ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、運搬、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1.杭工事において、既製コンクリート杭の埋込み工法の 施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、養生に関する記述は除くものとする。
(記述例)
・掘削孔壁が崩壊することがないように、速やかに行う。孔壁の崩壊は高止まりの原因となる。
・孔壁や杭体を損傷することのないよう、鉛直に吊り下げた状態でゆっくり行う。
・建て込み後に杭が自沈するおそれのある場合は、固定ち具などにより杭を保持し、自沈しないように設置高さの位置で固定しておく。
・杭心ずれを低減するために、掘削ロッドの振れ止め装置を用いたり、杭心位置から直角二方向に逃げ心を取り、掘削中や杭の建込み時にも逃げ心からの距離を随時確認をする。
一般的な施工精度の管理値は、杭心ずれ量が D/4 以下(D は杭直径)、かつ、100mm以下、傾斜 1/100以内である。
2.型枠工事において、柱又は梁型枠の加工、組立ての施工上の 留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、基礎梁及び型枠支保工に関する記述は除くものとする。
(記述例)
・柱型枠建込み前に柱脚部の清掃水洗い等を行っておく。建込み後には、ごみ・おがくず等が入らない処置をとり、万ー入った時は水洗い、又はとがらせた鉄筋等で除去する。 除去が難しい場合は下部に掃除口を設ける。
・型枠に、足場や遣方等の仮設物を連結させると、足場等が動いた時に型枠位置がずれたり寸法が狂ったりするおそれがあるので、避ける。
3.コンクリート工事において、コンクリート打込み後の養生に関する 施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
なお、コンクリートに使用するセメントは普通ポルトランドセメントとし、計画供用期間の級は標準とする。
(記述例)
・コンクリート打込み後 5日間はコンクリート温度が 2℃を下らないように養生する。
・冬期等で著しく気温が低い場合は、打込み後のコンクリートが凍結しないように保温採暖をする。
・部材断面の中心部の温度が外気温より 25℃以上高くなるおそれのあるときの養生は「標仕」 6.13.4 によって行う。
「標仕」 6.13.4
(1) 内部温度が上昇している期間は、コンクリート表面部の温度が急激に低下しないよう養生を行う。
(2)内部温度が最高温度に達した後は、内部と表面部の温度差及び内部の温度降下が大きくならないように保温等の養生を行う。
(3)せき板等は、表面部と外気温の温度差が小さくなった後に取り外す。
4.鉄骨工事において、トルシア形高力ボルトの締付けに関する 施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、締付け器具に関する記述は除くものとする。
(記述例)
・トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、すべてのボルトについてピンテールが破断されていることを確認し、1次締付け後に付したマークのずれを調べる。
・ナット回転量に著しいばらつきが認められる群については、そのボルト一群のすべてのボルト のナット回転量を測定し、平均回転角度を算出し、ナット回転量が平均回転角度 ±45度の範囲のものを合格とする。
- no image
- no image
- no image
- no image