めっき等がある場合は、グラインダー等により除去する。
(解説)
1)電源は専用電源を用いることを原則とし、短期間であれば、発電機で対応することができる。
2)午前と午後の作業開始前に、適切な溶接条件を確認するために試験溶接を行う。
3)スタッド径が16mm以上の場合は、デッキプレートを貫通してスタッドを溶接することができる。
上記の留意事項を参考にして、スタッドを母材に接触させて電流を流し、次にスタッドを少し母材から離してアークを発生させ、溶融したところで溶融池に押し付けて溶着させる。梁フランジに取り付け、スラブコンクリートとのせん断力を高めるた場合に用いられる。
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